海外への商品配送には、国内配送に比べ多くの手間とコストがかかります。また発送から到着までの時間も多くかかるため、越境ECにおいて物流は、とても重要なポイントとなります。
この記事では、越境ECにおける物流の重要性とその方法、また考慮すべきポイントについて詳しくご紹介します。さらに、物流をアウトソースする際のメリットや業者選びにおいて注意すべき点なども解説します。
これから越境ECを始めようとしている企業や、国際物流に課題を抱えておられるご担当者は、ぜひ参考にしてください。
越境ECの物流の特徴
まずは越境ECにおける国際的な物流について、その特徴を把握しておきましょう。
国によって配送日数が異なる
海外への商品配送には、国内間の取引よりも発送から納品までに手続きが多く時間がかかります。その国の情勢や通行規制によっては配送に想定以上の時間がかかることもあり、注文から1ヵ月以上を要したという事例もあります。
特別な梱包が必要
海外では商品が丁寧に取り扱われないことも多く、配送中に破損するといったトラブルも懸念されます。そのため、頑丈な段ボールや緩衝材などを使い、商品が破損しないよう工夫して梱包する必要があります。
いっぽうで梱包資材の費用がかさむことや、重量が増えて配送料が上がるなどといった点にも注意しなくてはいけなく、事前に発送する商品毎にテスト発送をおこない、もっとも軽量かつ資材費がかからない段ボールと緩衝材の組み合わせを見つけ出す点がポイントです。
商品の重さやサイズを把握する必要がある
配送のための費用や梱包資材の費用・梱包にかかるコストなどは、事前に把握しておかないと購入者からは回収ができません。これらのコストを踏まえたうえで価格設定をしないと、安定した利益が確保できないため、販売する商品の重さ、サイズは必ず事前に把握しておきましょう。
また、こうした業務を効率的に進めるためには、商品マスターを管理しシステム上で計算するのが間違いないでしょう。
とくに、EMS(国際スピード郵便)の場合はグラム単位で配送料金が変わるため、重量を間違うと売上が原価+コストを下回ることも懸念されるので注意する必要があります。
通関手続きが必要
配送先の国によって、通関手続きのための言語や書類の作成などの対応が異なります。通関手続きのための対応が突然変更されることもあるため、スムーズな取引のためには事前の情報収集が必要です。
付加価値税(VAT)の規則や税率にも、変更がないか注意しましょう。
国際配送できない商品がある
商品によっては輸出入に規制がかかるものや、国際間輸送できないものがあります。抗精神薬といった薬物や児童ポルノ、特許権・著作権といった権利を侵害する物品などは、関税法で輸出が禁止されています。
また国際郵便では、全世界共通で送れないもの、あて先の国によって送れないものがあるため、発送前に確認が必要です。
他にも、航空輸送では、各国の航空法、航空施行例や国際航空運送協定(IATA協定)などの規定により、船舶による輸送に比べ厳しい基準が設けられています。
越境ECにおける物流は、国内への配送と違って、いろいろ面倒な手続きやコストが発生するんですね。安定した運用のためには、物流業務にかかる手間やコストをきちんと把握しておく必要がありますね
越境ECの物流が重要な理由
ここでは、越境ECにおいて物流が重要である理由について、詳しく解説します。
物流コストが売上に直結する
ECでは、商品が購入者の元に無事に届いて売上が計上されます。海外配送は、国内向けに比べ物流コストがかかるため、これらを踏まえて価格設定をしなければ安定した利益が得られません。
物流の質を維持しつつコストを下げることが売上を伸ばすカギとなります。
顧客満足度への影響が大きい
顧客にとっては、商品の質だけでなく、届くまでの日数や配送料も購入の決め手になります。
確実に、少しでも早く安く届けることで顧客満足度が向上し、リピート購入や良い口コミにつながります。
越境EC物流の手段
越境ECの物流には以下のような手段があります。効率を考え、状況に応じて変化させることが大切です。
自社から個別に直接配送
注文のたびに自社で手続きをおこなうと発送初期費用がかからないというメリットがあります。ただし、1回の配送ごとにかかるコストが割高となり、その都度関税手続きの手間がかかるというデメリットもあります。
また、購入者に通関手続きを依頼しなくてはならないケースもあるため、顧客にとってのデメリットが大きくなります。
受注が増えてきたらコストや人的負担が大きくなるので、別の方法を検討するとよいかもしれません。
