ECサイトを展開する際は、顧客からの問い合わせやキャンセル・返品処理などの対応窓口として、コールセンターの設置をおすすめします。
しかし、コールセンターの設置には多くの費用や時間がかかるもの。とても自社でまかないきれないという場合は、コールセンター代行サービスの活用が有効です。
プロのオペレーターにコールセンター運営を任せることで、自社の従業員はコア業務に専念できるようになり、業務効率化や顧客満足度の向上が実現します。この記事では、コールセンター代行を利用するメリット・デメリット、さらにおすすめの代行業者6選とサービスの選び方を紹介!ECサイト事業者の方はぜひ参考にしてください。
コールセンター代行とは
コールセンターとは、電話を通じて顧客と企業間がコミュニケーションを取る窓口のこと。
ECサイトのコールセンターは、顧客からの問い合わせやクレームの対応を行うインバウンド型が主流です。
コールセンター代行では、企業の担当者に代わって顧客に対応するなど、企業側のニーズに合わせた幅広い電話応対業務を行います。
コールセンター代行に依頼できる業務内容
コールセンターの業務は、主に「インバウンド型」と「アウトバウンド型」の二つに分けられます。
前者は顧客から問い合わせがあった際に対応する受け身の業務。後者は顧客に電話をかけて商品の感想を聞いたり、営業をかけたりします。それぞれの主な業務は以下の通りです。
インバウンド型
- 顧客クレーム対応
- 質問受付
- 商品の受注・発注対応
- 顧客情報入力などの事務作業
アウトバウンド型
- 商品の営業
- テレマーケティング
- アンケート
コールセンターとカスタマーサポートの違い
コールセンターとカスタマーサポートはしばしば混同されがちですが、この二つには明確な違いがあります。
コールセンターは原則として電話対応が主軸であり、インバウンドとアウトバウンド両方の対応が可能です。ターゲットも、既存顧客から潜在顧客まで多岐に渡ります。
一方のカスタマーサポートは、顧客の対応を行うという点では共通しているものの、電話だけではなくチャットやメールなど、チャネルはさまざまです。
また、カスタマサポートは基本的にインバウンド業務が主軸で、商品やサービス購入後の問い合わせやクレーム対応など、アフターフォローが中心となります。そのため、既存顧客が主なターゲットになります。
両者の違いを表にまとめると、以下のようになります。
コールセンター | カスタマーサポート | |
電話 | チャネル | 電話・チャット・メール |
インバウンド・アウトバウンド | 業務内容 | インバウンド中心 |
既存顧客・潜在顧客 | ターゲット | 既存顧客 |
コールセンター代行の費用・料金体系
コールセンターの運営を代行業者に委託する場合、業者によって料金体系は異なりますが、一般的にかかる費用は初期費用と月額費用の二つです。
初期費用はほとんどの業者が設定していますが、金額は数万円~数十万円と幅があるため、事前に複数社から相見積もりを取って比較することをおすすめします。
月額費用の主な料金体系は、月に一定の金額を支払う月額固定型と、コール件数や対応時間に合わせて加算される従量課金型の二つです。
コールセンターを自社で運営する場合、機材やシステムの導入費用、オペレーターの人件費など多額の金額が発生しますが、代行業者に依頼すれば、そのようなコストは発生しません。
総合的に見ると、コールセンター代行を利用したほうがコストを削減できる可能性が高いと言えます。
コールセンター代行のメリット
コールセンター代行を依頼するメリットは、主に以下の三つです。ここからは、コールセンター代行のメリットを詳しく説明します。
低コストかつスピーディーに導入できる
自社でコールセンターを運営する場合、電話や電話回線、システムなどの設備費や、受付担当者の人件費など、多額の初期費用が発生します。
また、費用面だけでなく、システムの構築や受付担当者の教育などに時間がかかるため、すぐに窓口を開設できるとは限りません。
しかし、コールセンター運営を代行業者に依頼すれば、かかる費用は初期費用と基本料金のみ。設備費や人件費などを大幅にカットすることができます。
受付担当者の教育もあらかじめ業者が行うため、低コストかつスピーディーな導入が期待できるでしょう。
サービスの質が向上する
