働き方改革が進むにつれ、多くの企業が業務の効率化を目指すようになりました。そんな業務効率化の助けとなるのがバックオフィス代行サービスです。バックオフィス代行の導入には、業務効率化の他にコストや労働時間の削減といった、さまざまなメリットがあります。

当記事ではバックオフィス代行のメリット・デメリット、またバックオフィス代行に依頼できる業務内容の具体例について解説します。記事の後半では、おすすめのバックオフィス代行業者8社も紹介。バックオフィス業務にお悩みの人はぜひ参考にしてください。

バックオフィス代行に依頼できる業務

バックオフィス代行に依頼できる業務

バックオフィス代行で依頼できる業務は、主に以下の4部門です。それぞれの部門で依頼できる業務を、具体的に紹介していきます。

バックオフィス代行に依頼できる業務

経理・財務

  • 請求書、見積書の作成
  • 決算書作成
  • 経費精算
  • 入金管理
  • 支払業務 など

総務・庶務

  • スケジュール調整
  • 出張手配
  • メール対応
  • 会議資料作成
  • データ入力 など

人事・労務

  • 採用担当者向け研修
  • 業務マニュアル作成
  • 新人研修資料作成
  • 残業時間管理
  • 内定後手続き など

営業事務

  • 企画書、提案書作成
  • 業界リサーチ
  • メルマガ、リリース配信
  • 顧客リスト管理
  • 経費申請 など

バックオフィス代行のメリット

以下のグラフは、人事におけるアウトソーシングのメリットを示しています。アウトソーシングのメリットとして一番大きいのは「労働時間の軽減」で、その後「コア業務への特化・集中」「コスト削減」「人材の効率化」と続いているようです。

人事におけるアウトソーシングのメリット
出典:マンパワーグループ株式会社「約7割がアウトソーシングしている人事・採用業務、そのメリット・デメリットとは?

上のグラフは人事限定のメリットですが、他にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからはバックオフィス代行のメリットをより詳しく解説していきます。

業務効率化が叶う

まずは業務の効率化が叶う点です。ノンコア業務を代行業者に委託することで、社員はコア業務に集中できます

これにより、社員は必要最低限の業務に集中できるため労働時間が削減され、生産性の向上も図れます。また、代行業者が入ることで客観的な意見を取り入れられる点もメリットだといえます。

コストの削減

アウトソーシングは、コスト削減にも効果的です。

外注にはコストがかかるとイメージする人も多いかもしれませんが、自社で人材を賄うのに比べると費用が抑えられます

その理由として、採用・教育にかかるコストがいらない点が挙げられます。また、自社で雇用する場合は月ごとに費用がかかるのに対し、代行なら必要な時間のみ契約が可能な点も、外注のほうが費用を抑えられる理由のひとつです。

業務の属人化を防げる

アウトソーシングすることで、業務の属人化を防げる点もメリットです。業務の属人化とは、業務を特定のひとりに任せている状態のことです。業務の属人化が起こってしまうと、その人が休むと業務が回らなくなってしまいます。

弊社(オーダー!)のクライアントからも、「特定の人に負荷が集中しているせいで休みが取れない」「人材の替えがきかなくて困る」「夏休みなど有給すら取れない」といった話を聞くことがあります。

また複数業務を任せていた、仕事のできる派遣社員が辞めた後、同じスキルを持つ人が見つからないといったケースも見られます。

これらの理由から、業務の属人化はできるだけ避けたいところです。この問題もアウトソーシングすることによって防げます。

顧客満足度の向上

バックオフィス代行業者はプロであるため、その業務に特化したノウハウやスキルを有しています。そのため、依頼した業務のクオリティや正確性が高まり、顧客満足度も向上します。

バックオフィス代行のデメリット

バックオフィス代行のデメリット

バックオフィス代行のデメリットとしては、情報漏えいの不安がある点、コミュニケーションの手間がかかる点が挙げられます。ここでは、それぞれ詳しい解説とデメリットを軽減させるためのポイントを紹介します。

情報漏えいの不安がある

万が一情報が漏えいしてしまうと、顧客や社会からの信頼が低下してしまいます。バックオフィス業務では顧客や社員情報などの機密性の高い情報を取り扱うこともあるので、代行業者を選ぶ際にはセキュリティがしっかりしているかどうかをチェックするようにしましょう。

具体的には、以下の項目に注目してください。

  • プライバシーマーク(*1)やISMSマーク(*2)を取得しているか
  • 社員のセキュリティ研修を実施しているか
  • 建物の入館チェック
  • 執務室の施錠
  • 自社業務のみの専用部屋があるか など

