- ペットECを立ち上げたいけどやり方が分からない
- ペットEC立ち上げに向けて、どんなアクションを起こせばいいのか知りたい
- ペットECで成功している実際の事例を知りたい
など、ペットECの立ち上げや準備でお困りのことはありませんか?
特に、競合が多い中でどのように差別化を図るか悩んでいる方も多いでしょう。近年、急速に市場規模が拡大し今後も需要が高まる見込みのペットEC業界。
この記事では、これからペットECの立ち上げを検討している方に向けて、市場規模やペットECを始めるうえで準備すべきこと、ECサイトで気を付けるポイントについて詳しく解説します。
ペットフードを取り扱う際に必要な許可や届出にも言及し、成功しているペットECの事例についても紹介。また、SEO対策やマーケティングに関すること含め、競合に差をつけるための具体的な方法も提案します。
この記事を読めば、ペットECの立ち上げ方や成功するためのポイントが分かります。ぜひ参考にしてください。
ペットECの市場規模
ペットECの市場規模は年々拡大傾向にあります。総合マーケティングビジネスを行う「株式会社富士経済」の調査によると、ペット関連製品のEC市場は2022年見込みで1,872億円。2027年には2,463億円に達すると予想され、さらなる市場規模の拡大が予測されます。
この成長を背景に、今からペットECに参入することで、大きなビジネスチャンスをつかむことができるでしょう。
参考:株式会社富士経済「ペット関連製品の国内EC市場を調査」
市場拡大の背景
ペットECの市場が拡大している背景には、ペットを飼う人々の意識の変化があります。ペットを家族同然に扱う人が増え、ペットにかける費用が増えたことが理由のひとつです。
また、近年では、ペットの健康やウェルネスに対する関心が高まっており、これが関連商品の需要増加に繋がっています。
ペット保険の「アニコム損害保険株式会社」が契約者に行ったアンケートによると、2022年の1年間でペットにかけた年間支出費用は犬が36万円、猫が16万円となっています。今後はペットの高齢化とともに高齢ペット用のフードや用品の開発も進み、より一層の市場拡大が見込まれます。
このようなトレンドに対応する商品やサービスを提供することが、成功への鍵となるでしょう。
参考:アニコム損害保険株式会社「2022最新版 ペットにかける年間支出調査」
ペットECの始め方
ここでは、ペットフードやペット用品などペットECサイトを使った事業の始め方について順を追って解説します。これらのステップを踏むことで、効果的にECサイトを立ち上げることが可能です。
ステップ1.商品設定
ペットECで取り扱う商品はペットフード、アパレル(衣類)、サークル、玩具など多岐にわたります。どの商品を取り扱うか最初の段階で決めておきましょう。
また、競合他社が扱っていないニッチな商品を取り扱うことで、差別化を図ることが重要です。
ステップ2.製造・仕入れ
販売する商品を決めたら、「自社でオリジナル商品を作成する」か「既存製品を仕入れるか」を決めます。
製品を仕入れる場合は仕入れ先の確保が必要です。オリジナル商品を作る場合も、製造スケジュールの調整や製造依頼などが必要になります。
また、仕入れ先を選定する際には、品質管理や供給の安定性を確認することが不可欠です。これにより、長期的に信頼できるパートナーを見つけることができます。
ステップ3.ECサイトの構築
ECサイトには、楽天市場やAmazonのような「ショッピングモール型」とカート機能を備えたECサイト構築システム「ASP型」の2種類があります。安価な商品や元から商品力があるものはショッピングモール型のECサイトでもよいですが、独自性を出したい場合はASP型のほうが適しています。
また、SEO対策やユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を意識したサイトデザインを取り入れることで、集客効果を最大化することができます。
どちらのタイプのECサイトを構築するのか決めましょう。
▼ECサイトの構築方法を詳しく知りたい場合はこちら
ステップ4.梱包や出荷方法を決める
次に出荷方法(発送方法)を検討します。物流品質は顧客満足度などの評価に関わるため、商品配達までの時間短縮化やよい梱包状態を保つためのオペレーション構築が必要です。
特にペット用品の場合、商品の安全性や衛生面に配慮した梱包が求められます。オリジナルの梱包箱や同梱物を用意するかどうかもこの段階で検討します。
物流作業に自社のリソースをあてられない場合は、物流代行の導入を検討してみましょう。適切な梱包と迅速な発送は、リピーターを増やすための重要な要素となります。
物流では倉庫の確保も必要です。難しい場合は代行業者に委託するのもありですね!
