在庫管理をアナログな方法で行っている場合、以下のような問題が出てきます。

  • 棚卸や入出庫管理に時間がかかる
  • データ入力ミスなどのヒューマンエラーが発生する
  • 人材不足なうえ、作業員に負荷がかかる

特にデータ入力や棚卸を手動で行っている限り、ミスを完全になくすのは困難です

そこで、近年は在庫管理の自動化を進める企業が増えてきています。

この記事では、在庫管理の自動化を検討している担当者様に向けて、自動化が必要な背景と理由、システムを自動化するメリット、自動化に欠かせない取り組みや注意すべき点について詳しく解説します。

具体的に、在庫管理を自動化する5つの方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください

なお、在庫管理のやり方全般に関しては、以下の記事にて解説していますので併せてご覧ください。

在庫管理の自動化とは

在庫管理の自動化とは、これまで手動で行っていた入出庫や発注、棚卸、返品業務などをシステムで自動化することです。在庫管理を効率化する方法として、多くの企業が導入しています。

在庫管理の自動化が必要になる背景・理由

在庫管理を効率化する方法には、エクセル管理やロケーション管理(※)があります。

※ロケーション管理…倉庫内の場所に対し、ロケーションコードを振り分けて管理する方法。「どこの場所に何が保管されているのか」が把握しやすくなる。

しかし、エクセル管理やロケーション管理は人の手が必ず必要です。ヒューマンエラーが発生しやすく、人的労力もかかるため、在庫管理の自動化が求められています。

なお、倉庫の在庫管理業務担当者や経営者、役員189名に対して実施された調査によると、在庫管理の方法としてもっとも多かったのはエクセル(23.9%)でした。

さらにエクセルを使った在庫管理において、「リアルタイムで更新できない」「作成者しかわからない(担当者が休暇が取れず安定したサービスが提供できないリスクがある)」といった問題が浮き彫りになっています。

また、物流業界における人手不足も自動化が求められる理由のひとつです。

富士電機株式会社が行った調査によると、物流・倉庫の人手について「非常に不足している」「不足している」「少し不足している」と回答した人は全体の6割に達しています。

このように、在庫管理の自動化が必要になる背景には「ヒューマンエラーの発生」「人的労力」「人手不足」の実態があるのです。

参考:
株式会社ダイアログ「『エクセルでの在庫管理の実態調査』を実施いたしました」
富士電機株式会社「物流・倉庫部門における人手不足の実態調査」

在庫管理を自動化するメリット

在庫管理の自動化には、下記5つのメリットがあります。それぞれ詳しく解説していきます。

作業の効率化

担当者が手動で業務を行う必要がなくなるため、在庫数の打ち間違いといったヒューマンエラーを回避できます自動化によって作業のスピードアップも図れ、作業効率が向上。工数を削減し、空いた時間をコア業務に充てることも可能です。

人手不足の解消

負荷のかかっていた作業を自動化することで、人手不足を解消できます。作業員のストレスが軽減し、離職防止につながるでしょう。

コスト削減

在庫管理を手動で行った場合、物流費や人件費などのコストが発生します。一方、在庫管理を自動化すると、システムによって常に適正在庫の保持が可能です。過剰在庫を防止でき、倉庫・スペースの費用や管理費はもちろんのこと、人件費も減らせるでしょう。

ただし、自動化ツールの導入コストやランニングコストは発生します。

アランくん

必要となるコストと削減できるコストのバランスを見たうえで、ツールの導入を検討することが大切です!

データの分析

データの分析ができる点もメリットの一つです。過去の販売・出荷状況をデータ化し、分析すれば販売予測や経営戦略に活用できるようになります。

顧客の満足度向上

在庫管理の自動化により適正在庫を保つことで、機会損失を防ぎ、顧客(消費者)が必要なときに必要な商品を届けられます。

また、自動化によって発注から在庫に関わる業務までをスムーズに行えるため、品質アップと顧客満足度の向上が叶います結果的に、売上増加にもつながっていくでしょう。

在庫管理を自動化する5つの方法

在庫管理の自動化には、5つの方法があります。ここでは、それぞれの特徴とメリットを詳しく解説していきます。

在庫管理を自動化する5つの方法

在庫管理システム

在庫管理システムは、在庫一覧機能や入出庫管理、検品管理、返品管理などさまざまな機能が備わったシステムです。在庫業務を一元管理でき、リアルタイムでスタッフと共有できます倉庫管理システムとの連動で、倉庫内の商品の場所がすぐに分かる点が特徴です。

