EC事業や卸事業を営む企業にとって、物流倉庫の管理は重要な課題です。業務効率化や柔軟な対応力が求められる中、倉庫委託を検討している企業も多いでしょう。

本記事では、物流倉庫の委託によって得られる具体的なメリットや、最適な委託先を選ぶためのポイントを詳しく解説します。読むことで無駄なコストや労力を避けつつ、最適な委託倉庫を選ぶことができます。委託倉庫で物流業務を効率化し、事業を広げていきましょう。

物流倉庫の委託とは

物流倉庫の委託とは

物流倉庫の委託とは、自社で行っている荷物の入庫、出庫、在庫管理、商品の梱包などの管理業務を専門の倉庫管理業者に任せることです。

近年、多くの事業者がコスト削減や業務効率化を目的に物流倉庫の委託を選択しています。実際、製造業・卸売業・小売業の経営者や役員を対象に行われた調査では、全体の82.5%が物流業務を外注していることが分かっており、倉庫管理を外部業者に委託している企業も多く含まれていると考えられます。

出典:鈴与株式会社「物流アウトソーシング検討中の方必見!調査結果をご紹介します」

物流倉庫を委託するメリット

物流倉庫を委託するメリット

続いて、物流倉庫を委託するメリットを具体的に見ていきましょう。

物流倉庫を委託するメリットト
  1. コスト削減
  2. 急な注文や季節変動への対応力
  3. 物流ネットワークの拡大
  4. 専門知識と技術の活用
  5. 安全性とセキュリティの向上

コスト削減

倉庫の委託によって、さまざまな面でコスト削減が可能です。

倉庫委託サービスは、必要なときに必要な分だけ利用できるため、倉庫管理の費用が固定費から変動費に転換されます。これにより以下のコストを削減できるでしょう。

・人件費…自社でスタッフを雇用する際に発生する採用コスト、社会保険や福利厚生、研修費用などが発生しない

・設備費…倉庫の建設や設備導入にかかる初期投資や維持費がかからない

・保管スペース…委託倉庫では、需要に応じて必要なスペースを確保できるため、無駄なスペースを持つことがない

このように、物流倉庫の委託は企業の経費の最適化になります。

急な注文や季節変動への対応力

次のメリットは、急な注文や季節変動にも柔軟に対応できる点です。

EC事業や卸事業には、季節的なセールなどで需要変動が起こりやすい特徴があります。委託倉庫を利用することで、業務量が変動しても必要な人員や設備を迅速に調整でき、スムーズな運営が可能になります。

繁忙期でもサービスが安定し、顧客満足度アップにつながるでしょう。

物流ネットワークの拡大

三つ目のメリットは、物流ネットワークを拡大できることです。

自社で広範な配送網を構築するには多くの資金と時間が必要ですが、物流業者の確立されたネットワークとインフラを活用することで、すぐに広範囲への商品配送が可能になります。

アランくん

これは特に、全国展開や国際展開を目指す企業にとって大きな利点ですね!

専門知識と技術の活用

専門知識と技術の活用も、物流倉庫を委託するメリットの一つです。

委託倉庫を運営する企業は、検品や梱包、発送などの豊富な専門知識と技術を持っており、物流プロセス全体が効率化されます。誤出荷や欠品のリスクを最低限に抑えつつ、スピーディな対応が可能になるでしょう。

安全性とセキュリティの向上

最後のメリットは、安全性とセキュリティの向上です。委託倉庫では盗難や不正行為のリスクを抑えられます。

24時間体制の監視と厳格なアクセス制御により、認可された人物のみがアクセス可能。不審な活動があれば即座に対応する体制も整っています。

また、定期的なセキュリティチェックや研修を行っており、スタッフのセキュリティ意識を高く保つことで安心して利用できる環境を提供しています。

物流倉庫を委託するデメリット

物流倉庫を委託するデメリット

次に、物流倉庫を委託するデメリットも確認しておきましょう。

物流倉庫を委託するデメリット
  1. ノウハウの蓄積不足
  2. 情報共有の問題
  3. ブランドイメージの管理

ノウハウの蓄積不足

まず、自社で直接業務を行わないため物流のノウハウを蓄積しにくくなります。

自社でもノウハウを蓄積したい場合は、次のような対策が必要です。

・社内担当者を配置して常に情報を収集、フィードバックを得る体制を構築する
・社内で物流に関するトレーニングを実施し、担当者のスキルアップを図る
・委託先との連携を強化し、業務プロセスやトラブルシューティングの方法についての知識を共有する など