ステップ5.テスト&オープン
商品準備とECサイトが整ったら、実際の受注をイメージしてテストを実施します。決済方法に問題がないか、金額や配送日などは設定通りになっているかなどを確認しましょう。
また、テスト段階では複数のデバイスでサイトの表示や操作性を確認し、モバイルユーザーへの対応も徹底しましょう。
不具合が見つかればすぐに修正し、問題がなければサイトオープンとなります。テスト段階での細かなチェックが、ユーザー満足度を高める要因となります。
ペットECのポイント(フロントエンド業務)
ECサイトにおけるフロントエンド業務とは、消費者が目にする部分のことでWebサイトのデザインや商品画像などを含みます。フロントエンドの品質は、顧客の購入意欲やサイトの信頼性に直接影響を与えるため、特に重要です。
ここではペットECをスタートさせるときに気を付けるべきことと、フロントエンド業務のポイントについて解説します。
許可が必要なケースがある
ペット用品のうち、リードや玩具、洋服などのアパレルを扱う場合は特に許可や届出は必要ありません。ただし、法律やガイドラインが変更されることもあるため、定期的に確認することが重要です。
一方で、ペットフードなどの食品を扱う場合は、製造・販売ともに事前に農林水産省(都道府県を管轄する地方農政局)へ届出が必要です。また、製造・輸入・販売を記録した帳簿の作成と保存も必要になります。
この手続きを怠ると罰則が課される可能性があるため、慎重に対応しましょう。くわしくは農林水産省のホームページをご確認下さい。
農林水産省「ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ)」
定期購入システムを導入
ECサイト立ち上げ時から定期購入システムを導入しておくことが、売上を伸ばすポイントです。
さらに、定期購入特典や割引を提供することで、顧客のロイヤリティを高め、リピート率を向上させることが可能です。
定期購入してもらえれば安定した利益が得られます。特に、ペットフードやおやつなどの食品系は消耗品のため、定期購入してもらえる確率が高いでしょう。このシステムは、長期的なビジネス成長を支える基盤となります。
充実した商品画像
ECサイトには、充実した商品画像を掲載してください。
高品質な画像は、商品の魅力を最大限に伝えるだけでなく、顧客の信頼を得るためにも重要です。
洋服やリードなどペットが身に着ける商品の場合、モデルとなる動物の大きさや毛色によって商品のイメージが変わります。例えば犬の場合、小型・中型・大型とそれぞれが着用している画像があれば、ユーザーが購入後のイメージをしやすくなります。
▼商品撮影のコツが知りたい場合はこちら
ペットECのポイント(バックエンド業務)
ECサイトにおけるバックエンド業務とは、消費者には見えない部分のことで在庫管理や保管管理、発送業務などが当てはまります。
バックエンド業務が効率的に運営されているかどうかは、ECサイト全体の成功に直結するため、慎重に管理する必要があります。
以下でバックエンド業務のポイントについて詳しく解説します。
在庫の一元管理
まずは、在庫の一元管理を行うことです。ペット商品には個人宅に向けた発送と、ペットショップやチェーン店など企業に向けたBtoB向けの発送があります。
個人宅向けとBtoB向けのニーズに応じた柔軟な対応が求められ、これには一元管理が非常に効果的です。
1個〜大量の配送をしなければならず、必要な量を的確に発送するには在庫管理を効率化(一元化)しなければなりません。安定した売上を保つためにも在庫管理を一元化し、廃棄ロスや販売機会ロスを防ぎましょう。
また、システムを活用することでリアルタイムでの在庫確認や、自動化された発注管理が可能となり、運営効率をさらに高めることができます。
▼在庫の一元管理に役立つ、在庫管理システム導入について詳しく知りたい方はこちら
保管・管理方法
ペットフード・おやつなどの賞味期限のある食品類の場合は、期限が近い商品を出荷しないよう保管・管理が必要です。
特に、温度や湿度の管理が必要になることもあるため、保管環境の設定には細心の注意を払う必要があります。
製造日や消費期限を把握したうえで、先入れ・先出しを行いましょう。
発送の質
ペットの洋服などアパレル商品を扱う場合は、人のアパレル商品と同様にサイズ違いや色違いなどにも対応しなければなりません。在庫管理の最小単位数であるSKU(ストック・キーピング・ユニット)が増えるため、ピッキング時のミスが発生しやすくなります。
これに対応するためには、SKUごとの在庫管理の正確性を高めるだけでなく、ピッキング作業を徹底的に見直し、手順を最適化することが重要です。
ピッキングは発送指示書をもとに作業しますが、特に自社で行う場合はミスが起こりやすく誤送の原因になるため注意が必要です。ミスが起きると、返品や再送にかかる時間や物流コストが増えるだけでなく、顧客満足度も低下します。そのため、発送の質を上げる工夫が必要なのです。
自動化されたシステムやバーコードスキャンを導入することで、ピッキングミスをさらに減らすことが可能です。
物流代行ではピッキングの代行も行っています。ミスや誤発送を減らしたい場合はプロへの委託がおすすめです。
