企画の段階から消費者(ユーザー)の販売までを一貫して行うD2Cビジネス。
- 既存のECサイトの売上を伸ばしたい
- 新規ECサイト(D2Cブランド)を立ち上げるのでスタートアップを成功させたい
- D2Cの成功モデルや成功の秘訣を知りたい
など、D2Cビジネスの成功ポイントを知りたい方は多いのではないでしょうか。
この記事では、日本国内と海外のD2Cブランド成功事例について詳しく解説しています。
さらに事例で紹介した企業の成功ポイントの他、D2Cに欠かせない物流業務のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
日本のD2C成功事例
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、仲介業者を介さずに企画やマーケティング、消費者(ユーザー)への販売までを自社で一貫して行うビジネスモデルのことです。
この章では、実際にD2Cで成功した日本国内の事例を紹介し、D2C施策における特徴について解説します。
PETOKOTO(ペットフード)
株式会社PETOKOTO(ペトコト)が運営している「PETOKOTO FOODS」は、人間が食べる食材と同品質の肉や野菜を使ったペットフードブランドです。世界に95名しかいない米国栄養学専門医獣医師が開発したレシピをもとに、国産食材と国内調理にこだわった保存料無添加の安全フードを提供しています。インスタグラムでは「ペトコト犬部」というアカウントを運用し、SNSで顧客(ユーザー)の愛犬の紹介をすることでコミュニティを築いています。
【成功要因】
・フード診断で愛犬の食事量や必要な栄養素に合わせたメニュープランを提案
・愛犬の名前が入ったオリジナルパッケージ
・インスタグラムを活用し、ペットフード以外の最新情報も発信
PostCoffee(食品)
POST COFFEE株式会社が運営する「PostCoffee」は、世界中のコーヒーを取り揃えている日本最大級のコーヒー専門通販サイトです。コーヒー診断をもとに、200種類以上のコーヒーの中から自分好みのものが届く「コーヒーの定期便(サブスクリプション)」を展開しています。
【成功要因】
・世界各国の希少コーヒーを含む、最高品質のスペシャルティコーヒーを厳選
・専属の焙煎士が丁寧に焙煎し、ロースターパートナー、コラボレーションパートナー50社と提携(2022年10月時点)
・コーヒー診断をもとにカスタマイズ可能な豆が毎月3種類届くサブスクリプションサービス
参考:PR TIMES「日本最大級のコーヒー専門通販『PostCoffee』が総額4.3億円の資金調達を実施」
SOÉJU(アパレル)
モデラート株式会社が運用する「SOÉJU(ソージュ)」は、スタイリストが提案したスタイルを購入できるオンラインストアです。プロのスタイリストが個別でスタイリングする「SOÉJU personal」と合わせて、大人女性に向けた品質の高いファッションを手頃な価格で提供しています。
【成功要因】
・自分に合ったアイテムを紹介してくれるWeb診断「My Essential Closet」の提供
・診断結果で提案された厳選5着を送料・返品無料で注文&試着可能なサービス
・試着サービスによって自宅で手持ちのアイテムと合わせて確認できる
参考:PR TIMES「大人女性のためのD2CブランドSOÉJU(ソージュ)、スタイリストによる『厳選5着』を自宅で試せる『My Essential Closet』2回目の開催へ」
Anker(ハードウェア)
「Anker」は、モバイルバッテリーやスマートフォン周辺機器などで知られるモバイル充電ブランドです。中国に本社を置くAnkerグループは世界100ヵ国以上で展開するハードウェアメーカーで、国内ではアンカー・ジャパン株式会社を展開しています。
【成功要因】
・純正品より低価格で高品質な製品
・全製品Amazonレビューを分析し、開発チームにフィードバック
・顧客(ユーザー)視点に立った仕組みづくり
参考:アナグラム株式会社「他のD2Cと『Anker』の差はどこにあるのか?|アンカー・ジャパンCEO猿渡氏」
LIVRER YOKOHAMA(洗剤)