コールセンター代行会社には、発声や応対練習を積み重ねた電話応対のプロフェショナルが多数在籍しています。業務委託することで、高いコミュニケーション能力と知識を備えたプロによる質の高い電話応対が期待できます。
コールセンターは顧客と直接接する窓口。対応が悪ければ、企業のイメージダウンにつながる可能性もあります。
コールセンター代行を活用して質の高いサービスを提供することにより、企業のイメージアップを図ることができるでしょう。
コア業務に集中できる
自社の従業員がEC事業の本業務と電話応対業務を兼務している場合、顧客からの連絡が入るたびに業務を中断することになり、集中力を欠くことになります。
代行業者にコールセンター運営を任せることによって、従業員はコア業務に専念できるようになり、高いパフォーマンスを実現できます。
人手不足に悩まされているEC事業者も、コールセンター業務を外部に委託することによって従業員のリソースを確保でき、人材を本業務に配置しやすくなるはずです。
コールセンター代行のデメリット
メリットが多いコールセンター代行ですが、デメリットがまったくないわけではありません。コールセンター業務を代行業者に依頼するデメリットは以下の2点です。一つずつ解説していきます。
社内にノウハウが溜まらない
代行業者にコールセンター業務を一任すると、対応がすべて業者任せになってしまい、自社の従業員にノウハウが蓄積されません。顧客が自社の商品やサービスにどのような感想を抱いているのか、情報共有ができていなければなおさらです。
「ユーザーの声を常にキャッチアップしたい」「将来的には自社でコールセンターを運営したい」と考えているのであれば、ノウハウの共有に協力的な業者に依頼することをおすすめします。
業務マニュアルや手順書を作成・共有してくれる業者を選ぶことで、代行業者任せになることなく、自社内にもノウハウを蓄積していくことができます。
情報漏洩のリスクが高まる
コールセンター業務を業者に委託する場合、これまで社内のみで共有していた情報を代行業者と共有することになります。その分、情報漏洩のリスクが高まることを自覚しておかなければなりません。
対策としては、しっかりとしたセキュリティ対策を講じている業者を選ぶようにしましょう。
相見積もりを取る際は、料金プランや業務内容はもちろんのこと、どのようなセキュリティ対策をしているかの詳細も確認するようにしてください。
コールセンター代行を選ぶポイント
コールセンター運営を請け負っている代行業者は多く、何を基準に選べばいいのかわからないという人も少なくありません。
コールセンター代行業者を選ぶポイントは主に以下の三つです。それぞれのポイントについて見ていきましょう。
対応業務
まずは自社で依頼したい業務内容や範囲を明確にし、それに対応できるかどうかを確認しましょう。
特に自社が専門性の高い商品やサービスを取り扱っているのであれば、その分野の実績がある業者や、専門分野に特化したスタッフがいる業者を選ぶといいでしょう。
どのような企業や業種での導入実績があるのかを知ることで、自社に合った業者を選びやすくなります。
費用
代行業者にかかる費用も重要なポイントの一つです。コールセンター代行業者の費用は一般的に初期費用と月額費用で構成されていますが、まずは初期費用に含まれる内容を確認しましょう。
月額費用は月額固定制の業者が多いですが、従量課金制を採用している業者もあります。
必要な応対時間や想定される呼量を確認したうえで業者を選ぶと、コストパフォーマンスの良い運営が実現できるでしょう。
サービスの質
対応業務や費用だけではなく、提供されるサービスのクオリティも非常に重要です。
応対時間やスタッフの数、スキル、セキュリティ体制、また電話対応以外にできる業務などを確認して業者を選びましょう。
コールセンター代行業者の多くは、自社が提供するサービスのレベルを数値化しています。自社が求めるSLA(※)を担保できるかどうかをチェックすることも重要です。
※SLA(Service Level Agreement):「サービス品質保証」を意味し、サービス事業者が利用者に対してサービス内容や品質を保証するもの。コールセンター業務においては、応答率やSL(サービスレベル)などの「繋がりやすさ」を数値化して指標にするのが一般的。
コールセンター代行サービス6選
コールセンター代行サービスを提案している主な業者は以下の6社です。
それぞれの特徴を比較して紹介します。
オーダー!
