Shopifyで販路を広げるには、海外向けに商品を販売する「越境EC」に目を向けてみるのもいいでしょう。しかし、マーケティングや物流など課題が多く、ハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Shopifyで海外展開をお考えの方へ向けて、Shopifyを活用した越境ECの始め方から成功のコツまでを詳しく解説します。
Shopifyで越境ECを行うメリットや注意点、設定方法、成功事例など、Shopifyを使って海外に商品を販売したいと考えている事業者に向けた必見のガイドです。ぜひ参考にしてください。
Shopifyで越境ECを行うメリット
Shopifyが海外販売向きと言われる理由はどこにあるのでしょうか?ここでは、Shopifyで越境ECを行う主なメリットを解説します。
- 多通貨、多言語に対応
- 決済方法が豊富
- 海外発送の設定がしやすい
- 変化に応じてカスタマイズしやすい
多通貨、多言語に対応
Shopifyは多言語と多通貨に対応しており、50以上の言語と130以上の通貨をサポートしています。主要な箇所は言語設定を行うだけで自動的に他の言語に対応し、通貨は自動でレート変換されるため、自分で細々とした設定をする必要がないのが利点です。
決済方法が豊富
越境ECで押さえておきたいのが、国や地域によって顧客が好む決済方法が異なること。
例えば、欧米ではクレジットカードやPayPal、中国ではAlipayや銀聯カードが好まれる傾向にあります。
Shopifyは100種類以上の決済方法に対応しています。顧客が使いたい決済方法が提供されていれば、購入の後押しにもつながります。
▼Shopifyの決済代行サービスについて詳しくはこちら
海外発送の設定がしやすい
Shopifyは、送料の設定、関税や税金の計算、送り状やインボイスの作成など、海外発送に必要な設定が簡単に行えます。これにより、複雑な物流プロセスを効率化できます。
越境ECにおける発送業務の重要性については後述しますが、まずは設定をスムーズに行えることが海外発送ではとても重要です。
変化に応じてカスタマイズしやすい
Shopifyの魅力の一つは、なんといってもその高い拡張性。
通常、一度構築したECサイトを変更するには多大な時間と労力が必要です。
その点、Shopifyでは簡単にアップデートが行えるため、世界の市場環境やトレンドの変化、ビジネス規模の拡大に柔軟に対応でき、常に最適な形で運営することができるのです。
Shopifyで越境ECを行う際の注意点
Shopifyで越境ECを行う上で知っておきたい主な注意点を2つ解説します。
- 自身で集客をする必要がある
- 英語力が求められる場合がある
自身で集客をする必要がある
一般的に、Shopifyは大手ECモールと比べて集客力が弱いと言えます。
Amazonや楽天といったECモールでは、サイト内の検索で発見してもらえるチャンスがありますが、Shopifyでは自社で認知向上、ブランド力強化、広告、SEOなどの集客戦略を立てる必要があります。
効果的な販促活動を行うためには、しっかりとしたマーケティング計画が重要です。
▼Shopifyの販促活動について詳しくはこちら
▼ShopifyのSEO対策について詳しくはこちら
英語力が求められる場合がある
Shopifyはカナダ発のサービスですが、日本語サポートは増えつつあります。
しかし、海外の顧客からの問い合わせやカスタマーサポートには英語が必要になることも。自社で対応する可能性も考慮に入れておきましょう。
Shopifyで越境ECを始める手順
配送エリアの設定
Shopifyは初期設定で海外発送ができるようになっていますが、設定画面で海外発送の設定を確認し、配送エリアを追加する必要があります。
適切な配送オプションを設定することで、国際配送をスムーズに行えます。まずは、海外発送の設定がされているか設定画面で確認しましょう。
送料と関税の設定
国や地域ごとに送料や関税が異なるため、適切に設定することが重要です。送料と関税の設定には、便利なアプリを利用すると効率的です。
顧客に正確な送料や関税を提示することは、顧客の信頼を得るためにも欠かせません。
▼Shopifyで海外発送を行う手順などについて詳しくはこちら
梱包・配送
複雑なプロセスの多い梱包作業、これらは自社で行わなくてはなりません。国内向けの配送と違い、海外では荷物が乱雑に扱われることも少なくありません。厳重な梱包が求められるため、しっかりとした梱包の資材や技術が必要です。
とはいえ、過剰な梱包は輸送費がかさむ要因に。そもそも海外向け発送は輸送距離が長く、昨今のコストの上昇で配送コストは利益を圧迫しがちです。
そのため、効率よく発送業務をしてくれるプロに任せるのもおすすめです。配送業者選びは、越境EC において非常に重要です。信頼できる配送業者を選ぶことで、物流の最適化ができ、顧客満足度を高めることができます。
▼海外発送の注意点などについて詳しくはこちら
まずは、ECを始めるために必要な手順をリストアップしてみましょう!
