認定中古品は、持続可能性とコスト削減を重視する現代の消費者にとって最適な選択肢の一つです。中古市場は拡大傾向にあり、多くの企業に新たなビジネスチャンスを提供しています。

本記事では、認定中古品の基礎知識や多様な事例、ビジネスを展開する際に大切なポイントを解説。認定中古品の取り扱いを検討中の製品・メーカーのリペア・物流部門を担当する方に役立つ内容となっています。ぜひご一読下さい。

認定中古品とは

認定中古品とは

認定中古品(認定リユース品)とは、メーカーや特定の販売店が一定の基準に基づいて検査や修理を行い、品質を保証した中古商品のことです。

新品と比較しても遜色ない品質でありながら、価格は比較的手頃であることが特徴。その商品カテゴリーは幅広く、スマートフォンやパソコン、カメラなどの電子機器から自動車、高級時計、ファッションアイテムにまで及びます。

なぜ今、認定中古品が注目されるのか

なぜ今、認定中古品が注目されるのか

なぜ今、認定中古品が注目されているのでしょうか。この章ではその理由を三つご紹介します。

  • 環境への配慮
  • 経済的利点
  • ブランドビジネスの変化

環境への配慮

環境保護への意識が高まる現代において、リサイクルやリユースは重要なテーマとなっています。多くの消費者がエコフレンドリーな選択肢を求めており、この需要に応える形で認定中古品サービスが人気を集めています。

認定中古品の販売によって、以下の環境への配慮が実現します。

・資源の有効活用
・廃棄物の削減
・環境負荷の低減

アランくん

認定中古品の販売は、生産量を減らしながらも事業収益を維持できる、持続可能性の高い取り組みです。

経済的利点

続いて、経済的な利点も認定中古品が注目される理由の一つです。認定中古品は品質が保証されているうえ、新品に比べて低コストで購入できます。消費者の経済的な負担が軽減されるため、特に高価な電子機器の分野においてそのニーズが高まっているのです。

ブランドビジネスの変化

三つ目の理由は、ブランドビジネスの変化です。

繰り返しになりますが、現在は多くの人々が持続可能性を考慮して商品を選択しています。この状況下において、認定中古品の導入は企業の社会的責任(CSR)活動として評価され、ブランドイメージの向上に寄与するようになっているのです。

さらに認定中古プログラムには、顧客との長期的な関係を構築するメリットもあります。高品質の中古品を提供することでブランドへの信頼を高め、リピート購入を促せるためです。

アランくん

認定中古品が注目される背景には、これらの理由があるんですね!

認定中古品の事例紹介

認定中古品の事例紹介

この章では、実際に認定中古品サービスを展開している企業・ブランドを分野別にご紹介します。

電子機器

電子機器

まずは、市場の大きい電子機器分野の事例です。

スマートフォン

中古スマートフォン市場の需要は年々拡大しており、IT分野の調査・分析を行うIDC社のレポートによると、世界の中古スマートフォンの出荷台数は2026年に4億1,330万台に達する見込みです。

その市場拡大を見据えて、国内では各通信キャリアが積極的に認定中古品事業を展開しています。

NTTドコモは「ドコモ・サーティファイド」として、オンラインおよび一部の店舗でスマートフォンの認定中古品を販売。全国の店舗を通じて年間約300万台の端末を回収し、合格率1%未満という品質基準をクリアした製品のみを提供しています。2022年3月の市場参入以降、販売台数は着実に増加しているとのことです。

その他の通信キャリアではauが2020年、ソフトバンクが2022年に認定中古品市場に参入し、ともに確かな需要を確保しています。

参考:IDC「IDC Forecasts Nearly 415 million Used Smartphones Will Be Shipped Worldwide in 2026 with a Market Value of $99.9 Billion」

タブレット、PC

タブレットやPCも消費者から高い関心を集めています。

Appleは認定中古品を最大15%オフで提供。購入後1年間はハードウェア製品限定保証が付き、90日間は無料テクニカルサポートを受けられるなど手厚くサポートしています。

日本のメーカーであるVAIOも、2023年度より認定中古品の取り扱いを拡大しています。同中古品は、再販の過程でバッテリーや天板などのパーツが新品に置き換えられており、外観は新品と遜色ない状態です。コストパフォーマンスを重視する一般ユーザーや、VAIOを求めるライトユーザー向けに通常のVAIOよりも低価格で販売しています。 

