アソートは商品の仕分けや組み合わせ、在庫管理など、ECビジネスの要となる重要な作業。適切なアソート戦略を立てることで、在庫管理の最適化、物流コストの削減、そして顧客満足度の向上につながります。しかし、一方で取扱商品の増加や注文量の拡大などで従来の手法では対応が難しくなってきているというEC事業者の方もいるでしょう。

そこでこの記事では、アソートの意味や重要性から、EC事業者が直面する具体的な課題、そして効率的なアソートを実現するためのデジタルアソートシステムの導入メリットまで、幅広く解説します。

アソートの意味とは?

アソートの意味とは?

アソートとは、物流業界などで使用される用語で、商品を種類や色、サイズなどの特性によって分類し、組み合わせる作業のことを指します。

顧客の多様なニーズに応えるため、異なる商品を効率的に組み合わせる能力が求められるアソートは非常に重要な業務のひとつ。適切にアソートを行うことで、在庫の回転率を上げ、物流コストを削減することが可能です。

なお、アソート作業は主に入荷時と出荷時に行われ、それぞれ異なる目的と手法があります。

入荷時におけるアソート業務

入荷時のアソートは、仕入れた商品を効率的に管理し、在庫の把握を容易にするために行われます。たとえば、衣料品を扱うEC事業者の場合、入荷した商品をサイズや色ごとに分類し、適切な棚や区画に配置します。これにより、在庫の可視化が進み、欠品や過剰在庫のリスクを軽減できます。また、商品を探す時間を短縮し、出荷作業の効率化にもつながります。入荷時のアソートでは、商品の特性や需要予測に基づいて、適切な数量や組み合わせを決定することも重要です。

出荷時におけるアソート業務

出荷時のアソートは、顧客の注文に応じて商品を適切に組み合わせ、梱包する作業です。この段階では、注文内容を正確に把握し、指定された商品を間違いなくピッキングすることが求められます。たとえば、化粧品のセット商品を扱うEC事業者の場合、異なる種類の化粧品を組み合わせて一つの商品として出荷する必要があります。出荷時のアソートでは、商品の取り違えや数量ミスを防ぐための確認作業が不可欠です。また、効率的な動線設計や作業手順の最適化により、作業時間の短縮と精度の向上を図ることができます。

アランくん

入荷時と出荷時の「アソート業務」の作業の違いが理解できましたか?

EC事業者におけるアソートの課題とは?

EC事業者におけるアソートの課題とは?

EC事業者にとって、アソート業務は売上や顧客満足度に直結する重要な作業です。しかし、多くの事業者がアソートに関する課題を抱えています。主な課題として、作業の効率性、精度の向上、人的リソースの最適化が挙げられます。特に取扱商品数が多い事業者や、季節変動の大きい業種では、これらの課題がより問題となっているでしょう。

また、アソート作業は人手に依存する部分が大きいため、人的ミスのリスクが常に存在します。さらに、EC市場の拡大に伴い、注文量や商品の種類が増加する中で、従来の手作業によるアソート方法では対応が困難になってきています。これらの課題を解決するためには、デジタル技術の活用やプロセスの最適化が不可欠となっています。

実際に現場でや倉庫で起こっているミス

現場や倉庫では、様々なアソートに関するミスが発生しています。最も多いのは、商品の取り違え。似たような商品や、同じシリーズ内の異なるサイズや色を間違えて梱包してしまうケースが少なくありません。また、数量ミスも頻繁に起こります。特に複数の商品を組み合わせるセット商品の場合、一部の商品が不足していたり、逆に多く梱包されたりすることがあります。

さらに、在庫管理の不備によるミスも見られます。実際の在庫数と管理システム上の数値が一致しないことで、欠品状態にもかかわらず注文を受けてしまうケースや、逆に在庫があるにもかかわらず「品切れ」と表示してしまうケースがあります。こうしたミスは、顧客の信頼を損ない、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。

アランくん

アソートのミスは主に人的ミスで起こってしまうことが分かりましたね

デジタルアソートシステムの導入メリット

デジタルアソートシステムの導入メリット

デジタルアソートシステムの導入は、EC事業者にとって多くのメリットがあります。まず、作業の効率化。デジタルシステムを使用することで、手作業によるミスを減少させ、迅速かつ正確なアソート業務を実現します。また、在庫管理がリアルタイムで行えるため、在庫の過不足を防ぎ、物流コストの削減にも役立ちます。

さらに、デジタルアソートシステムは、顧客満足度の向上にもつながります。正確なピッキングと迅速な配送を実現することで、顧客に対して高品質なサービスを提供することができます。これにより、リピート購入を促進し、売上の向上を図ることが可能です。

