近年、小売業界やEC業界では顧客と長期にわたってよい関係を築くためにさまざまな施策を実施しています。そのうちの一つにアプリ開発があります。

ここ数年、消費者の間ではスマートフォンやタブレットなどのデバイスが急速に普及しています。デバイスは毎日持ち運ぶため、顧客とのエンゲージメントを高める手段としてアプリ開発はよい方法といえます。

今回は、アプリの中でもAndroidアプリの開発について、開発の流れや外注の際の費用、外注する際に注意すべきポイントなどを解説します。この記事を読めば、Androidアプリの開発に関する基礎的な知識が得られます。

Androidアプリの特徴

Androidアプリの特徴

はじめに、Androidアプリの特徴を確認しましょう。

Androidのシェア率

現在、スマートフォンの普及率は非常に高い状況にあります。スマートフォンはアプリケーションを動かす大元の仕組みであるOS(Operating System)によってAndroidとiOSに大別されます。AndroidはGoogle社が、iOSはApple社が開発したものです。

このうちAndroidの特徴として、まず市場シェアが大きい点が挙げられます。2023年8月時点で、世界のモバイルOSシェア率を見てみるとAndroidは70.76%、iOSが28.53%となっています。

一方、日本のシェア率を見てみると、2022年の時点でAndroidは46.6%、iOSが53.4%です。

日本のスマートフォンシェアというと、iOSが圧倒的多数というイメージがあるかもしれません。しかし、実態はiOSのほうがやや優勢ではあるものの、拮抗していることが分かります。そのため、企業がAndroidアプリを開発することは、顧客との接点を増やす手段として有効であることが分かります。

アランくん

もちろん、その企業が海外の顧客をターゲットとしている場合は、Androidアプリの開発は必須といえるでしょう

出典:Mobile Operating System Market Share Worldwide-statcounter

モバイルOS等に関する実態調査報告書-2023年2月 公正取引委員会

Androidの利用者

NTTドコモの「モバイル社会研究所」が実施した調査を見ると、日本国内のAndroid利用者には傾向があることが分かります。

まず、性別による傾向を確認しましょう。性別ごとにAndroidとiOS(iPhone)の割合を見ると、男性はAndroidが56.3%、iOSが43.7%、女性はAndroidが50.7%、iOSが49.3%という結果です。このことから、男性のほうがAndroid所有率がやや高いことが分かります。

次に年代別による傾向を確認すると、10代・20代ではiOSのシェアがそれぞれ約66%・70%ではありますが、30代になると徐々にAndroidのシェアが増え、40代からはAndroidのほうが利用率が高くなります

このことから、企業の商品やサービスターゲットが30代以降でなおかつ男性である場合は、Androidアプリ開発がより有効であると分かります。

出典:iPhoneユーザーの若年化が進行(2022年11月30日)-モバイル社会研究所

Androidアプリの開発言語・環境

スマートフォンのアプリに限らず、PCやタブレットなどのデバイスで使用するアプリやプログラムは、プログラミング言語を記述することで開発されます。

Androidアプリでよく使用されている言語は「Java」です。Javaは習得の難易度が比較的高く、アプリ開発もiOSと比べて若干難しいという特徴があります。そのため、プログラミングの知見や経験に不安があるけれどAndroidアプリを開発したい場合は、開発会社に依頼するほうがスムーズに進められます。

さらに、アプリは開発すればすぐに利用者に使ってもらえるわけではありません。アプリストアにアプリを登録し、審査を通過して初めてリリースできます。

アプリの審査でチェックされるポイントはいくつかありますが、AndroidのほうがiOSよりも審査が通りやすいといわれています。これはAndroidアプリのメリットといえるでしょう。

なお、Androidの開発環境にはさまざまなものがありますが、代表的なのはAndroid Studioです。こちらはGoogle社公式環境でもあるため、自社で開発する場合におすすめです。

Androidアプリ開発会社のサービス範囲

andoridアプリ開発会社のサービス範囲

すでに述べましたが、アプリを開発するには専門的な知識が必要です。質の高いアプリを開発したいと考えているのであれば、アプリ開発のプロへ委託することを推奨します。

Androidアプリ開発会社の主なサービス範囲は、以下のとおりです。

・UI/UXデザイン
・コーディング
・データベース設計
・テスト
・デバッグ
・セキュリティ対策
・メンテナンス、アップデート など

開発会社によってサービス範囲は異なり、アプリのプロモーションまで行ってくれる場合もあります。

Androidアプリ開発の流れ

アプリ作成の基本的な手順

次に、Androidアプリ開発の流れを解説していきます。

1.企画

最初に、どんなアプリを作成したいのか、どんな内容や機能を盛り込みたいのかを考えます。通常、企画は開発を委託する企業が行いますが、開発会社と協力しながら企画することも可能です。

