ECストアを簡単に作成、管理、運営できるプラットフォームShopify。Shopifyで作成したECサイトでは、単に商品を売るだけでなく、サブスクリプションサービスも提供できます。
この記事では、Shopifyのサブスク事例7選を紹介。そのメリットやポイント、shopifyでサブスクビジネスを展開する方法を解説します。ぜひ自社のビジネスにお役立て下さい。
Shopifyでサブスクサービスを提供するメリット
最初に、Shopifyでサブスクサービスを提供するメリットを説明します。
既存のストアをそのまま使用できる
一つ目のメリットは、Shopifyで構築した既存のECサイトをそのまま利用できることです。
一般的なECサイトでは、サブスクリプションを導入するときに様々な課題が生じます。使用しているプラットフォームがサブスクリプションに対応していない場合、サブスク対応プラットフォームへの移行作業や別サービスとの追加契約が必要となるでしょう。
しかし、Shopifyであれば後述するAPIのカスタマイズやアプリのインストールにより、既存のECストアへ簡単にサブスクリプション機能を追加できます。
初期費用を抑えられる
初期費用を抑えられる点もメリットの一つです。
既存のECサイトにサブスクリプション機能を追加する際には、システム開発に関わる費用が発生することがあります。一方Shopifyアプリを利用する場合は、月額かつ低コストでサブスクを導入でき、開発費がかかりません。
大きな初期投資を行うことなくサブスクリプションサービスを開始できるのです。
海外展開しやすい
三つ目のメリットは、海外展開のしやすさです。Shopifyは多言語・多通貨対応のため、異なる国や地域の顧客に合わせたサービスを提供できます。
Shopifyでは1つのストアにつき最大20言語に対応して販売可能。サービスを円滑に世界展開できます。
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事例で学ぶ!Shopifyを活用したサブスクビジネス7選
ここからは、実際にShopifyでサブスクを展開している7つの商品をご紹介します。
La Protein(美容食品)
出典:https://laprotein.jp/
「La protein(ラ・プロテイン)」は、美味しさと栄養にこだわった女性向けプロテインブランドです。人気タレントがプロデュースしており、販売1年で15万個以上を売り上げました。
同ブランドはShopifyのSNS連携や拡張性の高さに注目し、TikTokやFacebook、Instagramなどと連携。SNSを活用したインフルエンサーマーケティングを行い、売上の半数以上がサブスクリプション商品になっています。
今後は商品数とバリエーションの増加を計画しており、Shopifyの機能を利用してさらなる成長を目指しています。
BASE FOOD(食品)
出典:https://basefood.co.jp/
BASE FOODは、1食で1日に必要な栄養素の1/3を摂取できる完全栄養食です。2017年に商品販売をスタートして5年で、サブスクリプション購入者が10万人を超えました。
同商品のECサイトはShopifyの様々なアプリケーションを組み合わせて運営されています。例えば「Yotpo」は、Webサイト訪問者がユーザーの評価を閲覧できるようにするアプリで、顧客の信頼獲得やニーズの把握に役立てています。
参考:Shopify App Store「Yotpo:UGCマーケティング」
Kanro POCKeT(お菓子)
出典:https://kanro.jp/
「Kanro POCKeT」はカンロ株式会社が運営するオンラインショップで、カンロ飴やピュレグミなどの好きな商品を定期購入できる(サブスク)サービス「ポケサブ」を提供しています。
Shopify Plus(大規模EC向けのプラン)を利用して構築された「Kanro POCKeT」は、コロナ禍で実店舗が休業したことをきっかけに開設。最初はシンプルな構造でスタートし、徐々に機能を追加していきました。
特に「Back in Stock:Customer Alerts」、「定期購買」のアプリを活用しています。
- Back in Stock:Customer Alerts…再入荷が必要になった際に通知してくれる
- 定期購買…柔軟に商品を変更できるサブスクリプションシステムアプリ
Shopify Plusの導入によって新機能の迅速な導入が可能になり、BtoB機能やCRMの活用、越境ECへの挑戦も計画。Shopifyの多機能性と拡張性が、カンロ社のECビジネス拡大に貢献しています。
参考:Shopify App Store「Notifies your customers with Back in Stock notifications」
