ECサイト運営で必須になる商品の在庫管理。

  • 大規模ECをやっているが、在庫管理が効率的に行えていない
  • 小規模通販をやっているが、在庫とデータの数値が合わない。さらには、一部の従業員しか在庫管理できず、負担が集中している

このような課題に直面しているEC経営者様、ご担当者様も多くいるでしょう。

しかし、実は在庫管理に関する改善事例や一般的な対策は確立済み。たとえば、複数販路を持つ企業は、在庫管理システムの導入で在庫を一元管理することが簡単に行うことができます。

この記事では、在庫管理の具体的な改善事例と改善策を紹介します。

なお、在庫管理のやり方全般に関しては、以下の記事をご参考にしてください。

在庫管理の改善事例

在庫管理と一口に言っても、EC規模や事業内容などによって適切な在庫管理の方法が異なります。

この章では、実際の事例を元に在庫管理の改善策をご紹介します。

返品管理 | 不良品と良品の在庫管理を明確に行う

在庫管理でもっとも大切なポイントは、「不良品」と「良品」の管理を適確に行うこと。

なぜならば商品在庫が合わなくなる原因の一つに、不良品在庫の管理と返品商品の管理の不行き届きがあるからです。

出荷検品の際に不良品が見つかった場合は当然商品を差し替えて出荷しますが、その際不良品を在庫から除くのを忘れ、最終的に良品在庫が不足して出荷できなかったという事例があります。

【解決策】
このEC事業者では、すでに在庫管理システムを導入済み。このシステム内に新たに不良品の品番を作成して商品マスターに追加しました。

出荷時に不良が出た場合、その商品の在庫を良品の品番から不良品の品番に移動。これにより不良品の在庫数を徹底管理しました

また、その際に、メールで不良内容を報告してから在庫移動を行うことで、メールを受け取った社員が不良品が出たことを認識できるようになりました。

さらに返品管理は、以下のような不良商品を確認する項目を決めて運用する形に変更しました。

確認項目
  1. 注文番号
  2. お客様名
  3. 返品(商品)品番
  4. 返品理由
  5. 商品状態検品

これらの確認項目をExcelなどでまとめておくことで、今後商品が返品に繋がらないための対策も可能になりました。

出荷時の不良で一番多いのが外装不良です。中身が良品であっても、外装も商品の一部と考える方が多いため、外装不良も不良扱いとなります。

越境EC | 在庫管理システムの利用

近年、越境ECを行う企業が増加。それと同時に、在庫管理システムと連携する機能がほしいというニーズも増えています。

越境ECとは日本国内だけでなく、海外に向けてオンラインを利用し販売するEC(電子商取引)のことです。

これまでは国内在庫と別に、越境EC用の在庫を用意すれば足りていたものの、越境ECの売上が伸びると在庫数が追いつかなくなる事態になりました。

そのため、越境ECの在庫と国内ECの在庫を区別せず、全ての在庫を一元管理するための在庫管理システムを導入しました。

その結果、越境ECでは在庫不足、国内ECでは在庫が余っているといった状況を改善することができるようになりました。

大規模EC | 注文から最短1日で全国に配送

大規模ECの多くは、複数販売チャネルを持ち、店舗とネット販売を区別することなく在庫を一元管理しています。

複数チャネルを一元管理できる在庫管理システムを利用することは、店舗在庫をすぐに確認でき、在庫の余剰がある場合には、ネット販売で素早く売り切ることもできます。

例えばヨドバシカメラの運営する「ヨドバシ・ドット・コム」では、一元管理された在庫の見える化によりタイムリーに在庫数が確認できるようになり、注文から最短1日で全国への配送も可能になりました。さらに在庫管理や受発注処理が連動し、2021年3月期にはEC売上高は前期比60.3%増の2,221億円を記録しました。

出典:「月刊ネット販売」が2021年に実施した売上高調査「ネット販売白書」より

小規模通販 | 注文殺到に対し出荷業務を外部委託

大規模ECを展開していなくても、商品がテレビやネットなどでバズり、注文が殺到するということもあります。

あるスポーツブランドを扱う通販サイトでは、大量注文によりこれまでの体制ではリソースが足りず、一部出荷業務を外部委託することに。注文が増加している部門だけを外部委託することで、大量注文を乗り越えたという事例があります。

売上が上がるのは嬉しい一方、小規模ECでは自社だけでまかなおうとすると、ヒューマンエラーやリソース不足による出荷遅延など顧客のクレームに繋がることもあります

外部への業務委託は、物流まるごとはもちろんですが、物流の中でも一部業務のみなども可能です!