2.アプリ開発会社を選定

アプリの開発を依頼する企業を選びます。※選ぶ際のポイントは後ほど解説します。

3.要件定義

要件定義とは、アプリに備え付ける機能や性能を決定し、さらにそれらをどのようにシステムを組み立てるかを決めることを指します。

この段階で決まったことは、後から確認できるよう「要件定義書」と呼ばれるドキュメントにまとめるケースがほとんどです。

4.設計

設計の段階では大きく分けて、外部設計と内部設計を行います。

外部設計では、開発したいアプリの構成やレイアウト、アプリ内の操作方法などを決定します。内部設計ではアプリのシステムをどのように構築していくのか、その手順を決定します。

また、アプリ開発に関するスケジュールや開発体制もこのタイミングで決めるケースがほとんどです。

5.開発・テスト

プログラミング言語を用いて実際にアプリの開発を行います。完成したらテストを行い、誤作動や不具合、バグの発生などが起こらないかどうかを確認し、発見した場合は修正します。

6.リリース

アプリストアにアプリを登録することで、ストアの審査が行われます。審査が完了したら、アプリがリリースされます。

7.保守

アプリがリリースされ、多くの人に使われることで新たにバグが発見されることもあります。これに対応すべく保守を行います。

アランくん

Androidアプリ開発の流れを押さえておきましょう!

Androidアプリ開発・外注費用

Androidアプリ開発・外注費用

それでは、Androidアプリ開発を外注する場合、どれくらいの費用がかかるのかを確認しましょう。

一般的に、アプリの開発費用は稼働するスタッフ数と開発までにかかった月数で計算します。また、アプリの機能が増えればその分費用が増加します。

そのため、費用を一概に伝えることは難しいのが実情です。よって、ここではおおよそこれくらいである、という予算の規模感を紹介します。

まず、シンプルなAndroidアプリ開発であれば、数百万円〜数千万円必要です。シンプルなアプリ開発とは、基本的なUI設計・エンジニアリング・Google Playへのリリースなどを含むものです。

複数の機能を搭載するAndroidアプリを開発したい場合は、高い技術が求められます。専門のエンジニアを確保しなければならないため、数千万円以上の予算が必要です。

補助金活用でAndroidアプリ開発をコスト削減

Androidアプリの開発コストをなるべく抑えたい場合は、補助金も活用できます。ここでは、企業が利用できる補助金制度を三つご紹介します。

ものづくり補助金…新しい製品やサービスを開発する企業を対象とした補助金。Androidアプリ開発も、新しいサービスを提供する手段として対象になる場合がある。最大補助金額は5,000万円

参考:ものづくり補助金

IT導入補助金…特に中小企業がITツールを導入する際に活用できる補助金で、Androidアプリを業務効率化やDXの一環として導入する場合に利用できる。最大補助金額は450万円

参考:IT導入補助金

小規模事業者持続化補助金…企業が持続的に発展するための活動を支援する補助金。最大補助金額は50~200万円

参考:小規模事業者持続化補助金

ただし、補助金を利用する際は申請のタイミングに注意しましょう。補助金申請前に外注先と契約を結んでしまうと、補助金の対象外となる可能性があります。申請条件は事前によく確認してください。

Androidアプリ開発会社の選定ポイント

ここからは、Androidアプリ開発会社を選ぶ際に気をつけたいポイントを紹介します。

実績

まず、その会社にAndroidアプリの開発実績があるかをコーポレートサイトの事例ページなどを見て確認しましょう。可能であれば、Android Studioを使用しているかといった開発環境もチェックできると安心です。

サポート

開発中にディレクターやエンジニアとコミュニケーションが取れるか、また取りやすいかは重要なポイントです。また、アプリのリリース後にサポートがあるか、サポート内容はどんなものかをチェックしましょう。

開発ジャンルのマッチング

自社の開発したいアプリのジャンルと、開発会社が得意としているジャンルが一致していると、よりよいアウトプットを得られる確率が高まるでしょう。

反対に、この点を見極めず開発を依頼してしまうと、思い描いたアプリにならないということも考えられます。

保守開発・システムの運用体制

アプリは開発して終わり、というものではありません。利用状況やユーザーが求める形に応じて追加で開発し、アプリをアップデートしていく必要があります

その際、アプリの保守開発をしており、運用体制の整っている業者であれば、追加の開発はもちろんのこと有事の際にも迅速な対応が可能です。

また、アプリ内の機能だけでなく、セキュリティへの最新アップデートも実施されるため、ユーザーが安全にアプリを使用できます。

これらを踏まえると、開発したいと考えているアプリが自社利用ではなく、BtoB・BtoCサービス、つまり不特定多数のユーザーが利用する想定であれば、開発会社に任せることで安心して運用し続けられます。

アプリの保守開発に関して理解を深めたい場合、合わせてこちらも参考にしてください。

システム運用保守│委託のメリット・デメリット、注意点を解説!