アパレル

次に、アパレルの認定中古品事例をご紹介します。

アパレル大手のオンワード樫山は、顧客のクローゼットに眠っているオンワード製品を引き取り、リサイクルやリユースを促進する「グリーン・オンワード キャンペーン」を実施しています。商品は使用状態に応じてランク分類されており、新品の4分の1ほどの値段で購入が可能です。

アウトドアブランドのスノーピークも、アウトドア用品と衣服のリユース事業を展開。使われなくなった製品を買い取り、適切なメンテナンスを施した後に公式リユースストアにて再販売しています。

高級時計

認定中古品の中でも特に注目されているのが高級時計です。

高級時計の代表ブランドであるロレックスは、厳格な品質基準をクリアした認定中古品を販売。製品には、認定の証として専用タグと2年間の国際保証カードが付けられます。

フランクミュラーも認定中古品サービスを展開しています。製品はスイス本国と同等の技術のフルメンテナンス済み、購入後1年間の無償保証付きです。同ブランドの中古時計は下取り、もしくは所有者の正規販売品を店舗で委託販売する形で採用されます。

アランくん

公式サービスの展開によって、偽造品の流通も抑制できそうですね。

ホーム用品

ホーム用品

続いて紹介するのは、ホーム用品の認定中古品事例です。

家具

北欧家具を販売するIKEAは、使用済みの家具を店頭で再販売しています。店舗内に設置されたサーキュラーマーケットでは、展示品、買取り品、販売終了品などを取り扱っており、ユーザーはこれらを割引価格で購入できます。

IKEAは2030年までに循環型ビジネスへ移行することを目標に、再利用・再販売・リサイクルが可能な商品を現在開発中です。

キッチン用品

フランスの調理器具メーカーSTAUBも、認定中古品専用サイトを開設しています。

使用済みの製品を下取りし、ブランドの基準に基づいた徹底的なクリーニングを実施。外面の汚れや焦げも入念に洗浄して、元の艶や色合いを復元します。サイトでは、再販される製品の参考価格が紹介されており、新品の半額程度で購入可能です。

STAUBの製品は耐久性があり、適切にメンテナンスされれば長く使用できるため、認定中古品ビジネスとの相性がよいといえます。

楽器

ヤマハは使用済みのピアノを再生し、高品質の中古ピアノとして販売するプログラム「リニューアルピアノ®」を実施しています。

ヤマハの修理工房で、熟練の技術者が約8,000の部品から成るピアノを一台一台丁寧に再生。使用するのはヤマハ純正部品のみで、厳格な品質基準に基づいて整備され、ピアノには整備表の記録が添付されます。

スポーツ用品

スポーツ用品分野でも、認定中古品の導入が進んでいます。

ゴルフ

アメリカのゴルフ用品ブランド、キャロウェイは認定中古ゴルフクラブを販売しています。販売品はキャロウェイの専門スタッフによって厳密に評価された、一定の品質基準を満たしたものです。

状態によってグレードが分かれており、予算に応じて選択可能。高品質で手頃な価格のゴルフクラブを求めるゴルファーのニーズに対応しています。

自転車

サイクリングブランドであるSpecializedは、2022年にCPO(認定中古車)プログラムを開始しました。中古車は有資格メカニックによって、20項目以上にわたるメンテナンスを施され、1年間の保証を付帯して販売されます。

同ブランドは、このプログラムで顧客の拡大とブランド価値の向上を目指しています。

認定中古品を展開するときのポイント

認定中古品を展開するときのポイント

この章では、認定中古品を展開するときのポイントについてお伝えします。

  • 品質管理
  • 顧客サポート
  • 価格設定
  • マーケティング戦略
  • 人員確保

品質管理

最初のポイントは品質管理です。製品が認定中古品としての基準を満たしていることを保証するため、厳格な検査と認証プロセスを設ける必要があります。

紹介した事例では、有資格者による項目別のメンテナンスや状態のランク分けを実施。メンテナンスのプロセスや品質に関する情報を公開し、消費者が安心して購入できるようにしています。

