ECサイトの運営において重要な業務の一つが在庫管理です。在庫管理には様々な方法がありますが、この記事ではバーコードの在庫管理方法についてご紹介します。

  • バーコードを導入するメリットは?
  • バーコードは他の在庫管理法と比べて、どれほど効果的なのか
  • バーコードを導入する場合、どのようなコストがかかるのか

このような疑問を持つ方向けに、バーコードと他の方法の違いやメリットデメリット、やり方から注意点まで詳しく解説。読後には、バーコードを活用した在庫管理の理解が深まり、自社に向いている管理法なのか、どんなシステムを選べばいいのかなどが分かります。

バーコードの在庫管理とは

バーコードの在庫管理とは

バーコードの在庫管理とは、ハンディターミナルによって商品に付けられたバーコードをスキャンし、在庫管理を自動化するシステムのことです。入出庫や棚卸などを効率化でき、データのリアルタイム更新によって在庫分析をより正確に行えるようになります。

在庫管理で必要になるバーコードとは?

在庫管理に使用されている、主なバーコードは以下のとおりです。

JAN…13桁または8桁の数字を持つ、国際的な商品識別コード。日本で広く使われている。
ITF…数字のみで構成される物流用の商品コード。主に段ボールなどの外装箱に印刷されている。
CODE39…工業製品に使用される、英数字を含むバーコード。
CODE128…高い情報密度を持ち、冷凍、チルド食品などに導入されている。

これらのバーコードを、商品の種類や管理のニーズに応じて使用します。特にJANコードは、多くの商品に使用され、日本産業規格(JIS)に基づいて標準化されています。

商品コードとJANコードの違い

JANコードとよく似たコードに商品コードがあります。この二つは商品を識別するという点においては同じですが、異なる目的で使用されます。

商品コード企業内部での商品識別に使用する。番号や英文字の組み合わせで構成され、特定の商品やそのバリエーションを区別することが可能。
JANコード商品の小売や流通に使用する。コードは数字のみで構成されている。

つまり、商品コードは企業内部で使われ、英文字と番号を組み合わせたものJANコードは世界共通の識別コードであり数字のみで構成されたもの、という違いがあります。

JANコードが必要なとき、そうでないとき

JANコードは、付けないと販売ができないわけではありません。OEMなどで商品を生産して販売する場合、JANコードが必要なときとそうでないときがあります。

例えば、POSシステムで商品販売や在庫管理をしたい場合は、データを連携するためにJANコードが必要です。一方、インターネット販売や個人間の取引、直接販売においてJANコードは必須ではありません。

アランくん

JANコードは必ず付けなければならないものではなく、店舗(売る側)が管理しやすいように付けるものなのです!

QRコード・紙・エクセルとの違い

QRコード・紙・エクセルとの違い

次に、QRコード・紙・エクセルとバーコードの違いについて述べていきます。

QRコード・紙・エクセルとの違い

QRコード

QRコードは、バーコードと比較して多くの情報を格納できますバーコードの約20倍のデータ容量を持ち、賞味期限や製品ロット番号など、より詳細な商品情報を一つのコードに含めることが可能です。

在庫管理をより精密に行えるため、取り扱う情報が多い場合はQRコードのほうが適しているでしょう。

紙の在庫管理は、手軽で特別な技術や装置が不要な点がメリットです。しかし、バーコードと比較すると、その効率性、正確性、安全性に大きな差があります。

紙の在庫管理はデータの記入や更新に時間がかかり、ヒューマンエラーが起こりやすい点が特徴です。また、紙の紛失や破損にも注意しなければなりません。

エクセル

エクセルは、データの形式やレイアウトを自由に変えられるカスタマイズ性があります。

しかし、紙の在庫管理と同様に入力や更新に時間がかかる点、ミスが発生しやすい点に注意が必要です。くわえて、最新のファイルを判別しにくい特徴もあります。

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バーコードの在庫管理に適した企業は?

バーコードの在庫管理に適しているのは、取り扱いアイテム数が100以上ある企業です。

この数字は、弊社の様々なお客さまへのヒアリングに基づいたものです。その理由を以下に述べていきます。

なぜ取り扱いアイテム数が100以上ある企業に適しているのか

一般的に100アイテム以内で販売しているECショップは楽天、Yahoo!、その他何社かの販売チャネルを利用しています。そして、その大半のショップはエクセルで在庫管理をしているのが実情です。このようなショップでエクセルの入力漏れが発生した場合、以下の事象が起こります。

