「自社の魅力を最大限に引き出すホームページのレイアウトやコンテンツとして、どんな写真がいいのかわからない」
「旅行会社が作る宿泊プランが日々更新され、自社ホームページで対応するのが大変」
「バナー作成やテキスト編集など、ホームページまわりの業務がいろいろありすぎて社内では対応が難しい」

このように、ホテルや旅館のホームページには、業種ならではの特徴があります。そこで本稿では、ホテルや旅館のホームページ作成やリニューアルに必要な情報を、さまざまな観点から解説します。ホテルや旅館のホームページ制作で知っておきたいポイントや、ホームページまわりの運営業務を引き受けるサービスなども紹介しますので、参考にしてください。

ホテル・旅館ホームページの目的

ホテルや旅館のホームページには、一般の企業や商品、サービスなどのホームページとは違った役割があります。人々はどんな目的をもって、ホテル・旅館のホームページを検索したり、訪問したりするのでしょう。3つの観点から紹介します。

ホテル・旅館の紹介

まずは、ホテルや旅館がどんなところか知りたいとホームページを訪れた人々に、施設のさまざまな側面を紹介し、宿泊施設の雰囲気を知ってもらう役割があります。

宿泊を検討するお客様は、客室、食事、浴場といった宿泊施設が直接提供する機能はもちろん、近隣観光地や駅などへのアクセスも知りたくなるものです。

ビジネスホテルのように食事とセットにならない宿泊であれば、近隣の飲食店の情報提供もうれしいでしょう。アメニティや備品の情報もあれば、不必要な持ちものを省けます。

予約

ホテルや旅館の公式ホームページは問い合わせ窓口です。旅行代理店や検索サイトから公式ホームページを訪れた方がホテルの雰囲気を確認したら、その場で予約してもらうのが肝心です。

ホテルや旅館のホームページに、「公式ホームページからの予約が最安値」と書かれたメッセージを見かけたことがあるでしょう。

アランくん

他のホテルや旅館に予約されてしまうことのないよう、空き状況がわかりやすく、予約しやすくする必要があります。

認知拡大

ホテルや旅館のホームページのもっとも重要な役割は、認知を広げることといえます。

知名度を高めることはもちろんですが、ホテルや旅館を紹介する情報とあわせ、ブランディングを行い、ホテルや旅館のポジショニングを明確にしていくことが認知拡大につながります。

ホームページを通じてホテルや旅館の認知を拡大していくには、SNSと連携することも大切です。SNSを通じた流入が増えると、公式ホームページでの予約数も増加することが見込まれます。

ホテル・旅館ホームページ作成のポイント

それでは、ホテルや旅館のホームページを作成するにあたって、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。6つのポイントからご説明します。

ターゲットの明確化

ひとことで「ホテル・旅館」といっても、訪れるお客様にはさまざまなニーズがあるものです。せっかくホームページを訪れ、情報を収集しようとするお客様に「どのようなお客様にも対応できる」という幅広さを売りにするのは、今日では無粋といってよいでしょう。

なぜターゲットを明確化し、絞り込む必要があるのでしょうか。それは、次のようなメリットがあるからです。

・自社の宿泊施設の内外装などの設備、接客、サービスやプロモーションなどの戦略が明確になる
・自社の特徴がはっきりし、アピールできる魅力が高まる
限られた経営資源をターゲットに集中させることで、競争力が上がる

これらのメリットによって、お客様がわかりやすく宿泊施設を認知でき、選びやすくなるというベネフィットも生まれます。

アランくん

ホームページを作る前に具体的な人物像まで掘り下げたターゲットをイメージし、そのターゲットのニーズに合う内容にしていきましょう。

ホームページに必要な構成を知る

具体的な人物像までターゲットを明確にするとはいえ、ホテルや旅館を選ぶ際どんな情報が必要か、あったらよいかというのは、ある程度共通しています。

情報をきちんと構造化し、ホームページ上で網羅した構成になっていれば、SEO(※)効果も期待できます。

※SEO…検索エンジン最適化のこと。Webサイトやコンテンツを特定のキーワードに関連付け、検索結果で上位表示させる手法。

たとえば、一般的なホテルや旅館のホームページには以下のような情報が掲載されています。これらの情報をターゲットに合わせ、メリハリを付けて紹介していきます。

・宿泊・滞在部屋に関する情報(部屋案内、温泉紹介)
・食事の紹介(メニュー、レストラン、バーなど)
・宿泊、利用プラン(プランと価格の紹介)
・宿泊予約
・アクセス
・ホテルや旅館からのお知らせ
・問い合わせ

