梱包作業は、物流業界において非常に重要なプロセス。梱包作業の品質や効率は、顧客満足度やコスト削減に直結します。

しかし、梱包作業は商品によってその工程も変わり、一律の正解というものは存在しません。そのため、課題を感じていてもどこをどう改善すればいいのか分からないECサイト事業者の方もいるのではないでしょうか。

そこで記事では、梱包作業改善の基本をご解説。また、サブスクリプションサービスの商品やアソート商品などの特殊な梱包における改善事例と効率化のポイントを解説します。

梱包作業の重要性と改善の必要性

梱包作業の重要性と改善の必要性

梱包作業は、商品の品質や安全性を保つために重要。梱包作業が不適切だと、商品が破損したり汚れたりする可能性があります。一方、梱包は、商品の見た目や印象にも影響し、梱包が丁寧だと、顧客に信頼感や満足感を与えることができます。

しかし、梱包は商品の種類や数量、形状、重量などによって変わるため、作業の標準化や自動化が難しい場合があります。特に、サブスク商品やアソート商品などの個別対応が必要な梱包は、作業者の判断や技術が求められるでしょう。

また、作業スペースが狭いと、動線が乱れたり、ミスや事故に繋がってしまうことも。つまり、梱包作業に課題を感じているにも関わらず、改善せずに放置すると、顧客の信頼を失ってしまうことにもなりかねません。

梱包作業改善の基本

梱包作業改善の基本

梱包作業改善の基本ポイントは以下の3点にあります。

効率化のための動線整理と工程管理

梱包作業の効率化のためには、動線整理と工程管理が重要。動線整理とは、作業者の移動距離や時間を最小限にするために、作業スペースや梱包資材、機器などの配置を最適化すること。工程管理とは、作業の流れや順序を明確にし、作業のバランスや連携を調整することです。つまり、無駄な動きを減らすことができます

無駄な動きを減らすことができれば、作業者の体力や時間を節約することができ、作業スピードや正確性を向上させることができます。

動線整理と工程管理を行うためには以下のポイントを押さえましょう。

  • 梱包資材や機器を整理整頓し、作業環境を改善する
  • 作業スペースを区分けし、梱包資材や機器を必要な場所に配置して作業の効率を高める
  • 作業の流れや順序を標準化し、作業者に周知することで、作業の一貫性を保つ
  • 作業の量や時間を計測し、作業者にフィードバックすることで、作業の改善点を見つける
  • 作業の分担や連携を明確にし、作業者に役割を割り振ることで、作業のバランスを調整する
アランくん

作業者が作業の流れや順序を把握することで、商品の破損や事故を防ぐことができます

梱包資材の選定とコスト削減

梱包作業のコスト削減のためには、梱包資材の選定も大切です。商品が数種類もあるにも関わらず、梱包資材が限られた種類しかない場合、商品に合わない梱包資材を使わざるを得なくなることもあるでしょう。

しかし、商品に合わない梱包資材を使うと、商品が破損したり、無駄なコストをかけることになりかねません。たとえば小さな商品に対し大きな段ボールを使用すると、その分緩衝材を多く使わざるを得なくなり、コストの無駄であることはもちろん、それを廃棄しなければいけない顧客の不満も高まってしまいます。

梱包資材として、たとえば容れ物は段ボールだけでなく、小ロットでの注文に備えて宅配袋や宅配封筒もおすすめです。

人材活用とトレーニング

包作業の品質や効率を向上させるためには、適切な人材活用とトレーニングも必要になります。その人のスキルに合った作業を任せることで、作業の効率を高めることができる上、作業者のモチベーションや満足度を高めて仕事の質が向上します。

こうした適切な人材活用により、作業者が互いに協力しやすい空気ができれば、管理者側も作業者のスキルや知識のレベルやニーズを把握しやすくなるでしょう。情報を元に実践的な教育や指導を行うことで、トレーニングを行うこともできます。

サブスク商品の梱包

サブスク商品の梱包

サブスク商品とは、定期的に商品を配送するサブスクリプション型のサービスのこと。

サブスク商品の梱包は顧客の満足度や継続率に直結するため、作業の品質やスピードが求められる場合があります。例えば、商品の破損や遅配、間違いなどの梱包の不具合があると、顧客の不満や解約の原因となる可能性もあるでしょう。また、商品の魅力や付加価値を高めるために、梱包の見た目や印象にもこだわる必要がある場合があります。

これらの課題を解決するためには、サブスク商品の梱包の改善が必要です。

サブスク商品の梱包で起こりがちなミス

 サブスク商品の梱包で起こりがちなミスとは、以下のようなもの。

・商品の間違い:顧客が注文した商品と異なる商品を梱包するミスです。このミスは、商品の種類や数量が多い場合や、商品の見分けがつきにくい場合に起こりやすいです。

・住所の間違い:顧客の住所と異なる住所を梱包に記載するミスです。このミスは、顧客の住所が変更された場合や、顧客の情報を入力する際に誤りがあった場合に起こりやすいです。

・梱包の不備:商品を適切に梱包できていないミスです。このミスは、梱包資材の不足や不適切な使用、梱包の緩みや破れなどによって起こります。

これらのミスは、顧客の不満や信頼の低下につながるだけでなく、返品や再配送などのコストや時間の増加にもつながります。そのため、これらのミスを防ぐために、梱包作業の改善が必要です。

