商品を安全かつ効率的に顧客へ届けるには、段ボールの選択と梱包技術が重要です。段ボールでの梱包は単なる作業ではありません。適切な梱包方法を身に付けることで、労力の無駄を省き、顧客満足度の向上が期待できます。
この記事では、段ボールの選び方から商品別の梱包テクニックまでを詳しく解説。物流のプロの視点から、効率的な梱包プロセスを実現するポイントをご紹介します。記事に書かれている知識を活用し、物流の品質をアップさせましょう。
段ボール梱包の手順
まず、段ボール梱包の手順を確認していきます。
- 商品の検査
- 梱包資材の準備
- 商品の梱包
- 書類の準備
- 封をする
1.商品の検査
配送前に商品の色、サイズ、状態を入念に確認します。注文された商品との相違点、傷、または不良箇所がないかをチェックしてください。
2.梱包資材の準備
段ボールと梱包材を準備します。商品のサイズや重量、脆弱性に応じて適切な材料を用意しましょう。
※準備物や商品別の梱包方法については後述します。
3.商品の梱包
商品を緩衝材、袋、または包装紙で丁寧に包みます。包んだ商品を段ボールの中に入れ、段ボールと商品の間に隙間がある場合は緩衝材で埋めましょう。
4.書類の準備
納品書やショップカード、プロモーション用のチラシなど、必要な書類を忘れずに同封します。クーポンやサンプルなどを同梱するのも効果的です。
5.封をする
段ボールに商品と必要書類を入れた後に、クラフトテープや布テープを使って封をします。テープはシワが出ないようにまっすぐに貼り、丁寧な印象を与えましょう。
段ボール梱包の基本
続いて、段ボールのサイズや選び方などの基本を解説していきます。
準備物
梱包の際に準備すべきものは以下のとおりです。
・段ボール:他の資材よりも強度が高く、荷物の破損を防げる
・梱包用テープ:ダンボールの組み立てや封をする際に使用。ダンボールの全体的な強度を高める。布テープやクラフトテープなど
・緩衝材:商品に巻いたりダンボール内の隙間に詰めたりし、輸送時の衝撃や商品の破損を防ぐ
ダンボールのサイズ・選び方
ダンボールのサイズは箱の長さ、幅、高さの3辺の合計で決定されます。組み立て後の寸法で長辺が「長さ」、短辺が「幅」、蓋から底までが「高さ」です。この3辺の合計を出し、より大きいほうのサイズが適用されます。
例えば箱の長さが35cm、幅が16cm、深さが25cmの場合、3辺の合計が76cmであるため段ボールは80サイズとなります。
ダンボールは商品がぴったり収まるサイズを選ぶことがポイントです。荷物の大きさに基づいた配送コストを最小限に抑え、余分な費用を避けられます。
ダンボールの組立方法
まず、底部が抜けないように梱包テープでしっかりと補強します。梱包テープの貼り方は箱の強度を高める十字貼りやH貼りがおすすめです。
梱包テープを使用せず、底を重ねて閉じるのは避けましょう。強度が足りず、底が抜ける危険性があります。また縦貼りも軽いものには使用できますが、重いものを発送するときは使用しないほうが安全です。
緩衝材の使い方
梱包時には、商品をプチプチなどの緩衝材で包んでから段ボールに入れましょう。
商品を緩衝材で包むだけでも保護性は向上しますが、さらに輸送の衝撃を防ぎたい場合はダンボール箱の底面や側面にもプチプチやミラーマットなどの緩衝材を敷いてください。箱自体のショックの吸収性や緩衝性が高まります。
段ボールの蓋を閉じる前に上部にも緩衝材を追加すると、さらに破損リスクを抑えることができます。
商品別・梱包の注意点
続いて、商品別に梱包の注意点を述べていきます。
衣服
衣類の場合は、まず透明なビニール袋やOPP袋を使用し、水濡れや汚れから衣服を守ります。シワを防ぐために、厚みを均一にして慎重に折りたたんでください。
衣類は衝撃に比較的強いため、宅配袋を利用するのもよいでしょう。宅配袋はダンボールよりも軽く、かさばらないためコストを抑えられます。
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ビン
ビン類は配送中の衝撃によって破損する可能性があるため、プチプチや発泡緩衝材でしっかりと包み込み、テープで止めます。
緩衝材で包んだビンをダンボール箱にセットした後は、エアークッションなどを使って箱内の空間を埋めましょう。これにより、ビンが箱の中で動かないように固定できます。
段ボール箱の他、専用ケースで発送すると確実にビンを保護できるので安心です。
人形・ぬいぐるみ
大きな人形やぬいぐるみは段ボールで発送します。水濡れや汚れから守るため、商品をビニール袋やOPP袋に入れてから箱に収めましょう。
ぬいぐるみは圧縮袋を利用して、かさを低くする方法もあります。この方法はコストを削減できますが、ぬいぐるみの形が崩れる可能性もあるため、受け取り手の同意を得ることが必要です。
パソコン
パソコン梱包でもっとも安全なのは、購入時の箱を使用することです。購入時の箱を使用できない場合は、パソコン用のダンボール箱を用意します。
パソコンは衝撃に弱いので、本体をビニール袋とプチプチでしっかりと包み込んで保護します。パソコンを段ボールにセットした後は、隙間が生じないように緩衝材で箱の内側を埋めてください。
付属品もビニール袋とプチプチで包みましょう。
梱包資材の調達方法
梱包資材は調達する場所によって、気を付けるべき点が異なります。この章では各調達方法のメリット・デメリットをご紹介します。
専門業者
専門業者から梱包資材を調達する場合は、以下のメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・段ボールが直接オフィスに配達されるので受け取りが便利