アランくん

このような取り組みを行うことで、ノウハウの蓄積不足というデメリットを補完できます。

情報共有の問題

委託倉庫では、情報共有の面で問題が生じることもあります。

例えばトラブルが発生した際、自社倉庫であれば即座に状況を把握し、対応することが可能です。しかし、委託倉庫では情報が自社に伝わるまでに時間がかかる可能性があります。

この問題を防ぐには以下の対策が有効です。

・委託倉庫先のWMS(倉庫管理システム)と自社システムの連携により、在庫状況や出荷状況をリアルタイムで把握する
・業者と定期的に情報を共有する場を設け、コミュニケーションを強化する

ブランドイメージの管理

委託倉庫では、ブランドイメージの管理が難しい場合があります。委託倉庫はプロセスが標準化されており、自社倉庫で行っていたプロモーションや季節ごとの特別なパッケージングなどができない可能性があるためです。

このデメリットを避けるには、委託倉庫と契約を結ぶ前にブランドイメージに関する具体的な要件を明確にしておくことが重要です。

どのようなカスタマイズが必要かを詳細に伝え、それに対応できる業者か確認してください。

委託倉庫の選び方

委託倉庫の選び方

この章では委託倉庫の選び方をご紹介します。

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  1. 自社の問題と課題を特定する
  2. 倉庫の絞り込み

1.自社の問題と課題を特定する

委託倉庫を選定する前に、まず自社の現状を把握しましょう。現状を分析し、問題を洗い出すことで、課題の特定と優先順位付けを行えます。

現状分析では在庫管理の効率、配送スピード、コスト構造など、さまざまな側面からの評価が必要です。「在庫管理の精度が低い」「物流コストが高すぎる」といった自社の問題が浮かび上がってくるはずです。

次に、洗い出した問題点から具体的な課題を特定します。複数の課題が出た場合はリストアップし、それぞれの影響度や緊急度を考慮して優先順位を付けましょう。

アランくん

上記のステップを経ることで業者に何を求めるかが明確になり、最適な委託先を選定する基準が固まります。

2.倉庫の絞り込み

続いて倉庫の絞り込みを行います。具体的な絞り込みのポイントは次のとおりです。

立地

委託倉庫の立地は、配送スピードに影響を与える重要な要素です。

例えば、地方の倉庫は固定費を抑えられますが、交通の便が悪い場所は天候や交通状況によって配送遅延が発生するリスクがあります。一方、都市部に近い倉庫は費用は高くなりますが、主要な交通網へのアクセスが良いためラストマイル配送(※)の迅速化を図れます。

委託倉庫はコストのみを重視せず、立地と物流の効率性を考慮しましょう。

※ラストマイル配送…商品を物流拠点から顧客の手元に届ける最終区間の配送

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敷地面積

次に敷地面積も倉庫を絞り込む際のポイントです。現在の在庫や需要予測を踏まえて、適切な面積を利用しましょう。

必要以上に大きな面積を契約すると無駄なスペースが発生し、コストの無駄遣いになってしまいます。逆に面積が小さすぎると在庫の増減に対応できず、頻繁に契約変更が必要となり追加コストが発生してしまいます。

適切な敷地面積を把握し、契約できる面積や必要に応じて面積を拡張できるかどうかを確認してください。

料金

各業者の料金を比較することも大切です。会社によって見積書の項目や費用の書き方・分け方が異なるため、料金比較は非常に難しい場合があります。

以下の情報をサンプルとして各社に提出し、詳細な見積もり(シミュレーション)を用意してもらいましょう。

・具体的な委託商品とその数量
・想定配送先住所(エリア)
・月間の配送料

この方法で、実際の運用コストを正確に比較できます。

物流ノウハウ・実績

物流倉庫を選ぶ際、特に重要なのが倉庫業者の物流ノウハウと実績です。

商品の管理方法は業者の経験と専門知識に大きく依存します。倉庫業者に自社と同じ商品を取り扱った実績があるかを確認しましょう。

同じ商品を扱った経験のある業者は、その商品の特性や取り扱い上の注意点を理解しており管理がスムーズです。

アランくん

特に気温や湿度の調整が必要な商品や、特別な取り扱いが求められる商品に関しては、業者の実績を慎重に確認してください。

委託倉庫を選ぶ際の注意点

委託倉庫を選ぶ際の注意点

委託倉庫を選ぶ際の注意点も理解しておきましょう。

  • 対応範囲の確認
  • 倉庫見学とシステム連携

対応範囲の確認

事前に、業者がこちらの状況や課題をどの程度把握し、ヒアリングしてくれるかをチェックしてください。対応範囲について具体的に説明してくれる倉庫業者は、こちらのニーズに合った最適な提案を行う可能性が高いです。

以下の作業に対応できる場合があるので、確認してみましょう。
・化粧箱の組み立て
・オプション部品の追加
・シール貼りなどのカスタマイズ対応
・動作確認や通電確認を含めた検品など