サブスク商品の梱包でミスを減らせた事例

 サブスク商品の梱包でミスを減らせた事例をご紹介します。

・バーコードやQRコードを利用【デジタル情報の活用】

商品や梱包にバーコードやQRコードを貼り、スキャナーで読み取ることで、商品や顧客の情報を確認するようにしました。これにより、商品の間違いや住所の間違いを防ぐことができます。

例えば、化粧品のサブスクサービスでは、顧客が選んだ商品にバーコードを貼り、梱包時にスキャナーで読み取ることで、商品の種類や数量を確認することができるようになりました。

また、顧客の住所部分にQRコードを貼って梱包時にスキャナーで読み取ることで、住所の変更や入力ミスを防ぐことが可能です。

・チェックリストやラベルを利用する【アナログ面の改善】

梱包作業の前に、商品や顧客の情報をチェックリストにまとめ、梱包作業の際に、チェックリストと照合することで、商品や顧客の情報を確認するようにしました。また、梱包にラベルを貼り、ラベルに商品や顧客の情報を記載することで、梱包の内容や送り先を明確にする事例です。

この方法は、商品の間違いや住所の間違いを防ぐことができます。

アソート商品の梱包

アソート商品の梱包

アソート商品とは、複数の商品を詰め合わせ商品のこと。多くのEC事業者では「アソート」として、顧客が自分の好みやニーズに合わせて自由に商品を選ぶことができるサービスを提供しています。

アソート(詰め合わせ)梱包は特にミスが一般的に多い

アソートは、種類や数量が多く、梱包の方法や見た目にもこだわるという商品の性質上、梱包のミスが発生しやすい傾向にあります。

たとえば、コスメなどのアソート梱包では、顧客が選択した商品やテーマ、価格などによって、梱包の内容や方法が変わります。さらに顧客の情報や注文内容を確認するために、梱包の前後に多くの確認作業が必要な場合があります。

アソートは顧客にとっても特別感があるからこそ、梱包も重要。ミスを防ぐこともより大事になってきます。

アランくん

サブスク商品と同じように、ミスが顧客の不満に繋がってしまいます

アソート(詰め合わせ)でミスを防ぐ梱包のフローの例

アソート(詰め合わせ)でミスを防ぐ梱包のフローの例をご紹介します。

  • 顧客の注文内容を確認し、必要な商品と梱包資材を用意する
  • 商品を梱包資材で包み、バーコードやQRコードを貼る
  • 梱包資材に記載されたバーコードやQRコードをスキャナーで読み取り、商品の種類や数量を確認する
  • 商品をダンボールに詰める際に、再度バーコードやQRコードをスキャナーで読み取り、商品の種類や数量を確認する
  • ダンボールに顧客の住所や名前を記載し、バーコードやQRコードを貼る
  • ダンボールに記載されたバーコードやQRコードをスキャナーで読み取り、顧客の情報を確認する

このように、梱包の各段階でバーコードやQRコードを利用して商品や顧客の情報を確認することで、商品の間違いや住所の間違いを防ぐことができます。

複雑すぎて対応が難しい場合は外注も視野に

アソート商品の梱包は、顧客のニーズや好みに応じてカスタマイズされることが多いため、梱包作業の複雑さや難易度が高い場合があります。

例えば、商品の種類や数量が多く、梱包の方法や見た目にもこだわる必要がある場合などです。このような場合は、自社で梱包作業を行うのではなく、外部の専門業者に梱包作業を委託することもおすすめ

外注することで、梱包の品質を向上させることができ、梱包作業のコストや時間を削減することができます。

梱包作業の改善ならオーダー!

梱包作業の改善ならオーダー!

オーダー!の「物流サービス」では、梱包作業の代行に対応しています。EC事業者が難しいと感じがちなサブスク商品やアソート商品も対応可。「きれいな外箱でお客様に商品をお届けしたい」というニーズにももちろん答えます

オーダー!の梱包作業改善事例

オーダー!が梱包作業の代行を承った、コスメ・化粧品・美容の総合情報サイトを運営されるX社様のケースをご紹介します。

X社様は、専門のアドバイザーがお客様のためにセレクトした化粧品・美容関連商品を毎月お届けする会員制のサービスを提供されています。

オーダー!導入前の課題

X社様のサービスでは数万人いらっしゃるお客様ごとに別々のセットを毎月梱包する必要があります。

そのアイテムの種類はカタログ、パンフレットを含め約100~200。組み合わせ数は数百種類にも及び、遅延なく定期配送ボックスをお届けすることが課題のひとつでした。

オーダー!の対応

オーダー!ではその膨大な組み合わせ数に対応するため、事前準備及びスケジュール管理を正確に行うことで複雑で種類の多い組み合わせでも遅延なく大量の発送を行っております。

自前で抱えている物流倉庫には専門知識を持った経験豊かなメンバーがいるため、複雑で種類の多い組み合わせでもミスなく対応することが可能です。

まとめ

梱包作業は「慣れない」「作業者のスキルと作業が合っていない」「作業が複雑」といった理由からミスが発生しやすいものの、そのミスは顧客の不満に直結してしまいます。そのため、少しでも課題を感じたら、梱包作業の流れを改善する必要があります。

この記事ではその事例をご紹介しましたが、顧客満足度を高めるために、外注もおすすめです。

オーダー!では、複雑で種類が多いサブスク商品やアソート商品などにも対応可能。梱包作業に悩みを抱えているEC事業者の方はぜひオーダー!の利用を検討してみてください。