また、ペットフードの定期購入(サブスクリプション)を導入する場合は、定期便の使用回数に合わせたノベルティの同梱や、サンプルの発送にも対応しなければなりません。くわえて、スキップや停止などのシステム設定・変更も必要です。
その他、専用・オリジナル資材の使用やラッピング対応によって、ブランドイメージを高めることもできます。発送の質を高めるために、物流体制を整えましょう。
ペットECのサポートはオーダー!におまかせ
オーダー!は、ビジネスコンシェルジュとして企業の日々の業務やビジネスをサポートしています。EC物流代行サービスにも対応しており、ペットEC事業者向けにECサイトの構築やリニューアル、運用保守代行の実績もあります。
その他、商品管理や発送業務まで幅広く対応。EC物流のお悩みはオーダー!にお気軽にご相談下さい。
オーダー!のペットECサポートサービスがおすすめな理由
オーダー!では、以下のEC物流サービスを実施しています。
- ECサイト商品の在庫管理・発送
- 個人事業者向けの在庫管理・発送
- 化粧箱の組み立てや動作確認などの要望に合わせたカスタマイズサービス
- 越境ECにも対応している海外向け発送
- 海外で生産した商品の検品作業
- ラベル貼り、検品検針作業など検品からカスタマイズ、各種組み立てなど様々な業務を物流倉庫で対応。
その結果、個別に専門業者へ依頼する必要や商品移動の手間がかからず、商品発注から納品までのリードタイムとコストの削減が可能となります。
ペットECの事業例
ここでは実際のペットECの事業例を挙げ、各サイトのブランドコンセプトやターゲット層を紹介します。これらの成功事例を参考にすることで、自社のペットECサイト運営に役立つヒントを得られるでしょう。
ペットゴー
ペットゴー株式会社が手掛ける「ペットゴー」は、「ペットを幸せにしていくことで世の中を幸せにしていきたい」というコンセプトで立ち上げられたペットヘルスケアサイトです。
動物病院で購入されることが多かった動物用医薬品やサプリメント、デンタルケア用品などの商品を取り扱っています。
2023年3月期第2四半期までの連結業績は、売上高・営業利益ともに過去最高となっており、売上高は前年同期比109%の5,003百万円。営業利益は前年同期比297%の194百万円でした。
参考:ペットゴー株式会社「2023年3月期第2四半期決算説明」
PEPPY
新日本カレンダー株式会社が運営するペット用品通販サイト「PEPPY」は、「一人でも多くの人に犬や猫と暮らしの素晴らしさを伝えたい」という想いからスタートした事業です。「PET」+「HAPPY」がサイト名の由来になっています。
全国約8,000の動物病院と連携し、ECサイトを通じて商品や暮らしに役立つペット情報を発信している点が特徴。飼い主向けのECサイトだけでなく、動物病院をターゲットにしたECサイト「PEPPYvet」も運営しています。
このように、消費者とプロフェッショナルの双方をターゲットにすることで、多角的な展開を可能にしています。
Catlog
株式会社RABOが運営する「Catlog」は、猫と暮らす飼い主をターゲットにしたサイトです。「世界中の猫と飼い主が1秒でも長く一緒にいられるように。猫の生活をテクノロジーで見守る」がコンセプトになっています。
猫の体調の変化を記録できるデバイス「Catlogシリーズ」を開発・販売しており、専用のスマートフォンアプリで管理・記録ができる点が特徴です。このデバイスとアプリの組み合わせは、消費者に新たな価値を提供し、持続的なユーザーエンゲージメントを促進します。
ECサイトはクーポン発行、サブスクリプションに対応しており、Amazon payも導入しています。
ペットECのまとめ
今回は、ペット用品のECサイト立ち上げ時に必要な6つのポイントとして、フロントエンド業務とバックエンド業務で気を付けておきたい点について詳しく解説しました。
成功するペットECサイトを構築するには、消費者のニーズを的確に捉え、信頼性の高いサービスを提供することが不可欠です。
フロントエンド業務で重要なのは以下の3点です。
- ペットフードを扱う場合は届出と帳簿が必要
- 安定した利益を得るために定期購入システム(サブスクリプション)を導入する
- 消費者がイメージしやすいように充実した商品画像を揃える
上記の点を踏まえたうえで、消費者が利用しやすいECサイトを目指しましょう。消費者の信頼を勝ち取ることで、リピーターの確保や口コミによる集客が期待できます。
また、バックエンド業務で重要なのは以下の3点です。
- 在庫管理を一元化して廃棄ロスや販売機会ロスを防ぐ
- ペットフードを取り扱う場合は、賞味期限の管理に注意する
- ピッキングミスや誤発送を防ぐための工夫をする
物流業務に慣れていないとミスが発生しやすくなり発送の質が下がるだけでなく、顧客満足度や信頼度も低下しかねません。自社での対応が難しい場合は、プロの物流代行に依頼するのがおすすめです。
オーダー!では、ペット商品のEC物流代行サービスを行っています。お客様のご要望に沿ってカスタマイズしたプランを多数提案させていただきますので、お悩みの際はぜひご相談下さい。
ペット商品の物流全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。