自社の商品やサービスに関する豊富な知識をもとに、顧客や従業員からの問い合わせに対応するヘルプデスクは、社内になくてはならない存在です。
昨今はITや総務、人事など、専門的な知識が求められるヘルプデスク業務は代行業者に依頼している企業も珍しくありません。
プロのオペレーターにヘルプデスクの運営を任せることで、自社の従業員はコア業務に専念できるようになり、業務効率化や顧客満足度の向上が実現します。
そこで今回は、ヘルプデスクの業務内容から代行のメリット・デメリット、また代行業者の選び方までを紹介します。ヘルプデスク業務の外注を検討している方はぜひ参考にしてください。
ヘルプデスクとは
顧客からの問い合わせやクレーム、トラブルに対応する社外向けヘルプデスクもありますが、この記事では社内ヘルプデスクの役割について紹介します。
ヘルプデスクとは、社内から寄せられた問い合わせに対応する窓口です。
社内の部署同士の調整役でもあるヘルプデスクには、業務の専門知識だけではなく、コミュニケーション能力やトラブル対応力、スケジュール調整力など、さまざまなスキルが求められます。
ヘルプデスクの業務内容
社内に置かれることが多いヘルプデスクの種類は、主に以下の4つです。
- IT関連
- 総務関連
- 人事関連
- 経理関連
それぞれの詳細を紹介します。
IT関連
IT系のヘルプデスクの主な業務内容は、自社が使用しているシステムやアプリケーションに関する質問やトラブルに対応することです。
また、パソコンやスマートフォンの操作方法やプリンターなどの周辺機器の使い方を教えることも重要な業務と言えます。さらに、システムや端末が故障した際の修理の手配も業務の一つです。
社内SEと混同されがちなIT系ヘルプデスクですが、設計や開発にはほとんど関わらず、運用がメイン業務になる点は大きな違いと言えます。
総務関連
多くの企業に総務部が置かれていますが、その業務内容は備品の管理から社内イベントの企画・運営、冠婚葬祭への対応まで多岐にわたります。落とし物の保管・管理も総務の仕事の一環です。
ほぼすべての従業員に関係する業務を担う総務部は、他部署からの問い合わせが多い部署と言えます。そのため、ヘルプデスクを設置して問い合わせに対応している企業が少なくありません。
人事関連
採用活動にはじまり、人材配置、教育、評価設定と、総務同様に幅広い業務を担う人事部。給与や社会保険といった労務業務も兼任しているため、従業員からの問い合わせは決して少なくありません。
そのため、ヘルプデスクを設けて社内からの問い合わせをまとめて集約している企業が見られます。社内の機密情報を取り扱う人事関連のヘルプデスクでは、機密保持に対する意識が高い人材が求められています。
経理関連
比較的規模の大きい企業では、給与・賞与の計算や経費の申請など、経理業務に関するヘルプデスクを設置しているところもあります。専門性の高い経理のヘルプデスクは、簿記関連の知識が必須です。
ヘルプデスクとコールセンターの違い
ヘルプデスクとコールセンターはしばしば混同されることがありますが、この二つは担当業務の領域が異なります。
一般的にコールセンターは顧客からの問い合わせ窓口と営業活動を目的に設置されますが、ヘルプデスクは顧客または従業員の問題解決が目的です。
社内の従業員向けのヘルプデスクでは、社内のシステムや備品、制度などの問い合わせを受けることが多いため、コールセンターよりもさらにディープな専門知識が求められます。
また、社内外問わず、ヘルプデスク側から顧客や従業員に対しての情報発信を行わないという点も特徴です。営業活動など能動的な動きが求められるコールセンターとの大きな違いといえるでしょう。
ヘルプデスク代行のメリット
専門性の高いヘルプデスク業務は、人材育成にも時間がかかるものです。教育に十分なリソースを割くことができない場合、代行業者に依頼するのも一つの手といえます。
ヘルプデスクを代行業者に依頼する主なメリットは下記の3つです。
従業員の負担を軽減できる