小規模通販 | 受注管理システムの利用で予約注文の効率的な管理が可能に

通販では、「既に販売している商品」と「予約注文商品」があります。

ある小規模アパレル通販サイトでは、顧客から注文が入った際、在庫のある商品なのか、まだ在庫のない予約注文商品なのかの確認に手間を取ってしまうことがありました

しかし、受注管理システムを導入、在庫データとECサイトからの受注データを一元管理し、各サイトからの注文を集約することに。

これにより、商品ごと、属性(カラー・サイズなど)ごとに予約設定をしておくことができ、注文が入ると自動でチェックが付くため、予約注文の判別が容易になりました。

特にアパレルなど、似た商品が多かったり、カラーやサイズなどバリエーションが多い商品は作業が煩雑になりがちですが、システム導入で効率的に出荷が可能になります。

システム導入は初期コストやランニングコストがかかる場合がありますが、長期的な目で見ると人件費の削減に繋がります。

小規模通販 | メルカリ・ヤフオクと自社通販の一元化

小規模通販では自社通販だけでなくメルカリやヤフオクなどで販売をする場合もあります。

その際、複数の販売チャネルがあり、注文が入ってもどこから入った注文なのか判断できないという課題が発生。そんな時、ECサイトの在庫管理と発送を一括でまるっと管理してくれる外部業者に業務委託をしました。

プロの業者が出荷管理まで行ってくれることで、「どこからの注文か」の判別に時間をかけることなく、物流業務の業務効率化に成功しました。

在庫管理の改善は何から始めるべき?チェックリストで解説

以下のチェックリストを元に、在庫管理の改善ポイントをあらためて整理してみましょう。

このチェックリストに当てはまる項目があった場合、在庫管理に改善が必要な可能性が高いです。

チェックリストを元に在庫管理の主な改善方法をご紹介します。

販売アイテム数(SKU)が100を超えている場合

自社の販売アイテム数が100を超えている場合は、在庫管理システムを導入するか物流業務をまるごとアウトソースすることをおすすめします。

SKUとは、在庫管理をする際の「最小単位」です。

例えば、洋服が3つのデザインで、それぞれS・M・Lの3サイズ展開があると9SKUとなります。

つまり、デザインやサイズ展開が多ければ多いほど管理が複雑になります。

100SKUを超える場合は、物流のプロに任せることで、ピックアップのミスを減らすことができたり、在庫管理エラーも削減できます。

1日の出荷数が20件以上ある場合

1日の出荷件数が、20件以上ある場合にもアウトソース検討が必要です。

ECでは、一人の顧客が買うアイテムが一つとは限りません。一人の顧客が複数アイテムを購入した場合、商品のピックアップだけでも容易ではありません。特に前述の通り、アパレルなどではカラーやサイズなどの展開が豊富で、時間がかかります。

それを20件以上行うとなると、多大なリソースが必要になります。

アウトソースすることで、時間のかかる出荷作業を、本来のコア業務であるマーケティング業務や経営業務などにあてることができます

本業(コア業務)がある人が片手間で出荷対応をしている場合

前述の通り、本業がある人が片手間で対応をしていたり、コア業務に集中できていない場合もあります。

例えば、本来の担当者ではない総務担当者が片手間でピッキングから梱包、出荷作業の物流業務を全て実施しているなどです。この場合、売れ行きに応じて物流に割く時間が長くなり、人件費が高い人員のリソースを無駄に使っていることになります。

特にセール時など販売数が増えると、物流業務がうまく回らず顧客からのクレームに繋がり、さらに社長自らがクレーム対応などを行うコストの無駄が生じます。

また、倉庫よりも坪単価の高い自社オフィス内で商品を保管するのも場所代の無駄に繋がります。

人件費はもちろん、商品保管スペースも外部に委託することで、保管費用のコスト削減が可能です。

物流業務のアウトソーシングについては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。

海外からの輸入品を扱っている場合

海外からの輸入商品は、品質が安定していない場合があり、輸入後の検品が必須。また、海外から商品を輸入する場合、多めのロット数で輸入することも多く、その分検品作業に多くのリソースが割かれることになります。