ビジネスコンシェルジュの「オーダー!」は、さまざまな事務業務代行サービスを提供しています。
【特徴】
・クライアントの要望に合わせた体制構築や業務設計
・さらにECサイト制作から物流まで幅広い業務を一気通貫で支援
・メールやチャットといったカスタマーサポート業務と組み合わせた支援が得意
過去の導入事例としては、大手飲料メーカーのキャンペーン事務局として1ヵ月間対応し、キャンペーンのLP制作、顧客からのメールやチャット対応(問い合わせ窓口)などを請け負いました。このように、短期間限定でもご要望に沿った窓口の開設が可能です。
対応業務 | カスタマーサポート、定期レポート作成、外部からの問い合わせ対応代行、組織内からの問い合わせ対応、内職代行 |
料金体系 | 【まるっとお任せ!定額運用メニュー】スタンダードプラン:12万円/月(税抜)、契約期間:3ヵ月毎、実働時間:30時間/月※ご依頼内容に合わせてプランのカスタマイズが可能 |
実績 | 要問い合わせ |
ネオキャリア
ネオキャリアのコールセンター代行サービスは、国内最大級の豊富な実績が魅力です。
【特徴】
・約20年間の実績で培ったノウハウ
・人員コストを極力抑えたコールセンター代行を提供
・徹底した情報管理とセキュリティ対策
対応業務 | インバウンドサービス、アウトバウンドサービス、その他関連する事務作業 |
料金体系 | 要問い合わせ |
実績 | 3,000社以上 |
マイナビBX
マイナビBXでは、クライアントごとのニーズに合わせて業務設計を行い、ビジネスソリューションを提供しています。
【特徴】
・センターの規模や予算に応じたフレキシブルな対応
・短期・短時間運営から最大365日年中無休まで対応可能
対応業務 | 通信販売・カスタマーサポート、ヘルプデスク、各種キャンペーン事務局、リサーチ・データ入力 |
料金体系 | 要問い合わせ |
実績 | 要問い合わせ |
ボンズコミュニケーション
ECサイト運用代行をトータルサポートしているボンズコミュニケーションは、コールセンターの新規立ち上げ実績が豊富です。
【特徴】
・クライアントの要望に合わせた体制構築や業務設計
・24時間365日、安定した対応が期待できる
対応業務 | ECサイト運営代行、在庫管理、カスタマーサポート、物流管理構築 |
料金体系 | 最低利用価格300円~定額制・従量制から選択可能 |
実績 | ・年間約10万コールに対応・入電取得率約95%・LTV継続率35% |
電話代行サービス
電話代行業者として30年以上の実績を積んでいる電話代行サービス。クライアントの業種や経営方針など、さまざまな要望に合わせた対応が魅力です。
【特徴】
・電話代行業界初のオーダーメイド型プランを提案
・カスタマーサポートの営業時間に合わせたフレキシブルな料金体系
対応業務 | コールセンター代行、不動産専門 電話代行士業専門 電話代行、水道修理専門 電話代行、ネットショップ専門 電話代行、求人受付専門 電話代行、クレーム対応専門 電話代行、全国電話番号 貸出サービス |
料金体系 | 月額25,000円~定額制・従量制から選択可能 |
実績 | ・7,500社以上・契約継続率96.8%・応答率98% |
バディネット
バディネットでは、新規コールセンターの立ち上げから、大規模なコールセンター運営の代行まで幅広く対応しています。
【特徴】
・大手企業や5G/IoT関連のコールセンター運営で培った受電・架電ノウハウ
・24時間365日有人体制でアウトソーシングが可能
対応業務 | カスタマーサポート、アウトバウンドコール、テクニカルサポート、コンサルティング、CRMソリューション |
料金体系 | 要問い合わせ |
実績 | 要問い合わせ |
コールセンター代行のまとめ
今回はコールセンター代行業者に依頼するメリット・デメリットと選ぶポイント、またおすすめの業者についてお伝えしました。
- 電話応対に追われてコア業務に集中できない
- コールセンターを自社運営するとコストがかかりすぎる
このようなお悩みを持つ方は、ぜひオーダー!の「事務業務代行サービス」をご検討ください。経験豊富なメンバーが、お客様のご要望に沿ったプランを多数ご提案させていただきます。