Shopifyは基本機能だけでもストア運営ができますが、APIを使って既存の顧客データベースや在庫管理システムなどと連携することで、さらなる機能の強化ができます。
この記事ではShopifyを使っている方、これからShopifyでサイト構築を考えている方に向け、Shopify APIの概要、メリットや活用方法をご紹介します。
「もっと独自性のあるサイトにしたい」
「Shopifyの機能を使いこなして業務を効率化したい」
「APIを活用すると何ができるのか知っておきたい」
とお考えの方はぜひ参考にしてください。
Shopify APIの基礎知識
そもそもShopify APIとは何か、連携すると何ができるのかを押さえておきましょう。
Shopify APIとは
Shopify API(Application Programming Interface)とは、外部のアプリケーションやシステムと連携できるようにする仕組みを指します。
Shopifyには最初からストアの基本機能が備わっていますが、サイト運営をしているとデフォルトの機能だけでは不十分と感じることもあるかもしれません。
「業務を効率化したい」「ユーザーの利便性を向上したい」と考える事業者にとって、Shopify APIは強力なツールとなります。
Shopify API連携でできること
Shopify APIを駆使するとデザインのカスタマイズのほか、在庫管理、発送代行、顧客管理など様々な機能を拡張できます。
Shopifyはアプリで機能拡張もできますが、ほしい機能がなければAPIを利用して独自に開発する手もあります。
また、Shopifyをお使いの方の中には「自社で別のシステムを使っている」「Shopify以外に複数のプラットフォームを利用している」という方も多いでしょう。
APIを使うと、そのような外部のシステムと連携したり、複数のプラットフォームのデータを一元化したりすることができます。また、Shopifyの基本機能を超えた高度な機能の実現も可能です。
ショップの魅力が高まることで、Shopifyストアの運営がより効率的になり、顧客満足度向上、売上アップにつながります
Shopify API連携のメリット
Shopify API連携の3つの大きなメリットをご紹介します。
オリジナリティあふれるサイト構築ができる
Shopifyには最初から複数のテーマ(Shopifyストアを構築するデザインテンプレート)が用意されており、好みのテーマを選べばデザインの必要はありません。
しかし、Shopify APIを使い、オリジナルのロゴやブランドカラーを使用して、より独自性の高いデザインにすることもできます。その結果、競合との差別化になり、ブランド価値を高めることにつながります。
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ユーザーにとって使いやすいサイトが作れる
見た目だけではなく、商品の表示方法や購入プロセスのようなUI(ユーザーインターフェース)を自由に設計でき、サイトの操作性を高めることもできます。
必要な情報がわかりやすく導線がスムーズなサイトは、顧客のニーズを満たして購入意欲を刺激し、サイトの転換率(訪問者に対する購入や問い合わせなどの割合)向上に貢献します。
バックエンド業務の効率化ができる
Shopify APIを使って顧客データベースや物流システムと連携すると、注文処理や在庫管理、顧客データの管理といったバックエンド業務の自動化ができ、時間とコストを削減することもできます。
バックエンド業務は売上が伸びてくるほど負担が大きくなるので、特に人員リソースの余裕のない事業者にとっては切実な問題といえます。
Shopifyは大手ECモールと異なり集客が難しい面があります。ですから、これら業務を効率化することで商品開発やマーケティングにより多くのリソースを割くことができるようになります。
Shopify 主要API5つの概要
ここでは、Shopifyで特に重要な5つのAPIとその使用例についてご紹介します。
- 管理者向けAPI(Admin API)
- テーマカスタマイズAPI(Shopify Themes)
- ストアフロントカスタマイズAPI(Storefront API
- パートナーAPI(Partner API
- マーケティング活動API(Marketing Activities API)
管理者向けAPI(Admin API)
ShopifyのAPIの中でも最も使用頻度が高いとされるAdmin API。商品の追加や在庫管理、注文処理などのバックエンド業務を一元的に管理できるため、作業の正確性が向上し、時間を大幅に節約できます。
テーマカスタマイズAPI(Shopify Themes)
Shopify Themesを使用すれば、ストアの見た目を自由にカスタマイズできます。ブランドの世界観を大事にしたい時には独自のテーマやカスタムページを作るのが有効です。
ストアフロントカスタマイズAPI(Storefront API)
Storefront APIを使えば、商品を多様な経路から販売できるようになります。例えばモバイルアプリや他のECサイトからもショッピングできるようになるので、顧客の利便性も高まり、新規顧客の獲得や売上アップも期待できるでしょう。
パートナーAPI(Partner API)
Partner APIは、Shopifyパートナー(Shopifyの事業をサポートする個人や企業)のサイト管理を効率化してくれます。
複数のクライアントを抱えるShopifyが、それぞれの管理画面にアクセスして作業するのは大変です。そこで複数のサイトから楽にデータ収集などが行えるように設計されているのが、Partner APIです。
マーケティング活動API(Marketing Activities API)
Marketing activities APIはあらゆるマーケティング活動の情報を集約し、マーケティングキャンペーンの作成、管理、分析を簡単にします。
マーケティングは広告やSNS投稿など様々な施策があり、それらを別々の画面で見ることが多く管理が複雑になりがちです。データを集約して効果検証がしやすくなると、施策の効果も高まることが期待できます。
自社のサイトに足りないものは何でしょうか?必要な機能を洗い出してみるのがおすすめです!