予約ページへの動線づくり

上記で紹介したように、ホテルや旅館のホームページでは紹介する情報がたくさんあります。ですが、予約ページまでの動線が複雑だとユーザーの離脱を招きやすくなります。なぜなら、ユーザーは情報をくまなく見た後に予約するのではなく、予約に必要な情報を手に入れたらすぐ予約したくなるからです。

トップページ、部屋や食事紹介ページに予約ページへの誘導バナーを入れるなど、最終的なゴールである「予約」という行動につなげられるよう、わかりやすい動線作りが重要です。

充実した画像

ホテルや旅館のホームページでは、館内、外観、部屋、温泉、料理などの画像も宿泊施設の雰囲気や魅力を伝えるために必要です。

ホテルや旅館の魅力を文章だけで伝えるのはとても難しいものです。雰囲気をうまく伝える「映える」写真が、予約を獲得する力になります。

アランくん

宿泊利用者からのSNSの口コミ獲得と合わせ、画像の充実を心がけましょう。

わかりやすい予約システム

価格、予約可能かどうか、空室状況、プラン内容、キャンセルポリシーなどがわかりやすい予約システムにしましょう。インターネットに慣れていない方に向け、電話番号や電話予約での方法なども掲載すると親切です。

SEO対策・MEO対策

地域名で検索した際に見つけてもらいやすいよう、ホテルや旅館のホームページでは、制作と同時にSEO対策・MEO対策を行います。

SEOでは「地域名 ホテル(旅館)」などと検索した際、自社のホームページが上位に表示されるよう、ホームページ全体や個々のページを調整します。

MEOは聞き慣れない方も少なくないかもしれません。MEOとは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」の略称であり、Google検索に表示されるローカル検索結果で上位表示させることが目的です。ローカル検索結果に表示されるため、「ローカルSEO」とも呼ばれています。

MEOで表示されるローカル検索結果は、SEOの掲載枠であるオーガニック検索結果の上部に地図とともに置かれ、スマホではファーストビューのほとんどを示すことも少なくありません。「映える」魅力的な写真の配置や動画などの素材も効果的です。

ホテル・旅館ホームページの参考事例

ホテルや旅館のホームページで参考になる事例を3つ、ご紹介します。

むさし

引用:https://www.yado-musashi.co.jp/

紀州・白浜温泉むさしは和歌山県白浜町にある、148室の温泉旅館です。

こちらのホームページは、次のような点がポイントです。

旅館を紹介する情報が縦スクロールだけで閲覧できて見やすい
・空室検索メニューが常に左下に表示されていて迷わない
たくさんの写真をタイル状に配置し、充実させている
・逆に空室検索メニューでは、文字ベースで特典やお客様の声へのリンクを簡潔に表示している

星のや

引用:https://hoshinoya.com/

星のやは、星野リゾートが運営するラグジュアリーホテルブランドで、国内に6施設、海外に2施設あります。

星のやのホームページは、8施設の玄関となるブランドサイトがあり、それぞれの施設のページにつながっています。見どころは次の通りです。

・8施設の個性が現れるよう、トップページで大きな画像をカルーセルで見せている
・スクロール下では施設の写真をタイル上に配置、各施設の紹介にリンクさせる
少ないクリック数で目的のページにたどりつける

神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ

引用:https://www.sheraton-kobe.co.jp/

神戸ベイシェラトンホテル&タワーズは、75ヵ国、400以上のホテルを展開する世界的なホテルチェーンであるシェラトングループのホテルです。

こちらのホームページも、先述の2社と同様、縦スクロール中心で構成されたものですが、次のようなポイントを参考にできます。

・動きのある写真表示の合間に短文での説明を挿入。訪れたユーザーの理解や納得の手助けとなる
「レストラン」「ウェディング」など目的別のページナビゲーションを上部で常に見えるようにしている

ホテル・旅館ホームページ作成の費用相場

ホテルや旅館のホームページは紹介する情報が多くなるため、ページが増えがちです。また、予約システムの導入・運用費用もかかってきます。

一般的に、ホテルや旅館のホームページをオリジナルデザインで制作するとページ数によりますが、最低でも150万円以上はかかります。ホームページ制作だけでなく、問い合わせフォームやチャットシステム、コンサルティング、マーケティングサポート込みで依頼する場合、その費用は増加します。