在庫管理システムには次のような利点があります。

・細かい作業が標準化されるため、引継ぎが簡単
・販売・出荷状況を分析し、経営戦略や販売予測に活用できる

在庫管理システムと在庫管理の改善事例、倉庫管理システム(WMS)について知りたい方はこちらを参考にしてください。

くわえて、在庫管理システムには、スマートフォンやタブレットで在庫管理できるアプリもあります。

在庫管理アプリは、デバイスのカメラでバーコード、QRコードを読み込みます。よって、人の手を必要とするハンディターミナルを利用せずとも、在庫管理や棚卸が可能です。

在庫管理アプリについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。

RFID

RFIDは、Radio Frequency Identificationの略で、無線通信(電波)を用いてICチップから個別情報を読み込んだり、書き換えたりするシステムのことです。

遠距離・非接触で複数タグを一度に読み込めるため、バーコードと比べて大幅に作業時間を短縮できます。箱を開けずに一括で読み込んだり、タグが汚れていても読み込んだりできる点がメリットです。

通信距離が長いRFIDであれば高所で作業する必要がなく、作業員の安全も守られます。

画像認識

画像認識はカメラが撮影した画像を解析し、在庫数や種類を判別する在庫管理方法です。カメラを利用した遠隔監視で在庫数をチェックし、画像データを記録、在庫情報を遠隔で確認します。

また、事前に在庫情報とIoTアプリケーションやカメラを連携させ、在庫保管庫から商品が移動(運搬)すると、カメラ感知により在庫が計測されるシステムを作ることも可能です。

画像認識には、以下の3つのメリットがあります。

・遠隔で在庫確認できる
・在庫を常に監視下に置いておける
・RFIDのようにタグを付ける必要がない

ただし、カメラの死角になると管理できないため、在庫の置き方には工夫が必要です。

アランくん

画像認識カメラから認識すべき商品が見えるように配置を考えましょう

重量計

ここでの重量計とは、重さを使った在庫管理のことです。「重量型IoT」や「IoT重量計」とも呼ばれています。在庫数と重量を紐付けし、正確に重量を計測することで機械的に在庫数を計算する方法です。定期的に計測し、リアルタイムでシステムへ数量が反映されます。

重量計のメリットは作業の手間がかからず、膨大な在庫でも短時間で作業を完了できる点です。在庫管理の精度も上がり、棚卸作業も不要です。

AIによる需要予測

近年は、AI(人工知能)を活用した在庫管理を導入する企業も増えています。AIシステムを活用すれば、過去の情報をもとにした需要予測分析や、リアルタイムで在庫を把握でき、過剰在庫を抑えて常に適正在庫を保つことが可能です。

また、売上や顧客属性もデータとして取り込むことで、より需要予測の精度を高められます。業務効率化が叶うだけでなく、コスト削減や人員削減、利益率アップにつながるでしょう。

アランくん

なお、紹介した5つの在庫管理を自動化する方法は、いずれも導入コストが発生します。メリット・デメリットを考えたうえで導入を検討してください

在庫管理の自動化に欠かせない取り組み

ここでは、在庫管理を自動化する前にしておくべき準備や取り組みを紹介します。

在庫の見える化・整備

在庫管理を自動化するにあたり、まずは在庫の見える化と整備を行います。この段階で、在庫数や品目の正確な数値を把握しておきましょう。

また、ツールを導入しやすいように、置き場の整備、採番(保管場所に特定の番号を割り当てる、品番を付ける)などの準備が必要です。

採番する場合、同じ番号や欠番を割り振ってしまうとシステムエラーを起こしてしまいますよって、あらかじめ採番のルールを決めておくことが大切です。

ICタグを利用する場合は、保管場所が無線通信ができる場所であるかどうかを必ず確認しておきましょう。

在庫管理の見える化については以下の記事も参考にしてください。

担当者のトレーニング

自動化ツールを利用する担当者や社員に対して、使い方などのトレーニングが必要です。「導入した担当者しか使えない」という状況に陥らないように、しっかりと運用フローを構築してください。

導入時は、システムに詳しい人材が社内にいないことも多いはずです。自動化ツールや自動化システムを選定する際に、サポート体制の手厚いサービスかどうかも確認しておくとよいでしょう。