越境ECに役立つShopifyアプリ5選
越境ECに役立つアプリをカテゴリー別に紹介します。他にもたくさんのアプリが用意されているので、ぜひ自社のニーズに適したアプリを探してみてください。
- 多言語対応:Langify
- 多通貨対応: Multi Currency Converter by Hextom
- 物流管理:Easyship
- レビュー収集:Yotpo
- SEO対策:SEO Manager
1.多言語対応:Langify
引用:https://apps.shopify.com/langify
Langifyは、Shopifyストアを多言語対応にするためのアプリです。自動翻訳機能と手動翻訳機能があり、簡単に希望の言語に翻訳することができます。翻訳されたページごとに別ドメインが設定されるのも特長。現地の検索エンジンでヒットする確率が高くなります。
$17.50/月 7日間の無料体験あり
2.多通貨対応: Multi Currency Converter by Hextom
引用:https://apps.shopify.com/translate-my-store
顧客が自国の通貨で商品を表示・購入できるようにする多通貨対応アプリ。180以上の通貨に対応、自動為替レート更新機能を備えており、ChatGPT-4、Claude 3、Google AIなど、AIによる翻訳も可能です。
無料プランあり 有料プラン$9.99/月~
3.物流管理:Easyship
引用:https://apps.shopify.com/easyship
Easyshipは、物流プロセスを効率化し、配送の追跡や管理をサポートするアプリです。豊富な配送オプションの中から自動的に最適な配送方法を計算し、各国の関税や税金を自動で計算。顧客はチェックアウトする際に正確な金額を知ることができます。
無料プランあり 有料プラン$29/月~ 14日間の無料体験あり
4.レビュー収集:Yotpo
引用:https://apps.shopify.com/yotpo-social-reviews
Yotpoは、製品レビューを収集し、表示するための強力なアプリです。顧客からの写真付きレビューや星評価を収集し、自動でレビューリクエストを送信する機能を提供。顧客の信頼性を高め、購買意欲を向上させるのに役立ちます。
無料プランあり 有料プラン$15/月~
5.SEO対策:SEO Manager
引用:https://apps.shopify.com/seo-meta-manager
SEO Managerは、ShopifyストアのSEOパフォーマンスを向上させるためのツールセットを提供するアプリです。キーワード分析、ページ最適化、エラーチェック機能を備えており、検索エンジンでの可視性を向上させることができます。
$9/月~ 7日間の無料体験あり
▼Shopifyアプリについて詳しくはこちら
Shopifyの越境EC成功事例
では、実際にShopifyの越境ECで成功している事例をご紹介します。Shopifyで作られたサイトは多数ありますので、参考にするとよいでしょう。
- 飲食:ゴーゴーカレー
- 雑貨:KINTO
- アパレル:Tabio
- ゲーム・アニメ:Solaris Japan
飲食:ゴーゴーカレー
引用:https://gogocurry.com/english/public_html/
ゴーゴーカレーは、金沢カレーブームを巻き起こしたカレーチェーン店。日本国内外の顧客にカレールーや関連商品を販売し、ニューヨークでも人気を集めています。
Shopifyを採用した主な理由は、機能の拡張性の高さ、さらにドメインを変更せずに通貨や言語設定ができ、海外展開が容易に行えること。その結果、Shopifyでのサイトリニューアル後には売上300%アップを達成したそうです。
雑貨:KINTO
引用:https://kinto.co.jp/
KINTOは、高品質なデザインと機能性を兼ね備えた生活雑貨ブランドです。
Shopify Plusの最大10サイトまでサイト運営できるサービスを利用し、英語など複数言語に対応したヨーロッパ向けのサイトや、BtoB向けの卸売サイトなどを運営し、幅広い商品ラインナップを提供しています。
アパレル:Tabio
引用:https://tabiousa.com/
Tabioは、靴下ブランド「Tabio」や「靴下屋」を展開する企業です。中国、イギリス、フランスに店舗を持っており、海外向けECサイトは日本向けとは別にShopifyで構築されています。
海外向けでは文字よりもビジュアルが多めなのも特徴です。操作性の高さや決済機能の充実がShopify採用の決め手となったそうです。
ゲーム・アニメ:Solaris Japan
引用:https://solarisjapan.com/
Solaris Japanはドイツ人の創業者による日本のゲームやアニメ関連商品を販売するオンラインストア。豊富な商品ラインナップと迅速な配送が特徴で、世界中のファンから高い評価を得ています。
Shopifyは顧客にとって使いやすく、Shopifyを採用してからはユーザーのサイト滞在時間が増え、売上もアップしたそうです。
様々なジャンルのビジネスがShopifyで成功を収めているんですね!
