健康食品は消費者の関心が高く、コロナ禍の影響もあり市場規模が拡大している分野の一つです。
特にオンラインでの購買が増加し、ECサイトを通じた販売が重要な戦略となっています。だからこそ、消費者の関心を把握し、競合他社との差別化を測る必要があります。この記事では、
- 健康食品を製造・販売する際にはどんなことをすればいいの？
- 競合他社と差をつけたり、自社商品に興味をもってもらうためには？
といった健康食品の製造・販売に関する課題に対処するためのポイントを紹介します。さらに、SEO対策やデジタルマーケティングを活用した効果的なプロモーション方法についても詳しく解説します。
健康食品の市場規模
毎年市場規模を拡大している健康食品。株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度はメーカー出荷金額ベースで前年度と比べて2.5%増加しています。特に、オンライン販売の増加が市場拡大の一因となっており、ECサイトを通じた販売が今後さらに重要性を増すことが予想されます。
この背景には、2020年初めからの新型コロナウイルス感染症の流行を受け、消費者の健康意識が高まり、また健康面に不安を感じる人が増えたことなどが要因とされています。
今後の市場動向を注視しながら、効果的なマーケティング戦略を立てることが必要です。
健康食品は現在、より注目を集める分野となっていることが分かりましたか？
健康食品ECの種類
健康食品ECサイトは大きく分けて自社製造・販売型と代理店型の2つに分けられます。それぞれのビジネスモデルに適した戦略を取り入れることで、オンライン上での競争力を高めることが可能です。
自社製造・販売型（食品D2C）
自社製造・販売型は、オリジナル商品を開発・製造し、自社サイトで販売するタイプです。メリットは、独自の商品で差別化を図りやすく、利益率が高いこと。
また、自社ブランドを確立することで、SEOやブランド検索を通じて、より高いコンバージョン率が期待できます。
デメリットは、代理店型に比べて初期投資や運営コストなどがかかることが挙げられます。
代理店型
代理店型は、他社商品を仕入れて、自社サイトで販売する形態です。開発や製造が不要で新規参入がしやすく、初期投資や運営コストを抑えられるというメリットがありますが、利益率は低くなります。
しかし、SEOの観点からは、人気商品を取り扱うことで検索トラフィックを増やし、サイト全体の評価を高めることができます。
健康食品EC事業を検討する際は、メリットとデメリットを比較し、自社に最適な選択を見極めましょう。
健康食品ECを始める前に必要な許可・確認事項
健康食品は消費者が口にし、また健康上の機能をうたっているという特徴上、衛生管理の徹底が求められます。衛生管理の徹底は、SEOにおいても信頼性の高いサイトとして評価される要因の一つです。食品取り扱いにおいて、商品の安全性を確保するために衛生面に注意を払いましょう。
また、販売を始める前に必要な許可や確認事項があります。適切な手続きを行い、法令遵守に努めましょう。これにより、検索エンジンからの評価も向上し、サイト全体のパフォーマンスにプラスの影響を与えることが期待できます。
自社で製造を行う場合は食品衛生法に基づく営業許可が必須
自社で健康食品を製造する場合、食品衛生法に基づく営業許可を必ず取得しなければなりません。これは、商品の安全性を確保し、消費者に安心して購入していただくための重要な手続き。
営業許可の取得と衛生管理の徹底は、消費者の信頼獲得に直結し、これが長期的にはSEOパフォーマンスの向上にも寄与します。
なお、営業許可を取得するためには、衛生管理が徹底された施設や適切な製造プロセスが求められます。
健康食品の表示に関する法律やガイドラインを遵守する
健康食品の表示や広告には、健康増進法や食品衛生法などの法律が適用されます。これらの法律では、虚偽や誇大な表示を禁止し、消費者に正しい情報を提供することを求めています。
また、厚生労働省や消費者庁などが発表しているガイドラインに従い、健康食品の安全性や機能性に関する表示を行う必要があります。例えば「保健機能食品」として認められた商品であれば「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」のいずれかのマークを表示することが義務づけられています。
自社で製造せずに他社から仕入れる場合でも、自分で販売する商品の表示内容を確認し、法律やガイドラインに違反していないかどうかをチェックすることが重要です。もし不適切な表示があった場合は、仕入れ先に修正を依頼したり、商品を変更したりする必要があります。
