商品を直接手に取って見てもらうことができないネットショップにおいて、商品の特徴と魅力を伝える掲載写真が何より重要です。

この記事では、商品撮影の意味や重要性、上手に撮影するコツについて詳しく解説しています。記事を参考に顧客が思わずタップしたくなる写真を掲載し、売上アップにつなげていきましょう。

商品撮影(物撮り)とは?

商品撮影(物撮り)とは?

商品撮影(物撮り)とは、言葉の通り、商品を撮影することです。もともと物撮りは、プロのカメラマンの間で専門用語として使われていました。

しかし、SNSやインターネットが普及したことをきっかけに、一般的に広く用いられるようになったのです。

商品撮影の重要性

「商品さえ良ければ売れる」という考え方は、インターネットの世界では必ずしも正解とはいえません。

もちろん良い商品であることは前提ですが、写真を通して魅力ある商品だと感じてもらえなければ、購入につながる可能性は限りなく低くなってしまいます。

米国のマーケティングプラットフォームの統計では、インターネットで買いものをする人の 93% が「見た目が商品購入の決め手になると考えていることが明らかになっています。

また、株式会社ネオマーケティングが実施した調査によると、ECショップで商品を選ぶ際に必要だと思う商品画像として、「寸法が記載された画像」と答えた人が全体の約8割以上にのぼりました。そして、「細部まで拡大できる画像」「具体的な使い方がイメージできる画像」についても、7割以上のユーザーが必要であると回答しています。

ECサイトは店舗で販売する場合と異なり、ユーザーが実際の商品に触れることがないまま購入することになります。

つまり、ユーザーは写真や説明文などサイトに掲載されている情報だけで購入を判断するため、商品撮影は売上を左右する重要な要素といえるのです。

参考:
Justuno「65 Surprising E-Commerce Consumer Psychology Statistics」
株式会社ネオマーケティング「全国の20歳~69歳の男女1000人に聞いた『送料設定や画像、ユーザーが求めるECとは』」

商品撮影の種類

商品撮影の種類

商品撮影は、主に「プロダクトカット」と「イメージカット」の2種類に分類されます。

プロダクトカットは、「忠実に商品を表現すること」を目的とする一方、イメージカットは「その商品の魅力を伝えること」が目的です。

以下で、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

プロダクトカット

プロダクトカット

「プロダクトカット」とは、その商品の「色・形・質感」が正しく伝わるように撮られたカットのことです。

商品の形状や色味を正確に表現するため、どのように撮影するのかをしっかりと決めてから撮影することがポイント。単品・白背景で撮影します。

イメージカット

イメージカットは、商品をよりスタイリッシュに表現したい場合に用いられる撮影方法です。

イメージカットのアイデアとして、
・ライフスタイルカット
・モデルカット
・スケールカット
の3つを紹介します。

ライフスタイルカット

日常生活で商品を使用する場面を想起させるカット

ライフスタイルカット

モデルカット

商品の使用感や着用感がよく伝わるカット

モデルカット

スケールカット

商品のサイズ感が伝わるカット

スケールカット

商品撮影4つのコツ

商品撮影4つのコツ

ここからは、押さえておきたい商品撮影時の4つのコツについて説明します。

商品を上手に撮影するコツ

1.照明

照明は売れる商品を撮影するうえで、極めて重要です。

「光にこだわる」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、日中の自然光やLEDライト、蛍光灯を活用するだけで簡単におしゃれさを演出できます。

光源の特性を把握して、その商品に合ったライティングを使いましょう。

自然光と人工光の違い

光源は「自然光」すなわち太陽光と、白熱灯やLED照明などの「人工光」に分けられます。自然光を利用すると、柔らかい印象の写真になります。ただし直射日光は影が強くなるため避けるのが無難です。

一方、人工光は輪郭や商品の細部が明瞭化するメリットがあります。

照明の当て方

物撮りにおける照明の当て方の基本は、「光を満遍なく分散させる」ことです。

魅力的な商品写真を作るには、スタジオに柔らかい光が多く差し込んでおり、商品全体に光が均等に当たっている必要があります。

この際、正面からの光は商品の質感が消えてしまいます。照明をカメラから離し、商品の上か斜めから光を当てましょう。

照明の当て方

もしも部屋の中が暗く光を上手に差し込めない場合は、レフ版を使用して暗い部分を補ってください。

照明の当て方

また、照明と商品の間にトレーシングペーパーを挟むと光が柔らかくなるので、試してみて損はありません。光が強すぎたり弱すぎたりするのは物撮りのライティングとしてNGですので、注意しましょう。

