• 化粧品の発送業務は、煩雑で大変
  • オリジナルの梱包資材や顧客それぞれに応じたサンプル品の同梱など、自社だけではとても対応しきれない
  • ビジネス規模はまだまだ小さいが、手が回らないので物流業務を外部へ委託したい

コロナ禍での外出自粛、店舗の営業時間短縮などもあり、化粧品をオンラインで購入する人が増えてきました。しかし、化粧品業界の物流には他の商材とは異なる多くの課題があります。

そこで、人員拡大やシステム導入などを考える経営者・担当者の方におすすめしたいのが、物流業務のアウトソーシング「発送代行」です。

この記事では、化粧品の発送代行の重要性や業務の特徴、物流代行業者へ依頼する際にはどのような点をチェックすべきかを中心に解説します。自社の課題や要望を整理し、ニーズにピッタリした発送代行業者を見つける参考にしてください。

なお、化粧品物流の課題全般に関しては、以下の記事をご参考にしてください。

化粧品の発送代行が重要な理由

梱包や発送の業務を代行してくれるのが、発送代行サービス。

商品を丁寧に梱包し、お客様の手元に滞りなく商品を届けることは、顧客満足度に関わる重要なプロセスです。

アラン

さまざまな発送業務の中でも、化粧品の発送業務にはこの商材ならではの特徴があります。

化粧品の発送業務の特徴

化粧品の発送業務の特徴を見ていきましょう。

多品種・小ロットの管理

化粧品と一言でいっても、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ボディケアといった種類があります。加えてケース、ポーチなどのグッズや香水などを取り扱うこともあるでしょう。

さらに、それぞれの商品は色や肌タイプ、サイズ違いなど細かく分かれているため、多品種・小ロットに対応した管理が求められます。

加えて、それらの商品から少しずつピックアップするBtoC発送と、数個ずつをまとめ、組み合わせて発送するBtoB発送では、梱包方法や資材、ピッキング作業などの工程も大きく変わってきます。

品質管理

化粧品の中には、品質を保つために温度管理が必要なものがあり、使用期限もあります。期限内に売り切るためには、「先入れ先出し」による厳密な在庫管理を行わなければなりません。

流通加工

ラベルの貼り付け作業、複数の商品を詰め合わせるセット組み、サンプル品、クーポン、チラシなどの同梱物やギフト対応など、流通加工が多く発生するのも化粧品発送業務の特徴の一つ。

さらに、そのための作業・保管スペースを十分に確保することも必要です。

スタッフの採用・育成が重要

パッケージがブランディングの大きな要素となる化粧品では、外箱も商品の一部です。外箱の傷やへこみ、破れはクレームの原因となり、返品の対象ともなりかねません。

このような商品固有の難しさを持つ化粧品の発送業務では、スタッフの採用・育成も重要です。

とはいえ、季節やイベントごとに限定商品やプロモーションを行うことの多い化粧品業界では、繁閑の差が大きくなります。昨今の人手不足では、繁忙期に備えて人員を確保するのも簡単ではないでしょう。

化粧品ECのトレンド

化粧品のEC市場は拡大傾向にあるものの、化粧品、医薬品のEC化率は8.24%にすぎず、他の商材に比べるとまだ低い状況です。

参考:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」

その背景には、化粧品は顔や体に直接のせて使用するため、消費者の「試してから買いたい」「カウンセリングを受けてから買いたい」というニーズが依然として強いことがあります。

また、百貨店やドラッグストアという複数のチャネルが充実していることも挙げられるでしょう。

しかし、今後も化粧品のEC市場がさらに拡大する余地はあると言えます。その理由と課題について見ていきましょう。

オムニチャネル戦略

化粧品のEC市場のトレンドとして、店舗販売、ECサイト、SNS、DMなど異なるチャネルを横断する、オムニチャネル戦略が進んでいることがあります。

販売チャネルを複数持つことで、「店頭で試した商品をECサイトで購入する」「メルマガで見て気になった商品を、後日店舗で購入する」といった購買パターンに対応することができます。

一方で、導入には在庫データや顧客情報などを一元化しなければならないため、システムの連携、社内体制づくりなど多くの課題に取り組まなくてはなりません。

社内で知見やリソースがない場合には業者への委託も検討する必要があるでしょう。

オムニチャネル戦略について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

D2C(Direct-to-Consumer)

