物量が増減しやすいShopifyのECサイト運営。在庫管理の難しさに頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、Shopifyの在庫管理を効率化する方法を詳しく解説します。基本機能やそのメリット・デメリット基本機能以外の三つの方法を紹介。おすすめの在庫管理サービスや選び方についても述べているので、ぜひ参考にしてください。

読後には在庫管理のストレスを解消し、ビジネスを成長させていく一歩を踏み出せるでしょう。

Shopifyの在庫管理とは

Shopifyの在庫管理とは

Shopifyの在庫管理は、商品の入出荷による在庫数の変化を正確に把握することが重要です。在庫数の把握により、適切な注文や販売戦略の策定が可能になるためです。

Shopifyにはさまざまな在庫管理機能が付いており、各商品の在庫数や保管場所の設定、在庫の移動や調整を効率的に行えます。

これらの機能を使って商品の売り切れや過剰在庫を防ぎ、顧客満足度と利益率を高めることが可能です。

Shopifyの在庫管理機能でできること

Shopify 在庫管理機能

Shopifyには、以下の5つの在庫管理機能が付いています。

Shopifyの在庫管理機能
  • 在庫確認: Shopifyの在庫ぺージから、在庫状況の確認が可能。
  • 在庫数の把握と追跡 商品に追跡を設定すると、過去90日間の在庫調整履歴が閲覧可能に。商品の注文や在庫の増加が必要なタイミングを把握できる。
  • 在庫の追加と変更:新しい商品の在庫を追加 したり、既存商品の在庫数を変更したりできる。商品一つずつの変更、もしくは一括編集が可能。
  • 在庫切れ商品の非表示化: Shopifyでは在庫切れの商品を非表示にできるため、顧客の時間を無駄にしない。非表示化は手動、および在庫管理アプリで行える。
  • 注文書の管理機能:Shopifyには注文書の作成機能があり、商品、価格、数量を一覧表示できる。仕入れ在庫数、在庫費用などの把握に役立つ。

Shopifyの在庫管理機能・メリットとデメリット

Shopifyの在庫管理機能のメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット:低コストで使いやすい

Shopifyの在庫管理機能のメリットは、使いやすさとコストの低さにあります。

直感的でシンプルな操作性が特徴。在庫の変更といった機能も数値を入力するだけなので、初心者でもすぐに慣れることができます。また、他のツールを導入しなくても在庫管理ができるため、コストがかかりません。

デメリット:拡張性が低く、取り扱い量が多いと使いにくい

Shopifyの在庫管理機能は基本的なニーズには対応できるものの、拡張性が高くありません。

そのため、小規模ビジネスには向いていますが、多数の商品を扱う場合は対応しきれない可能性があります。もし在庫管理のカスタマイズや詳細な在庫分析を行いたいなら、アプリの追加やツールの導入が必要です。

ビジネスを拡大したり大量の在庫を扱ったりする際は、在庫管理機能の見直しや拡張を検討したほうがよいでしょう。

基本機能以外の在庫管理方法とは

Shopifyには、基本機能以外に3つの在庫管理方法があります。

基本機能以外の在庫管理方法とは

次章より、各方法について詳しく説明していきます。

Shopifyの在庫管理方法1:Shopifyのアプリを利用する

Shopifyのアプリ

最初の方法はShopifyのECサイト機能を強化できる、さまざまなアプリを追加することです。ユーザーの要望に合わせてShopifyの基本機能を柔軟にカスタマイズできますが、以下のようなデメリットも存在します。

デメリット
  1. 日本国内向けのアプリが限られている
  2. 有料のアプリもある
アランくん

多くのアプリは海外で作られており、日本語に対応していない場合も。また、高度な機能を提供するアプリは有料であることが多く、コスト面でも検討が必要です。

Shopifyの在庫管理アプリ例

例として、Shopifyの在庫管理に使用できるアプリを二つご紹介します。

Stocky

Stocky

引用:Stocky

StockyはShopify POS Pro(※)に含まれる在庫管理アプリです。在庫に関する意思決定を最適化し、悩む時間を減らせるため在庫管理がスムーズになります。

ただし、日本語には対応しておらず、使用するにはShopify POS Proプランに入る必要があります。

※Shopify POS Pro…実店舗とECサイトの管理を一元化する機能。スタッフごとの売上管理や権限設定などさまざまな機能が付いている。

機能注文書の作成と管理、需要予測、在庫補充と商品の移動、在庫調整、在庫分析など
料金無料 ※ただしShopify POS Proプランに入る必要がある。

在庫アラート

在庫アラート

引用:在庫管理アラート

在庫アラートは、Shopifyの在庫がなくなる前に通知してくれるアプリです。ストアで通知を受けることができ、購入機会の損失を防げます。商品ごとの閾値や通知先は自由に設定可能です。