アランくん

会社選びのポイントは重要ですので、しっかりチェックしてください

Androidアプリ開発会社を依頼する際の注意点

Androidアプリ開発会社を依頼する際の注意点

​​それでは、Androidアプリ開発会社に依頼する場合に、注意したいポイントを解説します。

委託範囲を明確にする

アプリ開発を委託する際に重要なのは、自社と開発会社に任せる工程を明確にすることです。この点が曖昧なままだと業者を絞り込むことも、正確な見積もりを出すこともできません。

業者によってはアプリ開発だけでなく、保守やBPOなど広範囲の業務に対応してくれることもあります。依頼したい開発会社の業務対応範囲を把握しておきましょう。

開発期間に余裕を持つ

依頼するアプリの開発方法や内容によって、開発期間は大きく異なります。最低でも3ヵ月、一般的には半年から1年は必要だと考えておきましょう。

デバイスへの対応が必要

AndroidはiOSと比べて多くのメーカーがデバイスの開発・製造に乗り出しています。そのためデバイスの種類が多く、開発工程やテストが複雑になります。

また、どのメーカーもデバイスのリリースサイクルが短いため、対応に維持コストがかかります。

おすすめのAndroidアプリ開発会社

ここでは、おすすめのAndroidアプリ開発会社をいくつか紹介します。

オーダー!

オーダー!

オーダー!は、企業が抱える悩みをさまざまな方法でサポートする企業です。提供するサービスの一つにアプリ開発、保守運用サービスがあります。

お客様からご依頼を受ける前に必ずヒアリングを行い、お客様の置かれた情報を把握してから最適なソリューションを提案します。そのため、Androidアプリ開発だけでなく、BPOや物流など関連するサービスもあわせて提供することも可能です。

Androidアプリを開発して終わりの業者も多いなか、オーダー!に依頼いただくと保守体制も整えられます。

【オーダー!の強み】

・幅広い顧客層の実績がある…国内外でサービスを展開する大企業や省庁、中小企業をサポートしており、柔軟な対応が可能です。大手企業の基幹システムなど厳しい条件での開発経験、厳格な開発基準をクリアした実績を活かしてお客様をサポートします。

・クライアント専用のチームを作れる…スマホアプリ開発終了後もアップデートやセキュリティ対策などをスムーズに行えるための設計や体制を構築。密なコミュニケーションを実現することで安心感を持ってプロジェクトを進めることが可能です。

対応業務アプリ開発、運用・保守、Webサイト構築、CMS導入、セキュリティ対策など
得意分野要問い合わせ
料金※Androidアプリ開発費用は要問い合わせ   (定額運用メニュー) 12万円/月(税抜) 契約期間:3ヵ月毎 実働時間:30時間/月
実績大企業、地方自治体、中小企業など幅広い実績がある

CLINKS株式会社

CLINKS株式会社

出典:https://www.clinks.jp/et-lp/

CLINKS株式会社はスマートフォンアプリやWebシステムの開発に特化した会社です。特にアプリに関しては、1年で350本以上を開発した実績があります。また、顧客からのリピート率も高いことから、顧客から信頼を得られていること、コミュニケーションも問題なく行えるであろうことがうかがえます。

対応業務アプリ開発、システム開発など
得意分野要問い合わせ
料金要問い合わせ
実績350件以上、Androidアプリはゲームアプリ開発の実績が多い

株式会社ebookcloud

株式会社ebookcloud

出典:https://ebookcloud.info/

対応業務アプリ開発プラットフォームの提供など
得意分野マッチングアプリ、電子カタログアプリ
料金初期費用40万円~、月額費用9,800円~、制作代行費用10万円~
実績7,000件以上

株式会社ebookcloudは、プログラミングの知識がなくてもアプリ開発ができるクラウド型ノーコードアプリ開発プラットフォームを提供している企業です。

中小企業や個人などであっても、手軽に自社オリジナルアプリを導入し売り上げを向上できるよう、他社よりも格安価格でアプリを提供しています。

株式会社リモデルパートナーズ

株式会社リモデルパートナーズ

出典:https://www.remodelpartners.co.jp/

株式会社リモデルパートナーズは、ARアプリを開発している企業です。アプリだけでなく、コンテンツ作成も一貫して手掛けています。

商品やサービスによっては、ARを使用することで顧客に強い印象を残すことができます。ときにはこのような見せ方を検討してみるのも一つです。

対応業務AR(拡張現実)/VRアプリ開発、コンテンツ作成
得意分野AR/VRアプリ全般
料金要問い合わせ
実績大手企業や自治体のアプリ開発実績がある

Androidアプリ開発のまとめ

今回は、Androidアプリの開発について、開発の流れや外注の際の費用、外注する際に注意すべきポイントなどを解説しました。

すでに述べたように、Androidアプリの開発には専門知識が必要です。また、リリース後も保守やアップデートを行わなければなりません。そのため、これらのリソースに不安のある企業担当者は開発会社に業務を委託することをおすすめします。

その際には、複数の会社を比較し、自社にとって最適なソリューションを提供してくれる会社を選びましょう。ぜひお気軽に、オーダー!にもお問い合わせ下さい。

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