ECの事業を始めると必ず直面するのが、在庫管理の問題。たとえば、手書きのリストやExcelの数字が合わない、在庫切れや過剰在庫のリスクに対応しきれない、複数の販売チャネルに対応しきれていないなどの問題を抱えていないでしょうか。
これらの在庫管理にまつわるあらゆる苦労を軽減できるのが、スマホで簡単に在庫管理ができるアプリです。
この記事では在庫管理アプリのメリットや選び方、おすすめのアプリをご紹介します。
在庫管理アプリとは?どんな機能やメリットがあるの?
在庫管理アプリとは、スマートフォンやタブレットを使って、商品や資材などの在庫データを登録・更新・共有・確認できるアプリケーションのことです。在庫管理アプリには、さまざまな機能やメリットがあります。
在庫管理アプリでできること
日々適正な在庫をコントロールしたいEC事業者にとって、在庫管理アプリはとても役に立つツール。主に以下のような機能があります。
・在庫数の管理
商品の販売によって変動する在庫。在庫が増えたり減ったりする時の管理はもちろん、在庫数の自動更新もできます。また、在庫量が一定数を下回ったら警告する機能を持つアプリもあります。
・在庫の分析機能
過去の売上履歴から、ある期間にどの商品がどの程度売れそうか、在庫をどのくらい抱えておくべきかなどを分析することができます。
・在庫の移動履歴の管理
商品が倉庫の中の思わぬ場所にあって数が合わなくなる、在庫が倉庫間を移動した時など、商品がどこにあるのかの移動履歴を管理できます。在庫管理のトラブルが起きた場合には、この在庫履歴を見ることで解決につながります。
・在庫のバーコード読み取り
商品にバーコードをつけて管理している場合には、そのバーコードを読み取って在庫数を更新できます。手動で入力する手間がなくなり、正確です。
在庫をバーコードで読み取れるようになると、棚卸し作業も速くなりますし、商品知識の少ない新人さんでも作業しやすくなります。人手不足の時代、仕組み化として取り入れやすいひとつの機能が、バーコード化です。
在庫管理アプリを導入するメリット
在庫管理アプリ導入により、正確かつタイムリーな在庫把握が可能になり、最適化された在庫や適切な発注数の決定が行えます。手動で在庫数を更新する手間が省け、業務効率化も可能に。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
在庫の把握や管理が容易になる
在庫管理アプリの最大のメリットは、手動で在庫数を管理する必要がなくなること。自動的に在庫数が更新されるため、いつでも正確な在庫数が把握でき、適切な発注数を決定し、売り逃しや遅配を防ぐことができます。
在庫過剰・不足防止と無駄の削減
在庫数を正確に把握することで、在庫過剰や不足を防ぎ、無駄を減らすことができます。また、在庫履歴管理機能を活用すれば、商品の売れ行きや売れ筋時期などのデータも確認可能です。
適切なタイミングでの発注
設定した在庫数の閾値を下回ると自動的にアラートを通知する機能付きアプリの使用で、在庫切れリスクを軽減し、適切なタイミングでの発注が可能になります。適切な在庫数の把握と最適化により、無駄を抑えつつ欠品の恐れなく、積極的な販売を実現できます。
在庫管理アプリで在庫数をいつでも正確に把握できるようにすることが、売れ残りを作らない、攻めの販売につながるのです。
在庫管理アプリのデメリットと注意点
在庫管理アプリは、人でも難しかったさまざまな作業を自動化できる反面、設定や操作が煩雑で、多くの場合使いこなすことが難しいというのがデメリット。
また、無料アプリでは機能制限があることにも注意が必要です。具体的なデメリットは以下の通りです。
設定や操作が煩雑
在庫管理アプリは機能が豊富ですが、設定や操作が複雑で煩雑になることも。そのため、初めてアプリを利用する人や、IT知識に乏しい人にとっては、使いこなすまでのハードルが高いことがあります。
システムやインターネット環境に影響を受けること
サーバートラブルやシステムエラー、インターネットトラブルが発生した場合、利用できなくなり、在庫数の把握や注文管理ができなくなる可能性があります。
カスタマイズの難しさ
在庫管理アプリのカスタマイズが難しい場合があり、利用者が望む機能が実現できなかったり、自社の業務に合わせた最適な設定ができないことがあります。
在庫管理アプリの選び方【有料か無料か・QRコード対応か・発注アラート機能か】
