ECプラットフォーム「Shopify」には、オンラインとオフラインを一括管理できる「Shopify POS」があります。Shopify POSを使用すると、EC販売している商品を実店舗やイベントで取り扱ったり、実店舗とECの在庫を移動させたりすることが可能です。
本記事では、Shopify POSの主な機能や導入のメリット、料金プラン、システムの連携方法などを分かりやすく解説。読むことでShopify POSの全体像を把握でき、自社ビジネスに活用するヒントを得られるでしょう。
Shopify POSとは
Shopify POS(Point of Sale)は、実店舗とオンラインストアをシームレスに連携する、Shopifyの販売時点情報管理システムです。
Shopify POSには、商品が売れた瞬間の情報やデータを収集し、管理する機能が搭載されています。オフライン・オンライン両方の在庫や売上を一元管理できるので、業務効率アップが可能です。
Shopify POSはLiteとPro、2つのプランを提供しており、事業の規模やニーズに応じて選択できるようになっています。※料金プランについては後ほど詳しく解説します。
Shopify POSでできること(Shopify POSの機能)
続いてShopify POSでできること、Shopify POSの6つの機能をご紹介します。
オムニチャネル販売
Shopify POSの導入により、オムニチャネル販売が可能です。オンラインストアと実店舗の在庫をリアルタイムで同期できるため、どちらのチャネルからでも商品を販売できます。
オムニチャネル販売には販売機会を拡大し、顧客の購入体験を柔軟にするメリットがあります。ユーザーはオンラインで見つけた商品を実店舗で購入したり、店舗で商品を確認してからオンラインで注文したりできるので、顧客満足度の向上につながるでしょう。
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在庫管理
Shopify POSを使用すると、在庫の更新、管理がスムーズになります。在庫の誤差や不一致を最小限に抑えられるので、店舗間の在庫移動が容易です。
例えば、ある店舗で人気の商品の在庫を他店舗から補充するなど、商品の需要に応じて在庫を適切に配分できます。Shopify POSを使うことで、売上機会の損失を防げるのです。
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顧客管理
次に紹介するのは、顧客管理機能です。Shopify POSでは顧客の購入履歴や連絡先情報を収集できます。これらの情報を活用し、パーソナライズしたマーケティングが可能です。
(マーケティング例)
・顧客の好みに基づいたプロモーションメール施策
・リワードプログラムの設定 など
リピート購入を促進でき、長期的な顧客関係の構築につながります。
モバイル使用
Shopify POSはモバイルデバイス(スマートフォン・タブレット)に対応しており、場所を選ばずに利用できます。iOSまたはAndroidを搭載したデバイスであれば、店舗内はもちろん、ポップアップストアやイベント会場など、外出先でも販売活動が可能。販売機会を逃すことなく、ビジネスの可能性を広げられます。
レシート管理
レシート管理もShopify POSでできることの一つです。購入後のレシートを電子メールで送信したり、紙のレシートを印刷したり、顧客のニーズに合わせて対応できます。
Shopify POS Pro版では、レシート内容のカスタマイズも可能。店舗のロゴやプロモーション情報をレシートに追加し、ブランドイメージの強化や販売促進に役立てられます。
レポートと分析
Shopify POSには、「レポートと分析」機能も搭載されています。この機能を利用すると、小売販売、キャッシュフロー、在庫に関する詳細な情報を得られます。
Shopify POS Pro版を導入すると、売上のトレンドや顧客行動の深い洞察を得られる、高度なストア分析も利用可能。分析結果はビジネスの意思決定のサポートとなります。
Shopify POSを導入するメリット
さまざまな機能が搭載されているShopify POSですが、導入にはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットをご紹介します。
販売機会を増やせる
一つ目のメリットは、販売機会が増加することです。オムニチャネル販売により、多様な購買オプションを提供できます。