このアプリは有料で、料金プランによって登録できるSKU数が異なります。30日間の無料体験があるので、試してみるのもよいでしょう。

機能在庫がなくなる前に通知が届く
料金ベーシック:$29
プロ:$89
エンタープライズ:$299
※全て月額

Shopifyの在庫管理方法2:外部の在庫管理システムと連携する

外部の在庫管理システムと連携する

二つ目のShopifyの在庫管理方法は、外部の在庫管理システムとの連携です。外部システムと連携すると次のことが可能になります。

  • 複数のプラットフォームの在庫を一括で管理できるようになる
  • 注文の受注を自動化できる(ヒューマンエラーを削減できる)
アランくん

Shopify以外に、ECモールや自社サイト、実店舗でも商品販売している場合に有効な手段です。

Shopify向け・在庫管理システムの選び方

外部の在庫管理システムを選ぶ際は、次のポイントに注目してみてください。

  • 操作のしやすさ…使いやすいインターフェースか、無料体験があれば利用して判断する。
  • 複数のECサイトとの在庫連携機能…一元管理により在庫の過剰や不足を防げる。Amazonや楽天など、複数の販売チャネルを持つ事業者にとって必須のチェック項目。実店舗を運営している場合は、POSシステムとの連携が可能かどうかも確認する。
  • 充実したサポート体制…問題発生時に迅速な対応が可能か、などを確認する。
  • 多品種・少量管理に対応できるか…BtoC向けのECは多品種・少量管理が特徴。このスタイルに対応できるかチェック。※問い合わせや無料体験の利用などで確認する。

これらの項目を考慮し、自社にとって最適なシステムを選びましょう。

Shopifyと連携できる在庫管理システム

以下より、Shopifyと連携できる在庫管理システムを3つご紹介します。

ロジクラ

ロジクラ

引用:https://logikura.jp/

ロジクラは、簡単で使いやすいデザインが特徴の在庫管理システムです。専門知識がなくても利用でき、複数拠点での在庫管理対応やスマホを使用した検品など、さまざまな機能を搭載しています。

Shopifyとの連携実績は10,000社以上にのぼり、HPには導入事例が掲載されています。

機能受注・出荷予定の登録、納品書の作成、バーコード検品、フリーロケーション管理、拠点ごとの在庫把握、在庫の共有、在庫変動ログ、有効期限管理、CSV出力など
料金・ライトプラン12,800円(年間契約)※月額契約は14,800円
・プレミアムプラン40,000円(年間契約)※月額契約は49,000円

※全て月額料金
※無料トライアル期間あり
実績導入企業10,000社以上

シッピーノ

シッピーノ

引用:https://www.shippinno.net/

シッピーノは、Shopifyを含む複数のECプラットフォームと国内800以上の物流倉庫を連携し、出荷業務を自動化するサービスです。

月間100件〜5万件のEC利用実績があり、さまざまな業界で導入されています。複数店舗の受注を一括管理し、出荷データのCSVダウンロードによる売上分析も可能です。

機能配送情報の登録、在庫同期、倉庫に出荷依頼、出荷完了メール自動送信など
料金[12] 月額9,800円(税別)から  

※自動出荷件数とSKU数に応じて追加で課金される。
※保守費用年額15,000円
※無料トライアル期間あり
実績コスメ、アパレル、大手電子機器メーカーなどの導入実績がある

ネクストエンジン

ネクストエンジン

引用:https://next-engine.net/lp/app_shopify/

ネクストエンジンは、200以上の機能を搭載する在庫管理システムです。Shopifyとの連携は、月額3,000円から可能。複数店舗の在庫を自動連携し、送り状番号と発送方法をShopifyに反映する機能も備えています。

Shopify国内向けにも対応しており、セット商品の在庫自動連携や顧客情報・注文情報のCSV出力も可能です。

機能受注管理(注文情報の自動取り込み)、在庫管理(在庫情報の自動反映)、出荷管理(送り状番号・発送方法をShopifyに反映)
料金月額3,000円から利用可能  

※月間受注件数によって追加で課金される
※年間保守費用15,000円(税別)
※無料体験期間あり
実績契約社数5,000以上、利用店舗数45,000以上

Shopifyの在庫管理方法3:物流会社にアウトソースする

物流会社にアウトソースする

三つ目の方法は、Shopifyの在庫管理を物流会社にアウトソースすることです。

物流の専門家が在庫管理を担うことで、在庫過剰や不足による損失を最小化し、専門的な知識と設備による迅速かつ効率的な商品配送が実現します。

これにより、物流関連の手間やコストを大幅に削減可能。大量注文や繁忙期の対応もスムーズになり、顧客満足度を高められます。

アランくん

この方法の成功ポイントは、物流会社との効果的な連携と情報共有です。良いパートナーシップを築くことで、安定した運営と顧客サービスの向上が叶います!