在庫管理アプリ選びのポイントは、有料か無料か、QRコード対応か、発注アラート機能があるかの3つです。順に見ていきましょう。
有料か無料か
有料アプリは機能が充実していますが、初期費用や月額費用がかかります。無料アプリはコストを抑えられますが、機能が限定されることがあります。予算とニーズを考慮して選びましょう。
在庫アプリを使う目的や予算と必要な機能に合わせて、適切な在庫管理アプリを選びましょう。有料版のある無料アプリもあるので、商品数の増加に合わせて有料プランを契約するのもいいでしょう。
QRコードやバーコードをスキャンできるか
QRコードやバーコード対応のアプリは、商品情報の入力が簡単になり、作業効率が向上します。商品数が多い場合や、迅速な在庫管理が求められる場合は、スキャン機能があるアプリを選ぶことをおすすめします。
発注アラートが搭載されているか
発注アラート機能があるアプリでは、在庫が一定量以下になると通知が届くため、適切なタイミングでの発注が可能。在庫切れを防ぎ、顧客満足度を向上させるためには、この機能を検討しましょう。
おすすめの在庫管理アプリ9選【無料・有料】
これまで紹介してきた在庫管理アプリの選び方のポイントを踏まえ、実際におすすめする在庫管理アプリをご紹介します。
無料で使える在庫管理アプリ4選
まずは、無料で使える在庫管理アプリを4つご紹介します。
紹介するのは、「ハウメニ」、「Tana」、「クラプロ」「Telesto」。完全に無料のものから、有料版と比べて一部の機能や商品登録数に制限があるものもあります。
ハウメニ
出典:https://www.howmany.jp/
ハウメニは、完全無料のシンプルな在庫管理アプリ。データはクラウド保存のため、万が一スマホが故障しても安心です。ただし、商品登録数は50件が上限。小規模EC事業者におすすめですが、それ以上登録したくても有料版は用意されていないので注意が必要です。
Tana
出典:https://get.tana.app/ja/
Tanaは、クラウド型の在庫管理アプリ。スマホのカメラでバーコードを読み取って在庫の入出荷やチェックができます。また、有料プランも、スタンダードプランで1名につき月額200円(税別)と格安。複数人で在庫を共有したいときは気軽に有料版に移行できます。
クラプロ(複数人・複数拠点で共有可能)
出典:https://kurapro.jp/
クラプロは、複数人や複数拠点で在庫情報を共有できるのがポイントの有料アプリです。1人での利用の場合、ABC分析や棚卸し、入出荷先の管理といった有料と同じ機能を無料で使えるのが大きな売り。商品登録数50点までは無料で使えます。
Telesto
出典:https://www.telesto.app/ja/
Telestoは、中小企業向けの在庫管理アプリ。商品登録数20点までは無料で使えますが、有料プランにすると2,000点や10,000点まで登録できます。
有料契約するとデスクトップ版が利用でき、CSVやExcelファイルからのインポートやエクスポートができるので、データの加工やバックアップが簡単にできます。また、チームメンバーと在庫を共有できるほか、ABC分析やデータ集計などのレポート機能も利用できます。
有料で使える在庫管理アプリ5選
続いて、有料で使える在庫アプリを5つご紹介します。紹介するのは「ロジクラ」「クラウド在庫管理ソフトzaico」、「サイボウズoffice」、「mylogi」、「ネクストエンジン」。
データ分析やAPIによるシステム連携がしやすいものなど、さまざまな特徴を備えています。
ロジクラ
出典:https://www.zaico.co.jp/
ロジクラは、スマホでバーコードを読み取ることで、在庫管理や出荷管理を一元化できるアプリです。カートやOMS(オーダーマネジメントシステム)などの外部サービスとも連携し、データの一元管理を実現できます。
プレミアムプランでは、管理できる在庫量が増えるだけでなく、ロケーション管理や拠点間の在庫移動など、より高度な在庫管理機能を利用することができます。
クラウド在庫管理ソフトzaico
出典:https://www.zaico.co.jp/
zaicoはクラウド上で動作する在庫管理ソフトで、バーコード・QRコードの読み取りや、スマホアプリからの在庫管理が可能。また、直感的なUIで操作がしやすく、 API連携によりシステム連携も簡単に行えるのが特徴です。
個人利用向けのプランも用意されているのが特徴の一つです。