デジタルアソートシステムとは

デジタルアソートシステムは、種まき方式の仕分け作業を効率化するデジタルピッキングシステムのこと。倉庫や物流センターにおける仕分け作業の効率化と正確性を向上させるために役立ちます。具体的には、ハンディターミナルや固定式、無線式、ゲート式などの表示器を使用し、上位システム(倉庫管理システムや在庫管理システム)からの情報を基に、どの間口(配送先など)に商品を何個仕分けるかを表示器で確認することができます

なお、「種まき方式」とは、商品の仕分け作業を効率的に行うための方法。この方式では、作業者が一度に複数の商品をピッキングし、それを各仕分け先に分配する作業を行います。たとえば、仕分け担当者が仕分け対象の商品と表示器の色を関連付け。表示器で表示された数量を、作業者が入れるだけで仕分けられるような仕組みになっています。

このように、デジタルアソートシステムは、種まき方式を採用することで、仕分け作業の効率化と正確性を実現し、EC事業者にとって非常に有用なツールとなります。

種まき方式については、以下の記事も参考にしてください。

デジタルアソートシステムが優れている点

デジタルアソートシステムの最大の特長は、作業の効率化と正確性の向上です。紙のリストを使用する従来の仕分け作業では、作業者の手がふさがりやすく、仕分けミスが発生しやすいという問題がありました。しかし、デジタルアソートシステムでは、表示機の色で作業ができるため、作業者がハンズフリーで仕分け作業を行うことができます。また、色で仕分け先を判断できるため、仕分けミスを大幅に減少させることができます。これにより、取引先からのクレームを減らし、顧客満足度を向上させることが可能です。

さらに、デジタルアソートシステムは上位システムとデータ連携を行うことで、仕分け後の結果を手動で入力する必要がなくなり、作業負荷を軽減します。これにより、作業のスピードと正確性が向上し、全体の業務効率が大幅に改善されます。

オーダー!で取り組む効率のいいアソートの方法

オーダー!で取り組む効率のいいアソートの方法

ピッキング作業のプロであるオーダー!が取り組んでいる効率のいいアソート作業の例をご紹介します。

アソート(詰め合わせ)でミスを防ぐ梱包のフローの例

オーダーでは現在、手作業で詰め合わせ作業を行う事例では必要な商品、数量を事前に準備し作業を開始しています。たとえば複雑な出荷件数が100件あった場合の業務フローは以下の通り。

【1】10件毎に集計し必要数のピッキングを行う。

【2】ピッキングが完了したら再度、ピッキング作業した従業員ではなく別の作業員が数量、商品の確認を行う。

【3】問題なければ、10件分の資材、箱を準備して指示毎に箱に商品を入れるが箱を閉じない。

【4】10件分の商品がすべてなくなった時点で箱の蓋を閉じて送り状を貼って完了。

最後まで箱を閉めない理由は、もしも最後に商品が余った場合、全部の箱を開けて確認しなければならないため。ひとつひとつ蓋を開けて数量を確かめる作業は意外に時間がかかり、箱も無駄になるためです。

現在、10~15商品/15000件では100件毎に必要数を準備して作業を行っておりますが、5年間で1件のクレームは入ってません。

複雑すぎて対応が難しい場合は外注も視野に

一方、梱包フローはその複雑さから対応が難しい場合もあります。特に、商品の種類が多岐にわたり、仕分け先が多数存在する場合、手作業での管理はミスが発生しやすく、作業効率も低下します。このような状況の場合、外部の専門業者に業務を委託することを検討するのも一つの方法です。

アソート業務ならオーダー!

アソート業務ならオーダー!

「オーダー!」の「物流サービス」は、商品の在庫管理、発送(入庫管理、出荷管理、在庫管理の物流に関する全ての業務)に対応しており、ピッキング作業の代行もお手のものです。

件数も、月1件の出庫から数万件の出庫まで豊富なケースに対応しています。

まとめ

アソートまとめ

EC事業において、アソートは非常に重要な業務です。入荷時と出荷時のアソートを効率的に行うことで、在庫管理の最適化や顧客満足度の向上につながります。しかし、従来の手作業によるアソート方法では、様々な課題や人的ミスのリスクが存在します。

これらの課題を解決するためには、自社に合ったデジタルアソートシステムの導入がおすすめ。初期投資は必要となりますが、長期的な視点で見れば、大きな効果が期待できます。一方、こうしたシステムの導入が難しい場合はぜひオーダー!にご相談ください。オーダー!では豊富な経験を元にした柔軟な対応が可能。物流業務とその周辺の業務にわずらわされることなく、コア業務に集中できます。