海外在住者の方にとって、日本の商品を通販で購入することは簡単ではありません。海外発送に対応している業者は多くない上、海外発送に対応していても送料が高額になるためです。

そこで便利なのが、海外転送サービス。海外転送サービスとは、日本で購入した商品を海外に転送してくれる代行サービスで、買い物代行も行ってくれる業者もあります。

この記事では、海外転送サービスの利用方法やおすすめのサービスをご紹介します。

海外転送サービスとは?

海外転送サービスとは?

海外転送サービスは、日本国内の店舗やオンラインショップで購入した商品を、海外在住者に発送してくれるサービスです。近年、海外在住者の増加や日本製品の人気上昇により、これらのサービスの需要が高まっています。

海外転送サービスに登録すると、日本国内にある業者の倉庫の住所が通知されます。その住所を配送先として通販サイトで商品を購入すると、業者が倉庫に届いた商品を海外に転送してくれます。転送方法は、船便や航空便、エクスプレス便などがあり、料金や日数はサービスによって異なります

また、一部のサービスでは、荷物の保管や複数商品のまとめ梱包、検品サービスなど、さまざまなオプションが提供されています。

海外在住者が直面する物流の課題

海外在住者が日本の商品を購入する際には、以下のような課題があります。

  • 海外発送に対応していない通販サイトが多い
  • 海外発送に対応していても、送料が高額になる場合がある
  • 海外発送にかかる時間が長い場合がある
  • 海外発送に伴う関税や手数料がかかる場合がある
  • 海外発送に伴う書類の手続きが煩雑な場合がある
  • 日本国内でしか使えない決済方法(例:銀行振込、代金引換)のみを受け付けているサイトがある
  • 海外からのアクセスや注文を制限しているサイトがある

これに対し、海外転送サービスは、海外発送に対応していない通販サイトでも、日本国内の倉庫に送ってもらえる仕組みになっています。また。複数の商品をまとめて海外に発送することで、送料を節約でき、関税や手数料の支払いや書類の手続きを業者が代行してくれます。

さらに、一部のサービスでは、日本国内での決済代行も行っており、海外のクレジットカードが使えない場合でも購入が可能です。

アランくん

これまでは国内ECサイトでの買い物を諦めていた海外在住者も、このサービスを使えば日本でしか手に入らなかったものを購入することができます

海外転送サービスの基本的な利用の流れ

海外転送サービスの利用の流れをステップに分けてご紹介します。初めての方でも安心して利用できるよう、各ステップのポイントを押さえておきましょう。

海外転送サービスの基本的な利用の流れ

海外転送サービスに登録

まずは、海外転送サービスに登録する必要があります。登録には、メールアドレスやパスワード、氏名や住所などの個人情報が必要です。

サービスによっては、本人確認のために身分証明書の提出が求められる場合もあります。

登録が完了すると、業者から日本国内にある倉庫の住所が通知されます。この住所を通販サイトでの配送先として利用します。なお、サービスによっては専用の会員番号や識別コードが付与されることがあり、これを配送先名に含める必要があるので注意しましょう。

ECサイトで商品を購入

次に、ECサイトで商品を購入します。購入する際には、配送先として業者の倉庫の住所を入力します。このとき、注文者名や住所に専用の会員番号や識別コードを正しく入力することで、業者がスムーズに荷物を識別できます。

また、購入後に注文番号や配送予定日などの情報を業者に連絡するか、マイページに登録します。これは、倉庫に届いた商品を自分のものと確認するために必要です。特に複数の荷物を扱う場合、正確な情報共有が重要です。

ECサイトが業者の倉庫へ商品を発送/受け取り

ECサイトが業者の倉庫へ商品を発送します。業者は、倉庫に届いた商品を自分のものと確認し、マイページに登録します。多くのサービスでは、商品の到着通知や写真撮影、簡易な検品を行ってくれるため、商品状態を確認できます。

マイページでは、商品の写真や重量、サイズなどの情報を確認できます。また、商品の梱包や発送の依頼、複数商品のまとめ梱包、追加の検品サービスなどもオプションで利用可能です。これらのサービスを活用することで、送料の節約や配送トラブルの防止につながります。