1.入力ミスや漏れなどにより、在庫数のズレが発生。注文があるにもかかわらず、在庫が無いという現象が起きる。

2.在庫を修正するため、人件費をかけて毎週末に棚卸を行い、在庫修正を行う。

アランくん

このことから弊社ではエクセルなどで管理できるアイテムは大体100以内と考え、これ以上のアイテムを管理する場合はバーコードの在庫管理システムを推奨しています。

その他のバーコードの在庫管理に適した企業

その他、次のような特徴を持つ企業にもバーコードの在庫管理は適しています。

・小売業
・倉庫・物流
・食品を取り扱っている
・中小企業 など

バーコードで在庫管理をするメリット

バーコードで在庫管理をするメリット

次に、バーコードの在庫管理のメリットをご紹介します。

バーコードで在庫管理をするメリット

在庫管理の精度が向上する

バーコードを導入することで、在庫管理の精度が向上します。人的ミスが多発しやすいPC入力などの作業が不要になり、在庫データを自動更新できるからです。これにより、現場の商品の動きをリアルタイムで正確に追跡することが可能になります。

業務の効率化

次のメリットは、業務の効率化です。入庫時に商品のバーコードとそのロケーション(棚番号)をスキャンするだけで、「どの場所に・どの商品が・どれだけ」あるかを簡単に確認できます。在庫のスキャンと更新がスピーディになり、従業員の時間と労力の削減が可能です。

コスト削減

バーコードの在庫管理システムの導入は、コスト削減にも貢献します。目視や紙で行っていた多くの作業をシステムに置き換えられるためです。

・手動での受発注処理
・紙のとりまとめや保管など

このような工程を省くことで、運営費用を削減できます。

バーコードで在庫管理をするデメリット

バーコードで在庫管理をするデメリット

バーコードの在庫管理にはデメリットも存在します。確認していきましょう。

バーコードで在庫管理をするデメリット

価格が高い

一つ目のデメリットは、導入コストが高い点です。ハンディターミナルは1台あたり約20万円、システム導入には50~150万円程度かかるといわれています。

また、既存の基幹システムにハンディターミナルを組み込む際には、改修やサポートなどの追加費用が発生します。

ハンディターミナルはリース提供している会社もあるので、初期費用を抑えたい場合はリースを検討してみてください。

研修や体制整備が必要

バーコードの在庫管理システムを導入するには、運用体制の整備が必要です。現在の作業フローを見直し、プロセスの再構築とマニュアル作成を行わなければなりません。

また従業員には、新しいシステムの使い方について研修・トレーニングを行う必要があります。これらの準備には時間とコストがかかるため、特に中小企業にとって負担になるかもしれません。

バーコード在庫管理のやり方

バーコード在庫管理のやり方

この章では、バーコードの在庫管理のやり方を解説していきます。

商品にバーコードがある場合

商品にバーコードが付いている場合は、最初に管理したい情報(例:商品名、数量、入荷日など)を在庫管理システムに設定します。設定後にハンディターミナルでバーコードをスキャンすれば、商品の入荷や出荷が自動集計されます。

商品にバーコードがない場合

商品にバーコードがない場合は、まずバーコードを貼っていきます。このとき、商品に直接バーコードを貼るのは避けましょう。手間がかかるうえに間違った商品に貼ってしまったり、貼り忘れたりといったミスが起きやすいからです。

バーコードは商品に直接貼らず、保管する棚や容器に貼りましょう。商品を特定の棚や容器に保管する場合は一度バーコードを貼れば、その後は同じバーコードを繰り返し使用できます。

バーコード在庫管理・導入の注意点

バーコード在庫管理・導入の注意点

次に、バーコードの在庫管理を導入する際の注意点を解説していきます。

移行前の準備

バーコードの在庫管理を導入する前に、課題や目標を明確にしておきましょう。在庫の精度向上や業務の効率化、コスト削減といった目標を定めると、最適なシステムを選びやすくなります。

また、バーコードの在庫管理システムは他のシステムと連携できるため、どの範囲まで連携するかも事前に決めておくことが肝心です。これにより、システム間の円滑な連携と効率的な運用が実現します。

トラブル対策

バーコードの在庫管理システム導入時には、機能や料金を考慮したうえで、対策を含めた計画を立てましょう。導入初期には次のようなケースが起こりやすいためです。

  • 追加のカスタマイズ料金が発生する
  • 既存システムからの移行に連携ミスが生じる など

具体的には、次のように対策しておくと安心です。

  • ベンダーへの確認や交渉
  • 不具合が起こった際の検証プロセスの策定

また、導入後に問題が起きた場合の対策も準備しておきましょう。

  • 新しいフローが定着しづらいときの従業員向け追加トレーニング案
  • セキュリティの脆弱性が見つかったときの監査案 など

バーコード在庫管理システムの選び方

バーコード在庫管理システムの選び方

ここからは、バーコード在庫管理システムの選び方を説明していきます。

バーコード在庫管理システムの選び方

自社に適したシステムか

バーコードの在庫管理システムを選ぶ際は、まず自社のビジネスモデルを考慮します。システムには様々なタイプが存在し、異なる機能や特性を持っているからです。

例えば、ECサイトや通販向けのシステムは、返品管理機能が充実しています。一方、小規模事業者向けのシステムは、使いやすさやコスト効率を重視したタイプです。自社の規模や業務の特性に合わせてシステムを選んでください。

