- 棚卸や在庫数の確認作業に人員リソースを費やしてしまっている
- 物流をスムーズにして自社のコア業務に注力したい
このようなお悩みを抱えていませんか?
取り扱い在庫数が多くても効率の良い物流を行いたいなら、在庫管理の見える化が必要です。
在庫管理を見える化すると余剰在庫や欠品を防げたり、業務効率化によりコストを削減できたり、様々なメリットがあります。
また、在庫管理を見える化し、物流の品質を保つことで返品率を下げる効果も期待できます
本記事では、在庫管理を見える化するメリットや事例、導入すべきシステム、業務効率化におすすめの物流代行業者を紹介します。ぜひ参考にしてください。
なお、在庫管理のやり方全般に関しては、以下の記事をご参考にしてください。
在庫管理の見える化は主に2つ
在庫管理の見える化には、「現品の見える化」と「情報の見える化」の2つがあります。
「現品の見える化」は文字通り、保管している商品の場所が目視で分かる状態のこと。実際の個数や商品状態の把握が容易になります。
発送商品が一目瞭然となるため、新たにピッキング担当を雇用したときにスムーズに引継げるメリットもあります。
一方「情報の見える化」は、データで在庫変動や在庫数などを可視化できる状態を指します。倉庫内のどの位置にどの商品があるのかなどを記録し、スムーズな物流導線を作ることが可能です。
また、ECサイトと連動させた情報の見える化システムを導入すれば、余剰在庫・在庫不足の軽減や、ロット管理による先入れ・先出しができるようにもなります。
1.現品を見える化する方法
では実際に現品を見える化するには、どうすればよいのでしょうか。二つのロケーション管理を解説します。
ロケーション管理
ロケーション管理とは、倉庫内の商品場所に番地をふって保管する方法です。どこに何があるのかを管理することで、倉庫内で商品を探し回る無駄をなくします。
ロケーション管理には、固定ロケーションとフリーロケーションの二つがあります。違いを確認しましょう。
固定ロケーション
固定ロケーションとは、商品を決まった場所に保管して管理することです。
常に同じ商品が同じ場所に保管されるため、定番商品の割合が多い会社や取り扱い商品数が少ない会社に適した管理方法です。
在庫数の把握や商品の補充が容易に行えるメリットがある一方で、保管する場所が決められていることから収納効率が悪くなるデメリットが生じます。
フリーロケーション
フリーロケーションは固定ロケーションのように商品の番地を決めず、空いているスペースに保管していく方法です。
空きスペースを活用できるため、収納効率が良いというメリットがあります。新しいものは奥に保管していくなど流動的な在庫保管ができるので、サプリメントや食品など期限が定められている製品に適しているといえます。
しかし、フリーロケーションは保管場所が一定ではありません。そのため、在庫担当が複数人いる場合はこまめな情報共有が必要となります。
5Sの導入
在庫を見える化するには、5Sの導入も必要です。
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(ルールの習慣化)を指します。5Sが導入されていないと本来置くべき場所に商品が置かれていなかったり、整頓されずに置かれていたりし、誤配送や個数の数え間違いが起きることも。
こまめに清掃を行って在庫管理場所を清潔にしておくことで、製品の外箱などの破損を防ぎ、品質を保てます。
5Sの徹底とロケーション管理によって、在庫(現品)の見える化を実現できるのです!
2.「情報」を見える化する方法
在庫管理の情報を見える化する方法には、以下の4つがあります。
在庫管理システム・アプリの導入
情報を見える化する方法の一つに、在庫管理システムの導入があります。
在庫管理システムには様々な機能が備わっており、在庫管理業務を一元管理できるメリットがあります。スタッフ内でリアルタイムで在庫状況を共有できるため、フリーロケーションで在庫管理を行っている会社にも適しています。
【在庫管理システムの主な機能例】 ・在庫管理…倉庫管理システムとの連動で倉庫内の商品の場所がすぐに分かる、返品が発生した際に入出庫のデータを修正できる ・入出庫管理…商品の入出庫に関する情報を管理する、ハンディターミナルとの連携で入力作業や棚卸業務を効率化できる ・在庫分析…在庫や入出庫に関する過去のデータを集計・分析する ・データ・システム連携…CSVデータや外部情報、システム(POS(販売管理)や受注管理システムなど)と連携し、商品を売るまでの作業をサポートする |
在庫管理システムについては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
在庫管理アプリについては以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
エクセル管理
在庫管理システムを導入する予算がない場合は、エクセル管理も方法の一つです。思い立ったら即導入でき、データ入力が簡単にできる点が魅力です。
シートの使い分けによって商品ごとの管理が可能ですが、商品数が多い場合は入力や管理など業務の負担が多くなります。特に複数人で管理している場合は、入力ミスによる在庫のズレに注意が必要です。
在庫管理をエクセルで行う方法については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
エクセル管理の目安は100アイテム
在庫管理をエクセルで行う場合、取り扱いアイテム数は100程度を目安にするとよいでしょう。
この100程度という数字は、弊社の様々なお客様へのヒアリングから割り出したものです
