サプリメント(健康食品)の販売を手掛ける企業にとって、製造プロセスは重要な工程です。しかし、製造設備や専門知識が不足していると、品質の確保やコスト管理が難しくなることがあります。そんなときに選択肢となるのが「サプリメントOEM」です。

この記事では、OEMの仕組みやメリット、選び方などを解説します。

「信頼できるOEMメーカーはどう見分けるのか」
「OEMでの製造プロセスはどう進むのか」

このような疑問を解消でき、読後にはOEM導入への一歩が踏み出せるでしょう。

サプリメントOEMとは

サプリメントOEM(Original Equipment Manufacturing)は、サプリメントの製造を外部業者に委託する方法です。OEMを利用することで、自社に製造設備や技術がなくても高品質なサプリメントの販売が可能。製品開発にかかる初期コストを抑えながらも、自社のブランド力を高めることができます。

サプリメントOEMのメリット

サプリメントOEMには、コスト削減や品質向上など3つの大きなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

サプリメントOEMのメリット
  1. コストを抑えられる
  2. 品質と規制を守ることができる
  3. 他社と差別化できる

コストを抑えられる

一つ目のメリットは、コストを削減できることです。自社で製造設備を持つ必要がないため、初期投資を大幅に抑えられます。

さらに、製造スタッフの雇用や育成にかかる人的コストも発生しません。よって、製造以外のマーケティングや販売といったコア業務にリソースを集中し、ビジネスの効率を高めることが可能です。

品質と規制を守ることができる

次のメリットは、サプリメント製品の品質と規制の遵守が容易な点です。

専門的な知識を持つOEM業者は、高品質な製品を提供するための設備と技術を備えています。また、サプリメントの製造には様々な法規制がありますが、経験豊富な業者はこれらの規制に精通しており、規制遵守が保証されます。

アランくん

適切なOEM業者を選ぶことで、安心して市場に投入できる製品を作成できるでしょう。 

他社と差別化できる

他社と差別化を図れることも、OEMのメリットの一つです。競争の激しいサプリメント市場では、独自性を打ち出すことが重要になります。

OEMを利用すれば、製品やパッケージのカスタマイズ、多様なラインナップの展開が可能です。オリジナル性のある製品を開発し、消費者に強い印象を与えることができます。

サプリメントOEMのステップ

続いて、サプリメントOEMのステップを解説していきます。

  1. 市場調査と製品企画
  2. OEM業者を探す
  3. OEM業者の選定
  4. 製品開発と試作
  5. 本生産
  6. 物流管理
  7. マーケティングと販売
  8. アフターフォロー

1.市場調査と製品企画

最初に行うのは、市場調査と製品企画です。市場のニーズや競合製品を調査し、消費者が求めるサプリメントの種類や成分を把握します。

収集、分析すべき情報は以下のとおりです。

・消費者のデータ、ニーズ
・市場トレンド
・競合製品の強み、弱み など

分析後、結果に基づいて製品のコンセプトや主要成分、形状を決定します。このプロセスをしっかりと行うことで、消費者の期待に応える製品を作成できます。

2.OEM業者を探す

次にサプリメントOEMの業者を探します。OEMメーカーを探すには、以下の方法が有効です。

インターネット検索…業者のWebサイトを調べる

OEM展示会に参加…直接業者と話し合い、設備や実績を確認できる

商工会議所で相談…地元のOEMメーカーを紹介してもらえる可能性がある

クラウドファンディングサイトを検索…OEMメーカー自身がクラウドファンディングを行っている場合がある

Alibabaや1688など中国のプラットフォームを検索…中国のメーカーは原価が安く、利益率が高い

3.OEM業者の選定

候補となるサプリメントOEMメーカーの実績や設備、品質管理レベルを確認します。具体的な見積もりやサンプルの提供を依頼し、これらを基に品質、コスト、納期といった条件を比較検討。最適な業者を選定します。

※OEM業者の選定ポイントは後述します。

4.製品開発と試作

製品開発と試作のプロセスは、サプリメントOEMの重要なステップの一つです。OEM業者と協力し、製品の具体的な処方を設計します。

設計後は試作品を製造し、その品質や効果を評価。結果を基に必要に応じて処方を調整し、製品の完成度を高めます。

また、この段階でパッケージの選定も行います。ターゲットや売り場のニーズに合わせ、アピールできるパッケージをデザインすることがポイントです。

5.本生産

これまでの準備と試作を踏まえ、OEM業者に本生産を進めてもらいます。ここでの生産が最終製品として市場に出るため、計画通りに進むことが製品の品質と納期を守るために重要です。

