急速にデジタル化が進む現代の日本。マーケティング業界も例に漏れず、デジタルマーケティングが拡大を見せています。
企業間取引であるBtoBのデジタルマーケティングには、見込み顧客の獲得やコスト削減など、さまざまなメリットがあります。しかし、どのようにBtoBデジタルマーケティングを行えばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、BtoBデジタルマーケティングの具体的な手法や始め方について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
BtoBデジタルマーケティングの目的
BtoB(Business to Business)デジタルマーケティングは、企業間ビジネスを促進するためのマーケティング手法であり、高い成果を出すためにデータで効果測定を行う点が特徴です。
従来のマーケティング手法に新聞・チラシ広告や訪問営業がありますが、時代の流れとともに変化が見られ、近年ではデジタルメディアを駆使した販促活動が主流となりつつあります。
そんなBtoBデジタルマーケティングの目的は、見込み顧客の獲得です。見込み顧客とは、まだ商品やサービスを利用していないものの、いずれ購入する可能性がある顧客を指します。
BtoBデジタルマーケティングのターゲット(見込み顧客)は一般消費者ではなく、企業や自治体などの組織です
BtoBデジタルマーケティングの重要性
デジタルマーケティングはインターネットが発達している現代において、最も有効なマーケティング手段です。
Googleの行った調査によると、「サイトで実際にアクションを起こす前(営業担当者にコンタクトを取る前)に、すでにBtoBの購入プロセスは57%の段階まで進んでいる」ことが判明しています。
参考:The Changing Face of B2B Marketing
この調査からわかるように、実際のアクションを起こす前にユーザーは検索をかけて、サービスの情報を収集しています。つまり、ユーザーの選択肢に自社サービスを入れてもらうには、ユーザーが情報収集する段階で適切な情報を発信しておく必要があるのです。
また、BtoBデジタルマーケティングが重要である理由として、Webマーケティングよりも手法の範囲が広いことも挙げられます。
Webマーケティングは、デジタルマーケティングが浸透するまで主流なマーケティング手法でした。しかし、その手法はあくまでWebのみであり、オンライン上のあらゆるデータを使用するデジタルマーケティングに比べて限定的です。
ゆえにBtoBデジタルマーケティングによって、Web以外の多様なデジタルツールを使用するほうが、より顧客へアプローチできるのです。
オフラインからデジタルへ
さらにコロナ禍以降、消費者を取り巻く購買プロセスが変化し、マーケティングはオフラインからオンラインへの移行を求められています。
下の図からもわかるように、いままで行っていたオフライン作業のほぼ全てをオンラインに移行可能です。訪問営業からWeb商談への移行はもちろん、契約書の締結もオンラインで行えます。
参考:株式会社 才流「BtoBマーケティング 2022年予測」
今後のBtoBマーケティングにおいて、作業のオンライン化は必然の流れといえるでしょう。
BtoBデジタルマーケティングの手法
BtoBデジタルマーケティングには様々な手法があります。この章では、各手法を詳しく解説していきます。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)は、自社サイトを検索結果の上位に表示させる手法です。SEOには、サイトを訪れる消費者を増やす、もしくは認知を拡大する効果があります。
SEOの具体的な施策は、以下のとおりです。
・ターゲットユーザーが検索に用いるキーワードを使用した記事の作成
・ページ読み込み速度の最適化
・被リンク獲得のための質の高いコンテンツ内容 など
また、同じ認知拡大の手法であるWeb広告とは異なり、SEOには広告コストがかかりません。
ただし、SEO施策は効果が出るまで時間がかかります。検索エンジンがサイトを評価するまでに複数の工程を経なければならないためです。少なくとも半年はみておきましょう。
SNS
SNSの活用も、BtoBデジタルマーケティングの手法の一つです。ターゲットが利用しているSNS(Facebook・Twitter・Instagram・LINEなど)を選定し、そのSNSの特性に合わせたコンテンツを作成、発信します。
近年はSNSで情報検索するユーザーが増えており、有益なコンテンツであれば拡散してもらえます。認知拡大も期待できるでしょう。
SNSは顧客とコミュニケーションを直接取れるため、信頼感が生まれやすく、PV数や顧客の反応をリアルタイムで確認できる点もメリットです。