これにより、消費者への信頼性を高め、サイト全体の評価を向上させることが期待できます。
健康食品を販売・製造する際には必要な許可や確認事項があることが分かりましたか？消費者に安心して使い続けてもらうためにも、おそそかにせず対応しましょう。
食品D2Cで健康食品ECを始める際の5つのポイント
健康食品ECを始める際許可や確認事項以外にすべきことを解説します。
大前提として、商品が消費者・特にターゲットにとって魅力的であることは必須。さらに、健康食品は法律やガイドラインにより効果や効能を謳えないものであるからこそ、押さえておきたいポイントがあります。
これらを踏まえたうえで、ビジネス展開を行うことで、競争の激しい市場でも優位に立つことが可能です。
【1】複数の競合の施策や価格をチェックし、自社のCPA（顧客獲得単価）や広告費を事前算出
健康食品ECを始める際は、ニーズや競合状況を調査し、差別を図ったり付加価値のある商品を選んだりすることが重要。また、これらのデータを基に仮説を立て、テストマーケティングを行うことで、より精度の高い戦略を構築することができます。
これにより、市場の動向を把握し、自社のCPA（顧客獲得単価）や広告費を事前に算出することが可能。適切な戦略を立てることで、効果的なビジネス展開ができます。
また、仕入れ先を探す際には、信頼性や価格競争力などをチェックし、複数の業者と比較検討するとよいでしょう。適切なデータ分析と戦略立案は、ビジネスの成功に直結します。
【2】商品の魅力が伝わるLPや広告コピーを固め、広告露出先も担保する
商品の魅力が伝わるLP（ランディングページ）を作成し、アフィリエイト広告やリスティングなどで広告露出を担保しましょう。
視覚的な要素も活用し、動画やインフォグラフィックを取り入れることで、より直感的に商品の魅力を伝えることができます。これにより、消費者に商品の魅力や特徴を知ってもらうことができます。
健康食品のLPは「満足度○○％」のような客観的なデータを掲載したり、「一週間お試し」などのトライアルへの誘導を行うと、より効果的に集客が可能に。
さらに、すでに商品を試した体験者の声や購入者の声が入っていると、消費者の目を引き、購入の参考になります。これにより、顧客の購買意欲を高め、コンバージョン率の向上が期待できます。
ECサイト構築の始め方について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
【3】SEO対策やSNS施策を行う
商品のターゲットとなる消費者が悩んでいることをニッチキーワードで検索結果の上位に表示させたり、SNS施策で露出度を高めたりするなどの方法が考えられます。
SNSでは、インフルエンサーとの協力やユーザー生成コンテンツ（UGC）の活用も効果的です。特に、近年はSNSで顧客やフォロワーとコミュニケーションを取ることが、商品や企業の認知に大きく影響します。
さらに、SEOとSNS施策を連携させることで、オンライン上での存在感を強化し、トラフィックの増加に繋がります。
【4】リピート率を高めるために、メルマガ配信やレビュー募集などで顧客フォローを行う
マーケティング用語にCPAというものがあります。「Cost Per Action」の略で、コスト÷コンバージョン数（金額）を表したものです。
コンバージョンとは、企業側が顧客にとってもらいたい行動を指します。健康食品EC企業の場合であれば、サンプルの請求、購入などが考えられます。
特に購入をコンバージョンとする場合、リピート率が低いとCPAに見合わない状況となってしまいます。そのため、顧客フォローを行う必要があります。具体的にはメルマガの配信や、商品のレビュー依頼などが考えられます。
これらの施策は、顧客との継続的な関係構築に寄与し、長期的な売上の安定化に繋がります。
【5】顧客満足度を高めるトリガーを正確に把握する
ターゲットにとって、どんなことが満足度向上につながるのかを把握しましょう。例えば「早く届く」ことであれば、物流フローを見直して発送のリードタイムを短縮させることなどが挙げられます。
さらに、顧客の声を定期的に収集し、フィードバックを基に商品やサービスの改善を行うことで、顧客満足度を維持・向上させることが可能です。
把握したあとは、その要因を改善し、高められる点がないかを検討しましょう。例えば「早く届く」ことであれば、物流フローを見直して発送のリードタイムを短縮させることなどが挙げられます。
このような細かな対応が、顧客のロイヤリティを高め、リピート購入に繋がります。
健康食品の管理～発送のコツ
健康食品やサプリメントは、賞味期限や保存方法に注意が必要。特に、消費者に対する信頼を維持するためには、品質管理の徹底が求められます。決められた環境で保管しないと変質してしまい、正しく効果を発揮できない可能性があるからです。
