多くの企業では、従業員が業務を効率的に進めるためにパソコン(PC)を支給しています。近年はデスクトップ型だけでなく、フリーアドレス制や在宅勤務など、柔軟な働き方を支援するためにノートパソコンを支給することも一般的です。

しかし、ノートパソコンは持ち運びができることから、情報漏えいや電車や外出先への置き忘れ、不特定多数がアクセスできるWi-Fiに接続することでウイルスに感染するなどのリスクが高まるというデメリットもあります。

これらのリスクを回避するために、パソコンの支給前にセキュリティ対策や業務に必要なアプリケーションのインストール、ディスプレイ・言語の設定などを一括で行うことをキッティングと呼びます。

キッティングは従業員がパソコンを利用するために欠かせない業務です。しかし、短期間で大量のパソコンに対してミスなく設定することは企業にとって大きな負担でもあります。

今回は、パソコンのキッティングについて以下の内容を紹介します。

  • 具体的にどんな作業が発生するか
  • 自社で行う際、どんな課題が発生するか
  • 外注するとどんなメリットが得られるか
  • 外注した場合の価格

この記事を読めば、自社でキッティングを行う際にどんな課題が発生しうるのか、外注の際に得られるメリットやどれくらいの価格で依頼できるのかなどを把握できるでしょう。

キッティング全般については以下の記事も参考にしてください。

パソコン(PC)キッティングとは

パソコン(PC)キッティングとは

まずは、パソコンのキッティングとは何かを確認しておきましょう。

キッティングとは、パソコンやスマートフォンをはじめとするデバイスの各種設定や、ソフトウェアのインストールなどを行う作業全般を指します。

「キッティング」という名前は英語の”kit”から来ています。kitという単語には、「装備一式を準備する」という意味があります。このことからも分かるように、キッティングではエンドユーザーがパソコンやデバイスをすぐに業務に使用できる状態まで準備します。

新入社員が入社する際やパソコンの買い替え時、オフィス移転時などパソコンのキッティングはさまざまなタイミングで必要となります。その際に、1台のみキッティングするケースはまれです。大半は数十台、ときには数万台といった規模で行います

パソコン(PC)キッティング・作業内容

次にパソコンのキッティングについて、具体的な作業内容を説明します。

まず押さえておくべきは、パソコンのキッティング作業には手作業クローニングがある点です。それぞれどんな手順で作業を行うのでしょうか。見ていきましょう。

手作業の手順

手作業は、文字通り最初から最後まで人の手によって行います。開梱から順番に始めていき、使える状態までセットアップを行います。完了したら、パソコンに管理番号を付与し、管理台帳に登録することで管理します。

具体的には以下の手順で作業を行います。

  1. デバイスの開梱・周辺機器の接続
  2. 充電・電源の確認
  3. OSのインストールおよび初期設定
  4. ネットワークの設定
  5. プリインアプリケーションの削除
  6. 業務アプリケーションのインストールおよび設定
  7. セキュリティ対策
  8. 動作確認
  9. 管理番号ラベルの貼り付け
  10. 管理台帳への記帳

クローニングの手順

クローニングとは、1台のマスターPCを作成し、マスターPCに設定したい内容をインプットします。そして、その内容を他のPCに反映させる作業です。

具体的には以下の手順で作業を進めます。

  1. マスターPCの作成
  2. マシンの固有情報を削除
  3. マスターイメージの抽出
  4. 各パソコンのブートオーダーの変更
  5. クローニング
  6. 個別キッティング
  7. 各種設定の動作確認
  8. 管理番号ラベルの貼り付け
  9. 管理台帳への記帳

手作業とクローニングのどちらにするかは、対応するPCの台数や機種の多さ、メリット・デメリットなどの総合的な情報から判断しましょう。

キッティングは方法にかかわらず、作業内容が多いことが分かります。通常業務を行いながら進めることは企業にとって負担になりそうですね!

パソコン(PC)キッティング・課題

パソコン(PC)キッティング・課題

それでは、パソコンのキッティングにはどんな課題があるのでしょうか。ここでその内容を確認します。

パソコン(PC)キッティング・課題

時間がかかる

キッティングはすべきことが多く、時間がかかりますPC1台につきおおよそ1時間程度かかると考えるべきでしょう。台数や機種が増えるとさらに作業時間が増えるため、その分従業員の負担は膨大になります

設定ミス

特にクローニングでキッティングを行う場合、設定ミスをしてしまうと全てのPCに影響を与えますそのため、マスターPC作成の段階でミスを起こさないようにしなければなりません。クローニングには高いキッティング技術、および細心の注意が必要なのです。

人手不足

現在、日本企業はあらゆる部門で人手不足が深刻化しています。PCの管理を行う情報システム部門も例外ではありません。

実際に、情報システム部門で働く824名を対象としたアンケートによると、「情報システム部門の課題や困っていること」という質問に対し、55.7%が「人手不足」と回答していますこれは、同アンケートの回答数の1位を獲得している回答です。

出典:株式会社ハイパー「企業におけるパソコン調達の市場調査」

このように、普段の業務に余裕がない中で、時間がかかり、ミスが許されないパソコンのキッティングを行うのは難しいことです。そこで、ソリューションの一つとしてアウトソーシングの検討をおすすめします。

パソコン(PC)キッティング代行のメリット

パソコン(PC)キッティング代行のメリット

この章では、パソコンのキッティングをアウトソーシングするメリットを確認しましょう。

パソコン(PC)キッティング代行のメリット

適切な設定ができる

代行を依頼するとプロが設定を行うため、設定ミスが起こりにくいと考えられます。代行を請け負う企業はPC1台ごとの作業記録を残すケースが多いので、不具合にも対応可能です。

また、プロのノウハウでキッティングを行うため、台数が多くても品質は一定を保てます

短期間でセットアップできる

プロのキッティングは品質を保つだけでなく、素早いセットアップも期待できます。自社で行うよりも短時間でデバイスを使用できる可能性が高く、使用できる日の見通しも立てやすいでしょう。

スペースに悩まない

PCの台数が多いと、時間や人件費だけではなくPCを置くスペースの問題も発生します。特に都心のオフィスやスタートアップ、中小企業にとって、キッティングのためのスペース確保の課題は大きいですが、代行すれば問題ありません

アランくん

パソコンのキッティングを自社で行う際の課題と、アウトソーシングする際のメリットが分かりましたか?

