スマートフォンの普及によってアプリの利用が一般的になり、多くの企業がアプリを開発・提供しています。自社開発が難しい企業はアプリ開発を外注しますが、その際、以下のような疑問を持つ担当者の方が多いのではないでしょうか。
- どの作業を外注すればいいのか
- どうすれば費用を抑えられるのか
- 開発会社の選定ポイントは何か
本記事ではこれらの疑問を解消すべく、スマホアプリ開発の外注について包括的に解説します。外注できる作業範囲やメリット・デメリット、おすすめの外注先も紹介しているため、具体的な選択肢が得られるでしょう。
スマホアプリ開発で委託できる作業範囲
最初に、スマホアプリ開発を委託できる作業範囲を確認していきます。
設計
設計には、大きく分けて二つのステップがあります。
外部設計:ユーザーが直接触れる部分に関わる設計。アプリの見た目やユーザーインターフェースなど
内部設計:システム内部の設計。外部設計に基づき、具体的にどのようにコードを書くかを決定する
どちらも開発会社に委託可能ですが、外部設計は、発注者自身がある程度のアイデアを持っているほうが、開発会社に対してスムーズに指示できるでしょう。
一方、内部設計には専門的なプログラミングの知識が求められます。知識を持つ人材がいない場合は、開発会社に全て外注するのがおすすめです。
デザイン
デザインは、アプリの使用感や印象を大きく左右します。専門デザイナーに依頼することで、ユーザーが直感的に操作できるUI/UXや目を引くビジュアルが実現します。
- ユーザーが求める機能をすぐに見つけられるレイアウト
- タップやスワイプなどの操作感
- アプリの全体的なテーマ性を反映した色彩
これらは、ユーザーがアプリを継続して使用するかどうかを決める要素です。
スマホアプリのデザインに力を入れたい場合は、デザインに特化した業者へ依頼するのも一つですね
プログラミング
設計を基に行うプログラミングは、アプリ開発の中核です。アプリのタイプや機能によって開発時間は異なり、複雑な機能を搭載する場合はより長期の開発期間が必要です。
プログラミングを外注すると、自社開発よりコードの可読性が高く、将来的なアップデートや保守が容易になる可能性があります。
テスト
外注先、発注側ともにテストを行い、バグや不具合がないか、使いづらい点はないかをチェックします。専門のテスターが多角的にスマホアプリを評価することで、ユーザー体験を高められるでしょう。
ストア申請
スマホアプリ完成後は、アプリストアへの申請を行います。外注先によっては、ストア申請を代わりに行ってくれる場合もあります。
プロモーション
SNSマーケティングや広告キャンペーン、プレスリリースなど、アプリの多角的なプロモーションを実施します。プロモーションには専門知識と経験が必要であり、外注することで効果的なマーケティングを行えます。
保守・運用
スマホアプリのリリース後に必要なのが保守・運用です。ユーザーのフィードバックや、システムのアップデートに対応します。
保守・運用も開発会社に委託して常に改善やブラッシュアップを行うことで、アプリの品質維持・向上が可能です。
スマホアプリ開発を外注するメリット・デメリット
続いて、スマホアプリ開発を外注する際のメリットとデメリットを解説します。
メリット:専門スキルのあるプロへ依頼できる
スマホアプリ開発を外注するメリットは、専門スキルのあるプロに依頼できる点です。自社で開発するより、質の高いアプリを効率よく開発できます。
また、保守サポートも行う開発会社であればトラブルが発生した場合に迅速な対応が可能です。リリース後の運用を安心して任せられるでしょう。
デメリット:コストが高くなる
一方、スマホアプリ開発を外注するデメリットは、コストが高くなる点です。アプリの機能が複雑になるほど、その開発に専門的なスキルが求められます。専門人材の単価は高く、その分、全体の開発コストも高くなるのです。
また、開発会社の方針などもあるため、自社開発と比べるとプロジェクトの自由度は制限されやすい傾向があります。
スマホアプリ開発・外注先の選定ポイント
この章では、スマホアプリ開発の外注先を選定する際のポイント4つをご紹介します。
規模
スマホアプリ開発会社の規模はさまざまであり、その一般的な特徴は以下のとおりです。