オンラインで注文して店舗で受け取るなど、顧客は自分の好みやライフスタイルに合わせて商品を購入できるようになります。顧客満足度が向上し、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得につながるでしょう。
在庫管理を効率化できる
次のメリットは、在庫管理を効率化できることです。実店舗で商品が売れると自動的に在庫数が更新されるため、売れ残った商品をスムーズにECサイトへ振り分けられます。
反対に実店舗での需要が急増した際は、オンラインの在庫を迅速に店舗へ移動させることも可能です。このようにShopify POSは在庫切れによるキャンセルを防ぎ、在庫管理を最適化するのです。
マーケティングを強化できる
また、Shopify POSではマーケティングの強化も可能です。販売、顧客行動のデータを分析すれば、どの商品が顧客に好まれているか、顧客の期待に応えられていないかを把握できます。事業者は分析を基に、ターゲットを絞ったプロモーション展開や新商品の開発を行えます。
低コストで簡単に導入できる
Shopify POSのメリットは低コストで簡単に始められる点です。すでにShopifyを利用しているユーザーは、追加契約の必要がありません。
Shopify POS Liteプランであれば、既存のShopifyプランの月額料金のみで利用可能です。次章より、Shopify POSの料金と機能について詳しく解説していきます。
Shopify POSの料金プラン
Shopify POSでは、「Shopify POS Lite」「Shopify POS Pro」のどちらかを選択できます。各プランの特徴を以下の表にまとめました。
Shopify POS Lite | Shopify POS Pro | |
料金 | 既存のShopifyサブスクリプションプランに無料で含まれている | 1ロケーションあたり月額89ドル |
機能 | ・基本的なPOS機能(実店舗での販売、在庫管理、顧客管理機能など) | ・高度なPOS機能(Lite版の機能に加え、高度な在庫管理や顧客管理機能を提供) |
対象 | ・コストを抑えてビジネスを運営したい小規模事業者 ・迅速にPOSシステムを導入したい事業者 | ・中規模、大規模企業 ・オムニチャネル販売したい事業者 |
Pro版のみ利用できる具体的な機能は次のようなものです。
・印刷レシートのカスタマイズ ・自動ディスカウント…チェックアウトやカートの段階で、自動的に適用される割引を提供 ・POSスタッフの権限設定 ・カートの保存 ・店舗で購入したものを自宅へ配送 ・ストア分析 |
Liteプランには基本のPOS機能が搭載されていますが、オムニチャネル販売をフルサポートする機能は限定的です。そのため、基本的な機能を低コストで利用したい小規模事業者に適しています。
一方、Proプランはより高度な機能とオムニチャネル販売を求める中規模から大規模なビジネスに最適です。
※上位プランであるShopify Plusは、Shopify POS Proをプラン内容に含んでいます。よって、Shopify POS Proを利用する際に追加費用は発生しません。
事業の規模やニーズに応じて、適切なプランを選択しましょう。
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Shopify POSの導入で注意すべき点
続いて、Shopify POSを導入する際の注意点をお伝えします。
外部決済サービスとの連携が必要
Shopify POSには外部の決済サービスと直接連携する機能が付いていません。そのため、自社で連携する必要があります。
例えばキャッシュレス決済の情報をShopify POSに反映させたい場合、Shopify POSの管理画面と決済サービス両方の端末を操作し、情報を同期しなければなりません。
※外部決済サービスとの具体的な連携手順は後述します。
物流パートナーの選定
Shopify POSを導入する際は、物流パートナーの選定もポイントです。特にEC運営では、配送遅延や返品処理といった問題が頻繁に発生し、物流のノウハウが必須です。これらの問題に対処するためにも、信頼できる物流パートナーを見つけましょう。
物流パートナーを選定する際は、以下の点を確認してみてください。
・実績
・サービス範囲
・物流品質
・パートナー企業が使用するシステムとShopifyの互換性
・料金体系
適切な物流パートナーのサポートにより、商品の迅速な配送とスムーズな返品処理を実現できます!
