近年医療、教育、文化継承などに利用されている「仮想現実」とも呼ばれるVR。ここ最近はビジネスシーンでも活用され始め、特に自治体などでも観光の分野で活用したり仮想空間に再現された街に入り、探索するイベントも行われています。
しかし、そもそもVRとはなんなのか、よく分かっていない方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では実際VRを活用したコンテンツ事例などを紹介し、自治体でも活用できるVRビジネスについて解説します。
そもそもVRとは?
VRとは「Virtual reality」の略称で、日本では「仮想現実」とも呼ばれています。VRデバイスを装着することで、デジタル上に作られた仮想空間の中に没入したような体験ができます。
VRとMRはなにが違う?
VRと似た用語に、「AR」、「MR」もあります。なにがどういったものを指しているのか、把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。
先述した通り、VRはデジタル空間に作られた仮想空間の中に、デバイスを装着して入り込みます。
一方、MR(Mixed Reality)は、いわば仮想世界と現実世界をミックスさせた複合世界のこと。例えば、現実世界の公園の写真に対し、デジタル上で建築予定の遊具を3Dで表示することで、構造を可視化することなどがMRにあたります。
また、AR(Augmented Reality:拡張現実)は現実空間にバーチャルデータを表示させることを指します。近年、さまざまなメーカーが、レンズ越しにデジタル情報を表示させる機能を持つARグラスを発売しています。
VRでできること
エンタメコンテンツのイメージが強いVR。ゲームの世界の中に入り込んで楽しんだり、実際にある風景を活用することで旅行気分を味わうことができます。また、バンジージャンプなどスリルのあるアトラクションなどを、自宅で体験することもできます。
一方、VRはビジネスシーンでも多く利用されています。前述のように、自治体では街の探索イベント、小売業界では実際に商品を購入する体験が可能。旅行業界では、自宅にいながら世界各国をめぐるオンラインツアー、不動産業界ではVR内見、建築業界では完成イメージを3Dで再現し、スタッフ間で事前検討を行っています。
また、コロナ禍で来館数が減った博物館などはVRを活用し自宅で展示物を知ってもらうPRを行っています。
コロナ禍以降、リアル体験できる機会が減り収益が激減した企業もありました。VRを利用することで、顧客に対し違った確度からのサービスを提供することができ収益回復にも効果的です。
VRを体験する際に必要なもの
VRを体験する際には基本的にVRゴーグルという専用ゴーグルが必要になります。
現在、主に以下の3種類のゴーグルがあります。
・VRゴーグル(スタンドアロン型)
ゴーグル単体でVR体験が可能。価格は高めですが、高クオリティの仮想体験を楽しめます。
・PC用VRゴーグル
PC用VRゴーグルはPCに接続し、仮想世界に入るためのVRゴーグルです。スタンドアロン型同様、よりリアルな体験ができます。
・スマートフォン用VRゴーグル
スマートフォン用VRゴーグルは、VRアプリを起動させたスマートフォンを取り付け、仮想世界を楽しむゴーグル。比較的安価ですが機能も最低限しか搭載されていないケースが多く、限られたコンテンツしか楽しめないのがデメリットです。
VRは「視聴型」と「参加型」が存在
VRには映像やコンテンツの視聴をメインとする「視聴型」と、コントローラーなどを使い、実際に仮想空間の中にあるものを触ったり動かしたりできる体験ができる「参加型」があります。
「視聴型」は3D映像の視聴が可能
「視聴型」は仮想空間上に流れている動画を3Dで見たり、デジタル空間上に構築された3Dの仮想空間にアバターで入ることを指します。
情報を受けとるのがメイン機能のため、学校の授業や医療支援現場などで活用されています。遠隔地からも教室や医療現場と近い環境で参加することができます。
「参加型」はデバイスを使って仮想空間へ
参加型はVR機器をフル活用し、VR世界の中を歩き回ったり映像内のものに触れるなど、よりリアルな仮想体験ができます。コントローラーを使うことで、仮想空間上の物に触ったり動かしたり、メタバースの場合では他のユーザーとジェスチャーでコミュニケーションを取ることもできます。
また、観光事業では街を歩く体験ができたり、住宅販売などでは内見なども可能。視聴型よりも没入度が高いため、エンタメ事業や観光事業などに適しています。
【オーダー!が制作】TSUNAGU CITY 2023 in NAGOとは?|VRまちづくり探訪が可能なイベント
オーダー!は、VRツールを提供しているサイキックVRラボのプラットフォームを使用し、 「TSUNAGU CITY 2023 in NAGO」内のVRまちづくり探訪「名護VRクエスト」を制作しました。名護中心市街地の歴史をVR(仮想現実)で探訪できます。