化粧品メーカーが中間業者を介さず直接消費者に商品を届けるD2C(Direct-to-Consumer)も近年注目を集めています。

D2Cではメーカーと消費者とダイレクトにつながる分、質の高い物流品質が求められます。自社だけで物流フローを構築し運用するのは容易ではなく、本業のリソースを圧迫してしまうことも多いのです。

D2Cについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

定期購入プランとサブスクリプション

化粧品の場合、商品の種類こそ多いものの、いったん利用者の肌質や好みに合えば、ブランドへの愛着は高まり継続的に使用してもらうことができます。

最近では、Webサイトやアプリ上でバーチャルメイクアップなどのシミュレーションができたり、チャットで美容部員への相談ができたりと、パーソナライズ化した商品提案を行う化粧品メーカーも増えています。

この結果、定期購入やサブスクリプション利用が増えているのです。

定期購入やサブスクリプションを利用すると、お気に入りの商品を自宅にいながら確実に入手でき、消費者の利便性は向上します。

販売側にとっても、毎月一定の売上が確保でき、顧客動向をつかみやすくなることはメリットですが、パーソナライズという「特別感」を顧客に与えるには発送作業にもきめ細かな対応が求められるということです。

アラン

化粧品ビジネスの成功には、今後ますます高い物流品質の維持が不可欠になるということですね

化粧品の発送代行を利用すべき理由

さらに、化粧品のECでの売上が拡大すれば、当然物流業務の負担は増えることになります。

化粧品業界には、国内外の競合ブランドが数多く存在します。それらの中から自社の商品を選んでもらうためには、商品開発やマーケティングに注力しなければなりません。

そのため、負担となりがちな物流業務をアウトソースすると以下のようなメリットがあります。

  • コア業務に集中できる
  • 発送作業のミスを減らし、物流品質を向上できる
  • 物流コストを減らすことにつながる

EC事業では、商品が発送されてからユーザーにどのような状態で届くのかが顧客満足度やリピート率に直結するため、発送代行でプロの手を借りるメリットは非常に大きいのです。

正確で迅速な発送は顧客満足度を高め、ブランディングを強化することにもつながります。

アラン

正確で迅速な発送は顧客満足度を高め、ブランディングを強化することにもつながります。

化粧品発送代行の料金体系

ここまで、化粧品の発送代行の特徴や、化粧品の発送業務をアウトソースするメリットについてお伝えしました。

実際に発送代行の利用を検討すると、気になるのは料金体系ではないでしょうか。本項では、発送代行サービスの料金体系を理解し、適切なサービスを選ぶ方法をご説明します。

化粧品発送代行の料金体系    

まず、化粧品発送代行でコストを左右する主な要素には、商品サイズ、重さ、物量、保管期間などがあります。

料金体系はサービス提供会社により異なりますが、一般的には、他の発送代行と同じように、基本料金、作業料金、オプション料金の3つの要素から成り立っています。

基本料金

発送代行サービスを利用するための基本的な費用で、システム利用料、アカウント管理料、初期設定費用などが含まれます。

基本料金は、サービス提供会社によって異なります。

作業料金

商品の入荷、保管、梱包、発送といった、発送に関する具体的な作業に対する費用です。

商品のサイズや重さ、作業の複雑さなどによって作業料金は変動します。

オプション料金

壊れやすい商品、高価な商品などの梱包にはオプション料金が発生することがあります。また、商品の形状によっては特殊な梱包が必要になることもあります。

商品の保管場所を確保する保管料、特殊な梱包料、追跡可能な配送方法を選ぶ場合の配送料などがオプション料金に該当します。

物流コストを抑えるポイント

発送代行にかかるコストをできるだけ抑えるためには、以下の4点について十分に検討することが重要です。

  • 自社に必要なサービスを見極める
  • 複数社から見積もりを取る
  • 物流拠点を集約する
  • 主要な配送先エリアに近い物流倉庫を持っている会社に相談する

現状の発送業務の課題を洗い出し、自社に必要なサービスは何かを見極めることが大切です。

自社の要求に応えてくれそうな業者をいくつかピックアップしたら、必ずそれぞれから見積もりを取って検討するようにしましょう。

複数の物流拠点を持っている場合は、拠点を集約するとコスト削減につながることがあります。遠距離配送が多い場合は配送エリア近くに倉庫を移転することも選択肢の一つです。

発送代行を利用すると物流コストが増えるように感じるかもしれませんが、実はプロに任せることで業務効率がアップし、結果的には物流コストの抑制につながることが多いのです。