倉庫から海外に発送/海外在住の注文者が受け取り

業者は、倉庫から海外に商品を発送します。発送方法は、船便や航空便、エクスプレス便などがあり、料金や日数はサービスによって異なります。発送前に、送料の見積もりや配送方法の選択が可能なので、自分の予算や希望納期に合わせて選びましょう。

発送の際には、関税や手数料の支払いや必要書類の作成を業者が代行してくれます。ただし、受取国での関税や税金は注文者が負担する場合が多いため、事前に確認しておくことが重要です。

その後、配送された荷物を注文者が受け取って完了です。 その後、配送された荷物を注文者が受け取って完了です。追跡番号が提供される場合も多く、配送状況をリアルタイムで確認できます。

買い物代行サービスがついている業者も

先述した通り、海外転送サービスの中には、買い物代行サービスがついているものもあります。これは業者が注文者の代わりにECサイトで商品を購入してくれるサービスのこと。

たとえば以下のような場合に便利に利用できます。

  • ECサイトが日本国内のクレジットカードや銀行振込などの決済方法しか受け付けない場合
  • ECサイトが注文者の住所を確認するために電話連絡を要求する場合
  • 海外からのアクセスが制限されているサイトで購入したい場合
  • オークションサイトやフリマアプリの商品を購入したい場合

買い物代行サービスを利用する場合は、注文者は業者に商品のURLや個数、色やサイズなどの詳細を伝えます。業者は、注文者から商品代金や手数料を受け取った後、ECサイトで商品を購入します。その後は、通常の海外転送サービスと同じ流れで商品を海外に発送します。

ただし、買い物代行サービスには別途手数料が発生する場合が多いので、費用面の確認が必要です。また、購入できない商品や対応できないサービスもあるため、事前に業者に問い合わせておくと安心です。

サービス比較のポイント:何を基準に選ぶ?

サービス比較のポイント:何を基準に選ぶ?

海外転送サービスには多くの種類があり、それぞれに特徴があります。自分に合ったサービスを選ぶためには、以下のポイントを押さえて比較検討することが重要です。

ここでは、サービスを比較する際のポイントを3つご紹介します。

コストパフォーマンス:安さで選ぶポイント

海外転送サービスの利用には、送料や手数料などの費用がかかりますこの費用は、サービスや商品の種類、発送方法や重量、サイズなどによって異なりますが、一概に安ければ安いほどいいとはいえません。

たとえば航空便は船便よりも送料が高くなりますが、到着日数を短くすることが可能です。また、エクスプレス便はさらに高額ですが、最速で商品を受け取れます。

また、手数料が安いサービスは、サービス内容がシンプルな場合もあります。手数料が高いサービスは、検品や再梱包、写真撮影、保険などのサービス内容が充実している傾向にあります。自分が必要とするサービスが含まれているかを確認し、総合的なコストパフォーマンスで選ぶとよいでしょう。

配送速度:スピード重視で選ぶコツ

海外転送サービスは、多くの場合、配送に時間がかかります。発送方法は、船便や航空便、エクスプレス便などがあります。

船便は最も遅く、数週間から数ヶ月かかる場合もありますが、大型荷物を安価に送ることができます。

航空便は数日から数週間程度で、料金と速度のバランスが取れています。エクスプレス便は最も早く、数日以内に届く場合がありますが、送料は高額になります。

なお、通関が厳しい国や配達が遅い国は、より時間がかかる場合がありますまた、繁忙期や天候、国際情勢によっても配送期間が変動することがあるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

信頼性:安心して利用できるサービスの見分け方

海外転送サービスの利用には、信頼性が重要です。

信頼性の高い業者を見つけるコツは、まず業者の評判や口コミをチェックすること。実際に利用した人の感想や評価を参考にすると、サービスの良し悪しやトラブルの有無などがわかります。口コミは、業者の公式サイトやSNS、ブログなどで探すことができます。

また、業者の対応やサポートの質を確認することも重要です。業者の対応やサポートは、商品の受け取りや発送の依頼、問い合わせやクレームなどに関わります。業者の対応やサポートは、メールや電話、チャットなどで迅速かつ丁寧に対応してくれる業者は、安心して利用できます。