パソコン(PC)キッティングの代行範囲

次にパソコンのキッティングを業者に依頼した場合、どんな業務を代行してもらえるのかを紹介していきます。まず、以下の図をご覧下さい。パソコン(PC)キッティングの一般的な代行範囲です。

パソコン(PC)キッティングの代行範囲

代行範囲はサービスによって異なりますが、トータルサポートをしてくれるサービスも存在します。

導入サポート

端末の設定や調達などを行います。

端末のキッティング

「パソコン(PC)のキッティング・作業内容」で挙げた作業内容を行います。手作業で行うのか、クローニングで行うのかは、台数や種類によって決定されます。

アフターサポート

サービスによっては端末回収・廃棄・手順書の作成・ヘルプデスクなど、キッティング後に新しいPCをスムーズに使用するためのサポートを提供しているところもあります

パソコン(PC)キッティング代行の費用相場

以下は、パソコンのキッティングサービスの相場を表にしたものです。

※1台あたりの費用相場

PCの設置・環境設定1,000〜10,000円
各種システムのインストール3,000〜5,000円
データの展開・コピー1,000〜20,000円
バックアップ・アップデート10,000〜20,000円

キッティングを代行依頼する場合、デバイス数が多いほどリーズナブルになるサービスもあります。そのため、依頼する場合は相見積もりをとることがおすすめです。

パソコン(PC)キッティングはオーダー!におまかせください

パソコン(PC)キッティングはオーダー!

オーダー!はお客様の事業や組織の成功を実現させるためのビジネスコンシェルジュとして、さまざまな業務を代行しています。その中の一つである「IT業務代行サービス」にて、パソコンのキッティング作業を代行可能です

オーダー!で可能なキッティング内容は以下の通りです。

  • ハードウェアキッティング:ハードディスク、メモリ、オプションなど
  • マスターイメージ作成:マスター作成、マスターイメージよりインストール(クローン展開)
  • マスターイメージを使わない場合は個別インストール:最新OSへのアップデート、セキュリティポリシーの適用
  • 設定、アプリケーションインストール
  • その他個別設定:MDMデバイス登録、パスワード設定、デバイス名の変更など
  • 設定の動作確認
  • 基本動作確認

オーダー!ではいくつかメニューを用意していますが、その中でも「まるっとお任せ!定額運用メニュー」は必要な業務を契約期間、時間に合わせて対象業務から選択しご利用いただけるメニューです。対象業務は契約時に打ち合わせのうえ、決定いただけます。

こちらのメニューで、デバイス管理を承ることも可能です。

【まるっとお任せ!定額運用メニュー】
・料金:10万円/月
・期間:3ヵ月単位
・実働時間:30時間/月

パソコン(PC)キッティング代行のFAQ(よくある質問)

​​ここではオーダー!によく寄せられる、パソコンのキッティング代行に関する質問にお答えします。

Q1.技術的なキッティング以外もおまかせできますか?

以下のような、技術以外の手間のかかる作業も個別で対応しています。

  • バッテリー充電
  • OA機器の通電確認
  • 通信機器の通信確認
  • データ入力
  • ラベル(テプラ)貼り
  • デバイスメイン画面へのフィルム貼り
  • デバイス本体へのケース装着
  • 梱包、配送

Q2.パソコン(PC)をメーカーから倉庫へ直接送付できますか?

弊社は自社にて倉庫を保有しています。そのため、各メーカーからパソコンを倉庫へ直送してもらい、そこで各種作業を行い梱包して発送可能です。物流会社がキッティングを担うのでモノの移動を最低限にできることが強みです。

内製でキッティングする場合、一度会社にパソコンを集め、キッティング作業後にまた物流倉庫へ送って保管。それからエンドユーザーへ配送する、という工程を経ます。

オーダー!ではこの物流工程を省くため、キッティングにかかるコストを削減できるのです。

Q3.実際にキッティングを行う場所はどこですか?見学したいです。

一般的にパソコンのキッティングを代行している企業は、作業場所の関係もあり地方にあることが大半です。

一方、オーダー!の倉庫は関東近辺に所在。 そのため、担当者の指示や視察を行いやすい環境にあります。

 例えば、首都圏に存在する企業が技術的なキッティングを実施し、技術以外のキッティングをオーダー!に外注するのもおすすめです。モノの移動が楽になるでしょう。

アランくん

オーダー!のキッティングの強みをご理解いただけましたでしょうか。興味を持たれた方は、ぜひお申込みをご検討下さい!

パソコン(PC)キッティングのまとめ

企業にとって大きな負担となるパソコンのキッティング。アウトソーシングすることで、効率的なキッティングが叶い、コア業務に集中できます。

オーダー!では、技術以外の手間のかかる業務も個別で対応可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。

スマホのキッティングについては以下の記事により詳しくまとめていますので、参考にしてください。