大手企業…豊富な人員とリソースにより技術力が高く、開発遅延のリスクが少ない点が特徴。その反面、開発費用は高い。
ベンチャー企業…ジャンル特化型のサービスを提供していることが多く、特定のニーズに応える力がある。
フリーランス…高い技術力を持つ人材もいるが、遅延や開発途中での離脱リスクも高い。単価の安さが特徴。
一般的な特徴を述べましたが、「大手だからよいものを開発してくれる」とは限りません。各開発会社の特性をよく理解し、比較検討するようにしてください。
スキル
スマホアプリ開発を外注する際は、スキルの確認も欠かせません。特に開発したいアプリに適したスキルを持っているか、最新技術を有しているかなどをチェックしましょう。
例えば、AIを活用したアプリを開発している企業は、最新技術を積極的に導入している可能性が高いといえます。
また、スキルが不足していると開発速度の遅延と品質低下の恐れがあり、後から修正が入るなど手間とコストが余計にかかるかもしれません。このような事態を防ぐために、アプリ開発会社のスキル力はよく確認してください。
実績
三つ目の選定ポイントは実績です。開発したいアプリと同じ分野、または似たアプリの開発経験があるかをチェックしましょう。
経験がある場合、その開発会社は技術的なスキルだけでなく、業界特有のニーズやユーザーの行動パターンにも精通している可能性が高いです。また、実績が豊富な会社はプロジェクトのリスクを最小限に抑え、開発を円滑に進めやすいと判断できます。
保守開発・システムの運用体制
スマホアプリ開発の外注先を選ぶポイントとして、多くの企業が見落としがちなのが「保守開発・システムの運用体制」です。
スマホアプリは開発して終わりではありません。リリース後もユーザーの利用状況やニーズに応じた追加開発や改善が必要です。
保守開発が可能で運用体制が整っている業者であれば、トラブルの際も迅速な対応ができます。セキュリティへの最新アップデートもしっかりと実施され、アプリを安全に使用できるでしょう。
特に、自社で利用するアプリではなくBtoB、BtoCサービスのアプリの場合、保守開発やシステムの運用体制が整っている業者に任せるのが安心です。
重要なのは、開発終了後もスマホアプリがスムーズに機能することです!
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スマホアプリ開発の外注費用
スマホアプリ開発の外注費用について考慮すべき点は、以下の四つです。
人件費
一般的に開発費用は、稼働するスタッフ数と開発までにかかった月数で計算されます。
スタッフというと、主にエンジニアをイメージするかもしれません。しかし、スマホアプリの開発には、デザインを担当するデザイナーや、プロジェクト全体の進行・マネジメントを担当するディレクターなどさまざまなスタッフが携わります。エンジニア以外の人件費も発生することを念頭においてください。
搭載機能
先述しましたが、アプリに搭載する機能が多い、または複雑であるほど費用は増加します。
シンプルなAndroidアプリ開発であれば、数百万円〜数千万円必要です。シンプルなアプリ開発とは、基本的なUI設計・エンジニアリング・Google Playへのリリースなどを含むものです。業務用アプリを例にあげると、シンプルなものであっても1つのOSに付き、300万円以上の開発費がかかると想定したほうがよいでしょう。
複数の機能を搭載するアプリを開発したい場合は、高い技術が求められます。専門のエンジニアを確保しなければならないため、数千万円以上の予算が必要です。
OS
スマートフォンのOSにはiOSとAndroidがありますが、この二つはプラットフォームが異なるため流用ができません。両方開発する場合は、その分費用が多くかかります。
もし費用が合わない場合はコスト的に安価にできるWebアプリ(アプリのようなインターフェースのスマホ用Webサイト)という方法もあります。それぞれ一長一短がありますので開発会社に相談してみてください。
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保守・運用
アプリができるまでに目が行きがちですが、アプリの維持費や運用費も必要です。
ー以上を考慮したうえで、各開発会社に見積もりをとってみてください。
スマホアプリ開発の外注費用を抑えるには?