一般的に100アイテム以内で販売しているECショップは楽天、Yahoo!、その他何社かの販売チャネルを利用しています。
在庫管理に対して課題意識が高いショップは、自社に合った在庫管理システムを使用し、管理していますが、ほとんどのショップはエクセルで在庫管理しているのが実情です。そして、エクセルの入力漏れが発生した場合、以下の事象が生じます。
入力ミスや漏れなどにより、在庫数のズレが発生 ⇒注文があるにもかかわらず、在庫が無いという現象が起きる ⇒在庫を修正するため、人件費をかけて毎週末に棚卸を行い、在庫修正を行う |
このことから弊社ではエクセルで管理できるアイテムは大体100以内と考え、これ以上のアイテムを管理する場合は在庫システムの導入など、他の方法を推奨しています。
IT機器の活用
在庫管理で情報を見える化する方法として、IT機器の活用も挙げられます。
【在庫管理に活用できるIT機器例】
ビーコン
ビーコンとは、Bluetoothを利用し、近接したモバイル端末に信号を送る小型デバイスです。例えば倉庫管理システムと組み合わせると、倉庫内の商品の場所がすぐに分かり、ピッキングや棚卸業務の効率化が期待できます。
ハンディターミナル
ハンディターミナルは、バーコードリーダーやRFIDリーダー、無線LANなどを搭載した端末を指します。入力作業や棚卸業務を効率化できるため、物流をスムーズに行えるメリットがあります。
重量計
在庫管理に重量計を用いれば、在庫数を重さで管理・把握できます。1商品あたりの重さを設定しておくと自動的に重量を計測、個数を算出してくれます。
物流代行
「エクセル管理も在庫管理システムの導入も手間がかかりそう。。。」と感じている場合は、在庫管理から物流までを一括で委託できる代行業者がおすすめです。
在庫管理のプロである代行業者は在庫管理のノウハウを持っています。また、専用システムを使って在庫や顧客情報を管理するため、自社で行うよりも効率的です。
さらに、在庫管理以外の物流関連の業務(検品、流通加工など)も依頼できるので、販売業務や販促活動などのコア業務に専念できるメリットもあります。
物流代行については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
在庫管理見える化のコツ
この章では、在庫管理のコツを紹介します。参考にしてください。
在庫把握
まず、自社商品の在庫を把握しましょう。在庫を把握する方法は、以下のとおりです。
1.棚や在庫ごとに表示タグを付ける
表示札やタグなどのカードに品名・商品番号・情報更新日などを記載すると、商品を見つけやすくなります。
2.在庫ごとに管理場所を決める
商品やカテゴリーごとにまとめて保管することで、ピックアップ時に商品を探す手間が省け、見落としも防げます。
3.仕入れ時期ごとに、保管エリアを変更する
商品の仕入れ時期ごとに保管エリアを変更すると、早く仕入れたものから出庫でき、商品劣化を防げます。
これらの方法を実行すれば、在庫把握が容易になります。
棚卸を定期的に実施する
見える化で忘れてはならないポイントは、棚卸を定期的に実施することです。
定期的に棚卸すれば、在庫データと実際の在庫数が一致しているかチェックできます。もし一致していない場合、その場で原因追及できるため大きなミスを防げるのです。
労力はかかりますが、定期的な棚卸しは前述した5Sにも繋がり、在庫可視化のサポートになります。
棚卸については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
在庫管理を見える化するメリット
この章では、在庫管理の見える化がもたらすメリットを詳しく解説していきます。
過剰在庫・在庫切れを防げる
最初のメリットは、どのスタッフも倉庫の状況を把握でき、在庫切れや過剰在庫を防げることです。
例えば、データ上では「在庫あり」となっていても仕入れ数の相違や不良品、システム反映が追い付いていないなどが理由で、想定以上に在庫が少なくなっていることもあります。そのような場合も目視で在庫数を確認し、再発注を行うなど迅速な対応が可能になります。
倉庫スペースの削減
在庫管理を見える化すると過剰在庫を防げるため、倉庫の保管スペースも削減可能です。空いたスペースを他の作業へ有効活用するなど、倉庫の最適化を行えます。
コスト削減
様々なコストを削減できる点も、在庫の見える化がもたらすメリットです。
在庫切れや過剰在庫が起こらなくなる分、商品管理が容易になり、在庫管理に割いていた業務時間を減らせます。また、倉庫スペースも最適化できるため、商品の保管料を抑えることもできるでしょう。
業務効率化
在庫の見える化により、業務効率化も叶います。
(具体的な業務効率化の例)
・商品の場所が一目で分かるようになり、ピッキング作業がスムーズになる
・商品の場所を探し回る無駄が減り、発送業務を簡略化できる など
どのスタッフも商品の物量・場所を把握できるため、ピッキング担当者が急に休んでも、別の担当者が代行できるメリットもありますよ
在庫管理システムの導入、物流代行はオーダー!におまかせ
オーダー!は、企業の業務を幅広くサポートするビジネスコンシェルジュです。オーダー!の物流サービスでは、独自開発した在庫管理システムの導入を含む、お客様の在庫管理のトータル支援を行っています。
モノの保管や発送などの倉庫業務だけでなく、検品作業や簡単な組み立てなどの加工業務も対応可能。お客様の生産工場としてもご活用いただけます。
また、物流のプロとしてコンサルティングも行っており、業務効率化やコスト削減方法を提案できます。お客様のご要望に合わせた対応が可能ですので、ぜひお気軽にご相談下さい!
