通販事業に取り組む企業にとって、物流は重要な課題です。
「自社で対応してきたけれど、人手不足や対応範囲の拡大で手が回らなくなってきた」「商品の種類が増えて、細かな検品や梱包に対応しきれない」というお悩みを抱える事業者も多いでしょう。
本記事では、通販物流のよくある課題について詳しく解説し、改善策としての物流代行のメリットや選び方についてご紹介します。
通販物流とは?
通販物流はEC物流と同じと思われがちですが、厳密には違いがあります。
通販とは、実店舗以外のインターネット、テレビなどの広告媒体、カタログ、ダイレクトメールなどを通じて商品を販売することです。通販物流は、EC物流も含む通信販売の物流業務全般を指します。
通販物流の定義
通販の利点は、複数の販売経路を持つことで異なる顧客層にリーチできること。しかし、チャネルごとに受注から出荷、配送までのプロセスが異なるため、統合的な管理が求められます。通販の販売チャネルの特徴を押さえておきましょう。
1.EC
EC販売の受注や在庫情報はリアルタイムで更新され、顧客対応はオンラインサポートが中心。迅速な配送が求められる傾向があります。特にピーク時には短期間で大量の注文を処理するため、効率的な物流システムが必要です。
2.広告媒体
テレビ、ラジオ、新聞などの広告媒体を通じて商品を販売する方法では、特定の日と時間帯に注文が集中します。このため、事前に在庫を確保し、急激な注文増加に対応できる体制が必要。広告を打つ前に在庫やスタッフの準備を整えることが重要です。
3.カタログ
カタログ販売は、印刷されたカタログを通じて商品を紹介し、電話、郵便、インターネットで注文を受け付ける方法です。カタログの発行周期に合わせて在庫を管理する必要があり、長期的な在庫計画が求められます。
4.ダイレクトメール
ダイレクトメールは、顧客に直接商品情報を送付し、電話、郵便、インターネットで注文を受け付ける方法です。ダイレクトメールの送付に合わせて在庫を確保する必要があります。顧客に対してよりパーソナライズされたサービスを提供できます。
通販物流の作業内容
通販物流の作業は受注管理から在庫管理、検品、梱包まで多岐に渡るだけでなく、少量・多頻度の配送が多く、需要の波が大きいのが特徴です。
また、注文処理のスピードや方法はチャネルによって異なります。例えば、電話やメールでの受注は手動入力が必要なことも。それぞれに適した対応が必要です。
通販物流のよくある課題
通販物流において、多くの事業者が悩む課題を解説します。
- 発送作業に時間がかかる
- 在庫管理が複雑化する
- 物流コストの負担が大きい
- 細かな検品や梱包の対応が必要
- ギフト対応、同梱対応が必要
- 返品・交換が起こりやすい
- 事業規模が拡大すると負担も増大
発送作業に時間がかかる
通販物流では広告を打った時やセール・キャンペーン時に注文が集中するため、発送までに時間がかかり、人的ミスが起こることもあります。
ピーク時の対応力不足は顧客満足度の低下につながるため、短期間で大量の出荷に対応できる体制が求められます。効率的なピッキングと梱包が必要です。
在庫管理が複雑化する
複数チャネルでの販売は在庫管理を複雑にします。在庫情報がリアルタイムで更新されないと、過剰在庫や欠品のリスクが高まります。適切な在庫管理システムの導入や自動化が物流改善のカギとなります。
物流コストの負担が大きい
通販物流では、せっかく生み出した利益を物流コストが圧迫していることも少なくありません。さらに、返品や交換が発生すると追加コストが必要に。物流コストの上昇傾向が続くことを考慮すると、作業効率や輸送効率をいかに上げるかが大切になります。
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細かな検品や梱包の対応が必要
商品によっては細かな検品が必要です。また、商品を無事に消費者の元に届けるだけでなく、オリジナルデザインのパッケージやエコフレンドリーな梱包材選びも、顧客体験を高めるためには重要です。
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ギフト対応、同梱対応が必要
数多くの通販事業者の中から選んでもらうには、他社との差別化も必要。そこで欠かせないのがギフト対応や同梱物のカスタマイズです。
例えば、サンプル、チラシ、お礼状、リピーターになってもらうための割引やサービスなど、顧客のロイヤルティを高められるような施策は有効ですが、これらを自前で確実にミスなく行うには十分なリソースや物流ノウハウが必要です。
返品・交換が起こりやすい
通販では顧客が商品を手に取って確認できず、返品や交換が発生しやすいという課題があります。
配送状況の追跡や顧客とのやり取りも必要です。返品対応が迅速に行われないと、顧客に悪い印象を与えることになりかねません。
事業規模が拡大すると負担も増大
順調に事業が拡大して取り扱う商品の量や注文数が増えてくると、物流負担は一気に増大します。人手や物流インフラの拡充には時間と労力が必要です。
さらに問い合わせやクレームにも迅速に対応する必要があり、サポート体制の強化も求められます。
急な受注増加に備え、前もって物流体制を整えておけるとベストです!