(※1 個人情報の保護体制が適正であることを示す)
(※2 社内の情報が機密性・完全性・可用性の3点を維持していることを示す)

また、さらに細かく見ていくのであれば、「専用回線を使用しているか」「ドキュメントを施錠管理しているか」などもチェックすると良いでしょう。ホームページなどから確認できない場合は、必要に応じて問い合わせを入れましょう。

バックオフィス代行では、代行業者と自社スタッフとのやり取りから情報が漏えいする可能性もあります。そのため、自社スタッフのセキュリティ意識も向上させる必要があります。

コミュニケーションの手間がかかる

代行業者とは、オフィスのように常に同じ空間にいるわけではありません。代行業者とのやり取りは、チャットツールがメインの場合が多いでしょう。そのため、慣れていないと特に手間がかかり、情報共有の効率が悪くなってしまいます。

ただし、チャットではやり取りが履歴として残るので、わざわざメモを取る必要がありません加えて、チャット履歴がそのまま証拠となるため、言った言わないのトラブルが防げる点もメリットといえるでしょう。

もし、チャットツールでのやり取りが手間に感じる場合や、チャットでのコミュニケーションでは内容が把握しづらい場合はビデオ会議に切り替えるなど、臨機応変に対応すると良いでしょう。

バックオフィス代行の費用相場

バックオフィス代行の費用相場

バックオフィス代行の料金体系には、月額制と従量課金制の2種類があります。月額制は月の業務時間にあわせて料金が変動する会社が多く、料金相場は1時間1,000~3,000円程度です。

一方の従量課金制では、業務内容によって料金が変動するため、相場は特に決まっていません。依頼する業務が幅広い場合は月額制、特定の業務を委託する場合は従量課金制を採用している業者を利用すると良いでしょう。

おすすめのバックオフィス代行:丸投げできる!

おすすめのバックオフィス代行

バックオフィス代行業者を選ぶ際のポイントはさまざまです。今回は以下の4点に注目しておすすめの業者を紹介します。

  • 業務範囲が広い(丸投げできる)
  • 実績
  • 費用
  • 専門性

まずは業務範囲が広く、丸投げできるサービスを紹介します。

オーダー!

オーダー!

オーダー!は、企業の業務をサポートするビジネスコンシェルジュです。事務業務代行サービスでは、以下4点をはじめ、相談に応じてさまざまな業務を代行しています。

  • ECサイトや売上データなどの定期レポート作成
  • 外部からのお問い合わせ対応
  • 組織内からのお問い合わせの一次窓口業務
  • 封入、ラベル貼りなどの内職作業
特徴・必要なサービスを選択できる個別相談メニュー
・必要な業務を契約期間にあわせて選択できる定額運用メニュー
・プランは依頼に合わせてカスタマイズ可能
業務範囲・総務
・人事
・経理
料金・スタンダードプラン:月額12万円(税抜)※契約期間:3ヵ月毎、実働時間:30時間/月
・カスタマイズプラン:要問い合わせ

オーダー!のバックオフィス代行事例

オーダー!のバックオフィス代行の事例として、大手製造業A社の事例を紹介します。

【導入前の課題】

社員が保有するスマートデバイスの管理、全国からの問い合わせ対応などで、システム部門のリソースや業務の負荷が増大。これによりDXの推進などのコア業務にフォーカスできずずにいたそうです。

【委託内容】

  • デバイス管理業務…スマートフォンの購入・配送、問い合わせ対応、在庫処理、アプリ管理など
  • データ処理業務…各種台帳管理、人事異動に伴うアカウントのアップデートなど

この他にも、データインプット作業や社員への周知が必要な情報共有の代行、社内で利用しているサードパーティのアプリケーションツールの管理者代行など、幅広い業務に対応しています。

HELP YOU

HELP YOU

HELP YOUは、総務や経理、営業からマーケティングまで幅広い業務に対応していることが特徴です。

特徴・大量業務の高速処理を得意とするロボットプラン
・1名の固定アシスタントが対応する1名専属プラン
・マーケティング戦略や海外進出サポートなど専門性の高いサービスを受けられるHELP YOU plus
業務範囲・総務
・人事/採用
・経理
・営業サポート など
料金・チームプラン:月額10万円
・1名専属プラン:月額15万円
・ロボットプラン:月額3万円~

おすすめのバックオフィス代行:実績が豊富!

