近年、市場が拡大しているアパレルEC。しかし、アパレルECには特有の課題もあり、「アパレルECサイトを始めたいけどどこから手を付けたらいいか分からない」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

この記事ではアパレルECの始め方から、ECサイトを開いたあとの実際の流れ、アパレルECサイトが抱える課題のほか、代行会社を頼むときの注意点などをご紹介します。

アパレルECの始め方 | 販売までには6つのステップが必要

デジタル化やコロナ禍により、アパレル業界そのものが減少傾向にある一方、右肩上がりに市場拡大しているアパレルEC

しかし、アパレルECにはほかのECサイトにはない難しさもあります。販売までには、以下の6ステップを踏む必要があります。

【1】コンセプトの設定

アパレルはコンセプトにより、販売する商品の種類が変わりますターゲットやブランドプロミス、ブランドのストーリーなどをしっかり設計しましょう。

【2】商品準備

アパレルは、商品を仕入れる場合とオリジナル商品を製作する場合の2パターンが考えられます。いずれにせよ、大切なのは需要予測。余計なコストを掛けないためにも、需要を読みながら適切な量の商品を準備しましょう。

【3】出店方法を決定

アパレルECの出店方法は、ECモール(モール型)か自社ECサイト(ブランド直営型・個人経営型)に分かれます。大手モールに出店する場合、自社でサイト構築する必要はありませんが、他ブランドとの差別化は必須。自社ECサイトの場合、受注からサイト運営まで全て自社でこなす必要がありますが、サイトの自由度は高くなります。

【4】ECサイトや商品ページの制作

ECサイトの制作で重要なポイントは、商品画像や説明を充実させること。消費者が実物を見なくても「買いたい」と思うようなサイト制作を意識しましょう。

【5】集客

アパレルECには、SNS、SEO対策、ネット広告の3種類の集客方法があります。ECサイトの規模やターゲットにより、中でもSEO対策は必須です。

【6】在庫管理・発送業務

ECサイトは在庫管理と発送業務は必須。特にアパレルECではサイズやカラー展開が多いため、ミスがないように細心の注意が必要です。

アパレルECの始め方に関して詳しくは以下の記事を参考にしてください。

アパレルECが抱えがちな課題 | バックエンド業務が負担

実際にアパレルECを開業後は、商品企画やプロモーションなどのフロント業務のほか、バックエンド業務が大切になります。

バックエンド業務とは、商品情報登録、受注処理、在庫管理、出荷(ピッキング、検品、梱包)、配送、アフターサービスのこと。

アパレルECでは特に、在庫管理、検品、配送が大切。フロント業務に手がかかりすぎるからと言ってバックエンド業務がおそろかになると、顧客の信頼を失ってしまうこともあります。

アパレルECのバックエンド業務の流れはこの図の通り。

アパレルECのバックエンド業務の流れ
アパレルECのバックエンド業務の流れ

まず画像処理を行い、サイズ情報とともに商品登録を行います。登録後、入庫した商品の検針及び検品、タグ付け、プレス加工、包装などの作業を完了させます。

また、購入者からの返品が多いのもアパレルECの特徴。検品や検針、タグの確認などを行い、不良品でないものは再び倉庫に保管します。

在庫管理 | ミスが生じやすい

アパレルの特徴は、SKU数(在庫管理上の最小の品目数を数える単位)が非常に多いこと。そのため、多くの在庫が生まれやすく、在庫管理も難しくなります。

また、アパレルではサイズ違いなどの理由で他のECサイトよりも返品業務が高確率で発生。属人化した在庫管理を行っていると、ミスも生じやすくなります。

こうした課題の解決には、在庫管理のシステム化やアウトソーシングがおすすめ。

アパレル在庫管理に詳しくは以下の記事を参考にしてください。

アパレル検品作業 | チェック項目が多岐にわたる

アパレルは商品ごとにサイズやカラーが異なる上、商品の汚れやほつれ、破損など確認すべき事項が多岐に渡るため、検品作業が重要になってきます。

アパレル検品作業を効率化させる方法は、在庫管理のデジタル化、RFIDの導入、アウトソーシングなど。

在庫管理のデジタル化とは、今まで紙で行っていた在庫管理を管理ソフトやExcelなどを使って行うこと。また、RFIDとは、無線通信で情報を読み取る仕組みのことです。

