2024年問題や少子高齢化により、物流業界はますます人手不足やコスト削減の課題解決が求められています。一方で、EC業界の拡大により物流業界に対する需要は増加傾向にあります。

そこで、課題解決のためにぜひ理解しておきたいのが「ロジスティクス」という概念です。しかし、ロジスティクスと物流の違いを把握していない方も多いのではないでしょうか。

今回は、物流分野に課題を持っている企業やECサイト運営事業者向けに、ロジスティクスの仕組みや施策のメリットなどについて解説します。

  • ロジスティクスと物流の違いは?
  • 課題解決のためには何から見直せばいい?
  • 自社だけで物流業務を効率化するノウハウがない

といったお悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。

ロジスティクスとは

ロジスティクスとは「商品の原材料調達から消費者の元へ届くまで」、生産から配送・輸送までの流れを最適化し、管理する仕組みのことです。生産過程から関わるため、過剰在庫や配送遅延を防ぎ、需要と供給の適正化を図ることができます。

以下で、ロジスティクスの仕組みやSCM、物流との違いについて詳しく解説します。

ロジスティクスの仕組み

商品が生産され、消費者や顧客の元に届くまでには様々な工程があります。例えば、売れる商品を作るための市場調査や需要予測から始まり、原材料調達、生産、保管、管理、梱包、配送などの工程です。

これらの工程を最適化しながら調達→生産→販売→回収といった物流全体をコントロールしていくのが、ロジスティクスです。消費者が求める商品を早く確実に届ける仕組みを構築することで、消費者のニーズに応えることができるのです。

ロジスティクスと物流、SCMとの違い

ここで、「物流」について確認しておきましょう。物流とは、「モノ(商品)そのものの流れ」のことです。物流は以下の6つの機能に分かれています。

物流の6つの機能
  • 配送、輸送
  • 保管
  • 荷役
  • 梱包、包装
  • 流通加工
  • 情報処理

このように、できあがったモノを保管したり加工したりしながら顧客や消費者の元へ届ける一連の流れが物流です。

つまり物流は、商品の生産から消費者に届けるまでの全てのプロセスに関わるロジスティクスの一部ということになります。

アランくん

ロジスティクスとは、物流を含むより広い概念のことです

一方、SCM(サプライチェーンマネジメント)は、原材料メーカーや小売店など商品に関係するあらゆる企業を含む、原材料の調達から生産→物流→販売までに管理を広げたシステムのことです。

ロジスティクスよりも一元管理の幅が広がり、より全体的な生産・物流プロセスを管理するという点に違いがあります。自社だけでなく、関連会社などを含めた業界全体の生産や流通全体の最適化を目指します。

ロジスティクスはなぜ重要?

ロジスティクスが重要視される背景には、物流業界が直面している課題が関係しています。企業が競争力を維持するためにも、ロジスティクス全体の見直しが必要です。

EC市場の拡大と多様化するニーズ

近年、ECサイトを利用する消費者が急増すると同時にニーズも多様化しています。EC市場の拡大により、人々はネット上でいくつもの商品を見比べられるようになったため、より高品質でより早く届く商品が求められるようになりました。

一方で、欲しい商品の在庫がない、配送が遅い、届いた商品に破損や汚れがあるなど、サービスの質が悪いと客離れを起こしてしまいます。ネット上の中に数多く存在するECサイトの中から、消費者に選んでもらうためには、刻々と変化する市場の流れを読み、消費者の需要に的確に応えていかなければなりません。

そのため、消費者ニーズを把握して商品の原材料調達や生産などのプロセスから関わるロジスティクスの仕組みが重要視されています。

物流コストの上昇

コスト削減においてもロジスティクスは重要です。物流コストの中で5〜6割を占めているのが輸送費・運送費ですが、近年のガソリン価格の上昇によって高騰し、物流コストはますます上昇しています。

荷主企業から見た「売上高物流コスト比率」も上昇傾向にあり、経済産業省・国土交通省・農林水産省が2022年9月に発表した資料「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、2021年度は過去20年の調査で最大の5.7%という結果に。

これに加え、いわゆる「2024年問題」も多くの企業が懸念する問題です。

2024年4月1日からは「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」により、自動車運転業務に「時間外労働の上限規制」ができます。ドライバーの人員不足や離職を防ぐための賃金値上げなどにより、配送コストの増加が懸念されています。

2024年問題について詳しくはこちらを参考にして下さい。

少子高齢化による人手不足

また、少子高齢化による就業人口の減少や低賃金や労働環境への懸念による人手不足も発生しています。一方で、EC業界の拡大や需要増加により物流量は増加しているため、問題は深刻化しています。

そこで、少ない人員でも円滑に物流業務を進めるため、ロジスティクスの見直しで業務を効率化しようという企業が増えているのです。労働時間の削減や作業負担の軽減にもつながり、労働環境の適正化を図ることができます。

ロジスティクス最適化によるメリットとは

実際にロジスティクスを最適化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、物流プロセスを見直して、継続的に改善していくメリットについて解説します。

ロジスティクス最適化によるメリット

在庫適正化

商品が欠品していると販売機会ロスが生まれ、逆に余剰在庫があると管理にかかるコストが増大します。ロジスティクスを最適化すると、需要と供給に見合った商品を生産したうえで、効率的な在庫管理が行えるため、顧客が必要な時に迅速に商品を届けられるようになります。