より詳しくは以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。

物流会社の選び方

物流会社を選ぶ際は、次の項目をチェックしましょう。

  • システム連携…在庫管理システムや発送管理システムとShopifyの連携が可能か。
  • 業務内容の詳細…保管、梱包、配送など、サービス範囲を確認する。
  • 料金体系の透明性…予期せぬコストが発生しないよう、明確な料金設定を持つ会社を選ぶ。
  • BtoCに対応か…返品対応などの顧客サービスが整っているかを確認する。

Shopifyの在庫管理・物流におすすめのサービス

ここでは、おすすめの物流会社3選をご紹介します。

オーダー!

オーダー!

オーダー!はShopifyの在庫管理・物流におすすめのサービスです。

在庫管理から物流までを一元的に管理できる点が特徴で対応範囲が幅広く、小規模から大規模なECサイトまでサポートしています。

商品の検品、シール貼り、通電テスト、簡易組立といった細かい加工作業にも対応可能。従来、別々の場所で行われていた保管と加工業務を一ヵ所で統合することにより、作業の効率化を図ります。

単に商品を保管するだけでなく、お客様の生産工場としても機能し、効率的な運営とコスト削減の両方を実現することが可能です。

特徴・在庫管理から物流まで一元管理 ・細やかな作業も任せられる
対応範囲入庫管理、出荷管理、在庫管理、海外向け発送、検品代行、物流システム導入、物流業務プロセス見直しコンサルティングなど
料金要問い合わせ
実績小規模から大規模なECサイトまで幅広くサポートしている

オーダー!のShopifyサポート事例

オーダー!の化粧品物流サポート事例をご紹介します。

クライアント:韓国コスメを日本で販売する代理店さま
サポート内容:ECサイトの構築・運用、BtoBおよびBtoCの物流業務

もともとオーダー!ではBtoBの物流のみを担当していましたが、BtoC向けの新規事業として、包括的なサポートを新たにご依頼いただきました。

ECサイトの顧客データと実店舗の統合やWMSの導入など、お客様のニーズに合わせてオフライン・オンラインの双方で対応しています。

個々の消費者へ小ロットの化粧品を配送するBtoCと、百貨店などに大量の商品を配送するBtoBという広範囲にわたる業務を一ヵ所で対応している点を高く評価いただいています。

はぴロジ

はぴロジ

引用:https://www.hapilogi.co.jp/

はぴロジは、幅広い商品ジャンルに対応可能な物流会社です。物流の一連の流れをスムーズに行い、EC事業者の負担を軽減します。

ShopifyとAPI連携することで、フルフィルメントサービスを提供。商品マスタや出荷指示、在庫データなどを自動連携することで、EC運営を効率化します。

特徴・入荷~出荷を丸ごと委託
・幅広い商品に対応できる
対応範囲物流代行、受注代行、倉庫における在庫管理、トータル物流、流通プラットフォームの構築
料金要問合せ
実績アニメ・イベントグッズや食品など多様な商品への対応実績がある

STOCK CREW

STOCK CREW

引用:https://stockcrew.co.jp/

STOCK CREWは物流を自動化し、EC事業者の運営効率を向上させます。リーズナブルな費用と整ったサポート体制が特徴。カスタマーサポート以外に、Webミーティングでも対応してくれます。

また、運用の標準化により商品1点からでも対応可能。豊富な実績を持っています。

特徴・リーズナブルな費用
・サポート体制が充実
対応範囲在庫管理の他、外装検品、保管、出庫、梱包出荷、配送、流通加工など
料金・DMサイズ300円
・コンパクトサイズ590円
・60サイズ590円~
※追加ピッキング20円/点
実績利用社数400社

Shopifyの在庫管理・まとめ

本記事では、ShopifyでECサイトを運営する事業者向けに在庫管理の方法を解説しました。Shopifyの在庫管理は基本機能を使用する他に、次の3つの方法があります。

  • Shopifyのアプリを利用する
  • 外部の在庫管理システムを連携する
  • 物流会社にアウトソースする

Shopifyのアプリは日本語に対応していないものが多いため、これら3つの中では外部の在庫管理システムとの連携、および物流会社へのアウトソースがおすすめです。

適切な在庫管理により顧客満足度を高め、ビジネスを効率化していきましょう。

Shopify導入事例については以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。