沖縄県名護市は、全国唯一の「経済金融活性化特別地区」に指定されている特性を生かし、近年「スマートシティ名護モデル実装事業」に取り組んでいます。
その一環として、VRまちづくり探訪が行われます。
このVRイベントでは、名護市を中心とした歴史の一コマをVRによって探訪できます。VR内のゲームをコンプリートすることでポイントや特典をもらえます。
このようにVRを通して、その地域に則し地域活性化を図ることができます。
その他の各種ビジネスにおけるVRの活用事例
上記で紹介したVRイベント以外にも、多くの業界でVRは活用されています。ここでは、VR活用事例を紹介します。
自治体
紹介した「TSUNAGU CITY 2023 in NAGO」のように、各自治体の魅力を発信するため活用されています。
コロナによる旅行自粛で、観光産業は大きな打撃を受けています。そこで移動や人との接触を伴わないVRによる観光体験が注目されました。
例えば、普段は保護のため公開されていない文化財を公開することで、その地域へ興味関心を持ってもらい、行ってみたいという意欲を促進できます。
また、観光名所を仮想空間上に作っておくことで、その場所に興味を持った人に気軽にオンライン上で観光を体験してもらうことができます。
ゲーム業界
VR業界の中でいま最も盛り上がっているのがゲーム業界。さまざまなゲーム用VRデバイスが発売されて、ゲーム会社もVRに参入しています。
VRゲームは実際にゲーム世界の中に入り込むことでよりその世界に没入することができます。コントローラーを使うことで、アイテムを直接手に取り、目の前の敵を倒すという体験が可能です。
また、まだ一部エリアでしか展開されておりませんがVR専門のゲームセンターも展開されています。
小売業界
小売業界では、VRを通して実際に商品購入する体験が可能です。
例えば中国最大のECアリババでは、VRの世界でショッピングモールに入り実際に商品を手に取り見ることが可能です。
中国国内だけでなく、世界の商品を展開しているため今まで買い物目的で旅行をしていた外国人に効果的です。
また、日本のコンビニでは人員不足解消のため、VRを利用し遠隔地からロボットに陳列業務や商品検品業務をさせる取り組みも進んでいます。
VRは商品販売だけでなく、店舗運営にも欠かせないツールとなっています
旅行業界
旅行業界では、「自宅にいながらにして世界各国をめぐるオンラインツアー」など自宅で旅行体験ができるVRツアーを展開しています。
これらのツールにより通常のオンラインツアーでは一方向しか見ることができませんが、VRオンラインツアーでは360°景色を見渡すことが可能です。
実際旅行に行くより、手頃な価格で且つ移動時間も必要ないため、1人で行くのはもちろん家族や友人を気軽に誘って楽しむこともできます。
不動産業界
コロナ禍以降、不動産業界でもVRが活用され始めています。内見が難しい状況の際、VRを利用することで内見をしているのと同じ体験ができます。
部屋の中に入り込むことで実際の広さや間取りを確認することが可能です。
引っ越し先から遠く離れた場所に住んでいても内見ができ、不動産業者と顧客双方の手間が省けます。
建築業界
建設業界では、建造物の建設段階から顧客に対しVRシステムを通して説明する取り組みをしています。
今まで図面など平面的なものや、3D映像などで行っていましたがVRによって実際に自身が建設現場に入り込み360°確認できます。
また、担当者と顧客で同じ視界を共有でき、初期段階の打ち合わせから、双方の認識齟齬など減らすことができます。
技能労働者不足が深刻な建設業界で、今後VRシステムにより生産性向上や労働環境改善に繋げられます
博物館
近年、自宅で楽しめるVR博物館が展開されており、家にいながらその場にいるような迫力のある博物館を楽しめます。
国内の博物館はもちろん、大英博物館など海外の博物館もVR体験を実施しており、普段行けない博物館に行くことができます。
またVRの世界では混雑を避け、間近で展示物を見ることが可能です。さらに、365日24時間自分の好きなタイミングで行けるのも魅力の1つです。
まとめ
今回はVRについて紹介をしました。
2020年のコロナ禍以降、なかなか外出できない、対面での打ち合わせができないなど業務に支障が出たり、商業施設の売上減少が減っています。
地元の有名な観光地に観光客を誘致したいけれど、なかなか上手くいかない。
顧客と対面で会議が必要。
などでお困りの経営者様、担当者様。VRを活用することで、コロナ禍以前同様の生活、体験をすることが可能です。
オーダー!ではVR活用をした自治体の支援を行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。