2.背景

物撮りを成功に導くためには、背景にこだわることも重要です。背景を変えることで商品のイメージがガラッと変わります。各商品に最適な背景を選択してください。

商品撮影の背景は、白が基本です。しかし、商品の色味や雰囲気によっては、差し色として白以外の背景が使われます。

例えば下の画像のような黒背景は、アクセサリーなどの光ものや高級感のあるものを引き立ててくれます。

アクセサリー
お菓子

また、上記画像のようなパステルカラーは季節感やフレッシュさを演出できます。

ただし、あまりにも商品と背景の色が似ていると、商品のインパクトが失われてしまいます。ネットショップ全体の統一感にも注意しながら、被写体の魅力を伝えられる色をチョイスしましょう。

素材

商品撮影で使用される背景素材には、紙・木目・布・アクリル板などがあります。

紙などを背景にした物撮りはシンプルで商品が際立ちますし、木目調の壁紙やコルク素材などを背景にして撮影すると、ナチュラルで自然な雰囲気に仕上がります。

背景素材
背景素材

また、上記画像のように、布やドレープの質感を活かして高級感や温かみを作り出すことも可能。クールな印象を与えたい場合は、アクリル板やコンクリート素材がおすすめです。

このように背景の素材次第で、華やかなイメージをつくることができるのです。

3.アングル

見せたい部分をしっかり映し出すためには、アングルの工夫も大切です。撮影するときは置き方を変えて、商品が活きる最も魅力的なアングルを見つけてみてください。

特に、ECサイトに掲載する際は商品の全貌が分かるように、異なるアングルから撮影したものを複数枚アップロードするのがおすすめです。詳細をしっかりと確認でき、購入を考えている人の後押しになるでしょう。

正面

商品撮影

正面からの撮影は商品の特徴が伝わりやすく、前面を満遍なく見やすく写せます。見本画像のような背の高いものに適しているため、高さを強調した商品は真正面から撮影すると良いでしょう。

以下では各アングルにより、どういう見せ方ができるかを解説します。

俯瞰

俯瞰撮影

被写体の真上から撮影する俯瞰は、物撮りの定番アングルです。

特に、小物や食品など背の低いものと相性抜群です。俯瞰から写すだけで、写真全体がおしゃれになりやすく、雑誌の1ページのような雰囲気を演出できます。

俯瞰撮影

商品を斜めから撮影すると、真俯瞰や真正面からでは映せない細かい部分を補えます。

また、斜めから写すことで臨場感を出せるため、商品を実際に手にした感覚をイメージしやすくできる点も特長。斜めからといっても同じ角度ではなく、高い位置から低い位置まで角度を変えて撮影しておくことがポイントです。角度を変えて撮影することによって、商品が映える思わぬ角度が見つかるかもしれません。

4.カメラ

一口に撮影用のカメラといっても、コンパクトカメラや一眼レフ、スマートフォンに付属しているカメラなど、その種類は多岐に渡ります。

また、カメラにはそれぞれに異なる注意点や一長一短があり、設定方法や仕組みを理解することも欠かせません。下記で、それぞれの違いを詳しく紹介します。

スマホ

【スマホ撮影時の注意点】

・フラッシュは使わない。
・グリッド線を表示させておくと、水平に撮りやすい。
・正方形で撮りたいならスクエアモードを使用。

スマホはマニュアル操作はできないため、タッチパネルで操作します。

タッチパネルを押した箇所が適度な明るさになるよう露出補正されるので、アングルなどが決まって三脚で固定した後に露出を決めましょう。機種によっては、タッチパネルをスライドして露出の調整ができます。

また、グリッド線を表示して水平に撮りやすくしておくこと、商品を正方形で撮る場合は、スクエアモードで撮ることをおすすめします。

コンパクトカメラ・一眼レフ

【コンパクトカメラ・一眼レフ撮影時の注意点】

・なるべく離れた位置からズームで撮る。
・フラッシュは使わない。
・三脚を使う。
・シャッタースピードを下げると、はっきりした写真が撮れる。

カメラを使って物撮りを行う際は、レンズ交換ができるデジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラがおすすめです。レンズを変えることによって焦点距離と絞り値を調整することで、より撮影者の意図に合った写真撮影ができます。

この時に注意したいのが、焦点距離が短い(28mm以下)広角レンズで近づいて撮ることです。そのように撮影することで遠近感が強調され、商品が歪んで不自然な写真に見えてしまいます。それを避けるためには焦点距離50mm以上のレンズで、なるべく離れた位置から撮るように心がけましょう。