※「定期購買」アプリについては後述します。
Lypo-C(サプリメント)
出典:https://lypo-c.shop/
「Lypo-C」は、株式会社スピックが販売する国産のビタミンCサプリメントです。Shopifyでサブスクプランを構築し、すでに3,000以上のユーザーが申し込んでいます。
同社も他の事例と同様に、Shopifyの拡張性の高さを有効活用。アプリのTag機能を利用したサブスクリプション解約後のフォローアップや、継続回数に応じた施策を実施しています。
オリオンビール(アルコール飲料)
出典:https://shop.orionbeer.co.jp/
沖縄産のアルコール飲料を販売するオリオンビールは、ECサイトをShopifyに移行後、売上が200倍になりました。サブスクサービスには日本語対応のアプリを活用。日本人になじみやすいUIを提供することで、顧客が急増しています。
さらにCRMシステムをShopifyと連携し、メールマーケティングにも注力。各商品に対して定期購入を促すシナリオメールを作成し、開封率、クリック率、コンバージョン率において良好な成果を挙げています。
Halekai(化粧品)
出典:https://halekai.jp/
美容サロンHalekaiは、Shopifyでサーフィン愛好者向けのエイジングケアコスメと美肌サプリメントを提供しています。
日常的に使用する化粧品やサプリメントをユーザーに長期間利用してもらい、その効果を実感してもらうためにサブスクリプションを導入。顧客のファン化を促進し、毎月安定した売上を見込めています。
Shopifyのサブスクリプションアプリは設定が簡単で使いやすく、サポートが充実している点が特徴です。Halekaiのような、特定の趣味やライフスタイルに特化した製品を提供する事業者にとって、Shopifyアプリの柔軟性とサポート体制は大きな助けとなるでしょう。
LIFT(花)
出典:https://lifft.jp/
LIFFTは、花の定期便(サブスク)を提供するサービスです。
Shopifyの導入はコスト面、デザイン性、サービスの拡張性を考慮して決定しました。サイト構築は外部の業者に依頼し、運営は社内で行っています。
サブスクリプションサービスにはShopifyのアプリを使用。配送頻度や価格の調整、細かな割引設定を行い、花をより多くの人に気軽に楽しんでもらうことを目指しています。
Shopifyサブスクビジネスのポイント
この章では、Shopifyでサブスクビジネスを行う際のポイントを4つご紹介します。
SNSで集客する
サブスクビジネスの集客にはSNSの活用が欠かせません。SNSはサービスのターゲット層に直接リーチし、ブランドの魅力を効果的に伝えることができるためです。
選択するSNSによってターゲットとなる顧客層や人気を集めやすい商品、マーケティング手法は異なります。
・Instagram…10~20代の利用率は7割越え。ビジュアルによるコミュニケーションが特徴で、アパレル、化粧品、インテリア、食品など、見た目の魅力で訴求できる商品のマーケティングに適している。
・X(Twitter)…20代を中心に10〜40代と幅広い年代が利用。拡散性が高く、キャンペーン施策などが有効。
・LINE…全世代が利用しているインフラSNS。CRM施策に強く、コミュニケーションを通じて、既存顧客の育成と関係構築ができる。
各SNSの特徴を把握し、サービスと相性のよいものを選択しましょう。
参考:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和5年6月」
商品の見せ方を工夫する
Shopifyのサブスクビジネスでは、商品の魅力を最大限に引き出す工夫が必要です。
単に商品写真を掲載するのではなく、使用シーンの写真を加えることで商品の実用性や魅力を顧客によりリアルに伝えることができます。
また、画像に添える紹介文は顧客が理解しやすい言葉を用い、商品の特長や利点を伝えることも大切です。
このような工夫を自社で行うのが難しい場合は、プロにサイト設計や構築、ページ制作を依頼する方法もあります。プロに任せることで、商品の魅力がさらに伝わりやすくなります。
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割引を行う
顧客の継続利用を促すために、効果的な割引施策を行うこともポイントです。
(割引施策例)
- 同じ商品の価格を一度きりの購入よりも低くする:サービスを継続するほうがメリットがあると思ってもらう
- 初回割引:新規顧客の興味を引き、サービスを体験してもらう
ただし、初回の割引率があまりに大きいと「継続するほうが損になる」と、ユーザーが思う可能性も。初回と2回目以降の価格差が大きくても継続してもらえるほど魅力的な商品を作る、もしくは持続性を損なわない範囲(20〜30%)で設定するなど、考慮しましょう。