31日間の無料お試し期間のプランもあるので、まずは無料で使ってみて自社に合うか確かめるとよいでしょう。
サイボウズOffice
出典:https://office.cybozu.co.jp/function/customapp/sample/zaiko/index.html
「サイボウズOffice」アプリには、プレミアムコース限定のカスタムアプリの「在庫管理」機能があります。この在庫管理アプリで入荷、出荷を登録し、集計機能を使って現在の在庫を把握することができます。集計機能を利用すれば、リアルタイムの在庫状況を確認が可能。さらにグラフ表示を設定すると、状況を視覚的に表示する事ができます。
おすすめポイントは、リアルタイムで在庫状況の確認ができること、在庫状況の伝達もれを削減できること、受注傾向がわかるので適正在庫を維持できること。納品日や棚卸日などの予定を一覧で管理し全員に伝達できることも大きなポイントです。
自社でサイボウズOfficeを取り入れている方にとっては、検討候補に入れやすいのではないでしょうか。
mylogi
出典:https://www.mylogi.jp/
mylogiは、商品在庫管理から受注管理、配送管理までワンストップで対応可能なEC特化の物流システムです。少ない在庫や小ロットの管理にも対応しており、EC運営のプロが開発したECサイト特化のシステムとなっています。
バーコードによる入出荷管理で正確な在庫管理を実現し、Shopifyや楽天などのECモールとAPI連携して自動で情報を取得できます。また、画面レイアウトや帳票のカスタマイズが可能で、軽減税率対応や企業ロゴ表示などもカスタマイズできるのが特徴です。
ネクストエンジン
出典:https://next-engine.net/
ネクストエンジンは、EC運営にかかる受注・在庫・商品の業務を自動化・効率化する一元管理システムです。
在庫管理機能では、複数のECモールやカートの在庫を連携できます。単品商品だけでなく、セット商品の在庫も連動可能です。在庫数が一定以下になると通知が送信される、アラート機能も搭載されています。入出庫の履歴を確認でき、棚卸作業の効率化も図れるため、複雑になりがちな在庫業務を自動で一括管理することができます。
在庫管理アプリに関するよくある質問
- Qエクセルで在庫管理アプリを自作することはできますか?
- A
エクセルを使った在庫管理アプリを作ることはできませんが、エクセルを使った在庫管理は可能です。詳しくは以下の記事にまとめていますので参考にしてください。
- Q在庫管理アプリは自作できますか?
- A
実現したいこと、求める機能によりますが、Googleが提供するノーコード開発環境「AppSheet」を使用し、スプレッドシートと連携することで在庫管理アプリを作成することができます。
- Q在庫管理アプリは複数人で共有できますか?
- A
はい、できます。在庫管理アプリの多くが在庫データの登録・更新・共有・確認を複数人でできるように作られています。
在庫管理を含めた物流システムならオーダー!
オーダー!では、独自開発した物流システムの導入サポートを行っています。ITと物流の専門性を活かして開発した在庫管理を含むWMS(倉庫管理システム)を2024年夏より提供予定です。
特徴 | ・ITと物流のノウハウを活かしたシステム ・パッケージ、SaaS両形態で提供可能 ・自社倉庫を保有する企業、ECサイト運営者向け |
機能 | 入荷・出荷検品、在庫管理、送り状出力、賞味期限・ロット管理、作業進捗管理、運賃明細 |
規模 | スタートアップ企業、中小企業向け |
提供形態 | パッケージ、SaaS |
実績 | 小規模から中堅企業まで幅広い業種の実績がある |
また、WMSの導入以外にも入出庫管理から在庫管理、ピッキングまで包括的に対応可能。商品の封入やラベル貼りなど細かい作業もお任せいただけます。
まとめ
在庫管理アプリは、在庫管理を効率化し、業務をスムーズに進めるために欠かせない、重要なツールです。
在庫アプリにはたくさんの機能があります。無料アプリと有料アプリの違いや、QRコード対応・発注アラート機能の有無、商品登録数などを考慮して、自社に適したアプリを選びましょう。
なお、在庫管理のやり方全般に関しては、以下の記事をご参考にしてください。
煩雑な在庫管理、出荷業務をお任せください!
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