Shopify APIの活用例
ではShopify APIは具体的にどのような場面で使えるのでしょうか?事例をご紹介します。
- 顧客情報の管理
- 商品情報や在庫の管理
- 発送業務の自動化
顧客情報の管理
Shopify APIを使って顧客データベースを連携すると、顧客の購入履歴や連絡先情報をまとめて管理でき、顧客一人ひとりにパーソナライズされたマーケティング施策が打てるようになります。
例えば、特定の商品を購入した顧客に向けて関連商品のプロモーションメールを送ることでリピート購入を促すなど、顧客の行動データを基にした施策は高い成果が期待できるでしょう。
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商品情報や在庫の管理
複数のECサイトや店舗を運営していると、在庫管理は頭を悩ませる課題でしょう。
お使いの在庫管理システムをShopify APIを使って連携することができれば、複数店舗の在庫データをリアルタイムで同期し、在庫過多や不足による損失を防ぐことができます。
複数チャネルでの販売(オムニチャネル戦略)による販売機会の増加や顧客満足度の向上も期待できます。さらに、サブスクリプションモデルの実装も容易になり、ビジネスモデルの多様化に対応できます。
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発送業務の自動化
ECストアにとって重要な発送業務についても、受注から発送までのプロセスを自動化することができます。作業ミスの防止になるのはもちろん、作業効率の大幅な向上が見込めます。
さらに、顧客ごとに異なる同梱や複数配送先への対応もスムーズに行えるようになり、顧客サービスの質の向上にも寄与します。
これからもっとビジネスを拡大したい事業者にとって、発送業務の自動化は欠かせない要素といえるでしょう。
Shopify APIの設定手順
Shopify APIを利用するには、APIキー(アプリやユーザーの識別・認証に必要なコード)の取得が必要です。ここではその手順について解説します。
プライベートアプリを作成
1.ホーム画面から「アプリ」→「アプリと販売チャネルの設定」を選択
2.「アプリを開発」を選択
3.「アプリを作成」を選択
4.任意のアプリ名を入力し、「アプリを作成」をクリックすると完了です。
5.APIキーを取得
「API資格情報」タブを開くと、APIキーなど連携に必要な情報を見ることができます。
APIキーはストアにとって重要な情報ですので、取り扱いには注意が必要です。また、実際に連携する前には、テストとデータのバックアップを取るようにしましょう。
Shopify API選定と利用時の注意
- 目的に適したAPIを選ぶ
- プランによる処理能力の上限がある
- 日本語に対応していないことがある
- セキュリティ対策が必要
- 専門知識が必要な場合も
目的に適したAPIを選ぶ
ShopifyのAPIを選定する際は、まずストアの目標や直面している課題を明確にしましょう。あれもこれもと機能を追加してしまうと、操作が遅くなるなど問題が生じることも。必要な機能やサービスを洗い出すことが、適切なAPIを選ぶための第一歩です。
Shopifyストアには有料、無料の数多くのアプリが公開されています。まずは既存のアプリで課題を解決できるかどうか検討するのも良いでしょう。
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プランによる処理能力の上限がある
Shopifyストアのプランによって、APIの利用に一定の上限(レート制限)があります。
レート制限は、Shopifyサーバーへ過度な負担がかかるのを防ぎ、安定したアクセスを保証するために設けられたもの。この上限を超えると、一時的にAPIの利用が制限されることもあります。大量のデータを取り扱う際には注意が必要です。
日本語に対応していないことがある
Shopifyのドキュメントやサポートは、日本語で提供されていないことがあります。
そのため、英語資料を読む必要がある場合は、翻訳ツールの利用や、英語に対応可能なスタッフのアサインを検討しましょう。
セキュリティ対策が必要
APIを利用する際は、セキュリティ対策も重要です。
特に、個人情報を扱う場合は、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、開発者のセキュリティ対策のレベルを確認し、プライバシーポリシーをチェックすることが必要です。また、定期的なアクティビティログの確認も忘れずに行いましょう。
専門知識が必要な場合も
Shopifyは拡張機能が充実しているため、それらを使えば十分にサイトの改善が可能です。しかし、カスタマイズとなればプログラミングなどの専門知識が必要となることがあります。
Shopifyの操作に不慣れな場合や、社内のリソースが限られている場合は、専門業者への外注も一つの選択肢です。プロに任せることで、業務のスピードアップやコスト面での最適化、さらには保守も任せると長期的に業務負荷を軽減できます。
社内全体の生産性を向上させるために、アウトソーシングはビジネスが拡大する前に検討しておくのが得策です!
Shopify API活用ならオーダー!
ShopifyのAPI連携についてご紹介しましたが、初心者にはハードルが高い部分もあるでしょう。オーダー!では、Shopifyでのサイト構築や運用から物流サービスまで、ECビジネスの包括的なサポートを行っています。
【Webサイトの構築・運用メニュー】
- Webサイト、ECサイト構築サービス
- ホームページからの問い合わせ対応代行
- SNS運用代行
- レスポンシブ化
- バナー制作
- ※その他、定額運用メニューもあり
【物流メニュー】
- ECサイトの商品 在庫管理・発送
- カスタマイズサービス(化粧箱組み立て、複数種類のパターンでアイテムを組み合わせて詰め込み、梱包など)
- 海外向け発送
- 検品代行
- 物流業務プロセス見直しコンサルティング
- 内職代行(封入、ラベル貼り、小さなぬいぐるみの検品検針作業など)
上記以外にも、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
Shopify APIまとめ
この記事ではShopify APIの概要や使い方をご紹介しました。
Shopifyは専門知識がなくてもECサイトを始められるのが魅力のひとつです。しかし、APIを活用し、システムやサービスと連携することでサイトの機能性をさらに高められ、顧客と事業者双方がメリットを享受することができます。ぜひAPIを積極的に活用してみてください。
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