スマホアプリ開発の外注費用を抑えるには、事前に必要な機能とスタッフ数を明確にすること、開発会社とアプリの詳細についてよく話し合うことがポイントです。
トータルコストを把握することで予算オーバーなどのトラブルを避けられるでしょう。
スマホアプリ開発・依頼するときの注意点
続いて、スマホアプリ開発依頼時の注意点も見ていきましょう。
要件定義が必要
スマホアプリ開発を外注する際には、要件定義を伝えることが大切です。要件定義とは、アプリ開発の目的や必要な機能を明確にし、開発に必要な指針をまとめたもの。
作成しておくと開発全体の工程を俯瞰でき、スケジュール管理がスムーズです。要件定義を怠ると開発途中で方針がぶれるなど、予想以上の時間とコストがかかります。
・希望は漏れなく伝える
・スマホアプリ操作の流れを細かく記載する
など、要件定義は詳細に作成しましょう。
発注内容が明確かどうかが、スマホアプリのできあがりに影響します。要件定義は、詳しく作成してください!
発注内容が明確かどうかが、スマホアプリのできあがりに影響します。要件定義は、詳しく作成してください!
契約書に記載する内容
次に注意点したいのは、契約書に記載する内容です。契約書の内容が曖昧である場合、外注先とのトラブルが起こる可能性があります。
契約書には、以下の内容を盛り込みましょう。
・知的財産権
・著作権
・保証
これらを明確にしておくと、双方の納得のうえでプロジェクトを進められます。必要に応じて専門の法務担当者や弁護士の協力を得て、契約書を作成してください。
コミュニケーションの取り方を事前に決めておく
スマホアプリ開発を外注する際は、コミュニケーションの取り方も事前に決めておくことが肝心です。プロジェクトのレビューやフィードバックの方法を定めておけば、開発が円滑に進行します。
ミーティングは定例化することがおすすめです。開発チームとのコミュニケーションが密になり、スマホアプリの品質が向上するでしょう。
スケジュールとリソース
アプリ開発を外注するにしても、自社のスケジュールとリソースの確保は必要です。例えば開発スケジュールが遅れた場合、マーケティング活動や販売戦略にも影響が出ます。その際、自社のリソースを確保していなければ対応できないでしょう。
外注先と円滑にやりとりし、長期的なパートナーシップを維持するために、自社のスケジュールとリソースの管理は欠かせません。
開発会社と定期的に進捗を確認し、柔軟に対応する体制を整えましょう。
スマホアプリ開発を委託できるサービス
最後にスマホアプリ開発を委託できる、3つのサービスをご紹介します。
オーダー!
オーダー!は、Webサイト構築から運用までを一気通貫でサポートするサービスです。
スマホアプリ開発だけでなく、保守運用も依頼可能。スマホアプリを開発して終わりの業者が多いなか、保守体制を整えられます。
また、IT関連以外にBPOや物流といった、幅広い業務に対応できる点が特徴です。
【オーダー!の強み】
・幅広い顧客層の実績がある…国内外でサービスを展開する大企業や省庁、中小企業をサポートしており、柔軟な対応が可能です。大手企業の基幹システムなど厳しい条件での開発経験、厳格な開発基準をクリアした実績を活かしてお客様をサポートします。
・クライアント専用のチームを作れる…スマホアプリ開発終了後もアップデートやセキュリティ対策などをスムーズに行えるための設計や体制を構築。密なコミュニケーションを実現することで安心感を持ってプロジェクトを進めることが可能です。
特徴 | ・一気通貫でWebサイトの構築から運用までをサポート ・個別相談メニューと定額運用メニューが選べる |
依頼できる作業 | スマホアプリ開発/運用・保守/Webサイトの新規立ち上げ・リニューアル/キャンペーンページ制作/Google ビジネスプロフィール アップデート/問い合わせ対応代行/SNS運用代行/CMS導入/CMSセキュリティ対策/レスポンシブ化/SSL化/バナー制作など ※その他、BPO業務、物流業務も対応可 |
料金 | 基本プラン:10万円/月(税抜) 契約期間3ヵ月単位 実働時間は30時間/月 |
実績 | 大企業、地方自治体、中小企業など幅広い実績がある |
オーダー!のスマホアプリ開発事例
オーダー!のスマホアプリ開発事例をご紹介します。
開発内容:大手メーカーが営業に使用する競合情報収集アプリ(iOS)