「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」は、プロの洗濯ユニット・洗濯ブラザーズが運営するクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA」が開発したオリジナル洗剤ブランドです。シルク・ドゥ・ソレイユの舞台衣装やトップアーティストの衣装クリーニングも担当している「LIVRER YOKOHAMA」の技術を独自開発した洗剤で再現しています。
【成功要因】
・自然環境に配慮したサステナブルなオリジナル洗剤
・ハイエンドファッションに特化したコンセプト
・SNSで積極的に発信し、ファンづくりに注力
参考:朝日新聞社「成功するD2Cとは リブレヨコハマ『服のアンチエイジング』洗濯事例から」
海外のD2C成功事例
ここからは、海外のD2C成功事例について紹介します。
YUMI(ベビーフード)
「YUMI」はアメリカでオンライン展開しているUSDA認定のオーガニックベビーフードブランドです。創業者が妊娠した際、お店で栄養価が高く安全で赤ちゃんに最適なベビーフードを見つけられなかったことから、課題を解決するためにブランドが立ち上げられました。
【成功要因】
・瓶に入った新鮮なベビーフードのサブスプリクション
・7つの離乳食ステージに合わせた種類展開
・有毒金属の定期的検査
Dollar Shave Club(グルーミング商品)
「Dollar Shave Club(ダラーシェイブクラブ)」は、アメリカ発のカミソリブランドです。2011年に創業し、その翌年からカミソリの替え刃のサブスクリプションサービスを展開、スタートアップとして成功を納めています。現在はUnilever(ユニリーバ)の傘下に入っています。
【成功要因】
・寡占状態の髭そり市場にサブスクリプション型モデルでいち早く参入
・積極的なYouTube活用と独自の世界観でブランドの認知度をアップ
・顧客(ユーザー)の悩み解決を明確に提示
Away(スーツケース)
「Away」はニューヨーク発のスーツケースブランドです。ブランドストーリーや世界観を発信することでブランドを確立し、共感するユーザー(消費者、ファン)を集めたことが成功につながっています。
【成功要因】
・他ブランドのスーツケースに比べて安価
・ブランドストーリーや統一した世界観にフォーカスしたSNS発信
・旅をテーマとした雑誌を刊行し、強力なコミュニティを創造
事例の共通点とD2Cの成功ポイント
成功しているD2Cブランドには共通点があります。ここからは紹介した事例をもとに、共通点と成功ポイントについて解説します。
共通点1:D2C向きの商品を選んでいる
D2Cビジネスを成功させるには、D2C向きの商品を選んでいるかどうかが重要です。
PETOKOTO・YUMIが扱う食品や、LIVRER YOKOHAMA・Dollar Shave Clubが展開している美容関連品は都度消費され、継続して必要となるものなので、D2Cビジネスに向いています。
また、ジャンルは異なりますが、PostCoffeeやSOÉJUのように、複数の商品の中から顧客(ユーザー)にとって最適なものを提供する形のサブスクリプションもD2C向き商品です。
共通点2:あらゆる顧客体験を提供している
D2Cビジネスは仲介業者を介さずにマーケティングや消費者販売を行うため、認知から購入後のアフターケアまで様々な場面で顧客体験を提供できます。
国内では「PETOKOTO FOODS」を展開しているPETOKOTO株式会社が、月間ユーザー100万人超えのPETOKOTO MEDIAを運用し、ペットフードだけでなく愛犬と楽しめる旬の最新情報を発信しています。
Dollar Shave ClubのようにYouTubeを活用してブランド認知を高める、Awayのようにインスタグラムでスーツケースを活用するシーンを顧客(ユーザー)にイメージさせてファン化につなげるなど、顧客満足度のアップにはSNSマーケティングが有効です。
成功ポイント1:適正在庫を維持する
D2Cビジネスを成功させるには、常に適正在庫を維持し欠品で機会損失が起きないようにすることが大切です。
