年々加熱する健康ブームに伴い、健康補助食品であるサプリメントの売り上げも増加しています。

拡大をみせる健康食品業界にて、ECや通販の販売チャネルを増やすなど、サプリメントの販路拡大を検討している企業も多いのではないでしょうか。

サプリメントは食品のため、適切な環境下で品質管理をする必要があります。また、売上アップを期待できる流通加工や、製品トラブルに備えたロットごとの商品管理など、サプリメントの物流において留意すべき点はたくさんあります。

物流の負担が増えた分自社対応の難しさや現在アウトソースしている物流サービスへの不満を感じる方もいるかもしれません。そこで今回は、サプリメントの発送を委託する物流会社の選び方について解説します。

  • サプリメントの保管から出荷までをまとめてアウトソースし、自社業務に集中したい
  • 細かい要望にも柔軟に対応してくれる物流会社を選びたい

このような企業には必見の内容です。サプリメント物流会社の4つの選定基準を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

サプリメントとは

サプリメントは、健康維持や健康増進に効果があるとされる成分を濃縮し、タブレット状やカプセル状にしたものです。

サプリメントと似た言葉に「健康食品」がありますが、サプリメントと健康食品では定義が異なります。実は、健康食品は国が安全性・有効性を確認し表示を許可したA類と、その他のB類に分かれています。

A類国が安全性・有効性を確認し表示を許可しているもの特別用途食品・特定保健用食品・栄養機能食品
B類A類以外のもの(いわゆる健康食品といわれているもの)機能性食品・栄養補助食品・サプリメントなど
出典:厚生労働省「健康食品やサプリメントの名称について」

サプリメントは一部の健康食品と同じグループBに分類され、得られる効果は健康食品と相違ありません。

しかしながら、健康食品は栄養バランスを考えた食事をしながら、そのサポートとして足りない栄養分を補うのに対し、サプリメントは美容目的や筋力増強、疲労回復など、目的に合わせて用いられることが多くあります。

また、健康食品はビスケットタイプから飲料に至るまで、その形状は多岐にわたります。一方サプリメントは、カプセルやタブレットなど成分が粒状に凝縮されたものがほとんどです。

サプリメントは粒状のため、健康食品に比べると小さくはありますが、直接口にするものです。倉庫保管時の温度管理や製造日に基づいた出荷など、品質を維持した状態での出荷が必要といえます。

また、サプリメントの倉庫保管から出荷、顧客への配送に至るまでスムーズな物流ができるかも重要な要素となるでしょう。

条件を満たす業者に委託することが大切ですが、自社に合った物流会社を見つけるのはむずかしいですよね

そこで、EC・通販のサプリメント出荷業務を委託できる物流会社の選定基準を、次章より解説していきます。

サプリメント物流の選び方1:管理方法

サプリメント物流を委託するなら、品質を維持できる管理方法がなされているかを見極めなければいけません。

管理状態が悪く変色したり、消費期限が近かったり、品質が低下したサプリメントを顧客に届けてしまうと、企業の信頼を失うばかりか健康被害の発生につながりかねません。

以下を基準に、管理方法が明確な物流会社を選定しましょう。

ロット管理

サプリメントの在庫保管では、ロットごとの管理が重要です。

ロットとは、製造された年月日ごとに振り分けられたグループで、それぞれに番号を割り当て区別します。消費期限を確認しながら適した製品の出荷(先入先出法)が可能になり、余剰在庫も増えません。

一方ロット管理がなされていないと、消費期限が近いサプリメントを出荷する危険があり、顧客からのクレームにつながってしまいます。よって、製造日を基に先入先出法を行ってくれる物流会社を選ぶようにしましょう。

弊社(オーダー!)の場合

弊社(オーダー!)ではロット管理により、消費期限に余裕のある状態で顧客へ出荷するよう運用を取り決めています

【主な運用ルール】

  • 消費期限が3ヵ月をきるサプリメントメントは出荷しない
  • 出荷指示データにロットNO(消費)を記載いただく
  • ロットごとの商品回収が必要な場合に備え、情報管理を徹底している

異物混入などでリコール対象となった際にも、どのロットが誰に配送されたかが明確であるため、迅速な対応が可能です。

環境管理

サプリメントは基本的には常温で保存とされていますが、冬と夏では湿度や気温差があるため、ある程度の温度調節が必要です。

サプリメントに適した環境は以下のとおりです。

  • 直射日光が当たらない冷暗所
  • 室温15~30℃
  • 湿度40~60%

※冷蔵庫での保管は、湿気たり変色の恐れがあったりするため向いていません。

上記の環境下でサプリメントを保管できる物流会社選びが大切といえるでしょう。

サプリメントの倉庫での管理方法については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

弊社(オーダー!)の場合

より正確な情報を提供するため、倉庫の室温・湿度を毎日報告するオプションにも対応。商品を保管している倉庫内のデジタル温湿度計を撮影(9時・12時・15時の1日3回)し、毎日メールにて報告した事例もあります。

