健康食品の製造・販売は、賞味期限や消費期限がある上に、保管方法にも気を配らなければなりません。また、梱包時には破損や異物混入にも細心の注意が必要です。
そのため、健康食品の物流を代行する会社も多く存在します。
しかし、「どのような業者に頼めばいいか」「業者を選ぶチェックポイントはどこなのか」と悩んでいる担当者の方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、健康食品をはじめとする健康補助食品の物流を自社で行う場合、どのように保管をすればいいか、また物流アウトソーシングする場合にはどのように業者を選べばよいのかを解説します。
健康食品の物流倉庫での保管のやり方
健康食品の物流倉庫での保管が可能かどうかは以下のチェックポイントを参考にしてください。
健康食品の保管時に大切になってくるのは、適切な温度管理、消費期限管理・ロット管理。また、出荷時には定期便にやノベルティ、サンプルの出荷に対応できるかどうか。さらに、製品とチラシの同梱など複雑な発送パターンへの細やかな対応も必要になってきます。
近年、IoT技術を活用した温度・湿度のリアルタイムモニタリングが普及しており、倉庫内の環境を24時間監視することで、製品の品質維持に努める企業が増えています。また、HACCP(危害分析重要管理点)認証を取得した倉庫を利用することで、より高い品質管理が可能となります。
保管温度 | 直射日光が当たらない&常時空調が効いている環境で管理
常時空調が効いた空間で保管ができるか、直射日光が当たらないかは品質管理の面で重要なポイントです。健康食品の中には、温度の変化や直射日光により変質してしまうものがあるからです。
製品が変質してしまった場合、出荷できず売り上げとしてカウントできません。そのため、保管場所の環境は十分に注意しましょう。
さらに、湿度管理も重要です。湿度が高すぎるとカビや菌の繁殖を促進し、低すぎると製品の乾燥や劣化を招く可能性があります。適切な湿度を維持することで、製品の品質を長期間保つことができます。また、防虫・防鼠対策も欠かせません。定期的な害虫駆除や清掃を徹底することで、異物混入のリスクを減少させましょう。
消費期限・賞味期限・数量などの管理を行う
健康食品は、OMS(Order Management System、注文管理システム)やWMS(Warehouse Management System、倉庫管理システム)にて、以下の項目をインプットして管理を行います。
①消費期限
②消費期限警告閾値
③消費期限無効閾値
実際に物流を行う際には、これらをモニタリングした上で、賞味期限および消費期限の日付から3ヵ月を切った商品は出荷しないようにするなどの対策を行います。
また、数量の確認も必須。健康食品を出荷する際にはこれらの管理に基づいて、ロット番号、もしくは賞味期限、もしくは消費期限を出荷データの項目に入れるべきです。
どのロット、いつの消費期限、賞味期限のものが、いつ・どこに出荷されたかが明確になります。これを行うことにより、万が一異物混入などのトラブルが発生した際に、送付先への連絡や回収作業をしやすくなります。
最近では、バーコードやQRコード、RFIDタグを用いた在庫管理システムが導入され、ロット管理や消費期限の追跡が効率化されています。
定期購入/サブスクリプションへの対応
定期購入の顧客に対しては、前述の消費期限などの管理に加えて「その顧客は初回購入なのか、2回目以降の定期購入なのか」などの管理も必要です。商品の中には、顧客の購入回数に応じてプレゼントやサンプルなどのノベルティを変えるケースもあり、その都度対応する必要があります。
また、定期購入者向けに特別なキャンペーンや限定商品の提供を行うことで、顧客ロイヤルティを高める戦略も有効です。これらの対応をスムーズに行うためには、CRM(顧客関係管理)システムとの連携が重要となります。さらに、サブスクリプション管理に特化したシステムを導入することで、解約防止やアップセルの機会を増やすことができます。
製品とチラシの同梱など複雑な発送パターンへの対応
健康食品を発送する際の同梱物には細やかな注意が必要になってきます。丁寧なラッピングが必須なのはもちろん、ノベルティやサンプルも、「ただ商品と一緒に入れればいい」というわけではありません。
例えば、「健康食品Aを買った人には健康食品Bのチラシを入れる」「健康食品Cを買った人には栄養ドリンクDのチラシを入れる」など、購入された商品に関連している、あるいは興味をもたれそうと考えられるものを封入するというマーケティングも兼ねた細かな作業が必要となります。
さらに、顧客ごとに異なるメッセージカードやクーポンを同梱することで、パーソナライズされた顧客体験を提供できます。最近では、同梱物の自動仕分けシステムを導入し、効率的に個別対応を行う倉庫も増えています。
健康食品をECで売る場合、保管倉庫では多岐にわたって細かな部分を管理しなければならないことが分かりましたか?