契約前に対応範囲を明確にしておくことで、後のトラブルを避けられます。

倉庫見学とシステム連携

倉庫見学とシステム連携の確認も行いましょう。

現場を直接見ることで、実際の運営状況やミスを防ぐための施策を把握できます。ピッキングや梱包エリアのレイアウト、スタッフの動線、セキュリティ対策などをチェックすると、作業効率や安全性が確保されているかどうかが分かります。

また、倉庫業者のシステムと自社システムを連携できるかも事前に確認しておきましょう。

倉庫の委託はオーダー!へ

倉庫の委託はオーダー!へ

オーダー!は、クライアントの業務を支えるビジネスコンシェルジュです。横浜市金沢区のシーサイドエリアに位置する約4,000坪の倉庫を拠点とし、多様なクライアントに物流サービスを提供しています。

【オーダー!倉庫の特徴】

・優れた交通アクセス: 羽田空港から車で約25分、横浜港からは約15分の距離にあり、幸浦インターにも近接。当日出荷の締切り時間に余裕が生まれます。

・コストパフォーマンスの向上: 都内に比べて坪単価や作業単価が低いため、コストを抑えつつ業務の効率化が実現できます。また、トラブル対応や棚卸しの際にも、アクセスの良さが大きな利点となっています。

さらにオーダー!では、さまざまな物流代行サービスを提供しています。

【サービス内容】

入荷、入庫:倉庫に商品が到着した際、目視やハンディチェッカーを使って指定された商品と数量が正しいかを確認。仕分けを行い、必要なときにすぐ取り出せるように配置します。

検品:汚れや傷、機能不良、異物混入、サイズ不備などをチェックリストに基づいて検品。全数検査やサンプル検査、機器類の動作確認・通電確認にも対応しています。

在庫管理:専用システムでお客様も在庫数を確認可能。返品処理や棚卸しなどのサービスも提供しています。

帳票発行:注文書や納品書など。

ピッキング、流通加工:商品の種類や個数を確認し、破損がないかチェックします。流通加工として、検針やタグ付け、値札付け、プレゼント包装、箱詰めなどを実施。出荷前にはパッケージ封入やオプション部品の追加・組み立てなどの作業にも対応します。

梱包:商品や伝票のミスがないかの最終チェックを行い、丁寧に梱包します。

出荷:梱包された商品を配送業者に引き渡すまでの作業が含まれ、出荷登録や送り状・明細の発行も実施します。運送会社と有利な料金契約を結び、価格メリットを提供。また、個人事業主向けの匿名発送や、国際郵便(EMS)を利用した海外発送代行も対応しています。

ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

オーダー!の倉庫委託事例

オーダー!の倉庫委託事例をご紹介します。

クライアントは子ども服のアパレル会社様です。EC事業を展開しており、オーダー!導入前は在庫管理・ピッキング・検品・配送まで自社で賄っていました。

■導入前の問題点
自社の作業スペースが狭いため、作業しにくく、商品の置き場に困っていた。
セール時の注文が多く、出荷が間に合わずクレームになったことも。
・人手不足によって雇用を増やしたが、パート雇用のため稼働時間内で出荷業務にかかった正確な時間が把握できず、出荷に対しての費用が正確に出せない。
 ・パート雇用者の経験不足でミスも出ていた。

■導入後の効果
ミスが発生しがちな商品ごとの細かいオペレーションも、ミスなく行われるようになった。
・通常の梱包対応だけでなく、イレギュラーなお祝いごとやプレゼント包装も実施できるようになった。
商品郵送時にパンフレットやセールの案内を入れるなど、細かい対応も可能に。
・オーダー!は、1商品あたりの出荷単価が決まっているため、売上に対する原価が明確になり、さらに出荷業務にかかった費用を正確に把握できるようになった。

作業スペースの確保や同梱物のアレンジが可能となり、ご満足いただいています。

▼その他の事例はこちら

倉庫委託のまとめ

倉庫委託のまとめ

本記事では、物流倉庫の委託について解説しました。倉庫委託のメリットは以下のとおりです。

・固定費の変動化、人件費や設備費の削減、保管スペースの最適化により、コスト削減が可能になる
・急な注文増加や季節変動に柔軟に対応でき、顧客サービスの向上につながる
・専門業者の技術とノウハウを活用することで、効率的な物流管理が実現する

委託倉庫を選ぶときは、立地、物流ノウハウ、料金などを総合的に判断することが大切です。

オーダー!は交通アクセスのよい倉庫を持ち、豊富な経験と確かな技術で最適な物流ソリューションを提供します。ぜひ一度ご相談下さい。