顧客の現場へ訪問した際に、現場にある競合他社商品の型番を読み取ると、自動で本社にデータが取集されるアプリを開発。アプリを使用することで、社員の型番を打つ、送信するといった手間が省けるようになりました。
取得したデータをもとに市場分析、顧客分析を行い、営業戦略立案にご活用いただいています。
株式会社モンスターラボ
出典:https://monstar-lab.com/dx/app-development/
株式会社モンスターラボは、スマホアプリ開発の実績が豊富な企業です。
開発進行はアジャイル手法を用い、変化に対応しやすい環境を提供。異なる領域の専門家を配置し、クライアントと協力してプロジェクトを進行します。UX/UIデザインに力を入れている点が特徴です。
特徴 | ・開発実績数が多い ・UX/UIデザインの専門知識がある |
依頼できる作業 | プロダクト開発/UX・UIデザイン/プロダクト管理/DX推進サポートなど |
料金 | 要問合せ |
実績 | 開発実績数2,200件 |
株式会社DOKE
出典:https://www.do-ke.jp/app-2
株式会社DOKEは、顧客のニーズに応じたスマホアプリ開発を行っています。サービスの特徴は、格安で品質を下げずに提供している点です。
ゲームアプリや経理アプリなど幅広い種類のスマホアプリ開発実績があり、認識のずれがないようにクライアントとのコミュニケーションを重視しています。
特徴 | ・格安で品質を下げないアプリ開発 ・開発費用は他社の約3分の1 |
依頼できる作業 | スマホアプリ開発/システム開発/自社開発商品の提供 |
料金 | 要問合せ |
実績 | ・自社アプリの開発実績がある ・ゲームアプリ、映画アプリ、名刺交換アプリ、仕事管理アプリ、商品管理アプリなど開発実績が多岐にわたる |
スマホアプリ開発に関するよくある質問
- Qスマホアプリ開発において、どのプログラミング言語が主流なのでしょうか?
- A
Androidのアプリ開発では「Java」「Kotlin」、iOSアプリ開発では「Swift」「Objective-C」が主流のプログラミング言語として採用されています。それぞれ以下のような特徴があります。
- Java: Androidアプリ開発において広く利用される汎用性の高いプログラミング言語であり、Androidアプリ開発の元祖として知られています。
- Kotlin: Javaから派生して作られた比較的新しいプログラミング言語であり、Google社がAndroidアプリ開発での利用を推奨しています。KotlinはJavaよりもコードがシンプルで分かりやすいため、初心者にも人気があります。
- Swift: iOSアプリ開発において主に使用されるプログラミング言語であり、Apple社がリリースした言語です。SwiftはiOSやMacOSなどのネイティブアプリを開発するために適しています。
- Objective-C: Swiftの前身のような存在で、2014年にApple社からSwiftをリリースするまではiOSアプリ開発を独占していました。
言語によって汎用性やメンテナンス性などに違いが出てくることがあります。アプリ開発を依頼する際は、開発会社にどの言語を使用するのか、その理由も含めて必ず確認しましょう。
- Qスマホアプリ開発は、Python(パイソン)でもできるのでしょうか?
- A
スマホアプリ開発は、Pythonでも可能です。
Pythonは汎用性の高いプログラミング言語であり、Webアプリやデスクトップアプリで使用されているだけでなく、スマホアプリ開発にも利用されています。
Pythonを使用することで、豊富なライブラリやシンプルな構文によって効率的にアプリを作成することができるメリットもあります。
例えば、PythonのオープンソースライブラリであるKivyを使用することで、GUIアプリの開発が可能です。一方で、Pythonには処理速度が遅いというデメリットもあるため、基幹システムやゲームなどの高速処理を必要としないアプリ開発において適した言語といえます。
スマホアプリ開発のまとめ
本記事は、スマホアプリ開発会社への外注を検討している方向けに、以下の内容を包括的に解説しました。
- 委託できる作業範囲
- 外注のメリット・デメリット
- 費用相場
- 外注先の選定ポイント など
アプリ開発は一度きりのものではなく、継続的な運用と更新が必要です。だからこそ、長期的なパートナーシップを考慮したうえで、最適な外注先を選びましょう。