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Shopifyのサポートはオーダー!におまかせ
オーダー!は、ITと物流の両分野の専門知識を活かし、Webサイトやシステムの開発・管理、事務処理、商品の管理・配送、お問い合わせへの対応など、お客様のビジネスを全面的にサポートするビジネスコンシェルジュです。Shopifyストアの構築から商品配送まで幅広く対応可能です。
【Webサイトの構築・運用メニュー】
・Webサイト構築サービス
・ECサイト構築サービス
・ホームページからの問い合わせ対応代行
・SNS運用代行
・レスポンシブ化
・バナー制作
※その他、定額運用メニューもあり
【物流メニュー】
・ECサイトの商品 在庫管理・発送
・カスタマイズサービス(化粧箱組み立て、複数種類のパターンでアイテムを組み合わせて詰め込み、梱包など)
・海外向け発送
・検品代行
・物流業務プロセス見直しコンサルティング
・内職代行(封入、ラベル貼り、小さなぬいぐるみの検品検針作業など)
オーダー!のShopifyサポート事例
韓国コスメを取り扱う日本の代理店様の事例をご紹介します。オーダー!では、ECサイトの構築・管理と、BtoBおよびBtoC向けの物流支援を提供しています。
最初はBtoBの物流サポートから始めましたが、BtoC市場への新規参入に伴い、物流からサイト構築まで包括的なサポートを展開しました。ECサイト構築では、顧客情報や実店舗との連携、WMS(倉庫管理システム)導入を含む物流のカスタマイズに対応。
サイトの定期更新(Webデザインの最適化、商品画像の更新、在庫管理など)と、商品の保管・配送を含む倉庫業務を管理し、スムーズな運営を実現しています。
特に、個人ユーザーへの単品配送から、百貨店などへの什器や大量商品の配送に至るまで、多岐にわたる業務を一ヵ所で対応している点を評価いただいています。
Shopify POS連携のステップ
最後にShopify POSの連携ステップを解説します。
1:販売チャネルへPOSを追加する
まず、管理画面の左メニューに「Point of Sale」があるかチェックしましょう。メニューにない場合は、以下のリンクよりインストールしてください。
App Store「Point of Sale」
2:Shopify POSアプリをインストールする
次に、モバイルデバイスでPoint of Saleアプリをインストールしましょう。
左メニューの「Point of Sale」をクリックすると、右にクイックスタートガイドが表示されます。その中の「Point of Saleアプリを入手する」をクリックすると、ダウンロード画面への案内が表示されます。
ダウンロードしたアプリを起動し、ログイン、ストア選択、PINの作成などを行ってください。
手順画像はスマートフォンですが、実際にモバイル端末を使用する場合はタブレットのほうが画面が大きく、操作しやすいでしょう。
3:商品の設定
商品がShopify POSに追加されていない場合は、左メニュー「商品管理」から設定します。
設定したい商品名をクリックします。
商品詳細の右にあるケバブメニューをクリックします。
「販売チャネルを管理」をクリックします。
「Point of Sale」にチェックを入れて「完了」をクリックします。これで設定完了です。
4:税金の設定
続いて、税金の設定を行います。「Point of Sale」のクイックスタートガイド「物品税を設定する」から遷移します。
※左メニュー「設定」>「関税と税金」からも遷移できます。
税金の設定は、配送エリアに基づきます。国名をクリックすると、その国および、地域の税率を調整できます。
日本国内で飲食料品などを販売する際は、軽減税率を考慮しなければなりません。
国の税率編集セクションをスクロールしていくと、「税の優先適用を追加」というボタンがあります。ここから軽減税率対象商品のコレクションを作成すると、一括適用されて便利です。
5:決済オプションと外部機器の設定
前述のとおり、Shopify POSは外部の決済サービスと直接連携する機能を提供していません。ただし、任意の会社の端末であれば手順を踏むことで連携可能です。
以下は基本的な連携手順です。
1.Shopify POSで商品を選ぶ
2.合計金額を確認し、外部の決済端末で支払う
3.Shopify POSに戻り、該当するカスタム決済タイプを使用して支払いを完了する
4.オンラインの管理面とデータが同期される
Shopify POSのまとめ
本記事では、Shopify POSの機能や料金プラン、導入の注意点などを解説しました。Shopify POSを導入するメリットは以下のとおりです。
・販売機会の増加
・在庫管理の効率化
・マーケティング強化
・低コストで簡単に導入可能
すでにShopifyを契約している方は、追加費用なしでPOS Liteプランを導入できます。Shopify POSを活用し、ビジネスの運営を効率化していきましょう。
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