予期せぬトラブルが発生する可能性もあるので、製造過程のスケジュールを事前に把握し、定期的に進捗を確認することをおすすめします。

6.物流管理

完成品の物流を管理し、スムーズな出荷体制を整えます。具体的には、在庫管理、出荷スケジュール、配送業者の選定などを行いましょう。

物流業務は代行業者に委託することで、コスト効率が向上する場合もあります。物流代行を検討している方は、以下の記事を参考にしてください。

7.マーケティングと販売

オンラインストアや小売店など複数の販売チャネルを確保し、サプリメントを販売します。

販売を成功させるには、効果的なマーケティングが欠かせません。ターゲットに合わせた戦略を策定し、広告やSNSキャンペーンなどのプロモーションを展開することで、より多くの消費者にリーチできます。

8.アフターフォロー

製品が消費者の手に渡った後は、使用状況や効果に関するフィードバックを積極的に収集します。得られた意見や評価を基に製品の品質を改善し、顧客満足度を高めることで、長期的な信頼関係を築くことが可能です。

サプリメントOEMの選び方

この章では、OEM業者を選ぶ際のポイントをお伝えします。

  • 最小ロット数
  • 品質管理
  • 原料の種類
  • 実績

最小ロット数

まず、初回の注文に必要な最小ロット数を確認しましょう。自社の予算と照らし合わせて、製造コストが適正かどうかを判断するためです。

最小ロット数が適切でないと大量の在庫を抱えるリスクが生じるので、販売計画に合ったロット数の選定が重要です。また、需要の変動も考慮し、追加生産が可能かどうかも確認しておくとよいでしょう。柔軟に市場の変化に対応できる体制を築くことがポイントです。

品質管理

次に確認すべきは業者の品質管理体制です。品質管理が不十分な業者を選んでしまうと、製品の安全性に問題が生じかねません。

しっかりとした品質管理が行われているかを判断する基準として、以下の項目を確認しましょう。

・GMP認証を取得しているか
・第三者機関による検査を実施しているか

GMP(Good Manufacturing Practice)は、医薬品などの製造において品質と安全性を確保するための製造管理基準です。また、第三者機関は独立した組織として、公正で客観的な検査を実施します。

これらの基準を満たす業者を選ぶことで、安心して製品を消費者に提供できる環境が整います。

原料の種類

三つ目の選定ポイントは、依頼したいサプリメントや使用したい原料がそのメーカーで取り扱われているかどうかです。取り扱われていない場合は別の業者を探すか、妥協して別の原料を使用することになり、製品の品質や効果に影響を及ぼします。

このため、事前に業者の取り扱い原料を確認し、妥協せずに理想の製品を実現できるパートナーを選んでください。

実績

四つ目の選定ポイントは、業者の実績を確認することです。既存顧客の評価や過去の実績をチェックし、特に自社の作りたい製品に関して豊富な実績を持つメーカーを選びましょう。

業者によって得意とするサプリメントの形状や種類が異なるため、これを踏まえた選定が必要です。

●形状例:錠剤、ハードカプセル、ソフトジェル、粉末、顆粒、液体など

●種類:
・ベースサプリメント:日常的に摂取する基本的な栄養素を補う(ビタミン、ミネラルなど)
・ヘルスサプリメント:特定の健康課題や美容の目標に対応する(イソフラボン、プロポリスなど)
・オプショナルサプリメント:健康を維持・増進するために使用される(ウコン、グルコサミンなど)

アランくん

実績のある業者を選定することで、サプリメントの品質や製造プロセスにおいても高い水準を維持できます。

サプリメントOEMの注意点

次に、OEM業者を選ぶ際の注意点を二つ解説していきます。

サプリメントOEMの注意点
  1. コミュニケーション
  2. 契約内容の確認

コミュニケーション

一つ目は、コミュニケーションが円滑かどうかです。OEMメーカーとのコミュニケーションがスムーズだと問題発生時の対応が早くなり、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。

初期の問い合わせや契約前の面談の段階で、業者の対応速度や聞く姿勢をチェックしておきましょう。

契約内容の確認

また、契約内容の確認も十分に行ってください。

・契約条件
・納期
・価格設定
・品質保証 など

これらの項目が曖昧であると、後々のトラブルにつながりかねません。不明瞭な点やリスクが少しでも感じられる場合は契約を結ぶ前に業者と細部まで確認し、疑問点を解消しておくことが肝心です。

アランくん

必要であれば専門家の助言を仰ぐことも一つの手段です。

サプリメントOEMの成功事例

この章では、サプリメントOEMの成功事例をご紹介します。参考にしてください。

スポーツサプリメント

スポーツサプリメントやトレーニング用品を取り扱う企業の事例です。同社は市場価格よりも安価で質のよい製品を提供したいと考え、OEMを活用しました。

OEMメーカーからは原料の提案だけでなく、コスト削減などの総合的なサポートを受け、スピーディに製品をリリース。製品のレビュー評価が高く、今後も利用したいと考えています。

