商品を販売している企業にとって、棚卸は欠かせない業務です。しかし、棚卸をしながらこんなことを考えたことはありませんか?
- 棚卸って何のために行っているの?
- 棚卸はどんな方法で行うと効率的なの?
実は、棚卸の意味や方法はよく知られていないように思われます。
今回は、棚卸しとは何か、どんな目的で行うのか、その方法などを解説します。この記事を読むと、棚卸に関する基礎的な知識や効率化のポイントが分かります。ぜひ参考にしてください。
棚卸とは
まずは棚卸とは何かを確認しておきましょう。
棚卸とは、商品の販売を行う企業において、定期的に自社の商品在庫をチェックすることを指します。
それでは、「定期的に」とは、いつ・どれくらいの頻度を指すのでしょうか。
棚卸はいつ行う?
多くの場合、棚卸は期末に行います。つまり、3月決算の企業の場合は3月末に行います。
頻度は多くの企業は最低でも年1回、大企業であれば半年に1回が一般的ですが、業種や会社によっては毎月末に棚卸を行うこともあります。
棚卸の目的
棚卸は多くの企業で行われていますが、その目的をよく理解しないまま行われていたり、作業手順があいまいになっていたりするケースも見られるようです。
そこで、あらためて棚卸の目的を確認しておきましょう。
利益を正確に計算するため
健全な企業運営や財務管理を行うために、企業はどれだけ利益を得ているかを明らかにする必要があります。そのための重要な指標が「売上総利益」です。
売上総利益は、次の計算式で求められます。
売上総利益=売上-売上原価
売上総利益を求めるためには、「売上」と「売上原価」を求める必要があります。このうち、「売上原価」の算出には在庫管理、つまり棚卸が関係しているのです。
売上原価とは、売り上げた商品に対する商品原価のことです。商品を仕入れるためにかかった金額を指します。
基本的に、商品を仕入れた際にかかる金額は、仕入れを行ったタイミングで全額を費用として計上することはできません。売り上げた商品の分だけが費用として計上できます。つまり、商品を売り上げたタイミングで売上原価を計上できるのです。
売上原価を求める計算式は、以下のようになります。
売上原価=期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高
そのため、売上原価を求めるためには具体的にこの2つを行います。
- 決算日に棚卸を行い、残っている商品や製品などを数える
- 在庫金額を割り出し、売上に対応する商品の原価を把握する
「少し専門的な会計の話になってしまいましたが、棚卸は企業の状態を把握するために必須!ということを押さえておきましょう!」
適切な在庫管理を行うため
棚卸をすることによって、商品在庫の数や状態を把握できます。これにより「滞留在庫」や「不良在庫」の発見につながり、商品の動きが分かります。
過剰な在庫を抱えたり、反対に商品在庫の欠品を減らしたりすることで、販売機会の損失を防ぎ、商品を安定して供給できます。
また、商品が倉庫に長期間保管されている状態が続くと、品質が落ちてしまう場合があります。これでは先に出荷された商品との間に品質の差が生まれ、クレームにつながってしまいます。
しかし、棚卸によって在庫の状態を把握できれば適切なサイクルで出荷できるので、常に適量の商品が保管された状態を保てます。長期保管による劣化を防ぐことで品質も安定します。
在庫管理のやり方全般に関しては、以下の記事をご参考にしてください。
棚卸の方法と手順
ここでは、棚卸の方法と手順を分かりやすく解説します。
棚卸の方法には、帳簿をもとに計算する「帳簿棚卸」と、実際に現物を点検する「実地棚卸」があります。
帳簿棚卸だけでは実情を把握しきれないため、手間はかかりますが実地棚卸も行うことが重要です。帳簿と実際の在庫に差異がないかを確認し、もし差異がある場合はその原因を検証しましょう。
帳簿棚卸
帳簿棚卸とは、商品在庫を出し入れするたびに「在庫管理表」と呼ばれる表にその内容を記録することで、在庫がどれくらいあるのかを把握する方法を指します。
実地棚卸
実地棚卸とは、期末などのある時点において在庫がどれくらいあるのかを実際にカウントする方法です。
これにより、在庫の数が正しいか、品質に問題がないかを確認し、帳簿上の在庫と実際の在庫の差異がないかもあわせて確認します。
また、実地棚卸には「リスト方式」と「タグ方式」の2つの手順があります。それぞれどのような方法なのか、メリット・デメリットを解説します。
リスト方式
在庫管理システムから出力されたリストをもとに、実際に保管されている商品在庫の数量がリスト上の数量と一致していることを確認する方法です。
メリットは比較的短時間でできること、デメリットは商品在庫のカウント漏れが発生しやすいことです。
タグ方式