また、三脚は写真撮影をするうえで避けては通れない存在です。

手ブレした画像では魅力的なPRは行えません。きちんと三脚で手ブレ補正し、見やすく分かりやすい写真を撮りましょう。

商品撮影の課題

商品撮影は、一見すると商品を並べて撮るだけの簡単な作業に思えますが、実は意外と初心者にはハードルが高いことで知られています。

ここでは、商品撮影の課題について解説します。撮影を始める前に、十分な用意ができているか確認してみましょう。

撮影器具・設備

本格的な写真撮影を行うには、以下のようにさまざまな器具や設備が必要になります。

  • LED照明
  • レフ板
  • ディフューザー
  • 三脚
  • カメラ

また、一般的にこれらの器具は高価なものが多く、全て揃えると数十万円程度の費用がかかります。

インターネットなどで安い機材を購入することも可能ですが、あまりにも安価な機材は壊れやすかったり、パーツ付け替えが必要だったりと、かえって費用がかさむことも考えられるでしょう。

場所

次は撮影場所の課題です。撮影するものが小物の場合は小スペースでも撮影できますが、大型の場合は撮影場所を確保しなければなりません。

さらに、イメージカットなどで空間を含めて商品撮影を行うなら、別途ハウススタジオなど撮影に適したロケーションを用意する必要があります。撮影場所によっては事前に申請書類などを提出しなければならず、手間がかかるのです。

撮影スキル

撮影スキルを向上させるには、一定の経験が不可欠です。

内製化するにしても、カテゴリーを絞り込み、撮影方法を固定しながら撮影を繰り返すなノウハウを溜めなければなりません。一朝一夕に身に付くスキルではないことを覚えておきましょう。

撮影してアップするまでの時間

商品撮影は撮影して終わりではなく、画像の編集・加工までが一連の流れです。

画像の編集・加工は最も時間がかかる工程です。運営業務と兼業ではリソースが足らず、サイト掲載が遅れる事態もしばしば発生します。

また、自社で行う場合はオフィスで商品撮影後に倉庫へ戻すなどの物流の手間がかかり、時間ロスができてしまいます。

これらの課題を解決するために、商品撮影を委託するという手もあります。

商品撮影の料金相場

商品撮影の料金相場

写真撮影代行の料金相場は撮影内容や商品のジャンル、枚数によって異なるものの、おおよそ1時間当たり10,000円〜30,000円です。ただし、一口にカメラマンといっても、アマチュアに頼むかプロに頼むかで、値段やクオリティに大きな差が出ます。

「安くて大量に撮ってくれる人が良い」「クオリティの高さにこだわりたい」「できるだけ短納期で仕上げてほしい」など、自社の要望を明確にしたうえで、相見積もりを取ることをおすすめします。

【業者に依頼した場合の商品撮影の料金相場】

郵送(1商品あたり)1,000円〜5,000円
スタジオ撮影(1時間あたり)8,000円〜20,000円
出張撮影(1時間あたり)10,000円〜30,000円
参考:株式会社ミツモア「商品撮影・物撮り」

商品撮影のおすすめサービス

ここからは写真撮影のおすすめ外注先として、オーダー!を紹介します。

オーダー!

オーダー!

日々の業務、お客様の事業をサポートするビジネスコンシェルジュ・オーダー!では、さまざまな業務代行サービスを提供しています。

「ECサイトの構築・運用サービス」では、サイト掲載用の画像撮影はもちろん、ECサイトの運営に必要な業務を一気通貫で支援・代行しています。

定額運用メニューの対応業務例
  • 商品管理(マスター管理、在庫管理、仕入管理)
  • サイト管理(在庫登録、在数更新、商品登録、更新)
  • 特集ページやランディングページ作成
  • ニュースリリースなどの追加・修正・変更
  • レポート作成 など

このように、手間のかかる業務でも幅広く請け負えるのがオーダー!の強みです。

【料金】
基本プラン:10万円/月(税抜)
契約期間:3ヵ月
実働時間:30時間/月

上記は基本プランであり、ご依頼いただいた内容に合わせてカスタマイズが可能です。

商品撮影は個別相談にて対応しています。自社内で撮影する方法が基本ですが、スペースが限られている方のためにオーダー!の倉庫内にスペースを作って撮影することも可能です。商品を直接オーダー!の倉庫に送れば、自社と撮影スタジオ間で物を送る手間とコストを軽減できます。

さらに、オーダー!に物流業務もあわせて依頼すれば、撮影後すぐに画像処理してECサイトにアップでき、その後の保管・発送まで一気通貫で依頼できるため時間ロスもありません。大企業から中小企業まで幅広い企業に対応していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

商品撮影のまとめ

今回は写真撮影の重要性や商品撮影の料金相場について、お伝えしました。

「自分で撮影するのは難しそう」
「できればEC販売における全ての作業を外部に任せたい」

このようなお悩みを持つ人は、ぜひオーダー!のECサイトの構築・運用サービスをご検討下さい。経験豊富なメンバーが、お客様のご要望に沿ったプランを多数ご提案させていただきます。

商品撮影だけでなく商品登録をまるっと代行してもらう方法もあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

ECサイト運営全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。