ヘルプデスクに問い合わせをしてくる従業員のほとんどは、何かしらのトラブルを抱えているもの。場合によってはクレーム対応も発生し、ヘルプデスクはストレスや不満が溜まりやすい業務とも言えます。
その点、実績が豊富な代行業者は、さまざまなトラブルを想定してマニュアルを作成し、それをもとにヘルプデスク業務にあたってくれます。
的確かつスムーズな対応によって、トラブルもスピーディーに解決。外注することで、従業員の業務負担やストレスも軽減されるでしょう。
サービス品質が向上する
ヘルプデスクの代行業者に所属しているスタッフは、社内外問わず、応対経験が豊富なプロフェショナルです。
その代行業者にヘルプデスク業務を委託することで、自社にヘルプデスクの知識やスキルがなくても、高品質なヘルプデスクを持つことができます。ヘルプデスクは従業員の働きやすさを促進する、重要な役割を担っています。それも代行業者を活用して質の高いサービスを提供することによって、やりとりを行う従業員の満足度を高められるでしょう。
コア業務に集中できる
ヘルプデスクと本業を兼務している従業員は少なくありません。その場合、従業員からの問い合わせが入るたびに業務を中断しなければならず、本業への対応がおろそかになりがちです。
大企業であればあるほどヘルプデスクへの連絡が増える傾向にあり、コア業務への対応時間も圧迫されてしまいます。人手不足に悩まされている企業であればなおさらです。
しかし、ヘルプデスク業務を専門の代行業者に任せることで、従業員は集中力を欠くことなくコア業務に専念できるようになるはずです。その結果、社内の業務効率化や生産性向上が進み、高いパフォーマンスを期待できるようになります。
ヘルプデスク代行のデメリット
メリットが多いヘルプデスクの代行依頼ですが、デメリットもゼロではありません。
具体的にどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
社内にノウハウが溜まらない
ヘルプデスク業務を外部業者に一任すると、自社に対応マニュアルやノウハウが蓄積されません。自社にどのような課題が存在しているのか、ツールやシステムに問題があるかなど、社内で把握できないおそれもあります。
「従業員の声には敏感でいたい」「社内の課題は常に把握していたい」ということであれば、フォローアップ体制が万全な業者への依頼がおすすめです。
業務マニュアルや手順書を作成・共有してくれる業者を選定することで、ヘルプデスクに寄せられた従業員の声を把握し、社内にノウハウを蓄積していくことができます。
情報漏洩のリスクがある
業者にヘルプデスク業務を委託するということは、社内情報を外部の人間にも知らせることになります。それによって、情報漏洩のリスクが高まることを自覚しておかなければなりません。
情報漏洩を徹底的に防ぐためには、セキュリティ対策が万全な業者を選ぶようにしましょう。複数の業者から相見積もりを取るのであれば、料金プランや業務内容はもちろんのこと、セキュリティ対策の内容も重視するようにしてください。
ヘルプデスク代行の選び方
ヘルプデスク代行業者への依頼には、メリットもあればデメリットも存在します。
「せっかく依頼したのに、期待した効果が得られなかった」「コストばかりかかってしまった」ということがないように、選び方のポイントを押さえておきましょう。
ヘルプデスク代行業者を選ぶポイントは以下の5つです。
対応業務範囲
ヘルプデスクの最も核となる業務は、従業員などからの問い合わせに対応する窓口業務です。しかし、ヘルプデスク代行サービスを提供している業者のなかには、システム運用や保守、メンテナンスなどにも対応している業者が少なからず存在します。
自社で依頼したい業務の内容や範囲をあらかじめ明確にし、それに対応できる業者を選ぶことが大切です。
また、ITなどの専門知識が求められるヘルプデスクにおいては、専門知識を有するスタッフが在籍している業者を選ぶと良いでしょう。
料金
ヘルプデスク代行業者によって費用感は大きく変わります。見積もりを提出してもらう際には、料金に含まれる業務内容やサービスを明確にしてもらったうえで、複数の業者を比較しましょう。