実地棚卸によって商品在庫の品目・個数を確認した後、「棚札」と呼ばれる伝票に記入を行い、商品に貼り付ける方法です。
全ての現物に棚札が貼付されていることで、すべての商品在庫がもれなくカウントされたことを確認できます。
メリットは棚札を貼り付けるため抜け漏れが防げること、デメリットは全ての棚札を連番で管理する必要があるため、手間がかかることです。
「それぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらの方法が自社にとって最適かを検討しましょう!」
棚卸で起こりがちなミス
どんな方法で行うにせよ、棚卸はミスが起こりやすい作業といえます。ここでは、棚卸でどんなミスが起こり得るのか、どんな場合に起こりやすいかを解説します。
カウント漏れ(数え忘れ)
在庫の存在に気付かず、実際にある数より少なくカウントしてしまうミスです。在庫が棚の奥など見通しの悪い場所に置かれている場合に起こりやすいミスといえます。
カウントミス(数え間違い)
在庫の数量を数え間違ってしまうものです。作業している人の集中力が途切れてしまった時に起こりやすいミスと言えるでしょう。また、外箱に記載されている数量をそのまま転記したところ、実際は中身の個数が異なっていたというケースも散見されます。
記入ミス
商品数や在庫のある場所などを記載する際に誤って記入するミスです。こちらも集中力が途切れてしまった時に発生しやすいミスといえます。
入力漏れ
収集したデータを入力し忘れたり、本来とは異なる数量を登録してしまうミスです。
読み間違い
似たような商品名や数字の取り違えが該当します。」
商品間違い
特徴が似ている商品を誤って認識してしまうミスです。見た目はほとんど同じでありながら素材が異なる、外箱の色や形が似ているなどの場合には注意が必要です。
棚卸しはミスが起こりやすいのですね。ここからは、ミスを防ぎ、効率的に進める方法をお伝えします!
棚卸を効率化する3つのポイント
棚卸は重要な作業ですが、それだけで利益を生むものではありません。そのため、企業としては効率的に行いたい業務の一つですよね。
ここでは、棚卸を効率化するためのポイントを3つ紹介します。
1.ルールの徹底
棚卸は複数の従業員で行うことが一般的です。そのため、ルールを作成しないとそれぞれのやり方で作業を行ってしまうため、ミスが起こりやすく、効率も悪くなってしまいます。
棚卸の際にはルールを作成し、従業員に徹底させましょう。マニュアルや手順書を作成し、誰でも同じように作業できる状態にします。業務の標準化を図ることで、効率化することができます。
2.在庫管理システムの導入
棚卸作業中には、先ほど挙げたようなヒューマンエラーが起きやすいです。
現状Excelや手書きなどで在庫管理している場合、システムを導入することによって一定のミスが防げるため、作業の効率化につながるケースが見られます。
在庫管理システムについては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
3.物流アウトソーシングの活用
棚卸は作業工程が煩雑で、多くの人員や工数を必要とします。しかし、先ほども述べたようにそれだけで利益が出る作業ではないので、企業としてはできるだけ工数をかけたくないのが実情です。
そこで、自社で棚卸に対応しきれない場合はプロの物流会社に作業を委託する、という方法もあります。
棚卸をアウトソーシングした場合、依頼した企業は実地棚卸に立ち会い、一部を確認するだけで済むことが一般的です。そのため、棚卸の手間を大幅に減らすことができます。
また、物流業者は棚卸の作業に慣れているため、プロに任せた方が効率的です。
物流アウトソーシング先の選び方については以下の記事を参考にしてください。
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実際の棚卸では、倉庫側で事前にある程度の作業を行い、棚卸当日に企業の担当者の方が立ち会って抜き打ちでランダムにカウントするケースが一般的です。そのため、すべての作業に立ち会う必要はほぼありません。
また、オーダー!は在庫管理を徹底しているため、帳簿と実際の在庫のズレはほぼありません。お客様の中にはオーダー!を信頼していただき、棚卸作業を全てお任せいただいている企業もあります。
棚卸しのまとめ
今回は、棚卸とは何か、どんな目的で行われるのか、その方法などを解説しました。
棚卸の詳細な内容はもちろんのこと、棚卸作業はミスが起こりやすいことがお分かりいただけたかと存じます。
ミスを減らし、自社の本来の業務に集中するためには棚卸をアウトソーシングすることも一つの手です。棚卸を外部に依頼したいと考えている方は、ぜひオーダー!の物流サービスをご検討ください。
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