健康食品の物流倉庫での管理~発送の注意点
入荷の古い商品から順番に出荷する、つまり「先入れ先出し」は物流現場における基本ですが、健康食品の物流の場合は必ずしもその原則が当てはまらない場合があります。
健康食品の場合、InstagramやTwitterなどのSNSで特定の商品が話題になると、短期間に圧倒的な注文数が発生することがあります。
そのような場合は、商品が入荷した都度商品の場所を移動させる必要がないので、入荷の順番を気にするよりも、作業の手間を減らしたり作業スペースを削減したりする方を優先させるべきです。
つまり、健康食品の物流の現場では、状況に合わせて先入れ先出しがいいのか、先入れ後出しがいいのかを判断することが求められます。
また、急な需要変動に対応するためには、在庫の適正量を見極めることが重要です。需要予測システムを導入し、過去のデータやトレンドを分析して在庫管理を最適化する企業も増えています。
この判断が難しい場合は物流を最初から最後までアウトソーシングのもひとつの手です。
注文が殺到がした際には、的確な判断が求められます。大変そうだなと感じた場合は、アウトソーシングして本来の業務に集中することをおすすめします。
物流アウトソーシング業者の選び方
それでは、健康食品の物流をアウトソーシングする場合、どのように業者を選ぶとよいのでしょうか。
まずは、依頼する前に自社の健康食品の物流課題を明確にしておきましょう。リストアップされた課題に対して確実性の高いソリューションを提案してくれる業者を選ぶことが、よいアウトソーシングの結果につながります。
さらに、業者の実績や専門性、導入しているシステムや設備、セキュリティ対策なども重要な選定基準となります。健康食品の取り扱い経験が豊富な業者であれば、業界特有の課題にも適切に対応してくれるでしょう。
自社の通販の規模や製品特性にマッチするか
通販事業者の規模は、月に数百万円、数千万~億単位とさまざまな会社が存在します。また、取り扱う製品は冷蔵での管理が必要なもの、温度管理はさほど必要ないものなどさまざまなものが考えられます。
このように、通販事業者の規模と製品特性はさまざまものがあります。複数の業者から見積もりをとった上で、自社の特性に合う業者を選びましょう。
また、取り扱う商品に合わせて、必要な設備やサービスが提供できるかを確認しましょう。例えば、冷蔵・冷凍設備が必要な場合や、医薬品的な取り扱いが必要な場合など、業者の対応力が重要です。
ちなみにオーダー!では物流代行に対応しており、健康食品の物流にも対応しています。「物流お任せサービス」ではお客様の課題をヒアリングしたうえで最適なソリューションを提示し、実行します。そのため、お客様のあらゆる要望にあわせて業務をカスタマイズします。
このメニューで、健康食品の物流にも対応しており、豊富な実績があります。気になる場合はぜひお気軽にお問い合わせください。
フォローアップ体制の手厚さ
物流は製品への異物混入や誤配送などのトラブルがつきものです。これらが発生した際にスムーズに解決できるように、専任の営業担当者と頻繁に連絡を取り合える体制があると安心です。
また、24時間対応のサポートセンターや、リアルタイムで状況を確認できるシステムを提供している業者もあります。トラブル発生時の迅速な対応や情報共有が可能かどうかも、業者選定の重要なポイントです。
見積もりやサービスのコストパフォーマンスは適正か
EC事業者にとって、利益率は大きな課題の一つです。EC業界で有名な美容・健康食品の通販を手がける「北の達人コーポレーション」の利益率は29%。これは業界屈指の高さです。
出典:高収益の経営体質を作るには?営業利益率29%の北の達人に学ぶ「利益重視型マーケティング」の実践法
ということは、利益率が3割の通販事業者はほぼ存在せず、利益率は15%〜20%という企業も珍しくないのです。
物流アウトソーシングが自社の利益を大きく圧迫すると、経費が占める割合が高くなってしまいますので、アウトソーシングのメリットよりデメリットが大きくなります。そこで、見積もり金額と実際に行われるサービスのコストパフォーマンスが最適であるかどうかを確認しましょう。
また、長期的な契約やボリュームディスカウントなど、コストを抑えるための交渉も重要です。業者によっては、業務効率化によるコスト削減提案を行ってくれる場合もあります。
アウトソーシング先を選ぶポイントは分かりましたか?たくさんの業者の中から、自社にとって最適な代行先を見つけましょう。
代表的な物流アウトソーシング業者一覧
ここで、当ページがおすすめする代表的物流アウトソーシング業者を一覧表にて紹介します。ぜひ、代行先を見つける際の参考にしてください。
ただし、企業ごとに含まれている作業内容は異なりますので、必ず費用と作業内容については細かく確認しましょう。最新の業者情報やサービス内容は、各社の公式ウェブサイトや問い合わせにてご確認ください。また、実際に訪問して設備や体制を確認することもおすすめします。
企業名 | 電話番号 | 基本料金 |
---|---|---|
オーダー! | 03-6435-6270 | 要問い合わせ |
三井物産グローバルロジスティクス | 03-5657-1130 (代表) | 要問い合わせ |
日立物流 | 非公開 | 要問い合わせ |
Yahoo!ロジスティクス | 非公開 | 要問い合わせ |
NW-Logi EC物流サービス | 048-422-0581 | 要問い合わせ |
三協 | 072-967-6010 (代表) | 要問い合わせ |
アートトレーディング | 03-5422-3348 | 1出荷単位箱出荷便:350円メール便:270円 保管費坪単位:6,000円パレット単位:2,500円オリコン単位:750円 |
オープンロジ | 非公開 | 初期・固定費無料入庫保管費・配送料金は従来課金制 |
クラウドロジ (スタークス株式会社) | 非公開 | 要問い合わせ |
LogiMoPro (株式会社清長) | 03-5577-3094 | 初期・固定費無料それ以外の料金は要問い合わせ |
まとめ | オーダーは健康食品の物流課題に対応可能
健康食品は、顧客の健康につながるものであり、慎重な取り扱いが求められます。そのため、自社で物流を取り扱うよりは豊富な知識やノウハウを持った業者にアウトソーシングするのもよい方法です。
近年の物流業界では、テクノロジーの進化により、効率的かつ高品質なサービスが提供されています。専門業者と連携することで、自社では難しい最新の物流ソリューションを活用でき、競争力の強化につながります。
健康食品の物流に課題を抱えている場合はぜひ、健康食品の物流に豊富な実績のあるオーダー!をご検討ください。
具体的に健康食品の倉庫管理に課題をお持ちの方は、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
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