コスト

次に、コストも在庫管理システムを選ぶときの重要な要素です。

在庫管理システムは機能が多いほど、コストが高くなります。多機能システムは魅力的に見えますが、実際には使わない機能にも費用を払うことになるので無駄なコストが発生してしまいます。

アランくん

自社に必要な機能を備え、それに見合った価格のシステムを選びましょう。相見積もりをとることもおすすめです。

他のシステムと連携できるか

最後に、他のシステムと連携できるかをチェックしてください。

例えば販売管理システムと連携できると在庫の正確性が向上し、過剰在庫や品切れのリスクが減少します。その他、WMSや生産管理システムなども在庫管理システムと連携可能です。システム連携によって、さらに効率的な在庫管理が実現します。

在庫管理はオーダー!におまかせ

在庫管理はオーダー!におまかせ

オーダー!はITと物流双方の専門性を活かし、企業を幅広くサポートするビジネス・コンシェルジュです。

バーコードを活用した在庫管理システムの導入をサポートしており、バーコードやJANコードが付いてない商品でも対応できます。(※)

※お客様に商品番号を作成いただき、バーコード化します。

また、在庫管理だけでなく、発送作業など様々な物流業務を代行可能です。

(オーダー!の物流サービス例)
・ECサイトの商品 在庫管理・発送…月1件から何万件までの出庫を幅広く対応。
・個人事業主向け 在庫管理・発送…一般的な宅配の費用で管理・発送可。
・カスタマイズサービス…化粧箱の組立、複数種類のパターンでアイテムを組み合わせて詰め込み、梱包など
・海外向け発送…越境ECを展開されている企業様向け、国際郵便(EMS)を利用した海外への発送代行
・検品代行…全数検査やサンプル検査など要望に応じて対応
・物流業務プロセス見直しコンサルティング…物流のプロとしてお客様の倉庫の現地調査を行い、現状の問題の洗い出しや課題のとりまとめを実施
・物流システム導入…独自システムの導入支援
・内職代行…封入、ラベル貼り、小さなぬいぐるみの検品検針作業など

このように、物流業務を包括的にサポートします。

事例1:在庫管理を含むアパレル物流代行

ここからはオーダー!の在庫管理サポート事例をご紹介します。一つ目は子供服のアパレル会社様のケースです。

このお客様はEC事業を展開しており、商品をインターネットで販売。オーダー!導入前は在庫管理・ピッキング・検品・配送まで自社で賄っていました。

(導入前の問題)
・自社の作業スペースが狭いため、作業しにくく、商品の置き場に困っていた。
・セール時の注文が多く、出荷が間に合わずクレームになったことも。
・人手不足によって雇用を増やしたが、パート雇用のため稼働時間内で出荷業務にかかった正確な時間が把握できず、出荷に対しての費用が正確に出せない。
 パート雇用者の経験不足でミスも出ていた。

このような様々な問題を解決するために、在庫管理を含む物流業務を包括的に支援しました。

(導入後の効果)
・ミスが発生しがちな商品ごとの細かいオペレーションも、ミスなく行われるようになった。
・通常の梱包対応だけでなく、イレギュラーなお祝いごとやプレゼント包装も実施できるようになった。
・商品郵送時にパンフレットやセールの案内を入れるなど、細かい対応も可能に。
・オーダー!は、1商品あたりの出荷単価が決まっているため、売上に対する原価が明確になり、さらに出荷業務にかかった費用を正確に把握できるようになった。

クライアントの要望に合わせたカスタマイズ対応も行い、満足いただいています。

事例2:在庫改善

次にご紹介するのは、在庫管理の改善事例です。

通常、出荷検品の際に不良品が見つかった場合は良品に差し替えて出荷します。しかし、あるEC事業者様のケースでは、その際に不良品を在庫から除くのを忘れ、最終的に良品在庫が不足して出荷できなかったことがありました。

この問題を解決するために、お客様がすでに導入されていた在庫管理システムに新たに不良品の品番を作成。これを商品マスターに追加し、出荷時に不良品が出た場合、その商品の在庫を良品の品番から不良品の品番に移動することで不良品の在庫数を徹底管理しました。その結果、現在は正確な在庫を把握できるようになっています。

バーコード在庫管理・まとめ

バーコード在庫管理・まとめ

この記事では、バーコードの在庫管理について解説しました。

バーコードで在庫管理をするメリットは、在庫管理の精度の向上、業務効率化、コスト削減です。しかし、システムの導入にはコストがかかり、研修や体制整備も必要です。

初めてのシステム導入で不安を感じる方は、お気軽にオーダー!へご相談下さい。物流のプロとして、お客様のビジネスが円滑に進むようサポートいたします。

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