化粧品業界に強い発送代行サービスの選び方

では、化粧品業界に強い発送代行サービスはどのように選べばよいでしょうか。4つの観点から解説します。

化粧品業界での経験や知見は十分か

化粧品と一言でいっても、多様なアイテムがあります。それぞれの化粧品の取り扱いや、発送に関する専門知識が豊富にあるか、業界に精通しているかの確認は欠かせません。

知識だけでなく実績や評判はどうかといったポイントもチェックしましょう。

顧客満足度の向上のための施策ができるか

商品をきちんとした状態で顧客の元に届けることに加えて、顧客満足度を上げるための施策が求められます。

具体的には、以下のようなポイントを確認します。

  • 徹底した品質管理ができているか
  • サンプルや説明書の同梱、ラッピング、オリジナル梱包資材などに対応できるか
  • 難易度の高い、パーソナライズされた商品の発送業務に対応できるか

「パーソナライズ」は、顧客のライフスタイルや趣向から最適な組み合わせを提案するもので、顧客自らがパターンを選ぶ「カスタマイズ」以上に、複雑な出荷業務を要求されます。難易度が高いため、物流業者によっては対応が難しい場合もあります。

業者選びの際には、ただ発送作業を代行してくれるだけでなく、商品に付加価値をつけ、顧客満足度を上げるサービスが提供できるかどうかという観点からも確認しましょう。

化粧品の梱包による付加価値については以下の記事を参考にしてください。

マルチチャネルへの対応

ECと言っても、自社サイトはもちろん、各種インターネットモールなど多数の販売サイトを持つことがほとんどです。複数の販売サイトに加えて、BtoB、BtoCなど複数の販売チャネルに対応できる物流会社を選ぶとよいでしょう。

海外展開を考える場合には、越境ECに対応しているかもチェックしておきたいところです。

越境ECの物流については以下の記事を参考にしてください。

自社システムとの連携  

委託先のWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)と、自社のシステムが連携できるかも重要です。WMSの導入は、人的ミスの削減、作業時間短縮、生産性向上などに役立ちます。自社のシステムと連携させることで、さらなる効率化につながります。

システムに関する専門知識がない、調査するリソースがない、という場合には物流業務自体をまるごと外部に委託することも可能です。

信頼できる化粧品の物流代行会社の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。

化粧品発送代行はオーダー!におまかせ

さまざまな発送業務に対応してきたオーダー!では、化粧品の発送代行にも豊富な対応実績があります。

化粧品の煩雑な発送代行に対応可能

オーダー!では、物流に関するすべての業務に対応しています。大規模から小規模・個人まで対応可能。越境ECの対応実績もあります。

また、「外箱をきれいなまま届けてほしい」というのも、化粧品メーカーのこだわりのひとつです。オーダー!では豊富な実績をもとに、商品の外装を損なわずに顧客の手元までお届けできる、レベルの高い梱包技術を実現しています。

さらに、梱包代行導入時に重要視したいのが、業者のカスタマイズ力です。オーダー!では商品の保管や発送に加え、以下のような業務にも対応しています。

  • タグ付け
  • 箱詰め
  • ラッピング(包装)
  • 検品作業
  • 不良品チェック
  • 同梱品チェック

オーダー!導入事例を紹介

オーダー!では、注文された商品をまとめて発送するだけでなく、一人一人のお客様に合わせたセットを作成し、定期発送する複雑な業務にも対応しています。

たとえば、お客様の嗜好に合わせてレコメンドされた商品を組み合わせ、定期的にセットで発送。数種類の商品と関連するカタログやリーフレットを組み合わせると、月に数百ものパターンが発生します。

知識を持った専任のスタッフが、数万人のお客様に対してミスなく正確に、遅れることなく発送を行っています。

詳しくは事例詳細記事をご覧ください。

まとめ

この記事では、化粧品の発送代行業務の概要と、委託業者を選ぶ時のポイントについて解説しました。

化粧品業界には、国内外の大企業はもちろん、中小やスタートアップ、ベンチャー企業などの多くのブランドが存在します。

その中から消費者に自社の商品を選んでもらうためには、商品開発やリサーチに注力し、魅力的な商品を生み出さなくてはなりません。

そのためには、人的資源が限られる中、豊富なノウハウを持った発送代行業者の手を借りることで物流業務の負担を減らし、業務を効率化することが重要です。

オーダー!では、豊富な経験をもとに化粧品物流の複雑な発送・管理業務にも対応した物流サービスを実現。

化粧品物流に課題を抱えている方、物流でさらなる付加価値向上をねらいたいという方は、ぜひ物流代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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物流代行全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。