ホテル・旅館ホームページ作成の注意点

実際にホテルや旅館のホームページを作るとき、どのような点に注意すればよいのでしょうか。4つの視点に分けて紹介します。

多言語対応

外国人旅行客をターゲットとする場合は、多言語対応が必須です。

インターネット上の日本語ユーザーは3%未満といわれています。

多言語対応にし、外国語ユーザーに向けても情報を発信できるようになれば、潜在顧客層の開拓、そして利益拡大につながる可能性があります。

なお、多言語対応に限らないことですが、ホテル・旅館の住所・連絡先など重要な情報はわかりやすく表記しておきましょう。

モバイル対応

総務省が発表した「令和4年版 情報通信白書」内の「インターネットの利用動向」によると、端末別のインターネット利用率(個人)はスマートフォンが68.5%となり、パソコンでの利用率を20%も上回っています。

近年では「モバイルファースト」といわれ、モバイル端末で閲覧された際の使いやすさを、より重要視するサイト設計が増えています。せっかく訪れたユーザーが離脱しないように、スマートフォンで見やすいサイト作りをしましょう。

参考:総務省「令和4年版 情報通信白書 総論」

既存システムとの連携

すでに使用している予約システムやメルマガシステムを使用する場合には、ホームページを制作するうえでそのまま使用できるか確認しましょう。

作成後の運営も重要

ホームページは作成したら終わり、ではありません。季節やイベント、メニューなどの見直しに合わせ、情報の更新やターゲットのニーズに応える改善が必要です。

そのための人員やリソースは確実に確保しておきたいところです。

ホテル・旅館ホームページ制作会社の選び方

ホテル・旅館のホームページは、ここまで見てきたように一般のホームページとは違った特徴があります。

このため、ホームページ制作の知見だけでなく、ホテル・旅館の商習慣を理解し、サイトに反映できる知見を持った会社を選ぶのがよいでしょう。それは、自社のビジネスゴールとサイトを利用するユーザー両方のニーズを汲み、自社のビジネスに貢献し得る企画の立案と実行を提供できる会社です。

事例で見ていただいたように、ホテルや旅館の魅力を余すところなく紹介するためには、情報構造の設計から、個別の情報を魅力的に紹介する写真や動画作成の技術まで必要になります。どういった表現がいいかは、発注者にはなかなかわからないものです。

ですので、クライアントに言われたとおりに作るのではなく、クライアントのゴールに向けてコミュニケーションが取れる制作会社と組むのがベストです。

ホームページ以外の媒体にも対応できる会社かどうかチェックしておくのもよいでしょう。紙媒体や映像などにも対応できる制作会社なら、ホームページと連動した紙広告やPR動画の作成も可能です。

上記のポイントを踏まえたうえで、実績や費用を確認しながら選択していくとよいでしょう。

ホテル・旅館ホームページ制作会社4選

この章では、ホテルや旅館のホームページ制作に対応できる企業を4社、ご紹介します。

オーダー!

オーダー!では、Webサイトの構築から運用まで必要な業務を一気通貫でご支援しています。

オーダー!の特長は、忙しいホテルや旅館に代わり、Webサイトの運用全般をお手伝いする「まるっとお任せ!定額運用メニュー」があることです。

一般的にホテルや旅館では、さまざまな業務を兼務したり、ホームページまわりの業務をひとりで担当することも多いでしょう。オーダー!ならホテル・旅館のWeb担当のように専任をつけて対応することが可能です。

全国に何十店舗と展開していても、安心して任せられます。担当者が体調を崩したり、突然辞めてしまうときでも業務が止まる心配はありません。

また、ホテル・旅館によっては、自社開発商品や地元の特産品などの物販を行ったり、ビジネス系の大規模会議、もしくはパーティを引き受けたりすることもあるでしょう。

オーダー!ならECサイト制作・運用はもちろんのこと、物流まわりからお客様へのDMまで一括して対応できます。これは一般のホームページ制作会社と異なる大きな強みです。

サービス内容ホームページ制作、保守管理サポート、SEO、MEO対策など業務横断的なサービス
料金要問合せ
※定額運用メニューの基本プランは月額10万円、契約期間3ヵ月単位、実働時間月30時間
対応エリア全国
実績下記事例を参照