このように、オーダー!ではお預かりした大切なサプリメントを安心してお客様のもとへお届けできるよう、最善を尽くしています。

在庫管理

サプリメントのEC・通販は販売チャネルが多いため、高い在庫管理能力が必要です。

広告を打ち出す機会も頻繁で、セール時にはサプリメントの注文が集中することも。このような出荷波動への対応力も含めた在庫管理が求められます。

波動管理には日単位での出荷件数管理が必要となるため、可能な業者を選びましょう。

また、以下への対応が可能かもチェックしてください。

  • 複数の納品先(個人向け、商品センター向け、リアル店舗向けなど)への出荷 
  • 越境EC(海外発送向け販売・発送)
  • ECプラットフォームごとに適した在庫管理やルールの遵守

くわえて、バックヤードにおいて、効率的な運用ができるかどうかも重要です。商品に関する問い合わせや注文に対し、メールやコールセンター対応ができるのか、システムの導入が必要になるのかも確認しましょう。

在庫管理のやり方については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

システム・データ連携

在庫管理とあわせて確認すべきことの一つに、システム・データ連携があります。

物流会社の大半は、独自のOMS(受注管理システム)やWMS(倉庫管理システム)を導入しています。よって、自社システムや販売チャネルごとのシステムと柔軟に連携できるかを確認しておく必要があるのです。

アランくん

誤出荷や不良品、転売トラブルが発生した際に、トレース機能によるデータの提供ができるかも重要なチェックポイントです!

WMS(倉庫管理システム)については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

サプリメント物流の選び方2:流通加工

次の選定基準は、流通加工の有無です。流通加工できる物流業者であれば、アップセル・クロスセルの提案も行えます。

アップセルは、一人当たりの購入単価を上げることを目標とした施策です。

すでに購入を決めている商品よりも、より高価な商品をおすすめしたり、定期購入やまとめ買いを提案したりし、一人当たりの購入金額がより高くなるようにアプローチします。

一方、顧客の購入金額を上げることを目的とした戦略をクロスセルと呼びます。

すでに購入品が決まっている顧客に対し、商品以外の関連商品も購入してもらえるよう、新商品のサンプルや試供品を提供してアピールします。

つまり、流通加工できる業者を選べば、顧客単価を上げる施策が行えるのです。具体的にどのような流通加工に対応できる業者がいいのか、確認していきましょう。

物流会社の選び方:流通加工

ノベルティ・サンプルの対応

まず、ノベルティやサンプルなど、付属品の同梱発送が可能かをチェックしてください。新商品のサンプルや試供品の同封はクロスセル戦略であり、美容や健康によりよい効果がある製品を求めている顧客に響きます。

しかしながら、細々とした出荷作業を苦手とする物流会社も存在します。どこまで対応してくれるのか、事前に確かめる必要があるでしょう。

チラシの同梱

次にチェックしたいのは、チラシを同梱できるかどうかです。サプリメントを購入した際、あいさつ文などのチラシが入っているだけで顧客満足度は上がります。

例えば、継続的な摂取で効果が得られているリピーターの声が掲載されたチラシは、顧客の製品への安心感を高めます。アップセルやクロスセルが見込まれるでしょう。

このような理由から、チラシの同梱も行ってくれる物流業者を視野に入れるべきなのです。

流通加工(物流加工)業務については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみて下さい。

サプリメント物流の選び方3:資材

ここでは、資材に関した物流業者の選び方を解説します。

資材を提案できるか

資材の点からいうと、オリジナル資材を使用できる物流会社を選びたいところです。

通販利用で多数の荷物が届くなか、オリジナリティのある梱包資材にこだわることで競合企業と差をつけられます。オリジナル資材を使用すれば、ユーザーへより強くブランドメッセージを伝えることが可能です。さらに、商品サイズに合った資材のため、作業効率アップや配送料のコストカットも叶います

しかしながら、物流業者の中には既存の資材以外は受け付けなかったり、新規資材の組み立てにリソースを要し、対応できない会社もあります。

自社オリジナル資材の使用が可能で、かつ顧客ニーズに対して柔軟に対応できる物流会社が望ましいといえるでしょう。

サプリメント物流の選び方4:配送方法

物流の要ともいえる配送方法。顧客に合わせた出荷体制がとれる物流会社が理想です。不在でも受け取れるポスト投函や、翌日配送可能な時間指定の宅急便など、配送方法は多岐に渡ります。