一方、アウトソーシングは、バックエンド作業を外部業者に委託すること。これにより、自社の人員を確保できる上、検品作業の品質を上げることもできます。

なお、アパレル作業の検品作業については以下の記事に詳しくまとめていますのでを参考にしてください。

アパレル梱包作業 | 梱包資材を揃えるのが大変

アパレル製品はシワやほつれの防止、水濡れや傷つくのを防ぐため、1着ずつ袋に入れる必要があり手間が掛かります。

また、商品ごとにさまざまな種類の梱包資材を揃えるのが難しいという課題を抱える事業者が多いのも事実。こうしたアパレル独特の課題により、出荷に手間がかかりミスが生じやすい場合があります。

そこで、在庫管理~発送までを任せることができる代行業者を選ぶのもひとつの手。検品作業と同じく、梱包作業もアウトソーシングすることで、確実にミスを減らすことができます。

さらにアパレルEC特有の梱包作業を自社で揃える必要もないため、梱包作業の大きさに悩んだりスペースの確保に悩むこともなくなります

アパレルECの梱包作業の課題については以下の記事をご覧ください。

アパレル発送代行で押さえておきたい注意点

アパレルECで代行業者を選ぶ際に押さえておきたい重要な注意点は、アパレル特有の課題に対応してくれるかどうか。

アパレルECは流通加工や返品対応が手間、在庫の一元管理が難しい、在庫量の調整が必要という特有の課題があるため、実績のある会社に依頼するのがおすすめ。

また、実際に倉庫を見学し、商品の特徴に合わせた湿度や空調が保てているかなどをチェックすることも大切です。

アパレルECで押さえておきたい注意点について、もっと知りたい方は、詳しく解説している以下の記事をご覧ください。

おすすめアパレル物流代行会社の比較ポイント

アパレルECの物流代行業者は多くありますが、選ぶ時のポイントは、アパレル物流の課題への解決策を示している、実績、サービス範囲、保管方法に対応しているかどうか。

例えば「アパレル物流の課題への解決策」は、端的に言うとアパレルECへの理解があるかどうかということ。アパレルはひとつの商品でも、サイズやカラー展開でSKU数が多い傾向にあり、理解がない代行業者の場合は逆にミスが生じてしまう可能性も考えられます。

また、先述した通り、梱包資材の種類が多くてコストがかかりやすく、流行のサイクルが短いために在庫の出し入れも多く、管理が大変。

さらに検品作業や誤配を防ぐための工数も多いので、出荷に手間が掛かるのも事実。代行業者を選ぶ場合は、こうしたアパレルEC独特の課題を理解しているかどうかで決めましょう。

アパレル物流会社の詳細は以下の記事で解説しているのでご確認ください。

アパレルECにおける物流倉庫・センターでの在庫管理事例

子供服のアパレル会社様

EC事業を展開しており、商品をインターネットで販売。オーダー!導入前は在庫管理・ピッキング・検品・配送まで自社で賄っていました。

アパレル物流サービス導入前の課題
  • 自社の作業スペースが狭いため、作業しにくく、商品の置き場に困っていた
  • セール時の注文が多く、出荷が間に合わずクレームになったことも
  • 人手不足によって雇用を増やしたが、パート雇用のため稼働時間内で出荷業務にかかった正確な時間が把握できず、出荷に対しての費用が正確に出せない
  • パート雇用者の経験不足でミスも出ていた
アパレル物流サービス導入後の効果
  • ミスが発生しがちな商品ごとの細かいオペレーションも、ミスなく行われるようになった
  • 通常の梱包対応だけでなく、イレギュラーなお祝いごとやプレゼント包装も実施できるようになった
  • 商品郵送時にパンフレットやセールの案内を入れるなど、細かい対応も可能に
  • オーダー!は、1商品あたりの出荷単価が決まっているため、売上に対する原価が明確になり、さらに出荷業務にかかった費用を正確に把握できるようになった

まとめ

アパレルECの中でもっとも事業者の負担になりやすいのはバックエンド作業。しかし、オーダー!EC物流だけでなく、ECサイトのWebページ作成や問い合わせ対応代行など、クライアントのEC事業全体をサポートすることも可能です。

オーダー!はアパレルECの経験も豊富。顧客の要望に幅広く応えることができます。この記事で見つかった課題はぜひ、オーダー!に気軽にご相談ください。

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