物流代行サービスなどでは、検品作業にも対応をしているため、検品作業もしくは物流業務全体をまるごと委託することで解決します。

検品作業ついては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。

在庫管理のコツ

この章では、在庫管理のコツを紹介します。参考にしてください。

在庫の見える化・把握

まず、自社商品の在庫を把握しましょう。在庫を把握する方法は、以下のとおりです。

1.棚や在庫ごとに表示タグを付ける

表示札やタグなどのカードに品名・商品番号・情報更新日などを記載すると、商品を見つけやすくなります。

2.在庫ごとに管理場所を決める

商品やカテゴリーごとにまとめて保管することで、ピックアップ時に商品を探す手間が省け、見落としも防げます。

3.仕入れ時期ごとに、保管エリアを変更する

商品の仕入れ時期ごとに保管エリアを変更すると、早く仕入れたものから出庫でき、商品劣化を防げます。

これらの方法を実行すれば、在庫把握が容易になります。

より詳しい在庫管理の見える化については以下の記事に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

3Sを実践

次のコツは、3Sを実践することです。3Sとは、整理・整頓・清掃を表します。

3Sを実践すると、以下のようなメリットがあります。

  • 倉庫内の見通しが良くなり、商品の位置を把握できる
  • 業務中の事故やケガが防げる など

3Sが習慣化するよう、「いつ誰がどのように行うか」などルールを決めておくとよいでしょう。

棚卸を定期的に実施する

最後のコツは、棚卸を定期的に実施することです。

定期的に棚卸すれば、在庫データと実際の在庫数が一致しているかチェックできます。もし一致していない場合、その場で原因追及できるため大きなミスを防げるのです。

労力はかかりますが、定期的な棚卸しは前述した3Sにも繋がり、在庫可視化のサポートになります。

棚卸については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

オーダーは在庫管理システム、物流の委託、受注管理システムをすべて完備

「オーダー!」は、お客様の事業や組織の成功を実現させるためのビジネスコンシェルジュとして、幅広い要望に応えるサービスです。

ここでは、オーダー!の物流サービスの特徴と強みをご紹介します。

【特徴と強み】
オーダー!では、個人事業主から中小企業・大企業、製造業/アパレル/自治体など、事業規模や業界にかかわらず、幅広い対応が可能となります。

ECサイトの入庫管理・出庫管理・在庫管理などの業務などはもちろん、業務プロセスを見直すためのコンサルティングも対応可能です。

【対応可能業務】
・ECサイト在庫管理、発送:商品の入庫管理・出荷管理、在庫管理を支援します。月1件から何万件の出庫まで幅広く対応可能です。

・個人事業主向け 在庫管理・発送:昨今、個人事業主の物販販売が多くなってきました。個人宅の在庫管理・発送業務も一般的な宅配費用でサポートします。

・海外向け発送:越境ECに対して、国際郵便(EMS)を利用した海外への商品発送を代行します。海外発送は国によって法律が異なるため特殊なノウハウが必要になりますが、一括して対応します。

・検品代行:中国などで生産したモノの検品作業を代行し、全数検査やサンプル検査などお客様の要望に応じて対応します。

・物流業務プロセス見直しコンサルティング:現状の問題の洗い出しや課題のとりまとめを支援します。

・物流システム導入:物流会社の視点から、オーダー!にて独自開発した物流システムを活用した導入支援を行います。

・カスタマイズサービス:化粧箱の組み立て、複数パターンのアイテムを組み合わせた封入・梱包・発送などにも対応可能です。また、機器類の組み立てや動作確認など顧客の要望に応じて対応します。

物流のプロとして、倉庫業務だけでなく物流業務プロセス見直しのコンサルティングや独自の物流システム導入支援など、物流業務を包括的にサポートします。

まとめ

今回は、在庫管理の改善事例をご紹介しました。

既に在庫管理はしているけれど、自社に合ったやり方が分からなかったり、在庫管理で課題を感じている方は、本記事で紹介したポイントを参考に、自社に適した在庫管理方法を見つけてみてください。

そして、今後も商取引のEC化率は増々上がり、在庫管理にかかる作業も増えていくことが予想されます。そうした作業を自社で全てまかなうのは、リソースもコストも必要以上にかかるかもしれません。

外注に興味がある場合は、ぜひオーダー!の「物流お任せサービス」をご検討下さい。システム導入から業務改善まで、お客様に合わせた幅広い対応が可能です。

物流代行全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。