また、物流会社に出荷業務を委託することで配送コストを削減できるメリットもあります。具体的な見極めポイントを確認していきましょう。

ポスト投函が可能かどうか

最初に確認したい点は、ポスト投函が可能かどうかです。ポスト投函は、在宅・不在にかかわらずポストに商品が投函される、便利で手軽な配送方法です。

代表的なポスト投函はヤマト運輸のサービスで、宅急便コンパクトやネコポスが挙げられます。サプリメントの基本サイズは以下の図のとおりです。

上記のサイズであればポスト投函が可能であり、宅配便よりコストがかかりません。つまり、ポスト投函も可能な業者を選べば、物流コストが抑えられるということです。

配送業者を選択できるか

ECや通販でサプリメントを購入するうえで欠かせないのが、配送業者の選択可否です。

「旅行に行くので注文翌日には受け取りたい」「家族に中身を見られたくないので、自分が在宅している時間に受け取りたい」など顧客ニーズはさまざまです。

顧客は配送日程を重視します。柔軟かつ、スピーディーに出荷できる物流業者を選ぶと、よりユーザーが利用しやすいEC・通販サイトになるでしょう。

定期便は対応可能か

定期便に対応可能かも、大事な見極めポイントです。

継続的に摂取することでより高い効果が得られるサプリメントは、定期購入をする方も多くいます。単体購入よりもお得だったり、特典が付いたりする定期購入プランが多く、アップセルが見込めるため積極的にアプローチしている企業も多いでしょう。

  • 定期便の使用回数でノベルティやサンプルを変更
  • 定期便のスキップや停止

上記の内容に対応可能かを確認してみてください。

物流拠点の立地はよいか

顧客へスムーズにサプリメントを届けたいなら、物流拠点となる立地も精査しましょう。

立地によってサービスレベルや配送スピードは変化します。費用が安価だからといって不便な場所の倉庫を選ぶと、集荷頻度が少ない、翌日配送が間に合わない、といった状況に陥ることも。

配達遅延は顧客からのクレームに繋がる他、企業への不信感を生んでしまいます。スピード感を持って対応できる物流拠点を選ぶようにしてください。

倉庫の立地については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

サプリメント物流ならオーダー!におまかせ

オーダー!は、日々の業務や企業のビジネスを強力にサポートするビジネスコンシェルジュです。サプリメントの倉庫保管から管理、出荷までを一気通貫で支援。また、カスタマイズサービスにて、各企業にあわせた流通加工も実施しています。

【流通加工・対応可能業務】

  • タグ付け
  • 値札付け
  • 箱詰め
  • ラッピング(包装)
  • 検品作業
  • 不良品チェック
  • 同梱品チェック など

「出荷の際にもう一度検品してほしい」「季節に合わせて異なる試供品を同封したい」など、細やかなご要望にも丁寧にお応えします。

「物流ならおまかせ」と自信をもって言える理由が、オーダー!にはあります。直接顧客へ出荷する場合、在庫保管スペースの確保や管理、梱包に出荷手配と手間や時間もかかりますが、オーダー!なら全てまとめて請け負うことが可能。さらに、自社でまかなうより物流費用を抑えられるメリットもあります。

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EC物流の課題を全力解決

オーダー!で物流費用を抑えられる理由

オーダー!では、各メーカー・工場から商品を倉庫へ直送。倉庫にてご依頼作業や梱包を行ったあとに出荷するため、物流の手間とコストを削減できます。

また、配送会社と特約運賃で契約しているため、EC・通販会社から直接顧客へ発送するよりも発送費用が安く済むのです。

EC・通販会社から直接出荷する場合、出荷量が少ないために特約運賃が適用されないことも。しかしオーダー!なら、物流加工費用+配送費用で一般的な配送料(700円程度)に抑えられるのです。

オーダー!のサプリメント物流事例

オーダー!では、毎月の定額利用料を支払うことでサプリメントを受け取れる、サブスクリプションモデルの物流業務を請け負っています。

新規顧客向けのセットを送付後、毎月月末にサプリメントを配送。ロット管理、先出・先入法により、サプリメントの品質を保持しながら物流対応を行っています。

サプリメント物流のまとめ

この記事では、サプリメントの出荷を委託する物流会社の選び方について解説しました。

物流会社を選ぶ際にチェックしたいポイントは、以下の4つです。

  • サプリメントの品質維持が可能な倉庫での保管や管理
  • 顧客に合わせたアプローチが可能な流通加工
  • 競合他社から抜きんでるオリジナル資材対応
  • 迅速かつコストが削減できる配送業者との契約有無

上記の条件をクリアする物流会社に委託するとさまざまなメリットがあります。

流通加工によるアップセル・クロスセル戦略や、オリジナル資材の使用による他社との差別化によって、売上アップを狙えるでしょう。

物流会社に委託すると、高額な費用がかかると思うかもしれません。しかし、配送会社との特約運賃にて出荷している物流会社に委託すれば、物流コストを下げられる他、より迅速な配送が可能になります。

オーダー!は、細やかなカスタマイズ対応により、クライアント企業の業務効率化やコスト削減を日々サポートしています。サプリメントのEC・通販の物流委託を検討している方は、ぜひ一度お問い合わせ下さい!

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