自社で保管する場合は、温度や湿度を適切に管理し、賞味期限が近いものから優先的に出荷するようにしましょう。
また、健康食品は、定期購入やキャンペーンなどで出荷量が大きく変動することがあります。この変動に対応するためには、柔軟な在庫管理と効果的な物流フローが不可欠です。
自社で発送する場合は、在庫管理や梱包作業に十分な人員と機材を用意し、迅速かつ正確な発送を行うようにしましょう。適切な管理と発送は、顧客満足度の向上とリピート購入に繋がる重要な要素です。
自社で保管・発送する場合の注意点
賞味期限や保存方法をチェックし、品質を保ちます。
特に、温度や湿度管理は、製品の劣化を防ぐために不可欠です。在庫管理や梱包作業に十分な人員と機材を確保し、正確に発送することがポイントです。さらに、季節ごとの環境変化にも対応できる設備や管理体制を整えることが求められます。
物流倉庫に委託する場合のメリットと選び方
健康食品ECを行う際、物流を管理し、発送を行うことは想像以上に大変なものです。そこで、物流を業者に委託するという方法があります。
外部委託は、リソースをコア業務に集中させることができるという大きな利点もあります。
物流を外部に委託するメリットは、品質管理やコスト削減が期待できることです。また、プロのノウハウで入庫から発送までを管理・遂行してくれますので、ミスも減らし、効率的に業務を行えます。さらに、委託先の選定においては、技術的な対応力やデータ管理の精度も考慮することが重要です。
業者を選ぶ際には、健康食品やサプリメントの取り扱い経験が豊富で、定期便やノベルティなどの特殊な発送方法に対応できる物流倉庫を選ぶとよいでしょう。これにより、顧客満足度の向上と、EC事業のスムーズな運営が期待できます。
健康食品/サプリメントの物流会社選びについて詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
健康食品は品質管理が非常に重要だということが分かりましたか？また、管理から発送までに気をつけるべきポイントが複数ありますので、確認しておきましょう！
健康食品ECはサイト構築～運用までオーダー！にお任せ
オーダー！は、お客様のビジネスをさまざまな面からサポートするビジネス・コンシェルジュとして、日々お客様の課題を解決するサービスを提供しています。
オーダー！が提供しているメニューの一つに「物流代行」があります。また「これをお願い！個別相談メニュー」では、お客様の課題や要望をヒアリングした上で、最適なソリューションをご提示しています。具体的には、以下のような業務を代行できます。
- ECサイトの商品 在庫管理・発送
- 個人事業主向け 在庫管理・発送
- カスタマイズサービス（化粧箱を組み立て、複数パターンの商品梱包・発送を行うなど）
- 海外向け発送（国際郵便（EMS）を利用した海外への商品発送代行）
- 物流システム導入（オーダー！が独自開発した物流システムを活用した導入支援）
- 内職代行（封入、ラベル貼り、検品検針作業など）
- EC用の商品撮影 ※弊社倉庫にて撮影可能。倉庫からスタジオへ商材を運び出す手間が省けて便利です。
また、ECサイトの構築も手掛けていますので、健康食品ECに関しては販売から発送までを一気通貫で請け負うこともできます。
オーダー！の強みの一つは、EC＋物流をセットで手掛けられることです。この2つの業務をセットで業者に依頼することには、以下のようなメリットがあります。
- 在庫管理、顧客情報を専用システムで管理できる
- 在庫管理ミスを削減できる
- ECサイト担当者、倉庫管理者間のコミュニケーションコストを削減できる
- 本来力をいれるべき業務や、新規の施策などに集中できる
特に健康食品ECを始めたばかりの企業や人的リソースが潤沢でない企業の方には、ぜひセットで外部委託することをおすすめします。
まとめ
健康食品はニーズの高い商品であるからこそ、競合企業も多く、差別化を行うことが求められます。差別化のポイントは数多くありますが、ECサイトの構築は商品に興味を持ってもらい、購入につなげる部分であり、物流は「早く届く」「正確に届く」部分を担う重要な部分といえます。
オーダー！であれば、ECサイト構築から物流までを代行できますので、健康食品ECを効率的に遂行するためのお手伝いが可能です。ぜひ、自社の健康食品ECに課題を抱えている企業担当者の方はご検討ください。
健康食品の物流全般について理解したい方は、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。