次に注目するのは実績です。実績が豊富な代行業者ほど、さまざまな業種、業務のノウハウが磨かれている可能性が高くなります。単に実績が多いかだけでなく、自社と似た業種との取引実績があるかも調べておくと良いでしょう。

NOC

NOC

NOCは、人事、総務、経理などの管理部門の総合アウトソーサーです。NOCのサービスには、次のようなものがあります。

  • 入金管理
  • 出金代行
  • はがき・DM発送
  • 企業内シェアード など
特徴・アウトソーシング歴30年、導入実績は1,000社以上
・提携業務を一括で担う企業内シェアードサービス
業務範囲・総務
・人事
・経理
料金要問合せ

Adeco

Adeco

Adecoは、人材に関するバックオフィス代行を担っています。Adecoの代行サービスには、次のようなものがあります。

  • 有期雇用派遣
  • 無期雇用派遣
  • HRソリューション
  • アウトソーシング など
特徴・60を超える国と地域で展開するグループ
・アウトソーシング歴20年以上、導入実績は7,500件
業務範囲・人事/採用
料金要問合せ

おすすめのバックオフィス代行:安価で依頼できる!

ここでは、できるだけ費用を抑えたい企業に向けて、安価で依頼できるバックオフィス代行を紹介します。短期間からスタートできるサービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

BizWorkers

BizWorkers

BizWorkersでは、秘書業務やWeb制作、経理など幅広い業務を代行しています。バックオフィス代行は最低3ヵ月契約の業者が多いところを、BizWorkersでは契約更新期間を1ヵ月に設定しているため、他の業者に比べて安価で依頼できます。

特徴・契約は1ヵ月ごとに更新
・最短月15時間(40,500円)から利用可能
業務範囲・秘書/総務
・経理
・人事
・営業事務 など
料金・15時間:月額40,500円(税抜)
・30時間:月額75,000円(税抜)
・50時間:月額110,000円(税抜)
・160時間:月額288,000円(税抜) など

For Your Business

For Your Business

For Your Businessは秘書業務や経理をはじめ、依頼内容に応じて柔軟に対応しています。For Your Businessも契約は1ヵ月更新で、最短12時間から契約可能です。

特徴・最短1ヵ月(35,000円)から利用可能
・必要なときに必要な分だけ業務サポート
業務範囲・秘書/総務
・経理
・営業アシスタント
・Web・メディア など
料金・12時間:月額35,000円(税抜)
・20時間:月額55,000円(税抜)
・30時間:月額82,000円(税抜)
・50時間:月額135,000円(税抜)

おすすめのバックオフィス代行:経理・人事専門!

アウトソースしたい部門がすでに決まっている場合、その部門に特化した業者に依頼するのもひとつです。ここでは、経理と人事に特化したサービスを紹介します。

SUPPORT+iA(サポーティア)

SUPPORT+iA(サポーティア)

GRANCERSのSUPPORT+iAは、経理特化型のバックオフィス代行サービスです。取引実績1,500社以上と、実績も十分にあります。

特徴公認会計士、税理士などによる業務サポート
業務範囲・経理
・財務
・法務
・人事労務 など
料金サービス紹介資料参照

TRIUMPH

TRIUMPH

TRIUMPHは、人事特化型のバックオフィス代行サービスです。TRIUMPHも、3,000社以上の高い実績を持っています。

特徴・戦略立案から実行までをワンストップで支援
・メルカリ、Yahoo、LINEなどの大手企業での導入実績
業務範囲・採用支援
・人事労務管理
・組織コンサルティング など
料金要問合せ

バックオフィス代行のまとめ

バックオフィス代行は、「経理・財務」「総務・庶務」「人事・労務」「営業事務」の4部門を中心に幅広い業務を担っています。バックオフィス代行を導入するメリットとして、業務の効率化、コスト削減、業務の属人化の防止の3点が挙げられます。また、その道のプロに委託することで、顧客満足度も上がりやすくなります。

反対に、情報漏えいの不安がある点、コミュニケーションに手間がかかる点はバックオフィス代行のデメリットといえます。これらのデメリットを軽減させるために、依頼する前にセキュリティの高さを確認したり、臨機応変にコミュニケーションツールを使い分けたりなどの対策を行いましょう。

バックオフィス代行を選ぶ際は、業務範囲、実績、費用、専門性の4点に注目することをおすすめします。

オーダー!は、総務、人事、経理部門の幅広い業務を代行クライアントの要望にあわせたカスタマイズ対応も行っています。バックオフィス代行でお悩みの場合は、ぜひ一度オーダー!にお問い合わせ下さい。