オーダー!のホテル・旅館ホームページ運用サポート事例

日本各地で宿泊特化型やフルサービスのコミュニティホテル、リゾートホテル、温泉ホテル・旅館などさまざまな業態の施設を100棟以上運営するX社様。

実施する施策の数が多いにもかかわらずリソースが少ない状態で、柔軟に対応ができるパートナーを求めていたそうです。

そこで、業務横断的にサポート可能なオーダー!の「まるっとお任せ!定額運用メニュー」を導入いただきました。月60時間の契約で、メルマガのコーディングやバナーの制作・改訂などを中心とした業務のご依頼を承っています。

X社 ご担当者様のコメント

一つ一つ案件ごとに迅速、かつご丁寧に対応いただき、ありがとうございます。

バナー制作やメルマガコーディングは想定していた通りの仕上がりで、大変助かっております。また、その他の業務でも柔軟に対応いただいています。

このように、オーダー!の「まるっとお任せ!定額運用メニュー」では、ご契約時間に合わせ、お客様と相談しながら優先順位を付けて進めることが可能です。

画像処理やWebページ制作だけでなく、異なるノウハウが必要なチラシなど紙のデザイン制作スキルまでを横断的に提供できます。

▼事例の詳細はこちらをご覧下さい

株式会社アドグラフィー

引用:https://www.adgraphy.jp/

株式会社アドグラフィーは創業者自身の体験に基づき、旅館やホテルのホームページ制作や魅力の再定義、プロデュースまで手がけています。その特徴は、宿泊施設の戦略コンサルティングや、ターゲット層を引き付ける写真の撮影を得意としている点です。

ホームページ保守管理プランでは月額1万円からの3プランを持ち、テキストや画像の差し替えのような簡単な修正から、バナー作成やコンテンツデザインまでをメニュー化して請け負っています。

サービス内容ホームページ制作、写真撮影、OTA管理、宿泊施設プロデュースなど
料金要問合わせ
対応エリア全国 実績の5割を地元九州が占める
実績拠点大分を中心に300件以上

株式会社キャディッシュ

引用:https://www.cadish.co.jp/

キャディッシュは、旅館・ホテルに特化したホームページと予約システムを提案する企業です。

インターネット予約システム「予約番」は、3ステップで予約完了できるすぐれたインターフェースを持ち、スマートフォンからでも利用可能。予約画面は5種類のレイアウトと6色の組み合わせから、自社のホームページに合わせたテイストを選べるようになっています。

サービス内容独自の予約システム「予約番」、ホームページ制作
料金予約番は初期設定3万円、月額1.3万円
対応エリア全国
実績Webサイト制作 全国500件

株式会社IOS

引用:https://www.i-o-s.co.jp/

東北地方を中心に、宿泊施設の販促全般をサポートするIOSは、ホームページ制作に加え、チラシなど紙デザインの制作も可能です。また、さまざまな宿泊予約サイトを一元管理するシステム「手間いらず」を提供し、Web予約担当者の負担を軽減します。

さらに忙しいホテルには、担当者に代わり管理画面の操作を代行するサービスも請け負っています。

サービス内容ホームページ制作、保守管理サポート、チラシのデザイン制作など
料金・公式サイト制作は要問合せ ・保守管理は月1万円〜(PC+スマホの場合)
対応エリア東北中心、全国対応可能
実績東北圏内のホテル、全国チェーンホテルなど

ホテル・旅館ホームページのまとめ

ホテルや旅館のホームページ制作には、業界独自の観点が必要です。

作成に際しては、以下のようなポイントを意識しましょう。

・ターゲット層に合わせたコンテンツデザイン
・わかりやすい予約管理システム
・パンフレットやチラシといった紙媒体などのデザイン感の統一

ホテルや旅館のホームぺージ制作は一般的なホームページ制作に比べ費用がかかりますが、利益創出の源です。必要な経営資源を充て、運用業務まで親身に対応してくれる制作会社を選ぶことをおすすめします。

オーダー!はWebサイトの構築からITまわりの業務代行、物流関連サービスまで、幅広い業務領域を生かした、総合的なサポートが強みです。ホテルや旅館のホームページ制作や運用に不安を感じている方は、ぜひオーダー!にご相談下さい。