また、売れないものを倉庫に保管しているだけで毎月賃料として費用がかさみ、廃棄するにも費用が発生します。D2Cでは売れないほどコストがかかるため、まずは小ロット生産からスタートし、売れなかった場合の負債を最小限にしておくことが重要です。
自社で適正在庫の維持が難しい場合は、物流業務のアウトソースを検討してみましょう。
成功ポイント2:物流を最適化する
D2Cビジネスでは、商品を消費者(ユーザー)個人宅へ届けるため小口配送やスピード配送が求められます。よって、倉庫内の作業内容を分解して単純化・マニュアル化し、作業のクオリティを保ちながら生産性を上げることがD2Cビジネスを成功させる秘訣です。
在庫管理システムなどを導入して出荷ミスが減少すれば、物流品質も向上し、結果的に顧客満足度にもつながります。
一方で、1件あたりの配送コストが高いと利益を生み出せなくなるため注意が必要です。サイズ・重量の設定は、配送コストを考慮して設定しましょう。
なお、物流業務をアウトソースすると送料も抑えられるケースが多くなっています。大半の物流代行業者は運送会社と特約契約を結んでおり、自社配送よりも配送コストを抑えられるのです。
D2Cビジネスをスタートさせる場合や軌道に乗せたい場合は、物流業務のアウトソースも検討してみましょう。
D2C物流の最適化はオーダー!におまかせください
ビジネスコンシェルジュとして様々な業務をサポートしている「オーダー!」では、IT業と物流業の双方の専門性を活かして、EC運営+物流サービスをセットで提供しています。
オーダー!は物流のプロとして、D2Cビジネスの業務を委託するときは「EC運営+物流」のセット外注をおすすめします。
なぜEC運営+物流のセット外注がおすすめなのか?
D2Cビジネスでは、まずECサイトの構築・運用が不可欠です。
そのためには、ある程度のリソースが必要となりますが、人材不足に陥ることも少なくありません。
さらに、慣れない業務などで負担が大きくなると、システム管理や情報管理が煩雑になり在庫ミスや物流ミスが発生して顧客信用を落とす可能性もあります。
特にEC管理と倉庫管理が分かれていると、在庫がなくなっているにもかかわらず、ECサイトで販売・受注できる状態になっているというミスが発生しがちです。
しかし、EC運営+物流のセット外注であれば一貫した管理ができ、ミスを防げます。
片方だけを外注したときに発生する煩雑なやり取りの手間も省けるため、本来力を入れるべきコア業務にも集中できる点がセット外注のメリットです。
オーダー!のEC運営+物流代行事例
オーダー!のEC運営+物流代行事例を紹介します。
【子供服のアパレル企業様】
EC事業を展開しており、商品をインターネットで販売。オーダー!導入前は物流業務まで自社で賄っていましたが、EC運営+物流のセット外注で注文受付や問い合わせ対応から在庫管理・ピッキング・検品・配送までをオーダー!が全て担当させていただきました。
- 自社の作業スペースが狭く作業しにくい
- 商品の置き場がない
- セール時の注文増加で出荷が間に合わずクレームが発生
- 経験者の人手不足
- 商品ごとの細かいオペレーションのミスが減少
- イレギュラーな包装対応など細かい対応が可能になった
- 出荷業務の費用を正確に把握できるようになった自社の作業スペースが狭く作業しにくい
また、物流倉庫も提供したことで商品の置き場に困ることもなくなりました。このようにクライアントの要望に合わせたカスタマイズで、ご満足いただいています。
D2C成功事例・まとめ
D2Cで成功している国内・海外の事例を紹介しました。D2C向きの商品を選び、顧客(ユーザー)が満足する商品や体験を提供することも大事ですが、成功のポイントとして適正在庫の維持や物流の最適化も欠かせません。
オーダー!では、EC運営と物流のセット外注が可能です。これによって、EC管理と物流管理を一本化できるため、業務効率化と物流品質の向上が叶います。結果として顧客満足度アップにもつながるため、D2Cビジネスでお困りの場合や物流のサポートをしてほしい場合は、ぜひご検討ください。
お客様にあったプランを多数提案させていただきます。
D2Cの詳細やその他の事例を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。