また、各社が提案する料金プランについても、主に月額固定型と応対件数によって変動する従量課金型の二つがあります。予算や月間の呼量などの状況を把握したうえで、自社に合った業者やプランを選ぶようにしてください。
実績
ヘルプデスク代行業者のなかには、過去の実績をHPなどで公開している業者もあります。実績豊富な業者や大手企業の取扱い件数が多い業者は信頼性が高いといえます。
また、自社と同業種のヘルプデスク代行経験がある業者であれば、その業種に関する知識やノウハウを有している可能性が高く、スムーズに対応してくれるでしょう。
サービス品質
代行業者が提供するヘルプデスクサービスの品質は、非常な選定ポイントです。応対するスタッフの数やスキル、またアフターフォロー体制を確認して選ぶようにしてください。
ヘルプデスク代行業者によっては、自社が提供するサービスのレベルを数値化しているところもあります。自社が求めるSLA(※)を担保できるかどうかをチェックすることも重要です。
※SLA(Service Level Agreement):「サービス品質保証」を意味し、サービス事業者が利用者に対してサービス内容や品質を保証するもの。ヘルプデスク業務においては、応答率やSL(サービスレベル)などの「繋がりやすさ」を数値化して指標にするのが一般的。
セキュリティ体制
デメリットの項目で挙げたように、代行業者を利用する以上、情報漏洩のリスクは常につきまといます。少しでもリスクを回避できるように、セキュリティ体制が整っている業者を選びましょう。
- セキュリティ体制に関するチェックポイントは以下の通りです。
- プライバシーマークやISMSマークを取得しているか(※)
- スタッフのセキュリティ研修を実施しているか
- 建物の入館チェックをしているか
- 執務室の施錠をしているか
- 自社業務のみの専用部屋があるか
- 専用回線を使用しているか、ドキュメントを施錠管理しているか など
ホームページで確認できない情報については直接問い合わせてみると良いでしょう。
※プライバシーマーク(Pマーク):企業や組織などの個人情報保護の体制や運用の状況が適切であることを示す第三者認証制度
※ISMSマーク:「Information Security Management System」の略称。情報セキュリティを管理する仕組みが整っていることを審査機関に認められた企業・組織に与えられるマーク
ヘルプデスク代行なら「オーダー!」
ビジネスコンシェルジュの「オーダー!」は、さまざまなIT業務代行サービスを提供しています。
組織内の情報システム部門で担っている業務をオーダー!が代行することで、社員の方は本来の付加価値の高い業務に専念することができます。
- スマートデバイス管理:組織内でのスマートデバイスの新規購入や初期設定、従業員への配布、修理や機種変更、中古としての売却まで幅広く対応
- 社内ツール管理者代行:組織内で利用している各種ITツールのユーザー管理や組織変更対応などの一般的な管理者業務を代行
- iPhoneヘルプデスク:組織内で使うiPhoneなどの設定や利用に関する問い合わせの一次窓口対応これらの中から必要な業務を契約期間や時間に合わせて選択し、ご利用いただけます。
対応業務 | スマートデバイス管理、社内ツール管理者代行、iPhoneヘルプデスク、データ入力代行作業 など ※他にもご相談に応じますのでお気軽にご相談ください |
料金体系 | 【まるっとお任せ!定額運用メニュー】 スタンダードプラン:12万円/月(税抜) 契約期間:3ヵ月毎 実働時間:30時間/月 ※ご依頼内容に合わせてプランのカスタマイズが可能 |
ヘルプデスク代行のまとめ
今回は、ヘルプデスクの業務内容と代行業者に依頼するメリット・デメリット、また業者を選ぶポイントについてお伝えしました。
「ヘルプデスクを運営したいけれど、人手もノウハウも足りない」
このような悩みをお持ちの方は、ぜひオーダー!の「IT業務代行サービス」をご検討ください。経験豊富なメンバーが、お客様のご要望に沿ったプランを多数ご提案させていただきます。