さらに、業者の運営年数や実績、各種認証の取得状況(例えばプライバシーマークやISO認証)も信頼性を判断する材料となります。

アランくん

配送業者は、料金、スピード、信頼性の3点を重点的にリサーチして選びましょう

【小物にも対応可】各社サービス徹底比較

ここでは、海外転送サービスの中でも、小物にも対応できるサービスを8つご紹介します。各サービスの特徴や料金、評判などを比較してみましょう。

転送コム

転送コム

転送コムは複数のショップから購入した商品をひとつに梱包して届けてくれる「おまとめ梱包サービス」もある業者です。荷物は倉庫到着後、2営業日以内に発送してくれます。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、航空便、エコノミー航空便、船便50円~クレジットカード、国内銀行からの銀行振込、ゆうちょ銀行からの郵便振替

御用聞キ屋

御用聞キ屋

御用聞キ屋は買い物代行サービスも行っている業者。また、「御用聞キ屋セレクト」として、御用聞キ屋がおすすめする商品をサイト上で購入することもできます。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、航空便、エコノミー航空便、船便、DHL Express、ECMS、台湾FamilyMart受取(台湾のみ)、転送コム空運台湾(台湾のみ)300円~クレジットカード、PayPal

転送JAPAN

転送JAPAN

転送JAPANはアドレス帳に最大99件の住所が登録できるため、自宅以外にも、ビジネス利用や友人に荷物を送る場合にも利用ができます。また、同梱発送サービスがあるほか、6ヶ月間保管料が無料です。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、航空便、船便、Express、SF CHINA50円~550円クレジットカード、PayPal、ALIPAY、WeChat Pay

楽一番

楽一番

楽一番は同梱サービスのほか、段ボール変更、荷物の均等分け、荷物指定分け、外箱補強、商品個別梱包、PPバンド固定、防水フィルム追加など、さまざまなオプションサービスをつけることのできる業者です。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、航空便、エコノミー航空便、船便200円クレジットカード、PayPal、ALIPAY、WeChat Pay

Buyee

Buyee

BuyeeはECサイトの購入サポートのほか、オークションやフリマサイトの入札・購入代行サービスがある業者。おまとめ梱包や厳重梱包、特殊梱包、届いた荷物の写真を撮影して送信してくれる写真撮影のサービスもあります。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、船便、FedEx、DHL、UPSなど300円~クレジットカード、PayPal、ALIPAY、Buyee Wallet、Buyeeポイント

ZENMARKET

ZENMARKET

ZENMARKETは倉庫に届いた商品を無料で再梱包して海外に発送してくれるサービスが魅力の業者。また、同梱発送にも対応しています。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、航空便、船便、FedEx、DHL、UPS500円クレジットカード、デビットカード、PAYPAL、仮想通貨、銀行送金  

バゲッジフォワード

バゲッジフォワード

バゲッジフォワードは5箱まで同梱発送が無料。6箱以上でも、一律750円と、サービス料金が破格です。また、オークションや買い物代行サービスもあり、到着した荷物は当日に出荷されます。

配送方法手数料支払方法
EMS(国際スピード郵便)、DHL、国際貨物航空、国際宅配便、通常航空便、エコノミー航空便、船便、国際eパケット50円~クレジットカード、PayPal、銀行振込

こぐま便

こぐま便

こぐま便は冷凍便や、リチウム電池が使用されているニンテンドースイッチなど、他社では対応していない製品の発送も対応している点が魅力的。届け先は最大10件まで登録できるため、自宅や仕事先など、複数登録できます。

配送方法手数料支払方法
STANDARD便、船便、エコノミー航空便、航空便50円~クレジットカード

まとめ

海外転送サービスは、国内のECサイトが国外への発送に対応していない場合や、対応はしているものの、手続きが煩雑な場合などに非常に便利です。これらのサービスを利用することで、日本国内でしか購入できない商品を海外からでも手軽に入手できます。

発送に掛かる料金は、業者の手数料に加え、発送先の国までの郵送料によって変わりますが、各業者の公式サイトなどでシミュレーションも可能です。サービスを選ぶ際には、手数料の安さだけでなく、自分が購入したい商品にその業者が対応しているか、配送速度や信頼性、提供されるオプションサービスなどを総合的に考慮して選びましょう。

最新の口コミや評判をチェックし、自分に最適な海外転送サービスを見つけて、快適なショッピングを楽しんでください。