顧客サポート

認定中古品を展開する際は、顧客サポートの充実にも力を入れましょう。認定中古品にも新品同様の保証やアフターサービスを提供することで、消費者の不安を軽減できます。

(例)
・年単位の保証期間を設ける
・購入後の定期的なメンテナンスサービス
・カスタマーサービス など

購入前後のサポート体制を整え、消費者が安心して購入できる環境を作ってください。

価格設定

認定中古品の価格は新品とのバランスを考慮しつつ、品質と価値を反映したものにしましょう。価格が過度に高い、または逆に安すぎる場合は消費者の信頼を損なう可能性があります。

一般的に中古品は新品よりも安価ですが、認定中古品は品質が保証されているため、通常の中古品より高めの設定が可能です。新品の価格と比較して、どの程度安くするかは中古品の状態と年式によって異なります。

マーケティング戦略

認定中古品のマーケティングは顧客層を明確にし、ニーズに合わせた戦略を展開することがポイントです。環境保護やコスト削減のようなポジティブなメッセージと認定中古品の価値を伝え、ブランドイメージを高めましょう。

アランくん

STAUBはSDGsの日を利用し、「認定中古品を購入して手軽なエコに取り組もう」というメッセージをSNSに投稿しています。

人員確保

認定中古品の展開には、製品に関する専門知識を持った人材が欠かせません。製品の検査や修理、そして販売にはスキルと知識が求められます。適切な人員を確保し、十分なトレーニングを行う必要があります。

認定中古品の物流はオーダー!におまかせ下さい

認定中古品の物流はオーダー!におまかせ下さい

オーダー!は、ITと物流の知見を活かし、クライアント企業をワンストップでサポートするビジネスコンシェルジュです。認定中古品の展開を検討している方は、オーダー!におまかせ下さい。

おすすめな理由1:パートナー企業と連携することでメンテナンス業務も請け負える

公式中古を取り扱う企業のニーズに合わせ、メンテナンス人材の確保やトレーニングを実施。専門技術を持ったパートナー企業とも協力し、実現に向けてサポートします。

(対応例)
・衣服など繊維製品のクリーニング
・ハード製品のクリーニング
・電子機器類の初期設定や検査周りなど

おすすめな理由2:細かい作業も柔軟に対応

オーダー!は、顧客の要望に応じた細かな作業を得意としています。化粧箱の組立や梱包、封入、ラベル貼りなど柔軟にカスタマイズできます。

【物流サービスの内容】
・ECサイトの商品 在庫管理・発送
・カスタマイズサービス(化粧箱の組立やアイテムを組み合わせての梱包、機器類の動作・通電確認など)
・海外向け発送
・検品代行(全数検査やサンプル検査など)
・内職代行(封入、ラベル貼り、検品検針作業など)

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おすすめな理由3:物流倉庫の立地のよさ

オーダー!は、横浜市金沢区のシーサイドエリアに約4,000坪の物流倉庫を設けています。同倉庫は羽田空港から車で約25分、横浜港からは約15分という位置にあり、国内外へのスムーズな輸送が可能です。

物流倉庫だからこそ認定中古品の受け入れからメンテナンス業務、完成品のストック管理(倉庫)まで対応可能。「ファブレス企業の組立代行」として、自社工場や倉庫などを持たない企業の組立代行も行っています。事前に作業指示を細かくいただくことで、お客様の工場の一つのように稼働できます。

都内と比べて坪単価や作業単価が抑えられるので、コスト削減を実現できます。また、神奈川の倉庫はアクセスが容易で、トラブルが発生した際や棚卸時に企業担当者が訪れやすい点もポイントです。

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認定中古品ビジネスのまとめ

本記事では、認定中古品の販売を考えている製品・メーカーのリペア・物流部門の担当者向けに、認定中古品の基本と展開のポイントについて解説しました。

認定中古品ビジネスを行う際のポイントは次のとおりです。

・品質管理の徹底
・顧客サポートの充実
・適切な価格設定
・ターゲットに合わせたマーケティング
・専門人員の確保

オーダー!では、中古品の検査や修正などのメンテナンス業務、EC物流業務を包括的に請け負うことが可能です。自社リソースの確保が難しい場合は、ぜひご相談ご相談下さい!