しかし、情報が拡散されやすい性質上、些細な発言が炎上につながることもあります。投稿に不適切な内容が含まれていないか注意が必要です。
Web広告
Web広告には、インターネット検索時に表示されるリスティング広告やバナー広告など様々な種類があります。不特定多数を対象とした中吊り広告などと比べ、Web広告はターゲットに向けた広告掲載が可能です。どこから流入があったのか、より精密に効果を測定できます。
Web広告を出稿できるメディアは多数あるので、自社に最適な媒体を選ぶことが重要です。
メルマガ
メルマガ(メールマガジン)は、見込み顧客にとって役立つ情報や製品・サービス情報をメールで送付する手法です。
メルマガの特徴は、登録する時点でユーザーがその企業やサービスに興味を持っている点です。よって、メルマガで有益な情報を発信できれば、ユーザーは次のフェーズ(契約など)に進みやすくなります。
メルマガはメールアドレスの登録が主流ですが、近年は公式LINEを友達登録してもらう方法も増加しています。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、顧客が抱える問題を解決する情報をまとめた資料です。ホワイトペーパーには以下の情報が含まれます。
- 顧客が抱える問題の提示
- その問題の解析や説明
- 自社製品を絡めたソリューションの提示
ホワイトペーパーは企業のホームページなどに掲載され、顧客情報を登録してもらうことでダウンロードを許諾します。
これにより顧客情報を獲得できる他、ユーザーの企業に対する理解が深まり、次のアクションへと繋げるリードナーチャリングの効果も期待できます。
ウェビナー
ウェビナーは「ウェブ」と「セミナー」を組み合わせたデジタル用語であり、Web上で行うセミナーです。
BtoBはBtoCと比べて契約単位が大きいため、契約するまで長期にわたりサービスを精査・検討する傾向にあります。その過程でどれだけ見込み顧客と関わり、関係を発展させていけるかが受注を左右するといっても過言ではありません。
そこで、顧客の段階に合わせたウェビナーを行い、効率的に見込み顧客を育成していくことが有効です。
CRM
CRM(カスタマーリレーションシップ マネジメント)は、企業と顧客間で良好な関係性を構築し、継続させる施策です。その施策を行うためのシステムもCRMに含まれます。
現代の多様化した顧客のニーズに対応するため、顧客情報をまとめて分析、活用し、最適なタイミングで顧客へアプローチします。これにより、顧客と企業の間に信頼が生まれ、顧客満足度や利益の向上に繋げられるのです。
CRMの具体的な施策は以下のとおりです。
・ホワイトペーパーをダウンロードした顧客の情報を分析し、顧客に合わせたメルマガを送信する など
MA(マーケティングオートメーション)
MAは、ツールやシステムを用いてマーケティング業務を仕組み化(自動化)することです。
MAを活用するとより効率的に顧客開拓が行えるようになり、マーケティング担当者のリソース不足を解消できます。
例えば、メルマガの送付にMAを活用すれば、顧客情報入力システムから自動的にメールを送れるようになります。また、MAツールとチャットボットを連携することで、CV率(購入などのアクションに至る割合)の高いページへの誘導も可能です。
しかし、MAツールの運用には専門知識が必要です。自社での運用が難しい場合は、外部に依頼する方法もあります。(費用目安:10万円〜/月)
BtoBデジタルマーケティングのメリット
次にBtoBデジタルマーケティングのメリットをご紹介します。
認知・集客活動の効率化
BtoBにおけるデジタルマーケティングは、認知・集客活動や顧客との関係性構築の効率化を実現することです。顧客にサービスを見つけてもらい、自社の問題を解決できそうだと思ってもらわなければなりません。
データ分析により最も効果的な施策を打ち出すデジタルマーケティングは、オフラインマーケティングと比べて見込み顧客の獲得が容易です。CM出稿などオフラインマーケティングにプラスし、顧客と接点を持つことでより高い集客効果を得られます。
コスト削減
BtoBデジタルマーケティングはコスト削減にもなります。
オフラインで行うイベントや展示会のように、会場費や人件費がかかりません。場所を問わずに営業活動を行えるため、訪問営業にかかっていた交通費や時間を削減できます。
再現性が高い
BtoBデジタルマーケティングは、データ分析によって受注条件を導き出します。
過去のデータと照合しながら施策を行うため、マーケティング活動の再現性が高い点が特徴です。
(過去データを分析した施策例)
・CV率の高いキーワードを使ったコンテンツ作成
・ターゲットごとのニーズを分析し、精度の高いアプローチを実施 など
デジタルツールを使い、成功要因をデータとして蓄積・分析するため、オフラインよりもノウハウを共有しやすいメリットもあります!