Shopifyで越境ECを成功させるポイント3つ
ここでは、Shopifyでの越境EC成功の秘訣を3つ解説します。
- 現地の顧客ニーズを把握する
- その国や地域の文化や慣習に適応する
- 発送業務を外部に委託する
1.現地の顧客ニーズを把握する
当然ながら、現地顧客の嗜好やニーズは日本とは大きく異なるものです。そこで、これらを把握するためのマーケティング調査を行うことが重要です。
アンケート調査はもちろん、現地で主要なコミュニケーションツールやSNSは何かを把握するのも役立ちます。
もしその国や地域でインフルエンサーと呼ばれる人たちがいたら、その発信内容をチェックすれば顧客のニーズやトレンドを理解する助けになるでしょう。
2.その国や地域の文化や慣習に適応する
海外市場での成功には、各国の法規制や商習慣の理解が必要です。
祝日や記念日、イベントなどは購買に大きく影響します。これらに合わせた商品開発や販促活動を行い、それに伴う発送業務の調整も必要になります。現地の文化に適応することで、顧客との信頼関係を築くことができるでしょう。
3.発送業務を外部に委託する
先述したように、越境ECでは物流が非常に重要です。物流コストがかさめば売上に影響し、物流の質は顧客満足度へ大きく影響します。
ビジネスが順調に成長するほど物流負担がのしかかってくるため、早い段階で発送代行サービスを検討するのがおすすめです。
配送コスト削減、人的ミスの防止、業務の効率化、顧客満足度の向上など、メリットは計り知れません。依頼できる業務は業者によって様々なので、自社のビジネスに適したサービスは何か、一度相談してみるとよいでしょう。
越境EC Shopifyの構築/運用や発送代行はオーダー!におまかせ
オーダー!では、大企業から中小規模のビジネスまで、越境ECを展開する企業のコンシェルジュとして幅広く業務をサポートしています。
発送業務はもちろん、サイト構築や運営、それらに付随する事務作業まで含めた業務を、まるっと一気通貫でサポートができるのがオーダー!の強みです。
社内業務を一括でアウトソースすれば、大幅な業務改善が実現できます。
Shopifyの越境EC代行は、契約期間や時間に合わせて、必要な業務を選択して依頼できる定額運用メニューがおすすめです。
【まるっとお任せ!定額運用メニュー(一例)】
●スタンダードプラン12万円(税抜)/月
●契約期間:3か月毎
●実働時間:30時間/月
●業務の例
- 商品管理(マスター管理、在庫管理、仕入管理)
- サイト管理(在庫登録、在数更新、商品登録、更新)
- 特集ページやランディングページ作成
- ニュースリリースなどの追加・修正・変更
- レポート作成など
※ECサイト構築・物流のアウトソーシングについては個別相談にて対応いたします
※ご依頼内容に合わせてプランをカスタマイズできます
「越境ECにチャレンジしたいが何から始めていいかわからない」「社内のリソース不足で困っている」という方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
Shopifyで越境ECを始める際に知っておきたいことをご紹介しました。
Shopifyの越境ECの設定自体はそう難しくありません。しかし、成功のためには、現地顧客のニーズ把握、文化や慣習への適応、効果的なマーケティング戦略の実施など、数多くの課題をクリアする必要があります。
自社だけで対応が難しい場合は、ECビジネスや物流のプロのサポートを得ることも必要です。自社に合ったパートナーと共に、越境ECでの成功を目指しましょう。
▼あわせて読みたい