在庫管理を自動化するときの注意点

ここからは、在庫管理を自動化するときの注意点を紹介します。

システムのセキュリティ対策

システム選びでは、使いやすさや必要機能が備わっているかどうかだけでなく、情報漏洩などを防ぐセキュリティ体制が整っていることも大切です。

例えばオンプレミスタイプの在庫管理システムの場合、必要なサーバー機器やハードウェア、ソフトウェアといった環境を自社で用意しなければなりません。外部ネットワークの影響を受けにくい環境ですが、セキュリティ対策自体は自社で行う必要があります

クラウドタイプの在庫管理システムの場合は、サービス提供側の情報セキュリティ管理体制を確認しておきましょう。

既存ツールとの連携確認や運用体制の変更

在庫管理システムをスムーズに導入するために、事前に既存システムと連携できるかどうかを確認しておきましょう。必要に応じてマニュアル作成やプロセスの変更など、運用体制を整えます。

在庫管理の自動化に関するよくある質問

Q
在庫管理の自動化をエクセルで実現できますか?
A

VBAと呼ばれるエクセルを含むMicrosoft Officeのアプリケーションの機能を拡張できるプログラミング言語を用いることで、自動化を実現できる部分も制限や限界もあります。
エクセルを用いて在庫管理については以下の記事で詳しくまとめているので参考にしてください。

Q
在庫管理システムの自作は可能でしょうか?
A

在庫管理システムはエクセルやスプレッドシートの関数、マクロ、ピボットテーブルなどを活用することで自作できます。

中にはフリーの在庫管理用のテンプレートもあるため、活用することで簡単に作成できるかもしれません。ただし、エクセルやスプレッドシートは表計算ソフトであり、在庫管理のために作られたソフトではありません。

データ保存量に上限があったり、権限設定ができなかったりなどの課題が発生し、最適なシステムではなくなる可能性があります。個人での利用や社員1-3名規模など小規模での管理の場合は検討してみると良いでしょう。

Q
棚卸の自動化も可能でしょうか?
A

在庫管理システムを導入すれば棚卸しの自動化も可能です。棚卸の詳細は以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

在庫管理の自動化はオーダー!におまかせ

オーダー!は、お客様の業務やビジネスをサポートするビジネスコンシェルジュです。培ってきた物流のノウハウを活用し、在庫管理の自動化や業務効率化をサポートしています。

オーダー!では、以下のようなサービスの提供が可能です。

・商品の入庫管理、出荷管理、在庫管理など
・機器類のオプション部品追加、組み立て
・動作確認、通電確認
・物流業務プロセス見直しコンサルティング
・物流システム導入

物流システム導入サービスでは、オーダー!が独自開発した在庫管理システムを活用した支援を行います。物流のプロとして、商品管理から発送業務まで包括的なサポートが可能です。

さらに、物流の問題点の洗い出しや解決策を提案するコンサルティングサービスも展開しています。お困りのことがあればお気軽にご相談下さい。

物流コンサルティングについては以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

オーダー!の在庫管理・物流事例

実際にオーダー!でサポートしたアパレル物流の事例を紹介します。

オーダー!の物流システムを導入する前は、在庫管理・ピッキング・検品・配送全てを自社で行っていた、EC事業を展開する子ども服のアパレル会社様の例です。

【在庫管理システム導入前の問題点】
・保管スペースがせまい
・出荷が間に合わずクレームが発生
・作業員の経験不足によるヒューマンエラーが発生
・人手不足で雇用を増やすも、出荷業務にかかった正確な時間を把握できず、出荷に対する費用を正確に出せない など

【在庫管理システム導入後の効果】
細かいオペレーションのミスがほとんどなくなった
・オーダー!は、1商品あたりの出荷単価が決まっているため、売上に対する原価が明確になり、さらに出荷業務にかかった費用を正確に把握できるようになった
・イレギュラーな梱包や発送時の同封など細かい対応が可能になった
・在庫管理システムを導入したことでヒューマンエラーが減少。顧客満足度を高めるための細かい要望にも対応できるようになった

このようにオーダー!では、在庫管理システムの導入に加えて、クライアントの要望に合わせたカスタマイズも可能です。

在庫管理の自動化・まとめ

在庫管理を自動化すると、ヒューマンエラーや作業員の負担を減らすことができ、業務効率化を図れます。また、自動化ツールによっては需要予測をし、経営戦略に役立てることも可能です。

導入コストやランニングコストは発生しますが、アナログの在庫管理が抱えていた問題を解決できる、十分なメリットがあります。

自社倉庫を持つオーダー!では、物流業務の包括的なサポートや、独自開発した在庫管理システムの導入を支援しています。

物流代行全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。