BtoBデジタルマーケティングのデメリット
BtoBデジタルマーケティングには、デジタル特有のデメリットも存在します。
常に情報のアップデートが必要
BtoBデジタルマーケティングは、情報のアップデートが欠かせません。
IT・デジタル技術にはトレンドがあり、流行に乗り遅れないよう常にアンテナを張っておく必要があります。
最新情報を追っていない場合、万一サポート終了などが起こった際に万全な対応ができません。余裕を持って新しいツールの検討などを行えるようにしておきましょう。
専門知識が必要
BtoBデジタルマーケティングには、データ分析の知識やノウハウが必要です。データを分析する際は多数の指標があるため、初心者では効果測定が難しいものです。
よって、専門知識を持つ業者への外注や自社で人材の確保・育成が求められるでしょう。
BtoBデジタルマーケティングのFAQ
この章では、BtoBデジタルマーケティングを行う際のよくある質問にお答えします。
デジタルマーケティングは何から始めるといい?
既存の自社サイトがある場合は、そのサイトのCVRを改善しましょう。
CVR…Webサイトへのアクセス数(ページビュー、またはユニークユーザー数)のうち、コンバージョン(商品購入や資料請求、会員登録など)に至った割合
日経リサーチの行った調査によると、「業務上で取引先や商品・サービスを選定するプロセスにおいて、何から情報を収集しているか」の問いに対し、「その会社のHPを確認する」と回答した人は4割に及びます。
特に契約の決定権を持つ経営者、役員クラスは44%と最も高く、次いで管理職クラスも41%となっています。
参考:株式会社日経リサーチ「BtoB企業の購買プロセス調査 コロナで変わる情報収集、高まるHPの重要性」
この調査からもわかるように、経営者、役員が閲覧する可能性がある自社サイトを改修することは非常に重要です。
サイトのCVRを改善する際は以下の点を確認してみましょう。
- ターゲットの再検討
- CVまでの導線の確認
- LP(ランディングページ)の最適化
- CVポイントの出現回数の最適化
デジタルマーケティングの進め方は?
デジタルマーケティングは以下の順に進めることが一般的です。
1.目的・目標の設定
デジタルマーケティングを行う目的を明確にし、KGIやKPIなどの目標を設定します。
2.ペルソナ・カスタマージャーニーの設定
自社製品を購入するターゲット像(ペルソナ)を設定し、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が検討から購入に至るまでのプロセスをまとめたものです。段階ごとの顧客心理を理解でき、行うべき施策がわかります。
3.施策実行
上記の設定を踏まえ、ターゲットに適した施策を実施します。
4.効果分析と改善
施策の効果を分析し、目標数値の達成度を確認します。改善すべき点は洗い出し、PDCAを回しながらデジタルマーケティングを行ってください。
BtoBデジタルマーケティングはオーダー!におまかせ
オーダー!は、BtoBデジタルマーケティングを幅広くサポートする、ビジネスコンシェルジュです。
以下よりお客様の必要なサービスを選択し、ご利用いただけます。納期・お見積りについては、個別にお問合せ下さい。
【メニュー】
■映像制作
実写撮影やCG合成、3DCGなどを活用し、予算や目的に応じた映像を制作します。
(制作例)商品・サービスの説明動画、SNS用など動画コンテンツの作成、イベント用アタック動画の制作、ゲーム内の動画制作、コンセプト動画など
■提案資料デザイン化
PowerPointやWordで制作した下書き資料を基に、デザイナーがきれいに制作し直します。マニュアルや提案書など幅広く対応可能です。
■Webサイト・キャンペーン レポート作成
ホームページ、キャンペーンサイト、イベント実施後のレポート制作を代行します。
■データ化代行
オフラインイベントやキャンペーンで収集したアンケートおよび、プロファイルのデータ化をサポートします。
※その他、チラシやイベントのパンフレット制作も可能です。
BtoBデジタルマーケティングのまとめ
本記事では、BtoBデジタルマーケティングについて解説しました。
多くのサービス・製品の中から自社商品を選んでもらうには、顧客との結び付きが重要です。本記事でご紹介した8つの手法を使い、顧客との信頼関係を構築しましょう。
「オンライン化したいが、リソースが足りない」、「デジタル化に手間がかかる」とお悩みの方は、ぜひオーダー!にご相談下さい。包括的にサポートさせていただきます。
BtoBサイト制作のポイントや注意点を解説!おすすめ制作会社7選も(近日公開予定)
- Q
- A