国内配送会社と提携
注文を受けたら商品を国内の提携業者に送り、そこから購入者へ送る方法もあります。
複雑な手続きや梱包を業者に任せられるため、自社での業務負荷は軽減されますが、自社から直接送るより時間がかかるというデメリットがあります。
現地拠点を置く
対象国に自社の物流拠点を置くという方法なら、リードタイムを大幅に短縮できます。
ただし、初期費用や維持管理費用がかかることと、新規参入する場合はハードルが高いというデメリットがあります。そのため、十分な実績を積んでから検討してみてもよいでしょう。
このように、越境ECの物流業務は煩雑で複雑な作業が多いため、アウトソースを検討するのも一手です。
越境EC物流、アウトソースのメリット
ここからは、越境ECの物流業務を代行業者に依頼する際のメリットについてご紹介します。
コア業務に専念できる
さまざまなハードルがある越境ECですが、ノウハウを知るプロに任せることで商品開発やマーケティングなどコア業務に注力できるというのが、もっとも大きなメリットです。
コスト面においては一概にはいえないものの、国際間物流のための人材確保や育成にかける費用などを考えると、アウトソースのほうがコスト軽減できる場合もあります。
顧客満足度アップが期待できる
物流のプロが作業するため、生産性向上とミスの削減が期待できます。また、しっかりした梱包で商品の破損を防ぐことができるので、納品後の顧客満足度アップにもつながります。
業務効率化や顧客満足度向上のためには、ノウハウを持ったプロの業者に任せることはいいかもしれませんね。コスト面なども考慮したうえで、アウトソースも検討してみましょう
越境EC物流、代行業者選びのポイント
では、ここからは実際に越境ECの物流業務をアウトソースするための業者選びにおいて、注目すべきポイントをご紹介します。
全体的なコストがどれくらいかかるか
在庫管理や梱包、配送など、自社に必要な物流業務にかかる全体的なコストを、まずはきちんと踏まえる必要があります。必ず複数の業者から見積もりを取って相場を把握し、全体の費用を比較しましょう。
越境EC物流の実績があるか
越境ECに精通した実績のあるパートナーを選ぶことがビジネス拡大のポイントとなります。具体的には以下のような点に着目し、比較検討するといいと思います。
梱包・配送のノウハウがあるか
梱包・配送や緩衝材・資材にかかるコストの最適解をノウハウとして持っていることが重要
納期への対応はどうか
中国の「独身の日」のようなイベント日には出荷が通常の数十倍になることも考えられるため、梱包・配送の処理を円滑に進め、納期に対応できることが重要
ECサイト運営までできるか
物流業務のみでなく、ECサイト運営から包括的な支援が得られれば、さらなる売上アップや運用の効率化が期待できます。
ECサイト運営代行について検討されている方は、以下の記事も参考にしてみてください。
必要なサポートが受けられるか
配送だけでなく、自社の商品に適切な保管や梱包をしてもらえるかということも大切なポイントです。
アウトソースしたい物流業務のサポートが全て受けられるか、可能であれば自分の目で現場を確認することもおすすめです。
物流業務だけ外注するのは割高に感じるという場合も、ECサイト運営からアウトソースすることでコスト削減につながる場合もあるようです。自社のニーズに合わせて、必要な部分をピックアップして検討してみるといいですね
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まとめ
越境ECの成功のカギを握る物流。海外配送に対応できると一気に商圏を広げることができるものの、注文から海外への納品までの国際的な物流には複雑な作業がたくさんあります。
こうした海外への配送までの業務についての手続きやコスト面などをしっかり把握し、いかに効率よく運用できるかが越境ECにおいてはたいへん重要です。
自社で対応するにも、代行会社に依頼するにも、それぞれメリット・デメリットがあります。自社だけでの対応が難しいと感じた場合は、ぜひアウトソースも検討されてはいかがでしょうか。
越境ECや物流業務に精通し、さまざまなスキルを備えたスペシャリストたちのサポートにより、業務効率化や顧客満足度向上も期待できます。
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越境EC全般については以下の記事を参考にしてください。