出典:株式会社サプリスタンダード「GronG(グロング)様の事例」

美容サプリメント

次に紹介するのは、美容サプリメントの事例です。あるサロン用化粧品の販売会社は、50代以上の女性のニーズに応じたサプリメントをOEMで製造しました。

利用したOEMメーカーは品質管理の認証制度を取得しており、長年の技術を基に適切な提案を実施。サプリメントの効果とともにおいしさを追求し、何度も試作しました。

結果、完成した商品は10年以上にわたり同社のメイン商品となっています。

出典:フィブロ製薬株式会社「OEM開発事例」

サプリメントECの構築・運用・物流はオーダー!にまるっとおまかせ

オーダー!は、クライアント企業を総合的に支援するビジネスコンシェルジュサービスです。サプリメント(健康食品)のECサイト構築から運用、物流代行に至るまで、ワンストップで対応。サプリメント(健康食品)ならではの消費期限管理・ロット管理・トレーサビリティなどの対応も可能です。

これにより、お客様はマーケティングや販売活動といったコア業務に専念することができます。

EC関連サービスの具体的な内容をご紹介します。

(個別相談メニュー)
・ECサイト構築、運用:構築、運用、物流をトータル支援
・ECサイトからの問い合わせ対応代行:返信テンプレートの作成と返信対応
・SNS運用代行:投稿や画像作成、写真撮影の代行
・CMS導入:他社制作のサイトも対応可
・CMSセキュリティ対策:バージョンアップやセキュリティ対策を実施
・レスポンシブ化
・SSL化
・バナー制作:アイキャッチ画像やバナー、SNS投稿用の画像など。1点から作成可
(定額運用メニュー)  
必要な業務を契約期間や時間に合わせて選択し、ご利用いただけます。
※対象業務は契約時に決定

<対象業務例>
・商品管理(マスター管理、在庫管理、仕入管理)
・サイト管理(在庫登録、在数更新、商品登録、更新)
・特集ページやランディングページ作成
・ニュースリリースなどの追加・修正・変更 ・レポート作成
・その他、運用・保守業務 など

<スタンダードプラン>
・12万円/月(税抜) 
・契約期間:3ヵ月毎
・実働時間:30時間/月
 ※依頼内容や条件により、金額が変わる場合があります。

オーダー!では物流代行や事務作業のサービスも提供しており、お客様のご要望に細やかに対応いたします。

【物流サービス内容】
・入荷、入庫:
目視やハンディチェッカーで商品の数量を確認。仕分けを行い、必要なときにすぐ取り出せるように配置

  ・検品:
汚れや傷、機能不良、異物混入、サイズ不備などをチェック。全数検査やサンプル検査、機器類の動作確認・通電確認にも対応

  ・在庫管理:
専用システムでお客様も在庫数を確認可能。返品処理や棚卸しなども実施   ・帳票発行:注文書や納品書など

  ・ピッキング、流通加工:
商品の種類や個数を確認し、破損がないかチェック。流通加工では、検針やタグ付け、値札付け、プレゼント包装、箱詰めなどを実施

  ・梱包:
商品や伝票のミスがないかの最終チェックを行い、丁寧に梱包

  ・出荷:
出荷登録や送り状・明細の発行を実施。運送会社と有利な料金契約を結び、価格メリットを提供するとともに、個人事業主向けの匿名発送や、国際郵便(EMS)を利用した海外発送代行も対応  
【事務業務のサービス内容】  

(個別相談メニュー)
   ・定期レポート作成:  
ECサイトや売上データを基に希望に合わせて作成

・外部からの問い合わせ対応代行:
サイトからのお問い合わせへの返信代行、担当者への引継ぎなど

  (定額運用メニュー)  
<対応業務例>
・レポート作成
・各種問い合わせ対応の1次窓口 など

<スタンダードプラン>
12万円/月(税抜) 
契約期間:3ヵ月毎  
実働時間:30時間/月  

※依頼内容や条件により、金額が変わる場合があります。

サービス内容が気になる方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

サプリメントOEMのまとめ

この記事では、サプリメントOEMの概要から具体的なメリット、実施ステップまでを解説しました。

OEMを利用することで初期コストを抑えつつ、品質の高い製品を効率的に販売できます。記事で紹介した選定ポイントを参考に、信頼できるOEMパートナーを見つけ、ビジネスのさらなる成長を目指しましょう。

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