例えば、在庫管理を効率化するには以下のような方法があります。

  • 在庫管理システムやツールを利用する
  • 在庫管理の代行、コンサルティングを利用する

業種や業務フローによって適したシステムやツールは異なりますが、自社に適した在庫管理システムを導入すれば、顧客満足度の向上にもつながります。

近年は、在庫管理の自動化に取り組む企業も増えてきています。自社で管理できない場合は、プロの物流業者に代行を依頼するなどして、改善を図りましょう。

在庫管理の自動化については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

物流業務の効率化

在庫適正化に加え、商品の移動を可能な限り減らすなどして、物流業務の効率化を図ることも大切です。例えば、より坪単価の低い物流倉庫選びや配送拠点の集約、配送ルートの見直しが有効です。

特に首都圏への配送が多く、かつ首都圏から遠い地方に拠点を持つ企業の場合は、倉庫自体を移転したり物流拠点を集約したりして、作業効率を上げることが大切です。2024年問題の人手不足により、これまでよりリードタイムが長くなる可能性もあります。

アランくん

首都圏に近い拠点がない場合は、拠点を増やしたり倉庫を持つ物流代行業者にアウトソーシングしたりすることも検討してみましょう。

物流倉庫選びについては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。

なお、システムやロボットの導入、倉庫のレイアウトの見直しも作業効率アップに効果的ですので、以下の記事を参考にしてみてください。

コスト削減

コスト削減は、多くの企業が直面している課題です。物流品質を落とすことなくコスト削減を実現させるには、物流コストの内訳を理解し、各工程でどれだけコストがかかっているか可視化する必要があります。

ロジスティクス全体で無駄な作業や工程をカットする施策を行えば、事業全体の収益向上につなげることが可能です。

物流コストの削減については以下の記事を参考にしてください。

環境への負荷を軽減

ロジスティクス導入を進める背景には、コスト対策だけでなく「環境への取り組み」という意味合いもあります。

政府は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」というカーボンニュートラルを目指すと宣言。環境問題は企業が取り組むべき経営課題となっています。また、積極的に取り組むことで企業イメージ向上にもつながります。

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物流業界では、トラックを共有する共同配送や効率的な配送計画を行い稼働するトラックの台数を減らすことで、CO2の排出量削減などの取り組みを行っています。

ロジスティクスの未来

では、今後ロジスティクスを円滑に機能させていくためには何が必要なのでしょうか?

ロジスティクス4.0とは?

ロジスティクスは、戦後の時代から革新し続けています。コンピューターが普及し始めた1980年代には、手作業による台帳管理からWHS(倉庫管理システム)に移行。この時は、ロジスティクス3.0として「物流管理のシステム化」が進み、作業効率が大幅にアップしました。

この時代を経て、オーダーとしては現在はもう一段階上のロジスティクス4.0へ移行する時期にきていると考えています。ロジスティクス4.0とは、AIなどの人工知能やロボット、IoT(モノのインターネット)などの次世代テクノロジーを利用した「物流の省人化と標準化」のことです。

「省人化」とは、人手を必要とする作業プロセスを減らして人員を削減する取り組みのこと。また、ここでの「標準化」とはモノとインターネットをつなげ、リアルタイムで情報を共有することを意味しています。

ポイントは省人化と標準化

このように、今後はIoTやAI、ビッグデータを活用した省人化と標準化がポイントです。

標準化すると、複雑な工程をルール化して単純化できるため「人の思考に左右されない」「業務指示にばらつきがなくなる」といったメリットがあります。省人化により、人手不足の解消も期待できます。

  • 幅広い物流業務全体の何から見直すべき?
  • 自社に最新技術やツールを導入するための知識や人材がない

とお悩みの場合は、経験や知見を持つ専門家に相談することを検討してみましょう。


ロジスティクスはオーダー!にお任せ

オーダー!では、物流ノウハウを活かした物流代行やコンサルティング、システム導入など幅広い業務に対応しています。

以下のような業務代行が可能です。

・ECサイトの商品 在庫管理・発送
・物流業務プロセス見直しコンサルティング
・独自開発した物流システム導入、導入支援

このほか、お客様のお悩みに応じて個別の対応も行っています。

さらにオーダー!は、中国のAGV(無人搬送車)製造会社とのパートナーシップを結んでおり、今後は日本の倉庫システムと連携テストを実施する予定です。

搬送ロボットであるAGV活用を検討している方向けのコンサルティングや、AGV導入に向けたシステム運用のサポートも展開していきます。

ロジスティクスに関するお悩みは、ぜひオーダー!にご相談ください。

まとめ

物流業界の発展や物流にかかわるビジネスにおいて、業務効率化やコスト削減は欠かせません。社会のデジタル化や少子高齢化による人手不足の中では、ロジスティクスに取り組み、人の手に頼らないシステムの導入や構築が必要となってきます。

物流システムの導入やロジスティクスへの取り組み方が分からない場合でも、オーダー!がイチからサポートいたします。ぜひ、お気軽にお問合せください。

物流代行全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。