【オーダー!の物流代行メニュー例】
- ECサイトの商品 在庫管理・発送(入庫管理や出荷管理など物流に関する全ての業務)
- カスタマイズサービス(ギフト対応、組み立て、動作確認など)
- 海外向け発送(国際郵便発送)
- 検品代行(全数検査やサンプル検査などお客様の要望に応じて対応し、発送する)
- 物流システム導入(独自開発した物流システムを活用した導入支援)
- 内職代行(封入、ラベル貼り、小さなぬいぐるみの検品検針作業など)
- 物流業務プロセス見直しコンサルティング
在庫管理の見える化・事例
在庫管理の見える化には、押さえておきたいポイントがあります。見える化を行う前の課題やその解決法、その後の効果について実際の事例をもとに紹介していきます。
事例1:不良品と良品の在庫を見える化
商品の出荷時の検品で、不良品扱いとなる一番の理由が外装不良です。中身が良品であっても不良品として扱わなければいけません。
あるEC事業者の事例では、不良品を在庫から除くのを忘れてしまい、最終的に良品在庫が不足して出荷できなかったケースがあります。
そこで不良品に品番を付けて明確に分け、不良品の在庫数を見える化。その結果、在庫が合わなくなることがなくなりました。
課題 | 不良品を在庫から除く作業を忘れてしまい、最終的に良品在庫が不足となり出荷できなくなった。 |
解決策 | すでに導入していた在庫管理システムに不良品の品番を追加。出荷時に不良品が出た場合、その商品の在庫を良品の品番から不良品の品番に移動させ、不良品の在庫数を徹底管理した。 |
効果 | 不良品の在庫数を見える化できるようになり、在庫が合うようになった。 |
事例2:IT機器で見える化
次は美容品を取り扱う企業の事例です。
数えにくい商材を取り扱っているため、現時点でどのくらい在庫があるのか、スタッフ内で把握しづらいことが課題でした。
この課題を解決するために、在庫システムと連動させた重量計を活用。在庫数をリアルタイムで把握でき、業務効率化が叶いました。
課題 | 出荷可能な在庫がどのくらいあるのかをリアルタイムで確認できない。 |
解決策 | 重量計を導入し、自動で在庫の数量を見える化。全体の在庫数を1日1回メールで確認できるようにした。 |
効果 | 目視で確認していたスタッフの手が空いたため、注力したい他の業務に割り振りできるようになった。 |
事例3:在庫ズレ、欠品を見える化
在庫管理システムを導入していても、倉庫にある実在庫数とシステム上の在庫数が合わないケースも多々見られます。
生活雑貨を取り扱うショップでは単品販売の他、セット販売も行っていたため、在庫数の相違が生じることがありました。
そこで、誰でも利用できる在庫管理ソフトを導入。在庫ズレや欠品を見える化することで確認やミスへの対応が減り、人件費削減に成功しました。
課題 | 在庫管理システムを用いて管理していたが、倉庫の実在庫数と数が合わなかった。 スプレッドシートでも管理していたものの、属人化や手作業によるミス、ミスの原因が特定しにくい課題があった。 |
解決策 | 誰でも扱いやすい在庫管理ソフトを導入し、複数拠点の在庫管理を一元管理した。在庫をソフトウェア上で管理し、拠点の在庫数を同期。 |
効果 | 欠品の発生を事前に検知できるようになった。電話やメールで都度行っていた在庫確認をリアルタイムでシステム上で管理できることで確認の手間が減り、人件費を50%削減できた。 |
その他の在庫管理の改善事例については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
在庫管理の見える化・まとめ
本記事では在庫管理の見える化について解説しました。
在庫管理を見える化すると在庫数の相違が減り、スムーズな物流を行うことが可能です。また、欠品の防止やコスト削減、返品率の軽減による顧客満足度の向上なども期待できるでしょう。
在庫管理は、もちろん自社で行うことが可能です。しかし、商品数が多い、もしくは数量確認が難しい商品を扱っている場合は、物流代行業者の活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
在庫管理を含む、物流代行が気になる方はぜひオーダー!にご相談下さい。
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