数値分析をする
Shopifyでサブスクビジネスを行う際、数値分析は大切な作業です。蓄積されたユーザーデータからサブスクリプションサービスの効果を正確に測定し、運営に活かしましょう。
Shopifyでは次のような指標を確認できます。
- オンラインストアのコンバージョン率
- SNS別オンラインストアのセッション率
- 返品率 など
これらの情報を基に、サービスの改善や新たなマーケティング戦略を立てることが可能です。サービスの質を高め、長期的な顧客関係を築いてください。
Shopifyでサブスクを展開する方法
Shopifyでサブスクを展開する方法は、「Shopifyアプリの導入」もしくは「サブスクリプションAPIの利用」です。以下より詳しく解説します。
1: Shopifyアプリを導入
Shopifyでサブスクリプションビジネスを始める際は、サブスク専用アプリの利用が便利です。アプリはサブスクリプションサービスの導入を、簡単かつ迅速に行えるように設計されています。
以前のShopifyは日本向けのサブスクアプリが限られていましたが、現在では日本語に対応したアプリも多数登場しています。
言語の壁を感じることなく、スムーズにサブスクリプションサービスを展開できるようになっています。
2: サブスクリプションAPIを利用
もう一つの方法は、Shopifyが提供するサブスクリプション機能を組み合わせ、自身のストアに統合することです。
この方法は、自社のみのカスタマイズされたサブスクリプションサービスを提供できる点がメリットです。APIを使用してサブスクリプションを実装することは、基本的にShopifyアプリの開発と同じです。
ただし、プログラミングやシステム構築の専門知識が必要なため、この分野に詳しくない場合は専門の業者に委託することをおすすめします。
Shopifyのサブスクリプションアプリ例
この章では、日本語に対応したShopifyのサブスクリプションアプリを2つご紹介します。
定期購買
出典:https://apps.shopify.com/huckleberry-subscription?locale=ja
「定期購買」は、Huckleberry社が開発したShopify用サブスクリプションアプリです。無料でインストールでき、初回割引やサンプル販売、レンタル、BOX販売など商品や顧客に合わせたサブスク販売が可能です。
導入や他アプリからの移行、マーケティングなどに関して、日本人スタッフの手厚いサポートを受けることができます。
特徴 | ・豊富な機能が搭載されている ・日本人スタッフによる手厚いサポート |
料金 | ・フリープラン:無料 ・スタンダードプラン:$49/月 ・エンタープライズプラン:$299/月 ※有料版は取引手数料1% |
実績 | ・コスメ、食品、健康食品など多岐にわたる業界での導入実績 ・スタートアップから大規模なストアまで対応 |
Mikawaya Subscription
出典:https://apps.shopify.com/mikawaya?locale=ja&st_source=autocomplete
Mikawaya Subscriptionは、売上向上のためのマーケティング機能に重点を置いたサブスクアプリです。CVR(コンバージョン率)の改善やLTV(顧客生涯価値)の向上をサポートする機能が充実しています。
顧客データの詳細な集計によるマーケティング分析や、セグメント別のLINE、メール配信が可能。Shopify Payment決済テストモードでのテスト購入ができ、日本のサブスクに精通した専門家のサポートも受けられます。
特徴 | ・マーケティング特化型サブスクアプリ ・シンプルな初期設定 |
料金 | ・FREEプラン: 無料 ・LIGHTプラン: $12/月(サブスク販売手数料3%) ・STANDARDプラン: $49/月(サブスク販売手数料1%) ・PROプラン: $499/月(サブスク販売手数料1%) |
実績 | ・累計流通額10億突破 ・幅広い業界での導入実績 |
Shopifyのサブスク展開はオーダー!におまかせ
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Shopifyのサブスクビジネス事例・まとめ
本記事では、Shopifyでサブスクリプションビジネスを展開する7つの事例をご紹介しました。Shopifyでサブスクサービスを提供する際のポイントは、以下の4つです。
- SNSによる集客
- 商品の見せ方を工夫
- 割引施策
- 数値分析
これらのポイントを参考に、サブスクを導入してみましょう。
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