通販物流改善のポイント4つ
自社の物流課題を洗い出したら、次は具体的な対策を考えていきましょう。ポイントを4つにまとめました。
- 現状の物流課題を把握する
- 物流業務フローの見直し
- 最新技術の活用
- 物流代行の導入
1.現状の物流課題を把握する
現在の物流プロセスを詳細に分析し、ボトルネックや問題点を特定します。過去のデータを集め、出荷遅延、在庫不一致、返品処理の遅れなど、どのような問題が多く発生していたかを洗い出します。
また、顧客からのフィードバックやクレームを収集し、どの部分で不満が生じているかを把握しましょう。
2.物流業務フローの見直し
物流プロセスを視覚的にマッピングし、各ステップの効率を評価します。無駄な手順や時間のかかる作業を省くことができないか確認します。効率化のために業務フローの見直しを行い、プロセスの簡素化と標準化を目指します。
3.最新技術の活用
IoTデバイスや自動化技術の導入を検討します。
例えば、ロボットによるピッキングや梱包、需要予測に基づいた在庫補充システムなどを導入すると、コストはかかりますが結果的に業務効率が大幅に向上し、人的ミスの削減が期待できます。
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4.物流代行の導入
物流業務を自社だけでまかないきれない場合は、信頼できる物流代行会社に外部委託することも有効です。専門知識やノウハウを持つ代行業者に業務を任せることで、リソースに余裕が生まれます。
物流代行会社は最新の技術やシステムを導入しているため、コスト削減や業務効率化も期待できるでしょう。
外部委託のメリットについて、詳しくは次章で解説します。
通販物流をアウトソーシングするメリット5つ
物流をアウトソースするメリットは多くありますが、ここでは5つご紹介します。
1.受注の急増や事業拡大に対応できる
物流量の増加に対し、迅速かつ柔軟に対応できるため、受注の急増や事業拡大にもスムーズに対応できます。
新規の市場に進出する際も、既存の物流インフラを利用できるため、迅速に展開が可能です。
もし海外展開をお考えなら、物流は国内向けに比べてさらに煩雑になるので外注がおすすめです。
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2.物流コストが削減できる
倉庫の建設や物流システムの導入にかかる初期投資が不要になります。商品の保管・作業スペースを自社で調整する必要がなくなり、人件費や保管費の削減につながります。
また、物流代行業者は効率的な運営体制を整えているため、コスト削減が実現します。
3.物流の効率化ができる
物流代行業者の豊富な経験と専門知識により、効率的な物流サービスを提供してもらえます。
業務の一部を依頼するほか、物流業務全体を外部委託する3PL(サードパーティー・ロジスティクス)や、問い合わせやアフターフォローといった領域までカバーするフルフィルメントサービスの導入を検討してもよいでしょう。
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4.カスタマーサポートにも対応
通販事業は媒体によって顧客の層が異なるため、それぞれに適切な顧客対応をしなければなりません。
例えば、カタログ販売など顧客に年配の方が多い場合、電話や郵便によるサポート体制が必要なことも。その場合は物流業務に加えてコールセンターやサポートデスク代行も可能な業者に依頼すると、さらなる業務効率化が実現します。
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5.返品対応にも対応
顧客からの返品や商品の交換、検品などの一連の対応も、代行業者に任せることができます。さらに、何らかの事情で運送会社から届けることができなかった商品の返品も任せられるので安心です。
物流業務の負担はリソースを圧迫することに!早めに対策を打つのがおすすめです
物流代行会社の選び方
物流代行会社は各社特徴があります。次の点に注目して、自社と相性の良い業者を選びましょう。
費用とサービスのバランスが良いか
代行会社の過去の実績を確認します。できれば、自社と同業種、同規模の企業との取引経験があると安心です。費用とサービスのバランス、出荷数の上限を確認しておきましょう。
必ずやっておきたいのが、見積もりを複数社から取ること。契約後に月額費用以外の追加費用や隠れたコストが発生して、総費用が膨らんでしまった…ということにならないよう、確認しておきましょう。
システムの連携ができるか
自社のECシステムや在庫管理システムと連携できる柔軟なITインフラを持っていると導入がスムーズです。API連携ができると業務効率化につながります。
物流周り以外に社内の請求処理や各種申請などもできると、会社全体の業務効率化につながるので理想的です。
サポート体制が整っているか
長くパートナーとして業務を進めていくには、担当者とのコミュニケーションが円滑に行えるかを確認します。定期的なミーティングや報告体制が整っているかを確認し、もし問題が発生した際にどのような対応をしてもらえるかチェックしておきましょう。
物流拠点が便利な場所・立地にあるか
リードタイム短縮のために重要なのが、物流拠点のロケーションです。配送センターが主要な配送ルートに近い場所にあるか、交通アクセスが良いかを確認しましょう。
特に地方に拠点を持つ通販事業者は、関東エリアに倉庫を移すこともおすすめです。
物流の2024年問題で言われるように、今後ますます配送コストの上昇や商品・製品到着の遅延などが懸念されます。影響が大きくなる前に早めに検討を始めることが重要です。
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通販物流の代行はオーダー!におまかせ
オーダー!には、大企業から小規模企業、自治体、個人事業主まで、数多くのお客様の物流業務を支援してきた豊富な実績があります。
【オーダー!の通販物流の強み】
- 物流のプロによる包括的なサポート
- 在庫管理、検品、発送など物流業務までをトータルサポート
- 作業負荷の高いキッティングや組み立て作業など、幅広い業務に対応
- 現状の問題点や課題を洗い出すコンサルティング、独自の物流システム導入支援も可能
さらに、アクセスの良い物流倉庫があるのも強みです。
【オーダー!の倉庫の利点】
- 羽田空港から車で約25分、横浜港から約15分の好立地
- 高速道路へのアクセスも良好で、当日出荷にも対応可能
また、カスタマーサポートやEC運営など、物流以外に必要な業務のサポートも提供しています。
「自社だけで業務が回らなくなってきた」「依頼したい業務があるが他で引き受けてもらえない」など、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
通販物流まとめ
通販物流の課題は事業者それぞれに異なります。まずは現状の課題を把握し、優先順位をつけて改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?
最新技術を活用したり、適切な物流代行会社を利用したりすることで、運営効率が向上し、コスト削減や顧客満足度の向上が期待できます。通販物流の代行は、ぜひオーダー!にお任せください。