・大量購入すると割安になる
・サイズや形状の選択肢が豊富にあり、特定の商品仕様に合わせて最適なダンボールを選べる
【デメリット】
・大量購入が基本であるため、必要な分だけの小量購入が難しい
・保管スペースの確保が必要
以上のことから、専門業者での調達は多くの取引が見込まれる企業に向いています。
宅配業者
宅配業者からのダンボール購入は、特に小規模なビジネスや緊急時に便利です。
【メリット】
・1枚から購入でき、配送料を見積もりやすい
・多くの地域に宅配業者の店舗があるので、アクセスが容易
【デメリット】
・ダンボールに宅配業者のロゴが入っている
・サイズや形状の選択肢が限られる
商品のブランディングや外観にこだわる場合は、他の調達方法を検討しましょう。
ホームセンター
次に紹介する方法は、ホームセンターでの梱包資材購入です。
【メリット】
・資材の質感やサイズを直接確認しながら選べる
・1枚から購入可能で、余分な在庫を抱えることがない
・急ぎの際や特定のサイズを必要とする際にすぐ対応できる
【デメリット】
・大型のダンボールは運搬が大変で、車での持ち帰りが前提
保管スペースが限られている場合、ホームセンターでの調達が理にかなっています。必要数のみ購入することでスペースの管理が可能です。
100均
最近は多くの100円ショップで梱包資材を取り扱っています。
【メリット】
・小規模な梱包作業に対応できる
・資材の入手が簡単
【デメリット】
・大きなサイズの段ボールは販売されていない可能性がある
予期せぬトラブルや梱包材の急な不足が生じた場合でも、身近な場所で必要な資材をすぐ調達できる利点があります。
段ボール以外の梱包方法
段ボール以外の梱包方法として、ギフトボックスや宅配袋・封筒などがあります。各方法のメリット・デメリットを把握し、シチュエーションによって使い分けましょう。
ギフトボックス
ギフトボックスは、見栄えを重視したいときにおすすめの梱包です。さまざまな形や色で提供されており、商品に高級感や独自性を加えることができます。
ただし、ギフトボックスのデザインや質感に力を入れるとコストが増加する可能性があるので、コスト管理には注意が必要です。
宅配袋・封筒
宅配袋・封筒は、段ボールに比べて軽量であるため配送コストを削減しやすい点がメリットです。形が不規則な商品や衣類のような柔らかいアイテムを送る場合に最適で、商品をスムーズに梱包できます。
しかし、衝撃や圧力には弱く、ガラス製品や電子機器など破損リスクが高いアイテムには適していません。
段ボール梱包のポイント
続いて、段ボール梱包のポイントをお伝えします。
重量のあるものは分ける
重量のあるアイテムを梱包する場合は分けて梱包しましょう。一人で運べないほど重いものは、荷物の受け取り拒否やダンボールの破損リスクがあるためです。
無理せず小分けにすることで搬送中の安全性が向上し、確実に商品を届けられます。
重いものは下へ
さまざまなアイテムを一つのダンボールに詰めるときは、重いものを下にし、軽いものを上に配置することで荷物の破損を防げます。
重いものをダンボールの底部に置くと安定性が増し、軽いものが圧迫されません。輸送中に内容物が動いてしまうリスクを減らせます。
企業専用の段ボールを利用する
ロゴ入りのダンボールやカスタムシールを利用すると、ブランドのアイデンティティを高め、消費者にプロフェッショナルな印象を与えられます。見た目にこだわったパッケージはSNSでのシェアが期待でき、間接的なマーケティング効果もあるでしょう。
オリジナル段ボールで商品の形状に合わせた仕切りを活用すれば、緩衝材の使用を減らせるうえに分別も簡単になります。
梱包を代行する
梱包代行サービスの利用により、時間と労力の節約および物流品質の向上が可能です。
プロの代行サービスでは検品から在庫管理、発送業務まで一括して依頼できるので、事業者は他の業務に集中できるようになります。
また、物流サービスの発送費用は特約契約が一般的です。通常の発送費用よりも安くなるため、EC運営全体のコストを考えるとプロに任せたほうが効率がよいといえるでしょう。
EC運営に集中したい場合、物流効率をアップさせたい場合は代行がおすすめです。
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梱包の代行はオーダー!におまかせ
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【具体的なサービス内容】
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- 個人事業主向け 在庫管理・発送:小規模でも利用可能な在庫管理と発送サポート
- 海外向け発送:国際郵便(EMS)を利用した海外発送
- 検品代行:全数検査やサンプル検査など、ご要望に応じて対応
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段ボール梱包のまとめ
この記事では、段ボールの梱包方法とそのポイントについて解説しました。以下の要点を確認し、梱包作業を効率化しましょう。
・重量のあるものは分ける
・軽いものは上に、重いものは下に詰める
・企業専用の段ボールでブランド認知を拡大する
・梱包を代行する
オーダー!では、お客様のご要望に応じた梱包代行サービスを提供しています。商品を頻繁に出荷する事業者の方、より高い物流品質を求める方はぜひお問い合わせ下さい。
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